今、転職で人気がある外資系SE。その魅力と選考対策について紹介

IT業界の代表的な職種であるSEですが、外資系のSEと聞けばグローバルな舞台で仕事をするとか、年収が高いなどのポジティブなイメージがあるでしょう。

外資系に転職するためには、戦略的な対策を打つことで選考に有利になります。今回の記事ではSEとして外資系企業に転職を考えているみなさんに向けて、外資系SEの年収事情や転職するメリットを解説し、必要な資質や面接対策なども紹介します。外資系企業に興味があるSEをはじめエンジニアのみなさんは、ぜひ参考にしてください。

外資系SEとは?日系SEとの違い

外資系企業のSEは、業務の内容面においては日系企業と大きい違いはありません。クライアント企業へのヒアリングによる要求分析から始まり、要件定義からプログラミング、テストまで一貫して行います。

多くの企業で求める経験としてはWebサービスを扱う企業でのシステム企画および開発・運用経験や、外部APIを利用した開発経験などです。中にはアジャイル開発の中のScrumによる開発経験を重視する外資系企業もあります。

業務面よりも、雇用条件や労働環境の方が日系企業とのギャップが大きいです。例えば、給与体系や勤務体制、上司との関係性やオンとオフのメリハリの違いなど、他の業種でもあるような外資系企業と日系企業のさまざま違いがあります。

また、実力がある人は年齢に関係なく評価され、大きい仕事にアサインされます。上司との関係性も日系企業よりフランクで、相談もしやすいでしょう。また、同じ職場の人たちとの社外での付き合いは、日系企業よりも希薄です。オンとオフがはっきりと峻別されるのです。決してネガティブなことではなく、個人を尊重する個人主義から来ています。

他にも、外資系企業では社内のコミュニケーションで英語がメインになることもあります。企業によっては日本語で通じることもありますが、この辺りが日系企業とも決定的な違いとも言えるでしょう。

外資系SEの年収事情と転職するメリット

外資系SEの年収事情や、SEとして外資系企業に転職するメリットについて詳しく見ていきましょう。

外資系SEの年収事情

日系のSEの場合は、厚生労働省の調査から考えるとおおむね500万円台の後半が平均的な年収です。外資系に関してはSEだけにフォーカスした統計はないので、中途採用の求人情報から類推してみましょう。

外資系企業の求人情報からわかるのは、SEの募集での給与条件が年収で600〜700万円という外資系企業が多く、650万円以上という企業もあることです。1,000〜1,500万円、場合によっては2,000万円クラスの、破格オファーも珍しくはありません。概算では日系企業よりも100万円ほど高い給与水準です。転職する場合は、ほぼ確実に日系企業よりも上をねらえるでしょう。

給与体系においては日系企業では基本給があって、さまざまな手当てが加算されて給与となります。しかし外資系ではそういった手当てはなく、シンプルにベースサラリープラス個人の成果級であるインセンティブの合計が基本です。そのため日系企業の基本給よりは、高いベースサラリーが設定されます。人事評価は、とにかくその人のパフォーマンスのレベルで決まります。

外資系SEに転職するメリット

SEとして外資系企業に転職するメリットは、ひとつは年収が高いところです。

また、外資系SEは、堅実なスキルアップが図れます。そもそもIT業界はとても速いスピードで技術革新が進んでおり、先端技術であるAIやビッグデータ、クラウドなど今後もさらに発展が見込まれている要素を多く抱えている業界です。新しいテクノロジーは、概ねアメリカから入ってきます。そうなると、技術的には日系企業よりも米国系の企業の方が進んでいることが多いです。

したがって、IT業界でSEとして活躍する上では、最先端のテクノロジーを扱える外資系企業で働くことが技術面の成長という面でとても大きなメリットといえるでしょう。実際に、日系企業では扱えない類いの最先端技術についても、外資系で働けば学ぶことが可能となります。また、外資系企業は人材の流動性が高いので、キャリアアップのための転職がしやすくなるのもメリットです。

