面接で「転職理由」を聞かれたら?OK・NG回答例9選

転職活動中、または転職を検討している方で、面接で転職理由を聞かれた時の回答に迷ってしまう方は多いのではないでしょうか。

転職を決意するきっかけは必ずしも良い理由だけではなく、多くの場合ネガティブな理由も含まれています。

しかし、採用をする企業にとっては、今後自社で活躍できる人材かどうかを見極めるための判断材料として、転職理由は面接の鉄板の質問といえるでしょう。

そこでこの記事では、面接で転職理由を聞かれた時の答え方として、OK・NGそれぞれの回答例をご紹介していきます。

具体的な例文を見ることで、面接官にどんな印象を与えられるのかをイメージしていきましょう。

NG回答例:面接で印象が悪い転職理由の答え方

まずは、悪い印象を与えてしまう回答例から見ていきましょう。面接でマイナスの印象を与えないように気を付けようと思っていても、無意識のうちにこんな回答をしてしまう人は少なくありません。

キャリアチェンジが理由の場合

<NG回答例>
”前職では営業として働いていましたが、以前からプログラミングに興味が有り、現在も専門学校に通いながらプログラミングのスキルを身に着けています。

営業としてお客様のニーズを汲み取りながら、プログラマーとも関わり共にシステムの企画をしてきました。

この経験を活かして、御社でさらにプログラミングの知識を学び、SEとして成長していきたいと考えています。”

一見前向きで好印象を持たれそうな回答のように見えるかもしれません。しかし、この回答例にはあるNGポイントが含まれています。

それは、転職する動機が「自分の成長」のみで終わっているからです。興味のあるプログラミングの分野で成長したいというモチベーションは良いことです。しかし、企業にとっては、会社に入って学んでほしいわけではなく、成果を出して活躍してほしいのです。

給与が理由の場合

<NG回答例>
”転職を決意した理由は、給与面に不安があるためです。

現在、メーカー営業職として3年間勤めています。先輩社員よりも売上に貢献できているのですが、3年間全く昇給することはなく、今後昇格をする見込みもありません。

このままずっと収入が変わらないのではないかと不安に思っており、今後は外資系メーカーのような昇給しやすい職業に就きたいと考えています。”

この回答からは、回答者が本当に昇給に値する働きをしていたのかが分かりません。

そのため、面接官に「うちの会社に入っても同じ給与面の不満を感じて辞めてしまうのではないか」と不安を与えてしまいます。

どのくらい業績を上げて、どのくらいの給与で、昇給・昇格をするためにどのような努力をしたのかを具体的に示しましょう。

業務量や労働時間が理由の場合

<NG回答例>
“私は趣味の時間を大切にしたいのですが、現職は休日も出勤することが多く、プライベートの時間が削られてしまいます。また、残業も連日続いており、体力的にも疲れてしまい辛いと感じています。”

休日出勤や残業などの労働環境は、まっとうな転職理由です。

しかし、面接では「うちの会社で活躍してくれそう」というポジティブな印象を与えなくてはいけません。上記の回答だと、全体的にネガティブな印象しか伝わってきませんね。

また、先ほどの給与面での不満の例と同様に、休日出勤や残業の多さが転職理由として妥当な程度かどうかが分かりません。

休日出勤や残業日は月何日、何時間あったのか、数字を使って具体的に伝えましょう。

人間関係が理由の場合

<NG回答例>
“上司と気が合わないと感じたため、転職を決意しました。

小さなミスでも長時間大声で怒鳴られたり、指示が曖昧で、言っていることがコロコロ変わったりします。そのような状況から、上司とこれ以上一緒に働くのは耐えられず、転職することに決めました。”

人の好き嫌いのような、主観的な理由を伝えるのは危険です。どこに行っても好きな人・苦手な人はいるものですし、環境に適応する能力がないと見なされてしまう恐れがあります。

自分でも人間関係を改善するように働きかけたというエピソードを盛り込み、環境に合わせる努力ができることを伝えましょう。

OK回答例:好印象を与えられる転職理由の答え方

給料が理由の場合

“転職を決意した主な理由は、給与水準が低く、大幅な昇給も見込めないことです。

現在の月収は20万円程度ですが、その中から両親へ仕送りをしなければならず、自分自身の生活に経済的なゆとりがない状況です。

また、5年間勤務している先輩の状況を伺ったところ、私と月収にほとんど差がありませんでした。上司にも昇給判断の基準を質問したのですが明確な回答が得られず、今後家庭を持つことを考えると、現在の会社でこのまま働き続けるのは難しいと判断いたしました。

御社では、成績に応じて昇給や昇格が実現できるとお伺いしました。御社で業績を上げることでキャリアアップをしていき、自分自身の家族を支えられる経済力も身につけていきたいと考えています。”

