「エンジニア職の面接で、的外れなことを言いたくない」
「面接本番で戸惑うことなく質問に答えて採用されたい」
と思っている方へ。
エンジニアの面接では、技術や経験以外に社会人としての一般常識やヒューマンスキルをチェックされます。つまり、たとえ経験が長く知識が豊富でも、人柄や常識の部分が疑われると不採用になる可能性もあるのです。
この記事では、エンジニア職の面接でチェックされるポイントと質問の意図、適切な回答例についてご紹介します。
目次
エンジニアの面接で見られるポイント
まずは、面接管にどこを見られるのか、評価されるポイントを押さえていきましょう。
会話力
エンジニアは技術力だけが高ければOKというわけではありません。部署の一員としてチームで働きますし、時にはお客様と業務内容や納期について折衝する必要があります。
そこで必須となるのが、会話力です。相手とうまく会話できなければ、会議や商談などあらゆるシーンで障害が出てしまいます。
そうは言ってもコミュニケーションが苦手なエンジニアも多いのが現状ですので、会話力がありコミュニケーション能力が高ければ評価されるポイントとなるでしょう。
協調性があるか
エンジニアが携わる業務は一人で完結するものではありませんし、就職するからにはチームで働くことが大前提となります。
エンジニアの面接でも、協調性はかならずチェックされます。「うちの部署になじめるだろうか?」「協調性を大事にして仕事をしてくれるか?」という点は、どんな面接官でも気にするでしょう。
しかし、面接官は「あなたに協調性はありますか?」という聞き方はしません。面接で投げかけた質問の答え方や話し方、雰囲気から察するのです。
そのため、面接の回答では協調性のある人だと判断してもらえるよう意識する必要があります。
責任感やメンタルの強さ
働き方改革といわれる世の中ですが、やはりエンジニア職の長時間残業は避けて通れません。システム障害やトラブルによるタイトな納期、クライアントの無茶な要求や仕様変更など、エンジニアは日々さまざまなトラブルと戦います。
そこで面接の際にチェックされることが、「責任を持ってやり遂げてくれるか?」「途中で投げ出さないメンタルの強さを持っているか?」という点です。
激務によってメンタルバランスを崩してしまうエンジニアもいます。面接では「体は強いほうですか?」「ストレス解消方法はありますか?」などの質問で、精神面や肉体面の強さを判断されるでしょう。
長期就業する気があるか
面接や採用にはコストがかかり、早期退職は会社にとって大きな損失となります。人事部をはじめ会社が最も避けたいのは、この早期退職と言っても過言ではないでしょう。
面接官は、「将来のキャリアはどう考えている?」「前職の退職理由は?」などという質問から、面接者が早期退職する可能性を測っています。
学習意欲があるか
エンジニアが働くIT業界は、特に技術の進歩が激しいのが特徴です。新しい技術や言語が次々と登場するため、エンジニアは働きながら勉強するという姿勢が欠かせません。
会社はエンジニアとして採用した後、幅広い業務を任せたいと思っています。「なんでも吸収して成長しよう」という姿勢を見せることで学習意欲のアピールとなり、面接官に好印象を与えられるでしょう。
エンジニアの面接でよく聞かれる質問と回答例
続いて、エンジニアの面接で聞かれることが多い質問を見ていきましょう。回答例もご紹介しますので、参考にしてみてください。
質問1「弊社に志望した理由を教えてください」
・質問の意図
志望動機は、エンジニアに限らず就職ではかならず質問されます。面接官がチェックするポイントは、「なぜわが社がいいのか?」という点です。エンジニア職を募集している企業は多くありますから、数ある企業の中でその会社を志望した理由を期待しています。
・回答例
現在もエンジニアとして勤務していますが、ユーザーとの接点がありません。その点御社のエンジニア業務は客先に出向き直接話を聞く機会があり、大変魅力を感じたためです。エンジニアとしてお客様の声を大切にし、より喜ばれる仕事をしたいと思っています。
質問2「どのようにキャリアを積みたいと思っていますか?」
・質問の意図
面接官は、あなたの思い描く将来像が会社とマッチするか見ています。また、成長意欲があるか、部署になじめるかもチェックしているでしょう。向上心を持ちつつも、協調性を重んじていることもアピールしたいところです。
・回答例
開発という仕事が好きなので、これからもエンジニアとしてさらに成長したいと思っています。今は先輩方の背中を追いかける立場ですが、新しい言語も積極的に学んでいき、将来的にはチームから頼りにしてもらえるエンジニアになりたいです。
