エンジニアのよくある悩みとは?深刻さ別6つの悩みとその対処法

ITエンジニアは時代が求める職業で収入も比較的高く、人材不足なので今後も重宝されるやりがいのある専門性が高い仕事です。一般職の人には理解しにくい悩みもあれば、仕事の性質からくる悩みもあるようです。将来のキャリアに関わる深い悩みもあるでしょう。
今後エンジニアを目指すみなさんにとっては、エンジニアが具体的にどういった悩みを抱えているのかが気になるのではないでしょうか。また、現役エンジニアのみなさんも、悩みの対処法がわからず苦労していることもあるでしょう。
この記事ではエンジニアの「よくある悩み」を、軽いものから深刻なものまで3段階に分けて2例ずつ計6例をピックアップし、考えられる対処法の具体例をご紹介します。

エンジニアのちょっとした悩み2例

エンジニアには日常に感じる、さほど深刻さはないちょっとした悩みがいろいろあるようです。ここではその中で、よく聞かれる代表的なもの2例を対処法とともにご紹介します。

PCのことを何でも知っているわけじゃない

一般的なイメージでは「ITエンジニア」と聞くだけで、PCやインターネットのことがなんでもわかっているように誤解することが多いのは事実です。
しかし、そもそもエンジニアには様々な分野があり、それぞれ専門性が異なります。また、ソフトウェアに詳しくてもハードウェアとは関わりの少ないエンジニアも当然いるのです。
PCに関して、項目によっては一般職の人のほうが詳しいケースも、中にはあるでしょう。PCのことなら何でも知っているように頼られると、エンジニアのみなさんも大変です。

【対処法】誤解を解いてわかることだけ丁寧に教えてあげる

とはいえ、一般の人からすれば、何かPCに不具合が発生した場合に、エンジニアを頼りに感じるのは仕方ないことです。専門外の問題であれば、面倒がっていると誤解されないように、それをきちんと伝えましょう。
そのうえで、手助けできる範囲は丁寧に教えてあることにより、コミュニケーションを良好に保てば、相手も何でもかんでも頼るものではないという理解が少しずつ進むはずです。

仕事の話が伝わりにくい

仕事に関する会話をしていて、相手に話がうまく伝わらないと感じているエンジニアは、意外と多いようです。仕事関係でもプライベートでも、エンジニア以外の人と話をしていて、説明が難しくて分かりにくいと言われることも少なくないと聞きます。

【対処法】わかりやすい表現に置き換えて話す

エンジニア以外の人と仕事の話をする時に、本人は普通に使う難しい表現が出てくることがあり、周りからわかりにくいといわれることがあるようです。
意識してわかりやすく、かみ砕いた表現で話をしてあげると、「さすがエンジニア!わかりやすい」と思ってもらえるものです。
また、専門的な内容をエンジニア以外の人に伝えたい場合は、専門用語などを、誰が聞いても分かるような表現に言い換えることでうまく伝わるでしょう。

エンジニアが少し困る悩み2例

先にご紹介したちょっとした悩みは、いわば笑い飛ばしてもよいレベルであり、対処法を少し意識すれば解消してゆくこともあるでしょう。
次に、少しだけ深刻さが加わる悩み2例と対処法をご紹介します。

健康・体調管理が難しい(特に新人に多い)

エンジニアは仕事柄、長時間のデスクワークが続くものです。どうしても慢性的な疲労や健康面での問題が発生しやすいのは否めません。
特にまだ長時間作業に不慣れな新人の頃は、ベテランのようにはいろいろなことの加減がわからないのです。よって、肩こりや腰の痛み、目の疲れが生じやすい傾向があります。
残業が増える繁忙期には、ストレスや時間不足から間食に多くのジャンクフードを食べ続けることにより、悪くすると肥満や生活習慣病を誘うおそれもあるのです。

【対処法】適度な休憩・運動をはさみ込む

長時間のデスクワークを無理なく続けるために最近よくいわれているのは、適度な休憩や運動をコンスタントにはさみ込んでいくことです。
例えば仕事を30〜60分続けたら必ず5〜10分の休憩を入れたり、ストレッチをしたりというパターンを作ってしまいます。
作業と休憩の時間配分については、さまざまな考え方がありますが、そもそも個人差もあるものです。自分なりに時間配分を決めてしまうか、特に決めずに集中力が鈍ってくるのを目安として、そう感じたら必ず休憩するというのでもよいでしょう。
要は、仕事に入れ込みすぎないで緩急のバランスをとることにより、作業の効率を維持しながら体調も維持できるのだということです。
他にも歩くことが健康にもよく、発想を生み出すにもよいといわれます。通勤を含む生活パターンの中で、歩く機会を積極的に取り入れるだけでも運動不足やストレスを解消して、生活習慣病の予防にもなるでしょう。
よく使われるアイデアとしては、車の通勤なら最寄りではなく少し遠めの駐車場を契約するとか、電車通勤なら一駅手前で降りて歩くというものがあります。

専門外の開発を任される

エンジニアはさまざまな種類に枝分かれしますが、システム開発を中心にしているエンジニアによく聞かれる悩みは、専門外の開発を任されることです。
開発業務を担うエンジニアであっても、開発のセクションあるいはフェーズの違いによって、言語やスキルはさまざまとなります。何でもできる前提で任されると、エンジニアも困ってしまうのです。
営業部門が仕事を受注し、エンジニアに開発の依頼をするというパターン自体は問題ありません。問題は、営業マンが自社のエンジニアが扱っていない言語の開発を受けてしまうことです。その結果、専門ではない分野の開発に四苦八苦するエンジニアも少なくありません。