「月収20万円」「5年間勤務しても月収が変わらない」など、具体的な状況を説明できています。また、両親への仕送りなど、経済的に困難な背景も話しているため、転職理由としての妥当性を客観的に見ても納得できます。

人間関係が理由の場合

“年齢や入社歴に関係なくチャンスがあり、主体的に発言できる環境で働きたいということが転職理由です。

現職では年功序列型の考え方が根付いていて、若年層の私が新しい取り組みや改善策を提案しても、聞き入れてもらえませんでした。

御社では、年齢や入社歴ではなく、実力を重視して評価をされているとお伺いしています。是非御社で成果を出し、いち早く即戦力として活躍していきたいと考えています。”

残業時間が理由の場合

“前職では、1人あたりの業務量が多く、月に3回以上は休日出勤をしていました。また、日々の残業時間が多く、ほぼ毎日8時から22時くらいまで出勤している状況でした。

増員や業務フローの改善策を上司に何度も提案しましたが、会社が採用にコストを割ける状況ではなく、変化を好まない社風から、改善する見込みは見られませんでした。

御社では、少ない残業時間の中で、高い生産性を発揮することを重視しているとお伺いしています。心身共に健康な状態でパフォーマンスを最大限に発揮し、より成果を上げていきたいと考えています。”

こちらも、具体的な数字を出して前職の状況を客観的に説明できています。また、自分から環境を変える提案をしたと伝えることで、積極性もアピールすることができます。

短期退職をする場合

“営業職として採用され入社いたしましたが、急な欠員が出たことが原因で、採用後に経理部門へ配属されました。

自分なりに効率の良い作業方法を模索するなど工夫をし、会社の経営戦略に携われるよい機会をいただきましたが、やはり営業職として活躍したい思いを強く持っていました。

上司に転職を願い出ましたが、しばらくは配置転換をするつもりはないとの回答でしたため、転職を決意いたしました。”

多くの企業は、社員を採用したらできるだけ長く籍を置いてほしいと考えています。そのため、短期間で退職した転職履歴を見ると、またすぐにやめてしまうのではないかという不安を抱いてしまいます。

そのため、短期間で転職する場合にはあえてその理由をはっきりと伝え、面接官に不安を与えないようにしましょう。

会社の規模が理由の場合

私はどんどん新しいことに挑戦して成長していきたいという思いがあります。

しかし、現在の会社は規模が小さく、新しい学びを得たり業績を競い合ったりできるチャンスや、社員の人数が少ないと感じています。

そこで、成長意欲の高い先輩社員が多くいらっしゃる御社で、たくさんの人と切磋琢磨し合い、成果を追求していきたいと考えています。

現職への不満ではなく今後のポジティブな展望を中心に話すことで、面接官に意欲を感じさせることができます。「この人と一緒に働きたい」と思わせることができるような話し方を心がけましょう。

面接で転職理由を答える時の3つのポイント

今までご紹介した例をふまえて、面接で転職理由を答える時のポイントを整理してみましょう。面接で好印象を与えるためには、以下の3点を意識して転職理由を伝えましょう。

志望動機と一貫性を持たせる

1つ目は、転職理由が志望動機と合致しているかということがポイントです。

今までの会社では叶わなかったことを、志望先の企業ではどんな風に実現したいのかを話すことで、志望動機にも説得力が生まれます。

転職理由を整理したら、志望動機と照らし合わせて矛盾していないかを確認しましょう。

今後の意欲をアピールする

2つ目は、意欲や熱意をアピールするということです。

面接官は、転職理由を聞くことで、その人がどのような意識や姿勢で仕事に取り組んでいるのかを見ています。

そのため、転職理由を聞かれたら、今後の仕事に対する意欲をアピールできる場面として捉え、前向きな伝え方をするように心がけましょう。

自信を持って大きな声で話す

3つ目は、大きな声で堂々と転職理由を説明することです。

自信がなさそうに、暗い表情で転職理由を話していると、面接官に「本音ではないのかな」「本当は転職したくないのかな」とネガティブな印象を与えてしまいます。

転職は、自分の夢や目標を実現するための重要なステップです。今後のステップアップのために転職をするのですから、自信を持って堂々と転職理由を伝えましょう。

同じ内容を話すのでも、面接官の目を見てはっきりと話すことで、自信があるように見えて良い印象を与えることができます。

まとめ

この記事では、面接での転職理由の答え方の具体例をお伝えしました。どのように回答すれば良い印象が与えられるか、ポイントが掴めてきたでしょうか。

面接では、誠意を持って正直に話すことが重要です。

そのため、ここでご紹介した回答例をそのままそっくり話さないように注意してくださいね。

ご自身の本当の気持ちやエピソードを効果的に伝えるための参考として、この回答例を応用して活用してみましょう。

Talisman編集部

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