【記載例つき】転職活動に使える職務経歴書の知識・スキルの書き方

転職活動で応募書類として作成する職務経歴書のフォーマットには、一般的に「活かせる知識・スキル」の部分が含まれています。ところが、実際に記載する段になって何を書くかで悩んでしまいますよね。

自分は一体、どんなスキルを持っているかわからない、あるいは未経験の仕事に役立つようなものなんて持っていないなどと、先に進めない方も多いでしょう。この記事ではそのスキル欄の役割から解き起こし、書き方を詳しく解説します。ぜひ、あなたの強みを採用担当者に印象づけ、自己アピールをしましょう。

職務経歴書「スキル欄」の役割とは?

職務経歴書の中のスキル欄の役割は、職務経歴だけでは読み取れないポテンシャルを簡潔にアピールすることです。職務経験を通して、あるいは自発的に学んで身についた知識やスキルなどを、この欄に簡潔にまとめて記載します。

新卒とは異なり中途採用の選考では、即戦力になるかどうかがポイントです。つまり、入社してすぐに仕事に活かせるスキルを持っているかどうかが問われます。そのためスキル欄を使ってアピールをすることは、書類選考通過のためには重要です。

「どんな内容」を「どのような形式」で書くべきかを充分に理解して、選考担当者の興味を惹く職務経歴書を作りましょう。

記載できるスキルの内容

職務経歴書に書くべき知識やスキルは、社会人としての経験の中で身に付けたものが前提です。それは、大きく2つに「テクニカルスキル」と「ポーダブルスキル」に分けられます。この2つのカテゴリに沿ってご自身のキャリアを振り返ると、職務経歴書に書く内容が見つけやすくなるに違いありません。

では、それぞれのカテゴリについて詳しくみていきましょう。

テクニカルスキル

テクニカルスキルとは、それぞれの職種あるいは業種ごとに必要とされる、専門的な知識やスキルを指します。特定のビジネスツールやアプリケーションを使いこなすスキルや、仕事に関連する資格などがこれにあたります。

テクニカルスキルの項目は、以下のようなものになります。

  • 専門的なツールやソフトウェアの使用経験、習熟レベル
  • 各種検定資格
  • 専門分野での業務経験
  • 業界知識・市場理解

募集されているポストの仕事内容が求めているテクニカルスキルを持っていると、選考担当者から良い評価を受ける可能性が高いので、必ず記載しましょう。なお、使用する職務経歴書のフォーマットが「資格」欄を設定している場合は、資格はそちらに記載する方が適切です。

誰しも持っているテクニカルスキル

とはいえ、特筆するスキルも資格も持っていないという方もいますよね。そんな方でも、心配することはありません。特定の職種における就業経験およびその業界の専門知識も、テクニカルスキルと捉えることができます。

たとえば小売業における店長経験や、不動産あるいは保険など高単価な無形商材の提案販売もテクニカルスキルと言えます。あなたの経験を通して得た業界知識や業界特有のスキルを、決して過小評価せずに自信を持って記載するとよいでしょう。

ポータブルスキル

ポーダブルスキルとは、「ポーダブル」の名前の通り汎用性があるビジネススキルを指します。業界や業種、職種に関係なく活かすことができるスキルであり、「PCスキル」や「語学力」、あるいは「マネジメントスキル」などが該当します。

これらは大半の企業に通用するもので、転職活動に際してはすべて洗い出して整理しておくのが賢明です。いわゆる「スキルの棚卸し」や「キャリアの棚卸し」を入念に行ないましょう。

もしあなたが、テクニカルスキルのアピールは弱いと感じたり、職務経歴欄で充分に強みを表現できていないと感じたりする場合に、ポータブルスキルを強調することによってカバーすることも可能です。積極的に記載しましょう。

また、PCスキルは一般的に記載される定番なので、まったく使えない場合を除いて書いておくほうが賢明です。

ポータブルスキル記載にあたっての注意点

記載するにあたっての注意点について、触れておきましょう。

まず、語学力に関しては、応募対象ポストの業務で充分に役に立つほどのものかどうかを客観的に判断してから記載することです。レベル的にそのポストには力不足であるならあえて記載せずに、今後真摯に磨いていくというアピールをする方が良い場合もあります。また、そのスキルと自身の年齢やキャリアとのバランスを見極めて記載することも大事です。

例えば30代後半なのに記載されているのが「ビジネスマナー」や「コミュニケーション能力」だけであれば、ほかになかったのかと採用担当者から不安に思われてしまうこともあります。

職務経歴書のスキル欄記載例

ここでは実際に書く際の参考に、記載例を紹介します。

<英語力>

  • TOEIC公開テスト 815点取得
  • 香港やシンガポールの顧客と英語でやり取りをしています。
  • 英文によるメール、見積書、請求書の作成および契約書の読解ができます。

<PCスキル>

  • Word:会議議事録、出張報告書、提案書、セミナー報告などを作成します。
  • Excel:基本操作に加え、2軸のグラフ作成やピボットテーブルなどができます。
  • PowerPoint:クライアント向けの企画書を作成できます。

<マネジメントスキル>
〇〇エリアの販売責任者として、15名のチームのチームリーダーを2年間担当し、業績を担当前の状態から20%アップさせました。

<Webディレクション>
小規模のコーポレートサイトから大規模サイトまでの豊富な製作経験があります。

<プロジェクトマネジメント>
マーケター、フロントエンドエンジニア、サーバーサイドエンジニア、Webデザイナーを含めた18人規模のプロジェクトのマネジメント経験があります。

