【転職におすすめ】外資系証券会社一覧と選考に必要な資質と条件を解説

平均的に年収が高いと言われる外資系企業の中でも、とりわけ外資系証券会社はそのトップクラスとされています。また、知名度も高く「ゴールドマン・サックス」や「モルガン・スタンレー」などの名を耳にしたことがある人は多いでしょう。そのため、転職志望者に非常に人気が高い企業群です。それだけに、選考突破の難易度は高く、求められる資質や条件をよく理解して選考対策の準備をする必要があります。

この記事では外資系証券会社の代表的な企業の一覧や、転職活動での選考に必要な資質や条件などを詳しく解説します。外資系証券会社に興味がある転職志望者のみなさんは、ぜひ参考にしてください。

転職市場で人気が高い外資系証券会社とは

転職志望者に人気が高い外資系証券会社とは、どういう企業なのでしょうか。その仕事の内容や給与体系の面から詳しく見ていきましょう。

外資系証券会社の仕事

外資系企業では多くの場合、人材の採用活動は部門別です。特に外資系証券会社の場合は専門分野ごとに細分化されており、求人の募集要項で部門名を見ても具体的な仕事内容がわかりづらいという声がよく聞かれます。多くの外資系証券会社に共通する以下の5つの部門ごとに、大まかな仕事内容を解説します。

• マーケット（証券）部門
• リサーチ部門
• オペレーション部門
• 投資銀行部門
• アセット・マネジメント部門

また、別の切り口として、これらの部門を業務上の性質からフロントオフィス・バックオフィス・ミドルオフィスに分けることもできます。

フロントオフィスは現場の最前線で収益を上げる業務を担当するマーケット部門・投資銀行部門・アセットマネジメント部門です。バックオフィスはフロントオフィスを後方支援する事務方のオペレーション部門です。ミドルオフィスは間接的にフロントオフィスの業務を支えるリサーチ部門です。

では、この5部門のそれぞれを詳しく見ていきましょう。

マーケット部門

マーケット部門は金融商品の売買を担当する部門です。もっとも証券会社らしい業務を扱う部門といえるでしょう。この部門の業務は、日系の証券会社に近いものがあります。

部門の中でセールスとトレーダー、そしてストラクチャリングの3つの担当に分かれます。セールスは証券や債券、デリバティブなどの金融商品を販売します。顧客としては個人投資家ならびに機関投資家です。機関投資家とは銀行や保険会社などの金融機関の運用部門を指します。

扱う金融商品自体は競合他社との差別化が難しいので、業績を上げるためには営業活動そのものの力量が重視されます。トレーダーはセールスのようにクライアントを相手に売買するのではなく、自社の資金を運用して収益を上げる担当です。ストラクチャリングの仕事は、セールスが販売する金融商品の開発を担当します。

リサーチ部門

リサーチ部門は世界情勢や経済環境、株式市場、為替やマクロ経済など、ありとあらゆる次元のマネーの動きをリサーチして深く分析し、レポートにする役割です。

そのレポートはクライアントが何に投資するべきかを判断する際の重要な資料となります。資料の精度が高いほど、マーケット部門や投資銀行部門がクライアントから受注を獲得しやすくなる、いわばフロントオフィスの頭脳のような部門です。

オペレーション部門

オペレーション部門はセールスやトレーダー、アセットマネジメントの資産運用担当者などのフロントオフィスの業務をサポートする後方支援部隊です。フロントオフィスが展開する取引の決済や、さまざまな書類のチェックなどを事務方としてサポートします。

社内のどの部門とも信頼し合える関係を築くためのコミュニケーションスキルや、煩雑な作業を正確にこなしゆく資質も必要です。

投資銀行部門

投資銀行部門は業務内容として、資金調達のサポートやM&Aのコンサルティングがメインです。例えば、海外進出や大規模な設備投資を検討している企業に、そのための資金調達のスキームを提案し、その実行をサポートします。

