転職する際、希望する企業に入社したい、新しい職種にチャレンジしたい、やりがい重視、ライフワークバランスといった様々条件がありますが、給与条件はやはり優先順位が高めになる方が多いのではないでしょうか。
今の年収を正確に把握していなかったり、スキルや経験の市場価値などをしっかり考えずに年収交渉に臨むのはリスクを伴うこともあります。
お金の話はセンシティブで、その交渉はストレスフルでもあります。しかし入社前にしっかり交渉し、納得できる条件でなければ、入社してからモチベーションが上がらないはもちろん、その後の自身の市場価値の低下も招きかねません。
給与交渉を転職エージェントに任せているのであれば負担は軽減できるますが、自身で転職活動をしている人は、なおさらしっかりと把握しておかなければなりません。
本記事では年収の交渉で必要な源泉徴収票や給与明細書について知っておきたい内容と見るポイントを解説します。
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昨年の源泉徴収票と今年の理論年収把握で自分の狙いたい年収を設定
転職をすると決めたら複数やる事がありますが、ご自身の昨年の給与と今年もらうであろう給与(理論年収)の把握をしておくことも重要です。
冒頭でもお伝えしたように、意外と自分がどれだけ貰っているか、正確に把握している人は少ないようです。それは、源泉徴収票や給与明細書の見方が良く分からないことが原因となっている場合もあります。
源泉徴収票は転職の際、給与を決定する非常に重要な情報になります。例えば転職エージェントは求職者の経験値と年収を確認して相応しい求人を薦めます。現職の給与を提示し、書類選考に進める事もあるので、早いタイミングで源泉徴収票や直近3か月分の給与明細書を求め垂れることがあります。
また後述しますが、企業側の人事担当者にとっても早めに現年収を確認しておきたい事情があります。
なので転職を検討する際は源泉徴収票で昨年の年収を把握し、さらに今年の理論年収も確認しておく必要があります。ボーナスが固定で変動がない場合や、残業代が込みの給与に関しては今年の理論年収はさほど変わりありませんが、ボーナスが業績連動であったり、今年に昇給する予定、手当が増えるなど、支給額が上がる場合には交渉材料として正しく押さえておく必要があります。これを把握することにより、希望年収の最低ラインが設定できますので、早めに確認しておくようにしましょう。
企業の採用予算と現年収のギャップ
各企業には職位ごとの給与レンジ、予算がありますが、採用の際に応募者の現職の給与がその範囲内かどうか、あるいは優秀な候補者で、年収を上げてでも採用し、予算内に収まるのかどうかを面接に進める前に確認したいという意向があります。
もし現職の給与が志望企業の職位の想定年収よりもはるかに上回っている場合、いくら行きたい企業でも減給では魅力も薄れてしまいますし、企業側にしてもそうした年収の事情を知らずに選考を進め、内定後に予算オーバーで出せないとなってしまっては、お互いに時間の無駄になってしまいます。
給与明細を提出する理由
給与明細や源泉徴収票など、プライベートな資料になる為、提出するのをためらってしまう方も多いと思います。しかし、転職活動においては企業側から年収を提示してもらう際にどうしても必要な書類となってきます。企業側の主な確認内容を以下にまとめます。
- 面接プロセスに進めるにあたり、予算内の給与水準か確認
- 前職考慮で給与提示する際の確認
- 口頭と実際の給与確認
採用企業側の人事担当者は、ただ採用ができれば良いとだけ考えているわけではありません。候補者の前職の年収を確認し、自社の予算内に収める事も重要ではありますが、最大限前職に考慮し、納得して入社してもらうこと、入社後にきちんとパフォーマンスを出していただくことも重要視しています。その為には、やはりしっかりとした年収情報が必要になるのです。
給与詳細を提出するタイミング
