dodaの「転職ランキング2021(https://doda.jp/guide/reason/)」によると、40代の転職理由として多いものは下記のような傾向にあります。
1位:給与が低い・昇給が見込めない・・・34.3%
2位:業界・会社の先行きが不安・・・・・31.2%
3位:尊敬できる人がいない・・・・・・・29.0%
4位:社員を育てる環境がない・・・・・・28.2%
5位:会社の評価方法に不満があった・・・25.8%
「業界・会社の先行きが不安」という転職理由は総合ランキングを見ても7位23.9%となっており、一般的に「会社の将来性が不安」という理由で転職を決意する方は非常に多いということが分かります。
しかし、会社の将来性への不安を理由に転職を決意した方の中には、面接で転職理由をどのように話せば良いか分からないと悩んでいる方も少なくないと思います。
この記事では、会社の将来性を理由に転職する場合、面接ではどのように答えたら良いのかをお伝えしていきます。
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目次
面接時の転職理由では何を見られているのか
転職理由を伝える際の基本的な考え方を押さえるために、面接で転職理由を伝える時、面接官には何を見られているのかを解説していきます。
自社でも同じ理由で退職しないか
1つ目は、入社後に同じ理由ですぐに退職しないかどうかを判断する材料として、転職理由を聞いています。
入社してから同じ問題にぶつかったときにすぐに諦めないかどうかを見極めているのです。
面接官の懸念を払拭するため、前向きな今後のビジョンを示すようにしましょう。
自分で変える努力はしたか、その上で変えられなかった結果なのか
働いていれば、簡単に自分の思い通りにならないことに出くわすというのは当たり前のことです。その時に、問題を自分の力で解決するために行動を起こしたのかという点を面接官は見ています。
自分の抱えていた不安を上司に相談したのか、解決するための提案はしたのかを伝え、それでも解決しなかったという結果であるということを伝えましょう。
他人のせい、会社のせいにしていないか
自分にも責任があることなのに、他人や会社のせいにしていないかということも、転職理由を見られるポイントです。
「本当に自分に原因はなかったのか」ということを客観的に見つめ直して、他人や会社の欠点ばかりを言うことは避けましょう。
妥当性のある理由か
第三者から見ても、妥当といえる転職理由かどうかも重要です。
あなたのことやあなたの会社のことを知らない人から見ても、「それなら仕方ない」と納得できる理由かどうかを確認しましょう。
そのため、初めてあなたの話を聞く人が、あなたの置かれている状況や会社の状況を理解できることが必要です。
現在の会社の業績や経営方針、あなたの考え、社内の人とのやり取りや関係性などを具体的に話しましょう。
会社の将来性を転職理由として話す時の3つのポイント
「将来性が不安」と思っているということは、先のことを見越して、課題を発見できるということでもあります。そのため、伝え方によってはアピールポイントにもすることができます。
それでは、会社の将来性を転職理由として話すときのポイントを押さえていきましょう。
1.「将来性が不安」であることの根拠は妥当といえるか
1つ目は、「将来性が不安」であることの根拠が妥当かどうかということです。
まず、業績の状況を具体的に話しましょう。どのような分野でどのくらいの期間業績が悪いのか、それが自分にどのように関わってくるのかという状況を伝えます。具体的な数字を使うことで、より相手が明確にイメージしやすくなります。
2.自分の将来のビジョンに合った理由か
2つ目は、会社の将来性をなぜ不安に思うのかを、自分の今後のキャリアビジョンとあわせて伝えることが重要です。
自分はどのような目標をもっていて、なぜ今の会社だとそれを実現することが難しい状況なのかを伝えましょう。
3.志望先の企業にも当てはまる内容ではないか
3つ目は、今の会社の将来性を不安に思っている点を話す時に、それが志望先の企業に当てはまっていないかということです。
転職をしても状況が改善されなければ転職する理由がありませんし、入社をしても退職してしまうと思われてしまうでしょう。
志望先の企業の業績や事業内容をしっかりリサーチして、志望先の企業には当てはまらない転職理由を話すように注意しましょう。
将来性への不安が転職理由でも大丈夫!良い印象を与える回答例
今までの知識やスキルを活かす場所を求めていることを伝える
<例文>
前職では新規プロジェクトのシステム開発担当者として抜擢していただき、外部の研修に参加したり、新しい言語を習得するなど準備をしていました。しかし、その後会社の事業規模が縮小することになり、新規プロジェクトの進行が中止になってしまいました。
私自身は大変興味を持っており、モチベーション高く取り組んでいたプロジェクトでしたが、再開の見込みはなく非常に残念でした。
