外資系企業の人事担当者に直接インタビューを行い、外資系転職についての正しい転職情報をお届けする35ishの連載企画。
今回は、企業向けクラウドサービスを提供するServiceNowの日本法人ServiceNow Japan合同会社(以下、ServiceNow Japan)で人事に携わる宮﨑ユウジンさん、東ジェドさんにお話を伺った。
ServiceNow Japanはクラウド上でIT、従業員、顧客に係るワークフローを、組織を横断して一元管理する単一プラットフォームを展開。日本法人では営業職、エンジニアをはじめとした幅広い職種を募集している。
宮﨑ユウジンさんは、日本で人事担当者としてキャリアをスタート、これまでITコンサル業界、またファイナンス系の会社で10年以上のキャリアがある。現在は、ServiceNow Japanのタレント・アクイジション・パートナーとして活躍している。
一方、東ジェドさんも同じくServiceNow Japanで営業やマーケティング、技術職などの採用を担当している。
宮崎 ユウジン
2009年より人事のキャリアをスタート。外資系企業のIT業界や金融業界で、グローバル組織で活躍するビジネスパーソンの採用について幅広い経験と実績を積む。2019年11月よりServiceNow Japan合同会社にてタレントアクイジションパートナーとして入社。国内外を問わず優秀な人材採用活動を行い、主に営業ポジションの採用を行っている。
東 ジェド
2011年シンガポールにて人事のキャリアをスタート。日本だけではなくアジア、ヨーロッパ、アメリカなどの採用もリモートから担当し、HRBPや人事コンサルタントを経験しながら採用のプロフェッショナルとして新卒からエグゼキュティブの採用を経験。
2018年よりServiceNow Japan合同会社にてタレントアクイジションパートナーとして入社。営業やマーケティングから技術職まで幅広い採用を担当し、入社以来チームと共に従業員数を3倍に増やすのに貢献している。
外資系企業の採用について ~ServiceNowの場合~
ー御社の採用方法について教えてください
宮﨑:弊社はヘッドハンティングチーム、ダイレクト・ソーシング・チームがあり、リクルーターとペアになって採用活動を行っています。そのヘッドハンターたちがLinkedInや社内外からのご紹介や推薦などを受けてお声がけさせていただいています。
あとはタリスマンのようなパートナーエージェンシーにご協力いただき、採用を行うという方法ですね。
東:そうですね、Linkedin以外の日本の転職サイトなどのジョブボードも活用しています。また、弊社ではオンラインで採用セミナーも行っておりますので、その参加者様から直接ご応募していただくケースもあります。
ー採用プロセスについて教えていただけますか?
宮﨑:弊社では現在最初の面接だけではなく、最終面接から入社後の研修まですべてオンラインで行っています。
面接担当者は採用ポジションにもよりますが、そのチームのリーダーや担当者が加わる事が多いです。ただ、採用ポジションによって面接の回数、面接官、面接にかかわる人数は大きく変わります。
東:そうですね、担当部署の上長の方というのが無難かなと思います。今年入社された方でもまだオフィスに戻れないので、チームや上司に実際に対面でお会いしていない方が多くいますよね。
宮﨑:入社されてからのオンボーディングもすべてオンラインで行っているのですが、採用が決まってから勤務を開始する前日までに、採用者の自宅にセットアップ済みのパソコンをお送りして、そこからオンライン会議上でご挨拶するところから入社初日のオンボーディングがスタートします。ポジションごとに弊社が独自に用意しているトレーニングも同様にすべてオンライン会議を通して行います。
オンボーディングから完全オンラインのみで行うということに、当初はちょっと懸念点もあったんですが、今は皆さんその方法で違和感なく働いています。まさにNew Normalの働き方ですね。
現在、弊社では従業員の健康と安全を最優先に考慮し、オフィスをクローズしています(2020年12月時点)。対面でのコミュニケーションが取れない分、ストレスチェックをはじめ、セルフケアについての指導にも注力しています。その結果、在宅勤務に切り替わって、より健康になったという社内での調査結果が出ています。
オフィスエリア内の様子(画像提供=ServiceNow Japan)
ー外資系企業で働く上で、どの程度の英語力が必要でしょうか?