質問3「前職の退職理由を教えてください」
・質問の意図
転職面接でかならず質問されるのが退職理由です。この質問では、「自社で長く働いてくれるか?」というほかに「他責にする人なのか?」もチェックしています。「人間関係に疲れてしまった」「待遇が悪い」などストレートな回答は避けましょう。
・回答例
現在はテスト業務を主に担当しています。大変勉強になりますが、私はそろそろエンジニアとしてのキャリアアップを希望しています。上司にも相談したのですがなかなか空きが出ず、エンジニアとしての転職を決意したためです。
質問4「今まで最も苦労したプロジェクトを教えてください」
・質問の意図
面接官は「この人は何を“苦労”と感じたのか」という点と、「どう乗り越えたのか?」「やりきったのか?」という点をチェックしています。課題を乗り越えるためにどんな苦労をしたか、結果はどうだったのかをわかりやすくアピールしましょう。
・回答例
アシスタントを経て、はじめて一人で業務を任されたときに最も苦労しました。経験や実力不足もあり激務に疲れ、一人で抱え込み「もう限界だ」と思いました。しかし、周りの人に相談すると親身にアドバイスを頂けたおかげで、なんとかやりきることができました。あらためてチームプレーの大切さを学んだ瞬間であり、良い教訓となっています。
質問5「過去に失敗したエピソードを教えてください」
・質問の意図
どんな人でも失敗はあります。面接官は、失敗をどうやってリカバリーしたかをチェックしています。この質問では、「困難を投げ出さないか?」「問題解決能力があるか?」を見られているのです。
・回答例
以前システムの内容についてクライアントと相談した時、「こういうシステムが欲しいのだろう」と提案したところ、意図に沿えていないことがありました。もちろん意図を再確認して提案し直しましたが二度手間になってしまい、お客様にご迷惑をおかけしたことがあります。それ以来思い込みや独断に気を付け、丁寧に意図を確認するようにしています。
気を付けよう!エンジニアの面接でのNG事項
よくある質問と望ましい回答例が分かったところで、次はエンジニアの面接でやってはいけないNG事項を確認していきましょう。
要点が分かりにくい話し方
あなた以外にも多くの面接希望者がおり、面接官は多忙です。要点を得ずにダラダラ話すと時間がかかり、印象が悪くなってしまいます。
要点がわかりにくいということは、「相手の意図を汲めない人」「仕事ができない人」という判断をされかねません。質問の意図を素早く理解し、的確に回答できるよう心がけましょう。
身だしなみや提出物がルーズ
お客様先に出向かないエンジニアも、当然ながら会社の一員として勤務します。寝癖だらけの髪や無精ひげで面接に臨めば「社会人の基本ができていない」「こんな姿で面接に来るなんて失礼だ」と悪い印象を与え、どんなに素敵なキャリアを持っていても不利になります。
履歴書や職務経歴書の文字が汚すぎる、事前に言われていたのに書類を忘れるというのも社会人としてルールを守れていません。最低限のルールを守り、減点されないように気を付けましょう。
逆質問をしない、待遇面の質問ばかりする
面接の最後には、「何か質問はありますか?」と聞かれます。この時、早く終わらせなければと気を遣って「ありません」と即答すると、「自社の仕事に興味がない」という判断をされてしまいます。
だからといって、「ボーナスはでますか?」「いつ昇給しますか?」などと待遇の質問を連打するのもNG。大事なことですが、やはり面接官は良い印象を持ちません。
「質問はありますか?」と聞かれたら効果的な逆質問することで、熱意をアピールしましょう。
ちなみに、好印象を与えられる逆質問の例は下記のような質問が挙げられます。
・「もしご縁があった場合、入社までに勉強しておくことはありますか?」
→即戦力として貢献したいという意欲と向上心をアピールできます。
・「御社のエンジニアとして勤務する際の心構えやチームの課題を教えてください」
→会社によってチームの雰囲気は違うものです。チームに馴染もうとする姿勢や協調性をアピールできます。
まとめ
エンジニアの面接では、技術に関することだけではなく、会話力や人間性、早期退職をしないかどうかといったことも見られます。本記事でご紹介したよくある質問の答えはあらかじめ用意しておき、面接前に話す練習をしておきましょう。
また、要点を得ない話し方をしたり、ルーズな面を見せたりしないように注意をしましょう。好印象を与えられるような逆質問もあらかじめ考えておくと安心ですね。