書類選考を突破する履歴書の写真

転職の第一関門は書類選考です。
経験、実力、人柄すべてにおいて申し分なかったとしても、それが応募書類から伝わらなければ、面接へは進めません。
そのとき、合否をわけるのは意外にも履歴書の証明写真です。

もちろん、履歴書や職務経歴書の内容、つまり、職歴や経験、いままでに達成してきた成果によって評価されるのは、疑いの余地がありません。
しかし、写真の写りが重要なのも事実です。

採用担当者としては、同じ会社で働く仲間に、好感の持てる人や信頼できそうな人を迎えいれたいと思うものではないでしょうか。
だからこそ、第一印象を決定づける写真が大事なのです。
応募書類の内容に説得力を与え、「この人に会ってみたい」と思わせる証明写真を用意しましょう。

1.履歴書の証明写真5原則

まず、履歴書に貼る証明写真の基礎知識をおさらいします。
どれだけ写りがよくても、規定を逸脱した写真では選考に悪印象を及ぼしかねません。
証明写真5原則を確認しましょう。

転職活動の選考において、応募者が応募先企業に提出する履歴書や職務経歴書などの応募書類は、多くの場合はサイズやフォーマットの指定が設けられていません。しかし自由であることで、かえって応募者が不安になったり迷ってしまったりすることもありがちです。A4サイズがいいのかB5サイズがいいのか、二つ折りはOKでも2枚綴りはNGなのかなども気になるところでしょう。特に転職活動が初めての人たちにとっては、応募先企業からマナーや常識を疑われることを気にしてしまうかもしれません。この記事では履歴書や送付状、職務経歴書、封...
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1.1. サイズ

ひとくちに証明写真といっても、さまざまな種類があり、それぞれに規定サイズが異なります。
履歴書の証明写真は縦40mm×横30mm、そのほか身近なものでは、自動車運転免許証(日本国内)は縦30mm×横24mm、パスポートは縦45mm×横35mmです。
履歴書には、免許証の写真では小さすぎて、パスポートの写真では大きすぎます。
大は小を兼ねるとはいえ、大きい写真を切り抜いては、全体のバランスが悪くなるため避けるべきです。
証明写真は、ほかの目的には流用できないものと心得ましょう。

1.2. 有効期間

証明写真とは、その人物が本人であることを証明する写真です。
実物と写真の印象があまりにも違いすぎると意味をなしません。
そのため、証明写真には有効期間があります。

一般的には、およそ3カ月〜6カ月。
この期間であれば、外見が大きく変わることはないと考えられているのです。
ただし、期間内でも撮影しなおしたほうがいい場合があります。
それは、髪型を変えたとき。本人が自覚するよりも印象が変わるものです。

1.3. 背景色

証明写真の背景色は、白色・青色・グレーが定番です。
この3色は、無難というだけではなく、好印象の写真が撮れるので選ばれています。

まず、白色の背景では人物がはっきりと写り、明るい印象の写真に仕上がります。
どの業界にも受けいれられやすい色です。

次に、青色の背景では顔の色や表情がわかりやすく、さわやかで知的な印象の写真となります。
とりわけ航空業界で好まれている色です。

そして、グレーは顔色をよく見せてくれる色で、仕上がりは落ち着いた印象になります。
ただし、薄いグレーを選ぶこと。濃いグレーは暗い印象を与えてしまうので、注意しなければなりません。

禁止されているわけではないものの、黒や赤、柄ものの背景は避けるべきでしょう。個性を出せたとしても、非常識と判断されてしまう恐れがあります。

1.4. アングル、目線

記念写真であれば、体を斜めにして顔だけ正面を向くなどアングルを工夫します。
また、SNSなどのプロフィール写真では目線を外した印象的な写真を使うこともあるでしょう。
しかし、証明写真では、体も顔も角度をつけずに正面から、目線を外さずに撮影するのが正解です。
顔を判別できない横向きは論外。
証明写真のアングルと目線は、背景色と同じく個性を必要としないのです。

1.5. 帽子・眼鏡・アクセサリー

ご存じのとおり、証明写真では帽子やサングラスは着用してはいけません。
眼鏡はかけたままで問題ありませんが、レンズに光が反射しないように気をつけましょう。また、派手すぎる眼鏡は避けるのが無難です。
女性のアクセサリーは、小ぶりなピアスやイアリング、ネックレスは身につけてもかまいません。
いつも勤務時につけているようなものなら差し支えないでしょう。

