転職の面接およびWeb面接を受けるのは、当然すでに書類による選考を通過した人たちです。つまり企業側にとっては、応募者の資質を深く見極めようという機会になります。
面接での発言だけでなく、振る舞いを通して評価に反映するといえるでしょう。受付到着時から面接室を退出するまで、気が抜けません。
また、現在は非対面のWeb面接を導入する企業も増えています。これには、通常の面接とは違う角度のマナーが求められるといえるでしょう。
この記事では面接の「マナー」にフォーカスして、知っておくべき項目を徹底的に網羅します。あわせて、情報がまだ少ないといわれるWeb面接のマナーに関しても網羅するので、こちらもぜひ参考にしてください。
目次
面接は受付から始まる?到着時のマナーが大事
面接は受付からすでに始まっているといわれます。受付に到着した時から、振る舞いもチェックされていると考えてよいでしょう。
受付に向かうタイミングは面接開始5〜10分前が適切です。それ以上早過ぎると、面接官に迷惑をかけてしまうおそれがあります。
また、余裕が5分を切っていると、ちょっとした行き違いがあっただけでも開始時間に遅れてしまうおそれがあるでしょう。余裕をたっぷり持って現地に到着した上で、近くのカフェで待機しておくくらいが望ましいです。
最近は、無人受付の場合もよくあります。設置されているインターホンか内線電話で来社を伝えましょう。はっきりと自分の氏名、来社理由、アポイントの時間、先方の担当者が誰かを伝えるのです。
待合室に通された場合は、きちんとした姿勢で静かに待ちましょう。この時に書類を見直したりスマートフォンを触ったりは慎むべきです。すでに選考が始まっていることを意識しましょう。
あなたの印象を決める入室時のマナー
入室時はお互いに始めて向かい合うタイミングであり、質問が始まるまでの少しの時間があなたの印象を左右します。
入室する瞬間からの、気をつけるべきポイントについて触れておきましょう。
入室時の手順
入室の瞬間は、面接官に与える第一印象が大きく決まる瞬間です。面接というよりもビジネス上のマナーとして、入室の手順を覚えておきましょう。
1:名前を呼ばれたらゆっくりと、ほどよい力でドアを2〜3度ノックします。
2:中からの応答を聞いてから「失礼いたします」といいながらドアを開け、入室します。
3:入室した段階でドアに向き直り、静かに閉めます。後ろ手に閉めるのはNGです。
4:椅子の横に立って面接官に向い、「本日はお時間をいただき有難うございます。〇〇と申します。よろしくお願い申し上げます」などのあいさつをして、丁寧に深く一礼しましょう。
5:面接官に着席を促されるのを待ってから、ゆっくりと着席します。
入室後の立って発する第一声は、少しくらい大きめの声がよいでしょう。元気を込めて「相手の心」にしっかりと届くあいさつを心掛け、面接のよいスタートを切りたいものです。
なお、この時に笑顔を意識すれば自然と口角も上がって、発声も明るく響きます。
面接が始まると緊張をして、表情が硬くなったり声が上ずったりしがちです。そうした状況に面接官は慣れているので、少々は気にしなくてよいですが、程度がひどいとマイナスの印象を与えるので注意が必要となります。
できるかぎり落ち着き、視線を面接官に合わせ、意識して笑顔で話しましょう
誠意の表現、身だしなみは重要なマナー
身だしなみはおろそかにできません。これも、第一印象に大きく関わる要素です。身だしなみは先方に対しての誠意の表現といえるでしょう。
そこから応募者がどのような仕事ぶりをするのかなども、推測されてしまいます。
服装や髪型
身だしなみの基本は、清々しさと清潔感です。応募者の見た目が、第一印象に大きく影響するのは間違いありません。初対面の人には、服装や着こなし方、あるいは眼差しや姿勢などで印象が築き上げられるのです。
話していく中でよくなかった印象が修正されることも、時にはあるでしょう。しかし、よくない第一印象を与えていると覆りにくく、よい第一印象はさらによい方向に印象を修正させる可能性を生むのです。
転職面接の場合は、男女ともにリクルートスーツとして昨今の定番になっているブラックの無地は避けましょう。
本来のダークスーツの基本であるチャコールグレーかダークネイビーの、上質感がある無地や、柄物ならシックなピンストライプのスーツがおすすめです。
髪型も奇をてらわない清潔感があるものにしましょう。女性の場合はアクセサリーをつけない、あるいは質素なものにする方が賢明です。
社会人らしく、服に着られるのではなく自然に着こなしていることが大事といえます。
また、輝きが眼に宿るような生き生きとした眼差しを意識するのがよいでしょう。靴を磨いておくことも、忘れてはいけません。
誰も教えてくれないWeb面接のマナーで勝つ!