東:外資系企業と一口にいってもほぼ日本企業のような所もありますし、それぞれの会社によって違うとは思います。弊社の場合、英語の必要なポジションもありますが、英語面接をしないポジションも多くあります。面接時に「英語の読み書きはできますか」ぐらいは聞いてるかもしれないですけれども。
宮﨑:そうです。私は必要に応じて、英語で面接のスクリーニングのプロセスで私が英語でいくつか質問させていただいて、その回答を聞いて簡単に英語力をチェックすることはありますが、たとえばTOEICのスコアを確認したり、スコア基準を設けているということは特にないです。
東:社内の公用語というところで言うと、もちろん日本語にはなるんですけれども、外国籍の社員もいますので、英語を使うこともあります。特に部署や組織によっては、マネージャーが海外にいるという社員もいますので、英語の使用頻度が高いというところもありますが、英語ができないと働けないという会社ではないです。
宮﨑:特に私が今担当している営業チームですと、お客様はエンタープライズのお客様で、対応する方は日本人の方がメインになるので、特に英語を使うシーンはないです。
外資系企業が求める人物像 ~ServiceNowの場合~
ー外資系企業ではどのような人材が求められるのでしょうか?
宮﨑:弊社が求める人材像というのは、社内外の人を大事にするという価値を持つ人です。自分だけではなく、自分の周りの人にきちんと配慮し、ワンチームとして協調性を持って働ける方。あとは自分のキャリアパスをきちんと考えている方を探してます。
面接でも、ServiceNowだけではなく、今後のキャリアパスをどう描いていらっしゃるのか、その上でなぜServiceNowに入社したいのか、そして退職理由をお伺いしています。それは、その方自身のキャリアに対する考え方を理解した上で、弊社のカルチャーに合う方かを把握したいと考えているからです。
東:弊社はジョブ型雇用の形を取ってるので、資格や学歴で判断するのではなく、その業務をこなすために必要なスキル、経験をお持ちになってるか、またはそのポテンシャルがあるかというところを確認させていただいています。
自分の考えや意見をきちんと言えるように心の準備はしていただく方がいいと思います。というのも、弊社は先に述べたとおり、チームワークをすごく大切にする会社です。フラットな組織なので、年齢も性別も関係なく、良いアイディアであれば採用されます。積極的にご自身の考えや意見を出せる方かどうか、というところもポイントになります。
宮﨑:あとは周りをうまく使う。弊社には能力が高いチームメンバーが大勢います。自分だけで働くのではなく、チームメンバーとうまくコミュニケーションを取り、コラボレーションすることで最大効果を出すためにどうやっていくのか、そういうアイディアを出せるような方が弊社ではうまく力を発揮して行けると思います。
東:先ほどフラットな組織と申し上げましたが、20代の社員でも、直接社長に「お時間をください」と言って、一緒にお客様訪問をしています。
宮﨑:ですね。だから日本の組織でありがちな上下関係にとらわれず、どうしたらこのみんなが持ってるゴールをアチーブできるのかを考えて、周りをうまく使う、自分からも意見を出して率先してやっていく方が成功する会社です。そういうマインドセットを持っておられる方を探しています。
外資系企業への転職を考えているあなたへ
ー御社には実際どのような方が応募されていますか?
宮﨑:最近お話しさせていただいた候補者の方に、なぜうちの会社を選んだのか、響いたポイントを尋ねたところ、二つありました。一つはソリューション(製品)です。これまで言われてきた「働き方改革」だったり、DXであったりとか、「やれればいい」ことだったことが、「やらなければならない」ことになりました。
コロナ以前もAIテクノロジーの台頭により、今から5年〜30年後には仕事がなくなるという不安
が話題になっていたと思います。弊社が提供するソリューション(製品)は、人にしかできない、付加価値をつけるような仕事に注力するために、ワークフローを一元管理することで働き方を効率化することを支援するものなので、まさに今の状況にマッチしています。そういう価値観に共感してくれる人が応募してきます。
あと二つ目は会社の成長ステージ。弊社の場合、今まさに急成長しているフェーズの会社なので、今から大きくなる会社で、一緒に大きくなりたい、頑張ってみたい、と感じたと回答される方も多くいます。弊社が外資系だから、ということは関係なく興味を持ってくれていると感じています。
東:やはり成長企業で、一緒に成長できるというのは、すごくいいと思います。また、日本のみならず、世界のあり方を変えられるソリューションを持っているので、その変革の一部に関わって行きたいという方が多いのかなと思います。
ー最後に35ishの読者の方へメッセージをお願いします
東:ServiceNowでは、私たちは「付加価値の高い、人にしかできない仕事を創造する」ことを目的にビジネスを展開しています。
外資系企業だから、日系企業だからということではなく、この会社でしかできない仕事、キャリアを見つけてほしいということを採用者の立場としてお伝えしたいです。
宮﨑:弊社が外資系企業だから敷居が高そうだという先入観を持っていらっしゃる方もいるかもしれません。
東が申し上げたように、外資系だから、日系だからということではなく、考え方を柔らかくしていただいて、自分が本当に何をしたいのかを考えていただき、弊社がやってることが自分の価値観に合うのかどうか、そこを見ていただければと思います。