新規プロジェクトに向けて習得した知識や技術を活かしてキャリアアップをしたいと強く思い、貴社を志望しました。
→会社の事業縮小により不安になったということを全面に押し出すと、安定性だけを求めて転職を希望しているという印象になってしまう恐れがあります。
その場合は、「現在の会社だと活かせない自分の知識やスキルを活かす場を求めている」というように、熱意のある動機を強調して伝えましょう。
状況を改善するために行動したことを伝える
<例文>
前職の化粧品会社では、1つのブランドのみのリニューアルをメインとしていて、事業拡大は考えられていませんでした。
新しいブランド立ち上げや別販路開拓の提案もしましたが経営方針は変わらず、会社としての将来性に不安を感じ転職をすることに決めました。
これまでの企画営業の経験を活かしながら、今後は消費者のニーズに合った企画をしていきたいと考えております。
→将来性へ疑問を持ったことだけしか伝えていないと、「疑問を感じたらすぐに辞めてしまうのではないか」と思われてしまいます。
そのため、状況を改善するために努力をした結果であるということを伝えましょう。自分が行動したことをできるだけ具体的に話すのがポイントです。
志望企業の経営理念をもとに伝える
<例文>
現在の会社では経営方針が度々変更され、長期的に働くビジョンが描けず将来性に不安がありました。
一方、御社は設立当初から変わらぬ、明確な経営理念とビジョンをお持ちとお伺いいたしました。長期的に安心して勤務し、成長を続けていけると考え、御社を志望いたしました。
→志望先の企業の良いところを踏まえて話すことで、転職する動機に根拠を持たせることができます。このように、転職理由を話すのと同時に志望動機もアピールするのも効果的です。
自分のビジョンや価値観と照らし合わせて伝える
<例文>
今の職場では営業職として勤務をしています。お客様の声を直にお聞きしているため、それを元に上司に商品改善の提案をしているのですが、コストの問題から実現は困難であるとの回答が続いています。
また、商品開発部への異動願も出してみたのですが、受け入れられる見込みがありません。競合他社も商品改善を競争のように行っている状況もあり、経営の将来性に不安を感じました。
今後は顧客ニーズをしっかり反映した商品作りに取り組んでいきたいというビジョンを持っています。顧客の声に耳を傾けることを重要視している御社の商品開発チームで、ビジョンを実現していきたいと考えております。
→今後の目標やビジョンを伝えることで、前向きな印象を与えることができます。志望先の会社でなら、自分のビジョンを実現できると話すことがアピールポイントとなります。
希望の働き方とのギャップを伝える
<例文>
私は1つの業界のことを深く知りたいため、現在の業界で長く働きたいという思いが入社当初からありました。
しかし、現在の会社はここ数年業績も市場規模も縮小傾向にあるため、生涯に渡って長期的に働くことは困難であると考えています。
今までの経験を活かし、業界の中でも特に業績を伸ばし続けていて、大きなシェアを獲得している御社で、今後も業界の成長に貢献していきたいと考えております。
→安定性を求めて転職をするのは当然のことです。しかし、「なぜ安定した職場で働きたいのか」という納得できる理由を示すことが重要となります。
その場合は、「この業界のことをもっと深く知りたい」という理由で、長期間安定した職場で働きたいという希望につなげましょう。
また、別の業界に転職する場合にも、「今の業界は縮小傾向にあるため、腰を据えてとことん追求できる業界で働きたい」というように応用できます。
将来性が転職理由の時に注意したいポイント:会社の愚痴で終わらない
会社の将来性を転職理由として伝える時に最も注意したいことが、「会社への不満だけを話して終わらない」ということです。
現在の会社への不満を延々と話されても、「一緒に働きたくないな」という印象をもたれてしまい、評価されることはありません。
また、会社への不満だけで終わってしまうと、入社しても同じような不満を持たれるのではないかと思われてしまいます。
自分が面接官の立場だったらどのような印象を受けるかを想像し、必ず前向きな内容を含めるようにしましょう。
まとめ
この記事では、会社の将来性を転職理由として伝える際の、面接での答え方を説明してきました。もう一度おさらいになりますが、会社の将来性を理由として話す時は下記の3つのポイントを押さえましょう。
①「将来性が不安」であることの根拠は妥当といえるか
②自分の将来のビジョンに合った理由か
③志望先の企業にも当てはまる内容ではないか
現在の会社の将来性に不安を持っているということは、危機管理能力や、先を見通す能力が高いといえます。
志望先の企業に「今後の明確なビジョンを持っていて、うちでも活躍してくれそうだな」という印象を持ってもらえるよう、転職理由をアピールポイントとして使っていきましょう。