ここ数年で増えてきているWeb面接は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響でさらに普及しつつあります。しかしWeb面接の心得を教えるネットや書籍の情報はまだまだ少なく、不安な人も多いことでしょう。
ここでは、Web面接のマナーに関して網羅しておきます。
Web面接の事前準備こそマナー
Web面接ではインターネット経由のコミュニケーションになるので、情報のやり取りの微妙な時間差や、映像の乱れなど通信上の障害が生じるおそれがあります。
できるだけ円滑に進むように、周到に準備を整えておくことはWeb面接のマナーです。あらかじめ用意しておくべき項目は以下の5つとなります。
●Web面接ツールの確認
●安定した接続環境を確保
●ペンとメモ用紙を用意
●緊急連絡先を確認
●服装を整える
それぞれを詳しく見ていきましょう。
Web面接ツールの確認
Web面接は一般的に、「Zoom」「Whereby」「FaceTime」「Skype」などのツールが用いられます。
コミュニケーションツールは、何もインストールしないで使えるものもあれば、アプリやソフトをダウンロードしたり、IDを取得したりする必要がある場合もあります。
あらかじめテストでアクセスしてみて、問題なくつながるかを確認しておきましょう。
安定した接続環境を確保
Web面接のよいところはネット環境さえあればどこでも受けられることですが、雑音や余計な情報の映り込みを排除し、安定した通信環境を維持しなければなりません。
極力途切れる心配のないWi-Fi環境や有線LANケーブルがある場所で本番に臨みましょう。自宅に通信環境が整っているなら、それがベストです。
独り暮らしでない場合は、あらかじめ家族に時間帯を伝えておき、大きい音を立てたり映り込んだりされないようにお願いしておきましょう。
ペンとメモ用紙を用意
デスク上には必要書類だけでなく、メモ用紙も用意しておきましょう。
社内のオンライン会議などに慣れてしまうと、ついついメモをパソコン上に記録しそうになります。しかし、面接の途中ではNGです。
なぜなら先方には、キーを叩く音が意外と大きく響きます。メモを取る場合は、メモを取ることに了解を得て、あまりカメラから目を逸らさないように気をつけながら、メモ用紙に手書きしましょう。
緊急連絡先を確認
面接の開始時刻になってもアプリケーションが正常に動作しなかったり、通信状態が悪かったりすることもありえます。また、途中で何らかの不具合により中断することもあるかもしれません。
不測の事態に備え、あらかじめ緊急時の連絡先を企業に確認しておきましょう。
服装を整える
Web面接を受ける場所は自宅でも、企業で面接を受けるのと同じように考えましょう。Web面接だからといって、いい加減な服装は禁物です。
面接官はカメラを通して服装まで見ているので、相手の視界に入らない下半身のスタイルも含め、失礼のない服装で臨みましょう。
Web面接本番のマナー
本番では、通常の面接と同様の作法や常識が求められます。
本番に臨むにあたって、Web面接ならではの、知っておくべきマナーが以下の6項目です。
●5分前までにスタンバイ
●背景に注意
●礼で始めて礼で終わる
●画面ではなくカメラを見る
●ほどよい間隔を意識して話す
●開始前と終了後にメッセージを送信
それぞれについて、詳しく触れておきましょう。
5分前までにスタンバイ
リアル面接の場合は、面接開始時間の5〜10分程度は早めに着くように時間的余裕を持って面接会場に向かいます。Web面接も同じで、5分前にはすべての準備を済ませてスタンバイしておきましょう。
