外資系企業の人事担当者に直接インタビューを行い、外資系転職についての正しい転職情報をお届けする35ishの連載企画。
今回は、デル・テクノロジーズ株式会社で人事のエグゼクティブサーチチームでシニアマネージャーを務める白澤賢悟さんにお話を伺った。白澤さんはHAYSやIBMで採用担当者として8年近いキャリアがあり、2019年8月よりデル・テクノロジーズ株式会社で採用部門の中でもいわゆるヘッドハンティングを行う部署の立ち上げとそのリードを行っている。
SNSでも積極採用!コロナ禍における採用方法とは
ーー御社では何名ぐらい、どういったポジションを採用されていらっしゃるんでしょうか?
白澤:弊社では、年間で数百名ほどの採用を行っております。職種としてはテクニカルサポート、内勤営業から内勤技術営業、外勤営業、あとはマーケティング、人事など、様々な職種で募集しています。
私は、人事の中でも中途採用サーチチームという部署があるんですけど、その立ち上げとマネジメントを行っています。サーチチームのミッションは簡単に言えば、エージェントを使わずにポジションを埋めるということになります。
他社では人材紹介会社やエージェントを使って雇用している会社が多いと思いますが、そうなるとコストがかかってしまうということ、仲介にエージェントが入らないので候補者と実際にコミュニケーションを取りやすくなることより、希望と経験に合うポジションを即座に紹介できます。
そういった経緯から、現在では採用の大半を我々の部署で行っております。
ーー御社の採用プロセスについて教えていただけますか?
白澤:まずは、他社でも行われている人材採用手段、就職サイトやコーポレートサイトからの募集など、そういったツールから人材探しを行うことが多いです。あとは、Facebook、TwitterなどのSNS、また弊社のYouTubeチャネルを経由して採用に至った事例は印象的でした。
ハイクラス層の求人については、すぐにポジションがあるというわけではないので、いい人材はすぐ採用のお声がけをするのではなく、その方の希望を伺ったうえでのポジションの提案をするほうが多いですね。
弊社からアプローチをして、何度かお話をさせていただき、内定という形になります。
ーーコロナ禍での採用状況とかについて教えていただけますか?
白澤:全社での採用人数はあまり変わっていません。
2020年の2月~5月にかけて、コロナ禍での働き方、社員の安全を第一に考え採用をスローダウンしたことがありました。社員の安全性やオフィス出社についてのルール作り、大部分の社員がリモートワークをするにあたっての準備などを行いました。
私のチームからしたら、「コロナ禍の今、何が起きるかわからないので、一度会話しませんか」というように、優秀な人材にアタックするきっかけになったとは思います。
お声がけした時の回答率が高まったかなと思っています。
ちなみに、コロナ禍においても採用ステップには変わりはありませんが、面接などは全てオンラインになりました。これまでは、弊社の採用担当者の中でも、直接会ってみないと、その仕草だったりとか、雰囲気がわからないと対面での面接を希望する担当者も多かったのですが、すべてオンラインでの面接に切り替わりました。
入社後ですが、営業職は社内資格を取得しなければ実務を開始できません。コロナ禍で出社ができない現在は、社内で共有されているe-ラーニングによって研修を3か月~半年ほど受けていただいています。
川崎本社オフィスエリア内の様子(画像提供=デル・テクノロジーズ株式会社)
* 2021年秋には、本社を大手町の新社屋に移転予定
役職者よりも高収入な一般職?入社後のキャリアプランとは
ーー入社後の研修、トレーニング体勢について教えていただけますか?
白澤:サポート部門、テクニカルサポートも、OJT並びにオンボードのあとのテクニカルトレーニングを主に若手や未経験の新入社員向けに3ヶ月程度トレーニングを用意しています。
社内でのキャリアに関して申し上げますと、本人が管理職を志望すれば、自分の判断でチャレンジすることができますし、スキルを極めたいとなったらそちらでのキャリアを高める。そういったようにキャリアプランも自分で選択することができます。
と申しますのも、弊社では、高職位の人間が必ずしもマネージャーではないんです。技術者としてスキルを極めた人間がシニアマネージャークラスの職位、給与を得ることも珍しくありませんし、また、彼らは一切マネジメントを行うことはありません。
シニアのレベルであっても、部下をもたない。例えば、営業担当者が役員よりも給料が高いということも可能です。
そのように色々な事に対して寛大、プラス自分の判断でいろいろ決められるというところが弊社の特徴ではないでしょうか。もちろんそれに応じた義務や責任も負うことにはなりますが、そのことを考慮しても比較的柔軟な社風だと思います。
ーー御社の評価軸というのはどのようになっているのでしょうか?
