転職活動が進むにつれ、いよいよ動き出したな!と実感する事の一つとして、書類選考合格で1次面接への案内が来ることではないでしょうか。
複数の企業に併願し、書類選考に惜しくも漏れ、長らく面接に行っていない時期も増え始め不安になっている人もいれば、あっさり面接への案内が来た人、一気に複数社の面接依頼が来た人など様々ではあるが、面接の案内はやはり嬉しいものです。
と浮かれているのも束の間、貴方には新たな試練がやってくるのです。
面接の事前準備です。
面接に進んだからといって合格になった訳ではありません。冒頭でもお伝えしたように、まだ動き出したばかりです。面接の事前準備は非常に重要で、しっかり準備しないと1次面接で不合格となります。
あなた同様、1つの案件を巡って何人もの猛者達が必死になって内定を勝ち取ろうとしているのです。うかうかなんてしていられません。
面接の所要時間は約40分から1時間だ。たったこれだけの時間内でいかに自身を売り込む事ができるかが鍵となるのです。
過去、何度か転職活動をして、なんとなく準備方法をわかっている人も中にはいますが、今回が初めてで、ぶっつけ本番でガッチガチに緊張し、頭が真っ白で何も答える事ができなかった、なんて事にならないように、今回は1次面接の案内がきたら、何を、そしてどの様に、どういうプロセスで面接の事前準備をすれば良いかをお伝えしたいと思います。
面接日までのスケジューリング
まず1次面接の案内がきたら、面接日の日程調整を行います。
日程が調整でき、確定になったら、そこから面接の事前準備を始めます。
通常面接日は連絡があった日の翌週か翌々週に設定される事が多いので、(ケースとして、自身の候補日と時間帯を企業側に伝える事が多い。)準備期間はわりとあるほうだ。しかし準備は面接依頼がきたと同時に始めてもいいぐらいです。
私の場合は調整中に、候補者と私との面接準備時間を設け、何度もロールプレイを行います。
例:
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
1 調整期間 |
2 調整期間 |
3 確定 |
4 | 5 打ち合わせ |
6 | 7 |
8 打ち合わせ |
9 | 10 | 11 打ち合わせ |
12 面接当日 |
13 | 14 |
15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 |
22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 |
3日に面接の確定ができ、12日に実際の面接日があるとします。
私が候補者と行う準備は以下です。
1.5日に打ち合わせをし、週末は候補者に個人で準備をしてもらう。
2.8日再度打ち合わせをし、週末に何をやったか確認し、ロールプレイングをする。
3.面接前日11日に再度打ち合わせでロールプレイング。気合を入れ送り出す。
打ち合わせの内容は候補者側の準備する内容(実際の面接準備に記載のもの)を話し、企業側の情報を再度すり合わせ。過去の質問内容や想定する面接の流れやパターン、面接官の特徴など戦略を練る、などを行います。
え!こんなにも?と思われた方も多いはず。答えは、「はい。こんなにも。」です。
全ては内定を取る為の準備です。逆に言えばこんなにまでしないと内定が取れないという事です。
もちろん、候補者によっては打ち合わせが1回や、2回の場合もあり、準備できていると私が判断すれば1回の候補者もいます。(あくまでの私の判断ですが。)
不安な人はやりすぎるぐらいでも問題ないのです。
準備は入念に、しかし現職のパフォーマンスも必要なので“効率良く“が大切です。
最低限これだけは押さておくべき面接前から面接後の準備術
ここでは面接に行く時の準備すべき項目を挙げていきます。
面接前、面接中、面接後の準備はステージによって違います。違いを理解し、ご自身の戦略に盛り込んでいきましょう。
面接では貴方の過去の実績や経歴を採用の判断基準としますが、実際の面接での貴方の人柄や話し方、人物評価も重要になってきます。貴方は企業が採用したい候補者なのか、年収が高くても採用したい候補者なのか、ここもポイントとなるのでしっかり押さえましょう。
面接前の準備 |
①企業について基本的な情報は調べる (主要事業分野や専門性、主要製品、競合他社、業界での位置づけなど) これは貴方の自発性や熱意、ポジションにたいしての強い関心をアピールします。企業のホームページはもちろん、製品やサービス、会社概要や最近のニュースなど調べましょう。 ②ポジションに関しては、求人票をよく理解し、企業が求めている候補者像をイメージし、どの部分が自分の経験を活かし、貢献できるか考えましょう。求人票を読み込んでおけば、ある程度の想定される質問は自分で考える事が出来るだろう。回答の引き出しをできるだけ多く作り、後は会話の組み立てを自身でしっかり行う。そして当日、会話にハメ込めれるよう準備しよう。 また組織構成や、組織カルチャー、面接官の特徴などは担当コンサルタントに確認しましょう。(転職エージェントを使用の場合) |
面接中 |
面接中は、面接官の質問をよく聞き、簡潔かつポジティブに回答することが大切です。面接官から聞かれている質問内容に沿って、これまでの功績を明確に、また数字を用いて伝えましょう。スキルについてはいかにそのポジションや企業にマッチしているか実例を挙げて伝えましょう。面接官の意図していることを理解できないと、納得のいく回答ができないので注意しよう。面接前の準備で用意した回答の引き出しを上手く出し入れする事ができるかどうかで結果が変わる。 |
面接後の対策と反省 |
面接後は忘れないうちに、面接内容をメモしよう。うまく説明できた箇所、また回答に苦戦した質問も書きとめ、2次面接や最終面接、また他社選考の面接準備に役立てよう。 また面接時に言い忘れた事や、企業への関心度など補足が必要な点があればエージェントに伝えて、エージェント経由で補足、対処をしてもらいましょう。 (転職エージェントを使用の場合) |
面接でよく聞かれる質問例
Q.自己紹介をお願いします。
A.一般的な質問です。職歴、資格、スキルを簡潔に説明しましょう。ポジションに関連するスキルは強調して答えるべきではあるが、ここで話過ぎると後々の展開で話が広がらず、また話が長過ぎる印象を与えてしまうので、気をつけよう。
Q.これまでにどのような事を達成してきましたか?