<コスト意識>
工数や人員の無駄をなくし、成果物のクオリティを維持しつつコストの最小化に取り組んでいます。

<効率化>
定型的な業務に関しての改善や自動化の工夫を常に行なっています。

<論理的思考>
さまざまな立場の相手に対して、数字や事実を基に合理性がある議論を展開するよう努めています。

「活かせる知識・スキル」の書き方のポイント

職務経歴書の記述は、見やすくて分かりやすいのが鉄則です。選考担当者が内容を一目で理解できるように、押さえておきたい書き方のポイントは以下の4つです。

  • 分かりやすいように箇条書きやスキルシートを使用する
  • レベルが伝わるような具体性を盛り込む
  • テクニカルスキルは応募先企業の仕事に紐づける
  • 異業種からの転職ならポータブルスキルを充実させる

個別に詳しく解説しましょう。

分かりやすいように箇条書きやスキルシートを使用する

わかりやすさを重視するなら、あまり長い文章ではなく、箇条書きやスキルシートを使って表現するのが賢明です。

また、記載する項目が多過ぎると、アピールしたいポイントがぼやけてしまうおそれがあります。アピールしたい優先順位をつけて上位の3~5個くらいに厳選する方が効果的です。
PCスキルがたくさんある場合には、ネット上でさまざまなテンプレートがダウンロードできるスキルシートを利用しましょう。自分のスキルに合わせてシートを自作することも可能です。

レベルが伝わるような具体性を盛り込む

スキル欄に、「Webディレクションができます」「営業経験があります」「英語ができます」「PowerPointが使えます」などと書くだけでは、その知識やスキルのレベルが採用担当者には伝わりません。具体性を盛り込むことが必須です。

例えば英語スキルを使って何ができるか、PowerPointを使って何が作成できるのか、どのような規模のWebサイトをディレクションできるのかなどをわかるように記載しましょう。業務経験を記載する場合には、年数やそれを通じて積み上げた実績を併せて記載することが大切です。

PCスキルに関しては使いこなせる機能やソフトウェア、あるいはどのような業務に使用していたのかを書くのです。語学力については、TOEICスコアや英検などの客観的な裏付けがあれば記載しておきましょう。

その上で、対応可能な業務の範囲としてビジネスメール作成や文書作成、ビジネス会話などを明記すればよいです。

テクニカルスキルは応募先企業の仕事に紐づける

スキル欄は選考担当者に、自分が対象ポストの仕事に就いて遅滞なくこなせるかどうかを分かりやすく伝えることがもっとも重要です。そのため、その仕事に紐づけられるような内容を記載するのがベターです。

これまでに身につけた知識やスキルを一旦すべて洗い出し、その中から応募先企業の募集要項に照らして、求められている知識やスキルに合致するものを選んで記載しましょう。

異業種からの転職ならポータブルスキルを充実させる

応募先企業とはまったく別の業界や業種からの転職の場合は、これまでに身につけてきた業界の知識やスキルをそのまま記載しても、とりたててアピールにならない可能性が高いかもしれません。

そのようにテクニカルスキルに不安がある場合は、汎用性があるポータブルスキルにフォーカスして記載するという方法が賢明です。たとえば数値管理能力や語学力、マネジメントスキルやコーチングスキルなどが挙げられます。

ポータブルスキルを強調して記載すれば、未経験の業界や業種への転職であっても、過去の経験をベースとして活躍できるポテンシャルを選考担当者にアピールすることができるでしょう。

これといったスキルがない場合の対処法

いくら考えても、これといったスキルを持っていないという場合には、ひとまず自分で考えるのを保留して以下の方法を試してみましょう。

第三者に訊いてみる

自分の周りにいる客観的な意見をくれる第三者に訊いてみると、意外な自分の強みがわかることがよくあります。

従事する業界での経歴を通じて自然と身につけた知識やスキルを、多くの人は意外と過小評価しがちです。ところが、ちょっと視点が違う第三者が見ると、非常に貴重な知見であることが珍しくありません。そのため、第三者の客観的な声を聞くことも大切です。

転職のプロ「転職エージェント」に相談してみる

さらに、身近な人以外にも相談相手として適切な人がいます。転職のプロである転職エージェントのキャリアアドザイザー(コンサルタント)です。

キャリアアドバイザーは求人側ののニーズを熟知しているので、企業のタイプによってどのようなスキルを記載すれば書類選考が通過しやすいかをよく知っています。キャリアアドバイザーがあなたとの面談を通じて、なかなか自分では気づけなかったスキルに注目してくれることもあるでしょう。

また、応募書類全般のブラッシュアップや業界を意識した面接対策など、包括的なアドバイスも受けられます。私たちタリスマンも転職エージェントとして外資系やIT業界のハイクラス求人を中心に扱っています。転職に関することなら職務履歴書を始め、どのような些細なことでもご相談ください。

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まとめ

職務経歴書の中で自分の強みを採用担当者に印象づけられる、自己アピールのチャンスと言える「活かせる知識・スキル」の役割から解き起こし、書き方を詳しく解説しました。

まずはスキルの棚卸しをしてみて、テクニカルスキルとポータブルスキルを整理してみてください。すべてを欄に記載するのではなく、あくまで応募先企業や募集ポストに活かせるものを優先して記載しましょう。