外資系企業の休暇事情とは?日系企業との違いは?

「有給をしっかり消化できる」
「外資系企業は長い休みを取ることができる」

外資系企業の休暇について、このように思っている方は多いのではないでしょうか?日系企業では、有給は取りづらく、余ってしまう方も多いと思います。しかし、外資系企業では、「有給は権利だ」との意識が高く、多くの外資系企業の有給の取得率はほぼ100%です。

また日系企業では、有給を使って長期休みを取るにしても、「長くて1週間」という会社が多いですが、外資系企業では、3週間から1か月のバカンスを取ることも一般的です。

外資系企業と日系企業では、休暇事情は大きく異なります。そこで今回は、外資系企業の休暇事情について詳しく説明します。この記事を読めば、外資系企業の休暇事情や日系企業との違いについて理解することができるでしょう。

外資系企業の休暇のスタンス

まずは、外資系企業がどのようなスタンスで休暇を捉えているのかを見ていきましょう。

多くの外資系企業では、

・結果を出していれば自由に休みを取って良い
・プライベートを大切にする

という考え方を持っています。

外資系企業では、日系企業とは比べ物にならないくらい結果を重視します。日系企業では、結果を出さなくても余程のことがなければクビにはなりませんが、外資系企業では、結果を出さないとあっという間にクビになってしまいます。

このように外資系企業では、結果にシビアな分、結果を出せば比較的自由に仕事をすることができます。そのため、結果を出していれば、休暇も取りやすくなるのは事実です。

しかし、いくら結果を出していたとしても、「重要なプロジェクト中は休みは取れない」「他の人との調整が必要」といったことなどは日系企業と同様と考えておくのが良いでしょう。

また、外資系企業は日系企業よりもプライベートを大切にする傾向があります。日系企業では付き合い残業などが日常化している企業が多いですが、外資系企業ではまず付き合い残業はありません。仕事ができる人ほど定時に仕事を終わらせます。

日系企業では、冠婚葬祭以外にプライベートな理由で休暇を取得することが難しい企業も残念ながらまだまだ存在します。しかし外資系企業では、従業員のプライベートを大切にする風土があるので、プライベートな理由で休むことは一般的といえるでしょう。

外資系企業と日系企業の休みの違い

この章では、外資系企業と日系企業の休みの違いについて説明します。外資系企業と日系企業の休みの主な違いは3つあります。

・長期休暇
・有給の取りやすさ
・年末年始の休暇

それぞれの理由について説明していきます。

長期休暇

外資系企業では、3週間や1か月レベルの長期休暇を取ることができる会社が多く見受けられます。もちろん国ごとに休日や祭日が違うので会社によって時期は違いますが、外資系企業はロングバカンスを取ることができるのが一般的です。

日系企業でも1週間レベルの長期休暇を年1回程度取ることができる会社は多いですが、3週間から1か月の長期休暇を取ることができる会社はまだまだ少ないでしょう。

外資系企業の仕事は、結果にシビアで日系企業よりも厳しい側面はありますが、その分、期間の長い長期休暇を取ることができることは大きな魅力です。

有給の取りやすさ

外資系企業の有給消化率はほぼ100%です。一方、日系企業の2018年の有給取得率は、厚生労働省の発表によると52.4%でした。最近は、働き方改革のおかげで以前に比べると有給は取りやすくはなっていますが、まだまだ休みを取りづらい文化がある会社も多いでしょう。

日系企業の場合、「休みを取らない人が、仕事ができる人」のようなイメージを持つ会社がありますが、外資系企業の場合、有給をすべて消化しないと、「仕事ができない人」と見られる文化があります。このような文化が根付いているので、外資系企業では有給が取りやすいのです。

年末年始の休暇

多くの日系企業ではクリスマスが終わったころに休みが始まり、三が日を過ぎてから仕事始めになりますが、外資系企業の年末年始休暇はどうなのでしょうか。

外資系企業の年末年始休暇は、企業によって様々なパターンがあります。

例えば本社が海外にあっても、取引先が日系企業である場合は、日本のカレンダーに合わせて営業日を決めるところが多いでしょう。

また、海外の本社と日本本社では、年末年始休暇の取り方が異なる場合もあります。

外資系企業では、様々な文化を持ったスタッフがいます。

そのため、会社自体で決められた年末年始休暇を取るというよりも、各スタッフのスタイルに合わせて休暇を取るというのも、外資系企業の特徴といえるでしょう。

例えば、欧米系のスタッフであればクリスマス休暇を取り、日本人スタッフは年末年始休暇、中国人スタッフは春節で休みを取るというように、個人によって休暇の取り方は異なります。

外資系企業のメリット・デメリット

この章では、外資系企業のメリット・デメリットについて説明します。日系企業とは違うメリット・デメリットがありますので、是非参考にしてください。

メリット

外資系企業の主なメリットは3つです。

・休暇制度
・成果に応じた報酬がもらえる
・スピード感がある

それぞれのメリットについて説明します。

・休暇制度
先ほども説明した通り、有給を取りやすいということがメリットの1つでしょう。

日系企業と同様に勤続年数によって有給の日数が決められますが、1年目であっても有給はしっかり取れるでしょう。

また、自分でスケジュール管理をすることができれば、有給を使って3週間~1か月程度の長期休暇を取れる外資系企業も見受けられます。

・成果に応じた報酬がもらえる
外資系企業は、成果を出せば出すほど処遇が良くなります、能力重視なので結果を出せば若くして管理職になれますし、報酬も成果に応じて十分な金額をもらうことができます。成果を出せない人には厳しい環境ではありますが、向上心のある人にとっては非常にやりがいのある環境であるといえます。

・スピード感がある
日系企業と比べてスピード感があることをメリットに感じる人は多いでしょう。

日系企業では、さまざまな人の承認が必要となり、「社長承認が取れるまで数週間も動けない」なんて文化が根付いている企業もあります。

そのため、スピード感を持った仕事をすることが難しくストレスに感じることも多いのではないでしょうか。

しかし、外資系企業ではプロジェクトの優劣を素早く合理的に判断してくれるので、良いプロジェクトであれば、早期に実行させることができます。

デメリット

外資系企業の主なデメリットは2つです。

・安定性がない
・退職金が無いことが多い

それぞれの理由について説明していきます。

・安定性がない
外資系企業では、成果を出せば厚遇されますが、成果を出さないと簡単にクビになってしまいます。勤続年数が日系企業よりも短いことも外資系企業の実力主義を表しています。安定的に働きたい人には向かないかもしれません。

・退職金が無いことが多い
日系企業では勤続年数に応じた退職金が一般的ですが、外資系企業ではこのような退職金制度はあまりありません。

「成果を出した人により高い報酬を」という文化が根付いているので、手厚い退職金制度を求めている人には厳しい環境といえるでしょう。

その代わり、日系企業にはあまり見られない休暇制度があったり、5年目、10年目といった節目に記念品がもらえたりとユニークな福利厚生を設けている企業もあります。

各企業の福利厚生をしっかりと調べ、自分のスタイルと合わせて考えるのが良いでしょう。

まとめ

今回は外資系企業の、休暇事情について説明しました。外資系企業では、長期のバカンスが取れることや有給がほぼ100%取得できるなどの特徴があります。その分、成果を求められる厳しい世界でもありますが、メリハリが効いた環境で働きたい方は、是非外資系企業で仕事をすることを検討してみてはいかがでしょうか?