源泉徴収票は初期の段階で強く求められることは少なく、口頭での年収確認で進んでいくこともあります。ただし最終段階のオファーステージでは企業によっては確実に求められます。いざ必要となった時に昨年の源泉徴収票を紛失し再度現職の企業、または前職の企業に問い合わせないといけない、なんてことにならないよう、早い段階で入手しておくようにしましょう。
また、転職エージェントを使って給与交渉を任せる場合、書類提出段階から給与交渉がスタートする場合もあるので、口頭ベースでも書類ベースでも、最初から正確なコミュニケーションができるように用意しておくと良いでしょう。もちろん希望の年収を自身の市場価値を把握したうえで設定し、エージェントとも事前に相談しておくことも重要です。
転職エージェントを介した給与交渉については以下の記事が役立ちますので、合わせて読んでおくことをお勧めします。
給与は転職活動において重要な要素ですが、適切な交渉の仕方や、年収交渉のタイミングについては判断が難しい部分があると思います。本記事では、多くの方々の転職をサポートしてきたコンサルタントに 「市場価値のリサーチ方法」や「やってはいけないNGな交渉事例」などを交え、転職における給与交渉を成功させるためのノウハウを詳しく聞いています。※本記事は以下の動画をベースとした再編集版です。動画でも同じ内容をご視聴いただけますこんにちは!タリスマン株式会社 インダストリーマネージャーの坂本です。今回は転職時の給与... 転職時の給与交渉術【NG交渉例&エージェント利用のメリットも紹介】 - 35ish |
年収把握と年収交渉がしやすくするための準備書類
以下の資料があれば、年収の把握が正確にできます。
- 昨年の源泉徴収票
- 直近の給与明細3か月分
- 直近の賞与明細2回分(賞与が年1回の場合は1回分)
上記書類から以下の内訳を確認して、総理論年収を整理してみましょう。
- 基本給
- 賞与(固定・変動)
- 手当(住宅・家族・地域・役職)
- 残業代
- ストックオプションやRSU
給与詳細を把握する事により、企業からオファー提示が出た時、現職の給与と新たなオファーの詳細を比較検討する事ができるようになります。また交渉の余地があるのか、どこを交渉すればいいのかも把握する事ができるのでしっかり確認しよう。
交渉する際のポイントは基本給
年収の交渉で意識したいポイントは基本給のアップです。手当や残業と基本給を区別して考えておかないと、総理論年収と実際の年収の差が出た場合に「こんなはずでは無かった」となることもあります。手当や残業代の金額と基本給の金額の比率が大きく変わる場合は特に注意が必要です。
例えば、基本給が少なく、手当が充実している場合でも、総理論年収で見ると悪くない場合があります。しかしその後、家を買って住宅手当がなくなる、残業がなくなった、など手当が減ると、少ない基本給でやりくりしなくてはいけなくなるかもしれません。
手当が多ければ、良い会社で、保障されているイメージがありますが、将来のことも考えて、客観的に把握できるようにしておきましょう。
業績賞与より固定賞与
基本給同様、確実に支給されるお金として次にあげられるのは賞与ですが、なかでも固定賞与になります。外資系によくある賞与の支給の仕方として業績賞与がありますが、その名の通り企業の業績によって支給されるが変動します。当然業績が悪ければ減額されますし、賞与がなくなる可能性すらあります。
例えば夏冬に固定賞与があり、なおかつ年度末に業績賞与が支給されるという企業などは、業績が悪くて業績賞与が減ったとしても固定賞与が確保できるので気持ち的には安心できるでしょう。ただし営業職やコンサルティング職は歩合制の場合が多いのでこのような給与支給形態は稀になるかと思います。
まとめ
個人で転職活動する場合には、年収交渉も自分でやらなければいけないので、なおさら給与詳細に関してはしっかり把握しておきたいところです。転職エージェントを介して転職活動をしても、エージェント任せにせず、まずは自分でも把握に努めましょう。
自分の昨年の年収を改め確認し、今年もらうであろう年収を算出し、希望年収、または希望年収の最低ラインを設定し転職活動に臨んでください。