前準備である音声や画像の調整などの作業などが、面接会場に向かって移動する時間と同じような位置付けになります。それらを5分前にはすべて完了しておきましょう。
背景に注意
礼儀として気をつけたいのが画面に映る背景です。Webカメラは性能が上がっているので、もし雑然とした室内が映るとどれだけ身なりはきちんとしていようが、先方にはマイナスの印象を与えます。背景になるスペースは清潔に整えておきましょう。
極力プライベートなものが映り込まない位置で、質素な壁を背景にするか、おとなしい柄のカーテンなどを背景にするのが賢明です。
また、自分の顔に光が当たらず、暗くなっていないかも確認しましょう。前方の斜め上あたりから、優しい光を当てると映り方がよくなります。
顔の下にくる位置にハンカチなど何か白いものを敷いておくと、ほどよく光が反射して顔がまんべんなく照らされるでしょう。
証明書写真のバランスのようなイメージで、自分の顔から肩までが自然に枠に入るような構図を前もって見つけておくこともお忘れなく。
礼で始めて礼で終わろう
通常の面接と同様に、冒頭に面接官に向かって丁重に一礼します。そして以下のように挨拶をするのです。
「こんにちは、私は◯◯と申します。本日は面接のお時間をいただき、誠にありがとうございます」
面接が終了したら、時間を割いてもらったことに感謝して、「お時間をいただき、ありがとうございました。よろしくお願いいたします」と丁寧に伝えましょう。
画面ではなくカメラを見る
相手と目を合わせるためには、Web面接では画面を見つめるのではありません。目を向けるのはカメラの方向になります。通常の面接の習慣がついていると、面接官の目を見てしまいがちです。
そこを意識して、カメラ目線が相手を見ることだと心がけなくてはなりません。ちなみに、端末の位置関係によって、顎が上がった偉そうに見える角度にならないように気をつけましょう。
伏し目がちも、自信がなさそうに見えてしまうので、よくありません。それを避けるため、カメラと自分の位置関係は細心の注意をもって設定しましょう。
開始前と終了後にメッセージ
SkypeやChatworkなどを使用している場合や、メールで連絡が取れる場合は、ぜひあらかじめメッセージを送って準備が整っていることを伝え、先方からのアクションを待ちましょう。
そして終了後には、できるだけ早めにお礼のメールやメッセージを送りましょう。
ほどよい間隔を意識して話す
Web面接はやりとりに微妙な時間差が生じることがよくあります。熱意を伝えたいがゆえに先走り、面接官が話し終える前やその直後に答え始めてしまうとよくありません。
性急な印象や、自己中心的などの悪い印象を与えかねないのです。対話の間隔を意識して、ほどよいペースで話しましょう。
また、通常の面接よりも声が伝わりにくいことを意識して、若干声に張りを持たせて話すことが大事です。
面接では緊張して早口になりがちであり、ましてWeb面接なので聴き取りづらい場合もあります。ゆったりとしたペースを保ちながら話をすることも念頭に置いておきましょう。
まとめ
転職面接の「マナー」に関して知っておくべき項目を解説し、あわせてWeb面接のマナーに関しても解説しました。
マナーに関して基本的には通常の面接もWeb面接も同じですが、Web面接ならではといえるような、いくつかの注意点を意識しましょう。
転職活動に励むみなさんは、ここでの情報も参考にマナーを意識して面接に臨んで頂き、納得のいく成果を勝ち取ってください。