あるいは、クライアント企業にふさわしい高い付加価値を生みそうなM&A案を提案して、資金調達の方法も含めて財務コンサルティングを行います。この部門はさらに業務の方向性でカバレッジチームとプロダクトチームに分けられていることが多いです。カバレッジチームは、資金調達やM&Aなどでクライアントの利益を最大化する提案をして案件を獲得する営業的な役割となります。プロダクトチームはカバレッジチームが獲得した案件を、具体的なスキームを構築して実行する役割です。

アセット・マネジメント部門

アセット・マネジメント部門は、富裕層や企業の資産運用を担当します。証券会社の一部門である場合もありますが、別会社として運営されているケースも多く見られます。仕事の内容としては資産形成のサポートであり、スイス銀行に端を発するプライベートバンキングの流れを汲む仕事です。

豊富な金融業務の経験がなければ難しく、新卒で任されることはありません。主に、金融業界で充分なキャリアとスキルを培ったベテランが担当する業務です。

外資系証券会社の給与体系

外資系証券会社の人気が高い大きな要因である高額年収の給与体系は、ベースサラリーとインセンティブでの二本立てで構成されます。

ベースサラリーとは日系企業の基本給に近いです。ただし、外資系企業は日系企業のような家族手当や住宅手当などのさまざまな手当が基本的にないので、それらが持つ生活支援の意味合いも含めて、ベースサラリーは高く設定されることが多いです。

インセンティブは、個人の成果によってスライドする報酬です。ベースサラリーを基準にして、評価の各段階によって何パーセント支給というルールが、企業ごとに決められています。外資系証券会社のベースサラリーの目安は20代前半から半ばで600〜900万円、20代後半から30代半ばで900〜1,500万円、30代後半以降で1,500〜3,000万円です。

そのベースサラリーに、あとは個人のパフォーマンスの出来次第でインセンティブが上乗せされるので、一般企業よりは相当高額になるのは間違いありません。

外資系証券会社一覧

日本で活動する主な外資系証券会社を、本国の親会社の特徴を表すひと言を添えて一覧表にしましたので、参考にしてください。

外資系証券への転職に必要な資質と有利な条件

高額年収や知名度の高さなどで、転職先として人気が高い外資系証券会社ですが、転職するためには必要とされる条件があり、また有利とされる資格があります。それぞれを詳しく見ていきましょう。

外資系証券への転職に必要な資質

外資系証券会社の中では、それぞれの担当する部門や業務ごとに求められるスキルも異なります。

マーケット部門であれば、セールスはクライアントと折衝をする上での、コミュニケーション能力が必要です。トレーダーは市場の動きをその都度的確に判断して最良のアクションを起こすアジリティ（ビジネス上の敏捷性）や高度な数的センスが求められます。

ストラクチャリングは複雑高度化する金融商品の組み合わせでパッケージ商品を作るための金融工学の理解と数的センス、クライアントのニーズを捉えるマーケティングセンスが必要です。リサーチ部門は広範な知識と、さまざまな事象の本質を見極める分析能力求められます。

オペレーション部門は総合的な事務能力や書類作成能力、法的なチェックを行うリーガルセンスなどが必要です。アセット・マネジメント部門は資産形成のための金融工学を含む高度な金融知識が求められます。

このように、どの部門、どの担当であってもスペシャリストとしての業務を任されることになります。もちろん、これらすべてをひとりでカバーできる人材などいませんが、幸い部門別の採用になるので、あなたが応募する場合は応募する部門の中の担当業務にフォーカスしましょう。

まず、選考面接ではその部門の具体的な業務内容をよく調べた上で、あなたのキャリアやスキルで活かせるものを最大限にアピールすることが賢明です。そして、不充分だと思える部分は素直にそれを表明し、磨くための具体的なアプローチを継続的に行ってそのプロセスをアピールしましょう。

