パワハラでの転職理由もポジティブに伝えられる!転職を成功させる面接突破術

パワハラにより精神的苦痛を強いられ、退職せざるを得なくなってしまったというケースが多く発生しています。

どうしてもパワハラが改善できなかった場合、自分を守るために退職するのは正しい選択と言えるでしょう。

しかし、転職活動中の面接で転職理由を聞かれた場合、パワハラが原因の場合にはどのように答えるべきなのでしょうか。

この記事では、パワハラが原因で転職する場合の転職理由の伝え方について解説していきます。

どこからがパワハラと見なされるか

まずは、世間的にどこからがパワハラであると見なされるかを押さえましょう。

厚生労働省によると、職場におけるパワハラは下記のように定義されています。

“同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為”
(出典:厚生労働省公式ホームページ

「パワハラ」というと上司や先輩から受けるものであるイメージがありますが、厚生労働省は、同僚や後輩が「職場内の優位性」を背景に苦痛を与える行為をした場合も、パワハラに該当するとしています。

「業務の適正な範囲」については、基準があいまいであり、判断が難しいところでもあります。

例えば、上司が部下のミスをその都度指摘するのは業務の範囲と見なされパワハラには該当しませんが、業務に必要な範囲を超えた暴言や暴力が伴う場合はパワハラに該当するでしょう。

パワハラを転職理由として話す時は事実だけを伝えよう

パワハラを受けたことが原因で退職した場合、面接でパワハラを直接的な理由として話すことはあまり好印象ではありません。

伝え方によっては、あなたが一方的にネガティブに受けとめ、悪口を言っているだけではないか?という印象を与えてしまう恐れがあります。なぜなら、面接官は実際にあなたがパワハラを受けている場面を見ていたわけではないので、実際にどのくらい不当な扱いを受けていたのかが分からないからです。

しかし、面接では嘘をつかずに正直な受け答えをすることが重要です。

そのため、パワハラを転職理由として話す際は事実としての出来事だけを話しましょう。

例えば、「上司に毎朝1時間、理由もなく怒鳴られ、暴言を吐かれていた」というのは事実です。事実を話すだけであれば悪口を言っていることにはなりません。

しかし、怒鳴られたことによって「自分の何が悪いのか分からず悔しかった」というのは主観的な感情です。このような感情や受け取り方は人によって基準が様々ですので、説得力を欠いてしまいます。

具体的に、事実だけを話すようにしましょう。

パワハラを転職理由として話す時の注意点

その他、パワハラが原因で転職した場合、面接で転職理由を話す時は以下のことに注意しましょう。

パワハラを改善するために取った行動を伝える

パワハラをしてきた相手の言動について延々と話していると、「ただ不平不満を言っているだけ」と受け取られてしまい、「受け身の対応しかできず、他人のせいにする人」と見られてしまう可能性があります。

ただ受け身でいたわけではなく、パワハラを受けている状況を改善するために自分から行動を起こしたことを伝えましょう。

行動を取った上で改善しなかったため退職したと伝えれば、それなら退職しても仕方がないと納得してもらえます。

前向きな話でまとめる

前職ではパワハラに悩んでいたが、今後はこんなことをしていきたいという前向きな展望で話をまとめましょう。

「前職の経験を活かして、御社ではこんな風に活躍していきたい」「こういう理由で御社を志望しました」など、過去の経験と今後のキャリアビジョンや志望動機とつなげると、入社への意欲を効果的に伝えることができます。

明るい表情や声で話す

パワハラを受けたことが原因での転職で、転職理由を話しているとつい表情が暗くなってしまうかもしれません。

しかし、面接を突破して転職を成功させるために、あえて明るく振舞いましょう。

面接官の目を見て、大きな声でハキハキと快活に話しましょう。明るく話すことで自信に満ちた印象を与えられますし、一緒に働きたいと思ってもらうことができます。

パワハラを転職理由にする時の回答例

パワハラが原因で転職をした場合、面接で「パワハラ」という言葉を使って転職理由を話すのは望ましくありません。代わりに、起こった出来事を具体的に述べるようにしましょう。

以下の、ケース別の回答例を参考にしてみてください。

<厳しい営業ノルマを課せられていた場合①>
「売上達成と顧客ニーズに応えることを両立したく、転職を決意しました。

現在営業職をしており、売上目標を達成するために努力をしながらも、顧客のニーズに応えられるよう、○○などの取り組みを行ってきました。

しかし最近、会社が売上ばかりに偏って重視するようになってきました。もちろん売上を上げることは重要ですが、売上ばかりを重視するあまり、顧客満足度を落としていると感じています。

今後は顧客のニーズに応えた営業活動をした上で売上を上げられる営業になりたいと思い、例年高い顧客満足度と売上成長率を維持している御社を志望いたしました。」

<厳しい営業ノルマを課せられていた場合②>
「現職では、常に高い数字目標が課されています。

もちろん目標を達成するために全力で取り組んでいるのですが、ひとつひとつの案件の対応に十分な時間があてられないと感じています。改善提案もしたのですが、やはり会社の方針として売上を最重視しているとのことで聞き入れてもらえませんでした。

今後は顧客の要望にじっくり耳を傾け、それに最大限応えられる営業になりたいと思い、転職を決めました。

顧客と長期にわたって取引し、信頼関係を築いている御社で是非営業として活躍したいと考えています。」

<激務・残業を強いられていた場合>
「現職は残業をすることが当たり前という風潮があり、部下は上司より先には帰りにくい雰囲気がありました。

残業が必要であればもちろんするべきだと思いますが、より効率的に仕事を進められるのではないかと考えていました。業務効率化の改善策を上司に提案しましたが、年功序列の社風が強く、比較的若手の私の意見は取り入れてもらえませんでした。

今後は、決められた時間内で効率良く成果を出すことを重視している御社で、スピード感を持って実績を上げていきたいと考えています。」

このように、パワハラによって具体的に悩んでいたことと、それを改善するために取った行動、そして今後はどのように働きたいかを明確に伝えるようにしましょう。

また、上司の圧力が厳しかったという場合、パワハラという言葉を使わなくても、「年功序列・トップダウンの風潮が強かった」という言葉で置き換えられます。

番外編:パワハラは専門機関に相談をしよう

転職活動を行う一方で、パワハラを受けたら第三者に相談をしましょう。

社内の人事や専門窓口に相談しても改善されない場合は、社外の専門機関に相談するのが良いでしょう。

各都道府県の労働局に設置されている「総合労働相談コーナー」や、「労働相談情報センター」、「総合労働事務所」、厚生労働省が運営する「労働条件総合ほっとライン」などの窓口があります。

改善が必要だと判断された場合は、こうした専門機関から企業へ指導が入ることもありますので、是非利用してみてくださいね。

まとめ

パワハラが原因で転職した場合、面接でパワハラという言葉を使うことは避けましょう。

転職理由を話す時は、実際にパワハラによって悩んでいた出来事を具体的に話し、今後はどのように活躍したいのかという前向きな話でまとめるようにしましょう。

転職を成功させて辛いパワハラから解放されるためにも、面接では明るい表情で自信を持って転職理由を伝えてくださいね。