外資系SEに必要な3つの資質

外資系企業でSEとして働くために必要な資質が、以下のように3つあります。

  • 英語スキル
  • 合理性と成果主義の理解
  • 多様性と個人主義の理解
  • 役職に就いても技術力の継続的向上

それぞれを見ていきましょう。

英語スキル

外資系企業なので、当然社内では英語でのコミュニケーションがメインとなってきますが、特にSEの場合はそれ以外にも以下のような英語スキルを持つ意味があります。

職場でのコミュニケーションや海外とのやりとりで必要

日常的な社内のコミュニケーションや打ち合わせ、会議などで英語が必要なのはデフォルトとして、海外の本社やパートナー企業などとのやりとりも英語になってきます。業務で行き違いのないように、ある程度のレベルの英語力が求められます。

スキルアップや技術情報へのキャッチアップのために必要

SEの仕事としてバグの解決に取り組む場合、インターネットで解決法を探す際に日本語情報では限界があります。ところが英語で検索すれば、同じ問題でも膨大な情報量が得られ、解決の糸口が見出しやすくなります。

また、研鑽のための技術ドキュメントも英語の原文が読めるなら手当たり次第に学んでいけるので、実力が磨かれやすくなります。最先端の技術情報は常に英語のドキュメントで発信されます。日本語に翻訳したものが出回るまで、必ずタイムラグが生じますが、英語スキルがあればリアルタイムで最新情報にキャッチアップして速やかに仕事に反映可能です。

つまり、英語スキルがあればバグの解決もスピーディにでき、スキルが身についていきます。

合理性と成果主義の理解

もともとエンジニアなどの技術職の人は、合理的な考え方が身についていますが、外資系企業は担当部門に関係なく皆が合理性と成果主義で動いています。

まして技術部門となれば、かなり合理性が重視されて成果も重んじられます。外資系の技術職ではそれが当たり前の考え方になるので、それを理解していなければ戸惑うことになりかねません。

多様性と個人主義の理解

外資系IT企業の従業員はおおむね多国籍であり、マイノリティの人もいます。性別およびLGBT、民族、宗教も含めて多様性=ダイバーシティに富んでいます。外資系IT企業の多くはダイバーシティを尊重することがミッションとなっていて、社内の制度にも具体的に組み込まれています。

さまざまなバックボーンを持つ人たちが働く環境の中で、ダイバーシティを重んじるためには宗教や思想を含む多様な背景を理解することが必要です。それとともに、文化が違っても普遍的に相互理解につなげられる「論理性」を軸に対話することが大切です。論理性の軸がブレなければ、異文化とのコミュニケーションも成立します。SEであればロジカルシンキングができるはずなので、論理性を軸に他者と触れ合うことはそう難しくないでしょう。また、日本人には本来薄かった個人主義への理解も同様に必要です。

個人主義は時折誤解されるような「他人は他人、関係ない」というネガティブなものではありません。むしろその逆で、「ひとりひとりの生き方や価値観を尊重する」ものです。外資系で他のメンバーとも溶け合ってうまくやっていくためには、ダイバーシティと個人主義をしっかりと理解しておきましょう。

役職に就いても技術力の継続的向上

外資系のSEなどの技術職の場合、管理職であっても現場で手を動かすテクニカルな業務も多いところは日系との違いです。役職に就いても、継続的な技術力の向上を求められる傾向が強いことを理解しておきましょう。

外資系転職後のSEの5つのキャリアパス

外資系SEとして転職に成功した後には、どのようなキャリアパスが広がってゆくのでしょうか。ここでは外資系SEとして歩む先にあるキャリアパスについて、光を当てて見ましょう。

外資系SEのキャリアパスとしては、主に以下の5つが想定できます。

  • プロジェクトマネージャー
  • ITコンサルタント
  • CTO(Chief Technical Officer)
  • CIO(Chief Information Officer)
  • CDO(Chief Digital Officer)

ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

プロジェクトマネージャー

プロジェクトマネージャーはSEからキャリアアップする典型的な職種で、開発プロジェクトを統括するリーダー的な立場となります。

この職種はSEとしてのスキルを基盤として、クライアントとの折衝や予算、スケジュール、成果物のクオリティ、人員、コスト、調達先、リスクなどマネジメントの対象は多く、広い視野でプロジェクトを推進する技量が求められます。

単なる技術職ではなく収益面での成果も求められるビジネスパーソンとしての立場でもあり、仕事はきついかもしれませんが、平均年収は800万円~900万円、企業によっては1,000万円を超えるケースも珍しくありません。