つまり、自分に欠けている要素が客観的に認識できていることを伝えるのです。何が足りないかが理解できていない人の評価は低くなりますが、それを分かってクリアしようと前向きに努力する人は評価される可能性が高いでしょう。

外資系証券への転職に必要な条件

外資系証券への転職には関してスペックとして必要、もしくは有利になると考えられる条件があります。

まず、中途採用者に対しては高いレベルの英語スキルが求められるので、バイリンガルであることは必要な条件になります。TOEICのスコアはそれほど気にする必要はなく、実際に話せて相手の言うことが理解でき、英語でコミュニケーションが取れるということに重きを置いてブラッシュアップしておきましょう。

また、他業界からの転職の場合、キャリア面で証券会社の業務と何らかの関連性がある経験が必要です。例えばコンサルティングファームなどでM&Aに関連する仕事を経験していたり、商社や製造業などで財務戦略や事業投資の経験などがあったりすると評価されるでしょう。

年齢的な条件としては、他業界から転職の場合は20代半ばから35歳くらいまででなければ厳しい面があります。35歳を超えていても現職が同業界であれば、それほど不利な材料にはなりません。しかし、それ相応の高度な専門性が問われることにはなるでしょう。前職や現職が大手の金融機関であったり、戦略系コンサルティングファームだったりすると、選考に有利な条件となる傾向が見られます。

学歴の条件としては、やはり高学歴が有利になります。旧帝大（東京大学・京都大学・北海道大学・東北大・名古屋大・大阪大学・九州大学）やハーバード大学などの海外の一流大学が最も有望で、東工大、一橋大、早慶などがそれに続きます。MARCHや関関同立などは、他に何か強い要素がなければ書類選考での足切りの対象になるかもしれませんので、応募書類にはそれなりのアピールが必要です。

ただし、出身大学がトップクラスではない場合でも、MBAを海外のトップスクールで取得している場合は有利とされます。海外の難関校でMBAホルダーになれたポテンシャルとともに、それを成し遂げさせた英語スキルも高く評価されるからです。

外資系証券を目指すなら転職エージェントを活用しよう

外資系証券会社への転職に成功するためには、ここで紹介した情報を基に万全の対策を打って臨むことが必要です。とはいえやるべきことは見えていても、独力ではなかなかうまく進められない場合もあるでしょう。

そこで、有効なのが転職エージェントの活用です。それもどこでも良いわけでは決してありません。タリスマンのように外資系企業に強みを持っている転職エージェントがおすすめです。
一般的な転職エージェントのように日本人メンバーだけでは、外資系企業とのコネクションを築くことは難しいでしょう。タリスマンは世界中のビジネスプロフェッショナルとつながることをミッションとし、そのネットワークを活用して転職志望者にとって理想的な企業とのマッチングに取り組みます。

タリスマンのメンバーは国際色豊かで、多くの外国籍コンサルタントがその国際性を活かして外資系証券会社を含む外資系企業と信頼関係を築いてきました。応募先の外資系証券会社には、あなたの人材価値を最大限にアピールして推薦します。

当然ながらタリスマンにはネイティブスピーカー、およびネイティブレベルのスキルを持つバイリンガルメンバーが在籍しているので、英語面接対策のサポートは重厚です。選考の細かな手続きや選考スケジュールの調整、内定後の条件交渉も含めてサポートできるので、タリスマンにお気軽に相談ください。

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まとめ

年収が高く知名度も高い外資系証券会社の代表的な企業一覧を紹介し、転職活動での選考に必要な資格や有利な条件などを詳しく解説しました。

外資系証券会社はフロント・ミドル・バックの3つのオフィス体制と、5つの部門に分かれており、それぞれの担当で求められるスキルがさまざまです。外資系証券会社への転職を目指すみなさんは、働きたい部門で求められるものを正確に把握しましょう。そしてその中で身についているものをアピールすると同時に、足りないものを磨くアクションに踏み出し、それも含めてアピールする意気込みが大切です。

ぜひ、外資系証券会社への転職に成功しましょう。