【対処法】営業部門との日頃のコミュニケーション

営業の無茶振りに困るケースが多いとはいえ、彼らも悪気があるのではなく、できるものと考えて受注します。それをエンジニアが頭を抱えながらも受けてしまうので、「できるもの」という誤解は解けません。
自分の領域から少し外れたところであれば、スキルアップになると前向きに取り組むことも大事ですが、専門外では顧客満足を得ることが難しいこともあるでしょう。断りにくい雰囲気もあるでしょうが、場合によってはできないものはできないと毅然と断る勇気も必要です。それによって、営業マンは少しなりとも理解してくれるでしょう。
一歩踏み込んで、日頃から営業部門と良好なコミュニケーションをとることを心掛けましょう。
それにより、営業部門にとってエンジニアの強い分野、苦手な分野、できない分野などの理解が深まれば、効率の悪い受注は減り、最適な仕事の受注が増えて前向きな解決につながります。

エンジニアの深刻な悩み2例

さて、最後にエンジニア自身の将来に関わってくる深刻な悩み2例と、その対処法について触れておきましょう。

どうやってスキルアップしたらよいのか?

エンジニアという職業には、専門知識やスキルが必要で、誰でもがなれるわけではありません。エンジニアとして出来る限りスキルアップしようと考えて、この世界に入る人も多いことでしょう。
しかし、いざ現場に入ると思うほど仕事がなくてスキルが磨けなかったり、あるいは逆に学ぶ時間がないほど多忙だったりと、ままならない日々を送っているエンジニアも少なくありません。
実際にエンジニアの多くが、スキルアップができずに悩んでいるようです。残業や休日出勤が多過ぎると、オフの時間を利用したスキルアップができません。
多忙を極めるプロジェクトに入った場合、先輩エンジニアに技術的な質問をしたくてもできないまま、日々が過ぎていくことも往往にしてあります。

【対処法1】さまざまな仕事にトライさせてもらう

現場でさまざまな経験を積み、実践の中でスキルを磨くのは理想的です。さまざまな種類の仕事を積極的にやらせてもらいましょう。もちろん、それぞれが中途半端にならないように、真摯に取り組むことが前提です。
同じやるなら貪欲に新しい仕事を求めてゆくことが、スキルアップと評価アップにつながるでしょう。

【対処法2】市場価値を上げる環境を整える

エンジニアがスキルアップを望む場合に、新しい技術のスキル、あるいはニーズがあるのに人材が不足しているスキルなどを修得し、市場価値を高めることは効果的な方法です。現状のまま経験を積んでも市場価値をあげるのが難しいのであれば、転職を考えるのもひとつの手です。むやみに転職を繰り返すのはNGですが、近年では1回も転職をしていないと企業から懸念されることもあります。現状維持のまま悩んでいるうちに、あっという間に数年経ち、市場価値が下がってしまうこともあり得ます。市場価値を確認し、スキルアップできる環境を整えましょう。

キャリアアップしたくても方向性が決められない

日々多忙なエンジニアのみなさんは、将来に不安を抱きながらも、なかなかキャリアアップの方向性が見えてこないことも多いようです。
プロジェクトマネージャーなどのエンジニアの上位職種もいろいろあり、そもそも専門分野も数多くあるので、自分がどこを目指すべきかわからなくなってしまうのも現実といえるでしょう。

【対処法1】キャリアの棚卸しをしてみる

頭の中だけで考えずに、最近よく推奨されている「キャリアの棚卸し」をエンジニアとして試みましょう。
整理するために過去にやってきたことをまず書き出してみて確認し、それを踏まえて自分は、今後どのような仕事をしていきたいのか、どういう立場になりたいのかを考えます。
開発系やインターネット系、インフラ系などの方向性や、現場に関わっていきたいのかマネジメントに進みたいのかなどです。
そして、その方向性が過去にやってきたことやそれに対する評価から考えて、現実味があるかどうか、足りない部分は何かなどを考える必要があります。
マネジメントに進むなら、ヒューマンスキルを磨く方法を具体的に考えなければなりません。マネジメントに興味がないのであれば、現場でスキルアップを図れるようなキャリアプランを描く必要があります。
キャリアの棚卸をすることで自分が気づいていなかった発見もあり、やりたいことのために補強すべきものがより明確に見えて、悩みの解決に役立つことでしょう。

【対処法2】情報の間口を広げる

キャリアの方向性が見えない場合に、自身の視野を広げるためにエンジニア向けの交流イベントやコミュニティなどに積極的に参加することをおすすめします。そこでさまざまな情報を得ることにより、社内にいるだけでは知りえなかった情報を知ることができます。
また、講演会やセミナーなどに参加をすれば、同じような悩みを持つ人たちや、乗り越えて転職に成功した人たちの話も聞けます。
そうやって目を外に向け、情報の間口を広げることにより、社会や業界の中での自分の位置付けも見えてきたり、キャリアアップへのモチベーションを高めることが期待できるのです。

まとめ

エンジニアの多種多様な悩みを、重さの程度で分けてご紹介しました。対処法はあくまで例なので、それらをヒントに自分自身に合った対処の仕方を見つけていただければ幸いです。
ともあれエンジニアは将来性がある職業なので、現役のエンジニアの皆さんには、ぜひスキルアップやキャリアアップを期待しています。
今後エンジニアにチャレンジしようと考えているみなさんも、ここでの悩みや対処法の情報を参考にして懸念を取り払い、高い年収も期待できるエンジニアへの転職を検討してみてはいかがでしょうか。

Talisman編集部

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