ITコンサルタント

ITコンサルタントもプロジェクトマネージャーと同じく、高額年収を得やすい職種です。この職種は、SEとして培ってきた知見を活かしながら、クライアント企業に対して企業課題解決のためのIT導入のコンサルティングサービスを提供します。ITコンサルタントになれば、もはやエンジニアとして手を動かすプログラミングやコーディングの作業をすることは基本的にありません。

しかし、エンジニアとしてのスキルや知識を活かせる点や、年収とキャリアのダブルアップができる点で、SEには人気があるキャリアパスです。ITコンサルタントの平均年収もプロジェクトマネージャーと同じく800〜900万円レベルですが、1,000万円を超える人が多くいます。

CTO

CTOは一般的に「最高技術責任者」などと呼ばれる、企業における技術部門の責任を負うポストです。CTOにつながるキャリアパスとしては、企業で働くSEを経てベンチャー企業の立ち上げ期から参加し、そこで成果をあげてCTOに昇進するのが典型的です。

CTOというポストは経済産業省が推進する「デジタルトランスフォーメーション」の流れも後押しして、ますます注目されています。SEとしてのキャリアのスタート段階ではCTOを目指していなくても、昇進や昇給に伴ってキャリアビジョンが確立され、CTOを目指す人も珍しくありません。ITスキルに優れ、大規模プロジェクトのマネジメント経験もある秀逸な人材が、ベンチャー企業からヘッドハンティングされる場合もあります。CTOに必要なスキルやキャリアとしては、フルスタックな技術的知見と企業の方針に沿う技術運用をコントロールする能力、常に先端技術にキャッチアップできる能力、リーダーシップ、環境の変化に対応できる柔軟性などです。

CIO

CIOは企業内での「最高情報責任者」のことです。企業組織の情報戦略における最高責任者を意味し、情報システム部門を担当する上級幹部などがCIOという役職名で呼ばれます。

SEがプロジェクトマネージャーを経て、「プロダクト」のマネジメントではなく「組織」のマネジメントを選ぶとこの役職につながります。CIOへのキャリアパスとしては、ベンダーやユーザー側企業で技術職として働いた経験を活かし、ITの知見を総合的に活用して企業経営に貢献するCIOのポストとして転職するケースが多いです。

CIOに必要なスキルやキャリアはITの深い知見と経営的視点やITにかかわる投資予算管理能力、IT資産管理、知的財産の管理、折衝能力の高さなどです。

CDO

CDOは「最高デジタル責任者」あるいは「最高データ責任者」の略称です。企業のデジタル改革を経営視点で推進する役割を担います。日本ではまだ馴染みの薄いポストですが、企業のあらゆるアクティビティにおいてデジタル化を促進する重要な役割です。

CTOやCIOは企業の「技術」や「情報」をマネジメントする「守りの仕事」ですが、CDOは企業のデジタル化の旗振り役であり、新規ビジネスの開発とマーケティング、そして業務改善を担う「攻めの仕事」と言えるでしょう。

CDOへのキャリアパスとして、SEとして充分な経験を積んだ上で、クライアント視点に立ってデジタルの利便性を事業に活かせるCDOを目指す人が多いです。 CDOに必要なスキルやキャリアは、業務効率化によるコスト削減、情報活用基盤や分析ツールの運用能力、顧客目線に立った業務改善、リーダーシップ、デジタル改革に伴う意識改革の推進力、機械学習の知見、経営の視点からの人材管理および意思決定能力などです。

外資系SEに転職するための面接対策のポイント

SEとして外資系企業に転職するための面接対策のポイントについて、ここでは詳しく見ていきましょう。

コミュニケーション力をアピールする

外資系SEは決して、もくもくとPCに向かっているだけの役割ではありません。クライアントやチームスタッフ、パートナー企業などあらゆるステークホルダーとの関係性があり、コミュニケーション力が仕事を進めるために重要となります。面接では、コミュニケーション力をしっかりとアピールしましょう。

SEとしてのスキルをアピールする

SEのような専門性が高い技術職の選考において、スキルの高さやキャリアの深さは他のどの要素よりも重要視されるのは言うまでもありません。スキルとは平たく言えば、実際にどういうプログラミング言語やフレームワークを扱うことができて、新しい技術として何を身につけているかなどです。

過去にアサインされたプロジェクトの規模はどれくらいか、マネジメントの経験やクライアントとの交渉はあるのかなども面接担当者の知りたいポイントでしょう。これまでの経験を深掘りする質問などで、面接担当者は自社の関わっている領域との相性や、即戦力になりえる人材かどうかなどを見られます。