白澤:年に1回自分のマネージャーおよび横並びの人の評価レビューがありますので、360度評価になります。あとは、社員の人たち、勤続年数が一定以上経過すると、社内公募として掲載された求人に自分で申し込んでいいですよ。日本に限らず、海外のポジションに興味があれば、申し込むこともできます。
ヘッドハンターは候補者のここを見ている!
ーー御社で働くうえで求められるスキルは何でしょうか?
白澤:弊社でキャリアを積むのであれば、会話力より英語の文書の読解にアレルギーがない事は重要です。その理由として、お客様が国内であってもグローバル企業になりますので、社内の資料、メールでのやり取りは英語で行う場面があります。ですから、最低限それらを理解できるレベルは欲しいところです。
ーー書類選考の際に重要視されていることはどういったところでしょうか?
白澤:ポジションによって様々だと思いますが、即戦力採用になると、これまでの経験だったり、外資系で働いている方のほうが優先度は高いですね。やはり、外資系企業はどうしても実績が求められますので。どうしても同じレベルのIT業界でのキャリアは重視してしまいますね。
あとは、個人的に重要視しているのはその会社でどのくらい結果を出せたかということですね。例えば、同じポジションで10年間いた方よりも、5~6年間で出世したということは、実績をあげられる方なんだと私自身が思うんですけどね。
書類上ではそこは見るようにしています。
また、1年、2年ごとに会社を変えているジョブホッパーは少し気になるところです。1年間でどれほど実績を残せるかというとそんなすぐにでないと思うんですね。
1度目の会社で実績を残し、次の会社でも結果を出している。それくらいでなければ、あまり積極的なアプローチはしないと思います。
逆に長くずっと1社に固執しても、それはそれでよくないですよ。新卒から同じ会社で10年以上働いて、いざ転職しましょうと考えても、違う組織に馴染めるのかという心配はあります。
“テクノロジーを使って日本をよくしていきたい”という意欲的なマインドが大切
ーー最後に、白澤様が候補者に伝えたいことはなんでしょうか?
白澤:弊社の平均年齢は38歳くらいで、この規模で歴史のある事業会社としては比較的若いメンバーが多い会社です。その分、働き方に対する自由度や仕事に対しての柔軟性も高いです。
例えば、コロナ前までは、オフィスでハロウィーンの時期には仮装をしながら働いたりだとか、社員による講義が行われたりと社内イベントが頻繁に開催されていました。そういうイベント時には、普段あまり関わりのない部署の方やシニアクラスのメンバーと接する機会があります。
デル・テクノロジーズは、そのように若手とベテランが一緒に仕事できるオープンなカルチャーを持つ会社だと思います。また、そういう環境が整っているからこそ、若手が新しいことに挑戦できるし、その挑戦から革新的なソリューションが生まれるのではないでしょうか。
弊社の理念である、”We create technologies that drive human progress”(人類の進化を牽引するテクノロジーを創出すること)という理念に共感していただけるということが一番大事だと思います。
お客様を第一に考えること、チームで結果を出すこと、成功体験を積み重ねること、またはモチベーションだったり、それが結構一番大きなところです。
ですから、入社した方は、「テクノロジーを使って日本をよくしていきたい」というITによる社会の変革・革命を起こしたいと望む社員が多いと思います。時折外勤営業の様子を見る事があるのですが、それぞれ金融だったりとか、通信、製造など各分野においてどのようにいかにIT化していくかという目標をもっている人が多い。候補者様にもそういったマインドを持っていただければと思います
取材協力
白澤賢悟
2014年よりリクルーターとしてのキャリアを開始。
これまでの経歴である人材紹介サービスコンサルタント、IT業界での人事経験を活かし、2019年よりデル・テクノロジーズ株式会社のシニアマネージャーとして入社。社内のタレントアクイジションチーム内にエグゼクティブサーチチームを立ち上げ、採用活動の在り方の変革に貢献するなどの実績を持つ。
タレントアクイジション、HRコンサルティング、エグゼクティブやミッドキャリア採用に精通している。デル・テクノロジーズ株式会社の募集職種はこちらからご確認いただけます。
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