2.好印象の写真を撮るコツ

証明写真5原則を守ったうえで、好印象をもたらす写真を撮るためには注意したいことがあります。「服装」「髪型」「表情」の3点を確認していきましょう。

2.1. 服装

服装は、男性も女性もスーツが基本です。転職の場合は、いわゆるリクルートスーツを用意する必要はありません。普段の仕事で着用しているスーツなら問題ないでしょう。
色はネイビーなら、誠実に見えるうえに黒よりも親しみやすさを感じさせます。明るく軽やかに見せるなら、グレーを選びましょう。女性なら、やわらかな印象になるベージュもおすすめです。
男性はネクタイの色や柄、女性はブラウスやカットソーの色や素材を工夫して、転職したい業界や会社にふさわしい服装を目指しましょう。

2.2. 髪型

髪型や髪色は、ビジネスマナーを逸脱していなければ問題ありません。大事なのは、清潔感があること。また、顔が隠れないようにスタイリングしましょう。
注意したいのは、男性の丸刈りや長髪。業界や職種によっては、ふさわしくないと判断されてしまいます。女性は、髪をまとめるアイテムに気をつけてください。シュシュやカチューシャなどはビジネスシーンには不向きです。シンプルなゴムやピンですっきりとまとめるといいでしょう。

2.3. 表情

証明写真には、華やかな笑顔は似合いません。
しかし、無表情も好印象からはほど遠いものです。口を閉じて口角をキュッと上げたくらいの微笑みがちょうどいいでしょう。
目はしっかりと見開いて、上目遣いや目線ずらしは避けます。
目は口ほどに物を言うといいますが、目に力があると快活に見えて、好印象へとつながるはずです。

3.好印象の写真を撮る技

好印象の写真を撮る技を持っているのは、プロのカメラマンをおいてほかにいません。
後悔しない証明写真を用意するなら、写真館に行くべきです。

3.1. プロカメラマンの技

プロカメラマンの撮る写真は、仕上がりの美しさが魅力です。
技術や機材の良さはさることながら、的確なアドバイスが効いているのでしょう。

先述した「証明写真5原則」や「好印象の写真を撮るコツ」のほか、業界や職種ごとにふさわしいヘアメイク、好まれる証明写真の傾向などをふまえて、魅力を引きだしてくれるのです。
これは、写真館で証明写真を撮る最大のメリットではないでしょうか。

写真館によっては、オプションでヘアメイクのサービスやレンタルのスーツを用意しています。
また、最近では、写真館に所属しないフリーランスのカメラマンに依頼する人も増えているようです。いずれにしても、カメラマンを含め、プロの手を借りるという選択は、好印象の証明写真への近道となるでしょう。

3.2. スピード写真・自撮りを避けたい理由

証明写真を撮るとき、スピード写真や自撮りという方法もあります。
しかし、どちらもお勧めできません。やはり仕上がりに難があるからです。
スピード写真機の性能がよくなり、写真のクオリティも以前よりは格段に上がっています。それでも、第三者の目もアドバイスもなく、納得の証明写真を手にいれるのはなかなか難しいもの。
スピード写真機を使い慣れていて、写真の仕上がりに自信があるのならともかく、使用しないほうがいいでしょう。

基本的に、自撮りという選択肢はないと考えてください。
履歴書の証明写真に使うことで、信用を落としかねません。
採用担当者に「証明写真を用意するほどの熱意はない」「証明写真を撮る段取りすらできない」などと受け取られ、マイナスの評価を下される恐れがあるからです。
証明写真が、意図しないことまで伝えてしまう危険性を考えなければなりません。

Web履歴書のための証明写真

Web履歴書とは、転職サイトの応募フォームのように、オンライン上で作成する履歴書のこと。紙の履歴書と同じく、証明写真が必要です。
内容が充実していても、証明写真がないと応募書類の不備とみなされます。

では、証明写真はどのように貼りつけるのでしょうか。
それは、写真データをアップロードするのです。履歴書に貼る証明写真のサイズ(縦40mm×横30mm)は、写真データにすると、縦551ピクセル×横413ピクセルほど。
これよりも小さいと画質が粗くなってしまいます。

注意したいのは、ファイル形式です。
一般的なJPEGのほか、BMP、TIFF、PNGなど、さまざまな形式があり、指定された形式と異なるものはアップロードできません。
ファイル形式はしっかりと確認しましょう。

写真データは、証明写真の撮影サービスがある写真館で用意できます。
紙の履歴書に貼る証明写真といっしょにWeb履歴書用の写真データをセットにしたプランを利用すると、安心です。写真データは、CDやSDカード、USBメモリのほか、最近ではスマートフォンやパソコンで受け取れるようになりました。

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