特にSEやプログラマーなどの技術者の中途採用面接では、面接担当者が開発現場の責任者であることも多いです。そのため、候補者のスキルセットやキャリアに対して突っ込んだ質問をされることがあります。SEとしてのスキルやキャリアを、具体的な言語や扱えるフレームワーク、エピソードなどを含めてアピールしましょう。

キャリアの一貫性をアピールする

書類選考や一次面接の段階では、候補者であるSEのキャリアに一貫性があるかどうかが注目されます。過去のキャリアだけでなく、将来のキャリアビジョンについて尋ねられることもあります。キャリアの方向性が一貫していないと、確固たるキャリアデザインがないということでマイナスの評価になりかねません。

また、面接担当者はそのSEのキャリアの志向性を聞き出すことで、自社の目指している事業の方向と相入れることが可能かを判断する意味もあるでしょう。このため、過去のキャリアで一貫している部分を強調し、それにつながる今後のキャリアビジョンもアピールしましょう。

企業研究を反映して志望意欲をアピールする

人材難であるIT業界の企業は、SEなどの専門性が高い人材を確保するためには、それなりの採用コストを掛けています。特に外資系企業は日系企業よりも語学スキル等の条件が増えるので、なおさらです。

当然ながら中途採用する人には、すぐに辞めて欲しくはありません。しかしながら、入社してから「この会社は自分とは合わない」と感じて早めに辞めてしまうケースもあります。そうならないように、その企業のことを充分に理解した上で、そこで働いていきたいという意欲や熱意がある人材を採用したいのは当然 ですよね。

それを裏返せば、深く企業研究をして面接に臨み、応募先企業を充分に理解していることが伝わるような受け答えをし、志望意欲をしっかり伝えることができれば採用される可能性は高まります。

転職エージェントを活用する

近年の転職活動において、ハイクラスや専門職などの転職の場合は転職エージェントを活用することが、成功のためのキーポイントになっています。転職エージェントに相談すれば、あなたの人材としての市場価値の客観的な見極めやキャリアビジョンの見直し、応募書類のブラッシュアップや面接対策などのサポートが無償で受けられるのです。在職中の多忙な中での転職活動でも、面接日程の調整や内定後の条件交渉もサポートしてもらえます。

特に、登録型ではなくサーチ型の転職エージェントを活用することがおすすめです。登録型は登録したユーザー情報に見合う求人を紹介するエージェントです。一方、サーチ型は企業が求めている人材を、登録ユーザーはもちろんLinkedInなどのビジネスSNSほか、あらゆるチャンネルで探してマッチングさせるエージェントです。つまり、サーチ型の方がより企業と候補者双方の求める条件がピンポイントに絞り込まれ、マッチング確率が高くなります。

さらにいえば、外資系SEを目指すならタリスマンのように外資系企業に強い転職エージェントを選びましょう。タリスマンであれば多国籍メンバーが培ってきたプロフェッショナルネットワークによって案件紹介の奥行きは深く、各企業に即した英語面接が含む面接対策のサポートができます。

タリスマンは長年IT業界に特化してき多経験によるノウハウの蓄積があり、構築してきたネットワークからの貴重な非公開案件なども紹介できます。IT関連の求人に注力している転職エージェントは多数あるので、求人企業は提携するエージェントを厳選する傾向が高まっています。

そのあおりで非公開求人を開示するのは1〜3社くらいに絞っていることも多いですが、タリスマンではそのような情報も開示できます。外資系SEを目指して転職を考えている方は、「いますぐ求人を探す」ボタンあるいは「タリスマンに転職相談をする」ボタンを押してまず一歩踏み出してみましょう。

いますぐ求人を探す

タリスマンに転職相談をする

まとめ

外資系で働くSEの年収事情や転職するメリットを解説し、必要な資質や面接対策などを紹介しました。同じSE職でも外資系と日系で給与体系や働き方などにはさまざまな違いがあるので、転職を検討するにはそういった点を理解することが大切です。

そして、外資系SEになれば多くのメリットを享受しつつ、その人の生き方や志向性によって異なるキャリアプランを描くことができます。外資系への転職に興味があるSEを含むエンジニアのみなさんは、ここでの情報も参考に転職ビジョンを検討してください。