A.よく聞かれる質問です。最近達成した事を準備しましょう。これまでの実績、あなたが組織にもたらしたポジティブな変化や結果などについて明確に説明できるようにする事が重要です。
Q.貴方の長所・強みは何ですか?
A.長所をいくつか上げ、それぞれがいかに企業に有益となるか説明します。技術スキルの高さ、学習能力の習得力、ゴール達成の為のコミット、前向きな姿勢、チームプレー、また自主性など盛り込むといいでしょう。
Q.貴方の短所・弱みは何ですか?
A.非常に答えにくい質問ではありますが、かなり高い確率で質問されますので、これも準備しておきましょう。面接官はあえて答えにくい質問をして、どのような姿勢で答えるのか貴方を見ています。回答の内容も重要ですが、どんな質問にも前向きに答えようとする姿勢が大切です。短所をプラスにつなげるエピソードを用意。また短所への改善策を話し、改善する事で得られた結果を話すよう心がけよう。
Q.これまでに直面した難しい局面について、またそれにどう取り組んだのか話して下さい。
A.貴方が引き起こしたものではない仕事上、困難だったシチュエーションを選びましょう。どんな問題だったか、そしてどのような解決法を取ったのか説明します。この質問は貴方にとって困難とはどういうものなのか、また解決の為にどんな論理的アプローチができるかを見ています。
Q.今回の転職理由はなぜですか?
A.あくまでもポジティブな転職である事を説明しましょう。更なるチャレンジをし、経験を培い、また自身の能力を高められる環境を望んでいる事を説明します。仮に現職ではそれらを得る機会がすくないとしても、決して不満、悪口は言わない事です。
求職者から面接官に聞く質問例
*貴社の組織はどういった方向性をお持ちですか?
*現在直面している課題はありますか?
*他社とどのように差別化をはかっていらっしゃいますか?
*こちらの部署はどのような雰囲気ですか?
*将来のキャリアパスは通常どのようになりますか?
絶対にしてはいけない質問NG例
*給与待遇を訪ねる。
*コンサルタントに相談する前に、面接官に直接連絡を取る。
*前職、既存企業、または面接に行っている企業の社員や企業についての悪口を言う。
絶対にやってはイケないお金の話
面接官に希望年収を聞かれた場合、現在の年収からのステップアップを希望はしているが、柔軟に考えているとお伝え頂く事をお勧めします。現在の年収はお答えしても問題ありません。希望の年収に関してはエージェントが後に年収交渉を企業側と直接行うため、はっきりとした数字での希望提示は避けて下さい。もし希望年収を聞かれた場合「希望年収に関してはエージェントにご確認下さい。」と面接官に伝えるとスマートでしょう。
にも関わらず面接時に言ってしまい、後に転職エージェントが交渉する際、「面接時に希望年収は〇〇〇円と聞いています。」と言われてしまっては、交渉の余地はほとんどなくなってしまう。
もし個人で転職活動している場合に希望年収を聞かれたら、「ご縁があり、内定を頂いた際にご相談させて頂きたいと思います。」と伝えると、こちらもスマートなのではないでしょうか。
面接の最大のポイント
面接の最大のポイントは、企業やポジションに付加価値をもたらす為に、これまでのあなたの経験をいかに活かせるかを説明し、伝えることことができるかが勝負となってきます。
面接官の話をよく聞き、企業やポジションについていくつか適切な質問を投げかけます。
そうする事により、自身が採用側の質問内容を推測する事ができ、その質問に対する回答内容や、モチベーションなど、企業が採用したい人物像にご自身がどれだけ近づいているかどうかイメージさせています。
適切な事前準備が、重要な質問に答えれるアイデアを生み、あなたの強みを売り込み、また企業に“付加価値を生み出せる”と納得させることができるようになり、内定に更に近づくことになるでしょう。
*彼を知り己を知れば、百戦殆うからず
(敵と味方の情勢や能力をよく知れば、何度戦っても決して敗れることはない。)