退職に至るストレスの原因とは?引き起こすリスクや退職決意の前にする事

退職を決意する根本的な理由の大半は、ストレスではないかといわれています。実際に、仕事に取り組む中でストレスを抱え続けていると、心身ともに負荷がかかり疲弊してしまいがちです。
それを押して無理を重ねると、体調を崩したり心が折れたりしてしまうケースも見受けられます。そこまでいくと、もはや退職や転職ということを冷静に考えることさえ無理です。
それほどストレスは脅威であり、これに悩まされている場合は早い段階で対処をすることが賢明といえるでしょう。
この記事では職場でのストレスの原因掘り下げ、退職を考える際にまずなすべきことについて解説していきます。
現在職場でストレスを感じているみなさんは、ぜひ参考にしてください。

退職を考えるほどのストレスの主な原因

あなたは、仕事に関してこんなストレスを抱えていませんか?
「職場内の人間関係が難しくて、仕事へのモチベーションが上がらない」
「仕事で貢献している内容と給料が釣り合っていないのが不満だ」
「何もやりたいことがなく、仕事の方向性や内容が自分に合っていないと感じている」
いずれかに、ぴたっと当てはまる人も多いのではないでしょうか。これらは代表的な仕事に関するストレスですが、その奥にある原因は何なのかについて、詳しく見ていきましょう。
主に原因と考えられる要素は、以下の4つに集約されます。

●人間関係
●仕事内容
●会社の将来性
●条件・待遇

それぞれを掘り下げて見ましょう。

人間関係

ストレスの原因として、もっとも多いのが人間関係のようです。日常的に職場の上司や先輩、あるいは同僚に気をつかい過ぎる状態が続くと、どうしてもストレスが溜まってしまいます。
継続的なパワハラなども、精神に与える影響は強いでしょう。気分が落ち込んでいくと、職場内の雰囲気がよくないのは自分がネガティブな性格だからかもしれないなどと思いがちです。
自らを過小評価するようになって卑屈になり、より強いストレスを招く負のスパイラルに陥りかねません。
そうなってくると、上司や先輩からの何気ないひと言や同僚の冗談であっても、悪く捉えて深刻に考えてしまい、気が休まらなくなります。
場合によっては、深刻な心身のトラブルにつながりやすいのが人間関係からくるストレスです。つまり、人間関係は充分に退職の理由となりえる問題と考えてよいでしょう。

仕事内容

仕事内容に不平や不満があって、それがストレスになる場合もよく見られます。これには大きく2種類あり、仕事が多過ぎる場合とやりがいを感じられない場合です。
それぞれについて、触れておきましょう。

仕事が多過ぎる

仕事の量が非常に多くて、毎日業務に追われて残業が多い状態が長く続くと、精神的に肉体的にも疲れてしまいます。
それでも責任感がある人や、自分の評価が気になる人はついつい頑張り過ぎ、結果的に極度に心身が疲弊してトラブルにつながりかねません。

仕事にやりがいを感じられない

仕事にやりがいを感じられないのも、辛いものです。当然、仕事がつまらなくなるでしょう。会社がその人の本来の能力を見極められず、適切な業務を与えていない場合も考えられます。

会社の将来性

会社の将来性を不安に感じるようになると、それは自分自身の将来性とも連動する部分もあるので、ストレスを感じることになってしまいます。
会社のために努力する気持ちが持てないのであれば、退職や転職という選択肢がリアルに浮かび上がるのです。

条件・待遇

会社から支給される月々の給料や半期ごとに支給される賞与が、自分の生活していくための充分な額からほど遠ければ、強いストレスを感じてしまいます。

ストレスが引き起こすリスクを知っておこう

ストレスが原因で引き起こされる健康上のトラブルは、多岐に渡ります。
人というものは、自分が今抱えているストレスがどの程度のものかは、意外と分からないものです。よって、気づかないうちにストレスが増大し、体調不良を引き起こすことも往々にしてあります。
ストレスが原因となる心身のトラブルといえば、もっとも典型的なものは鬱病でしょう。
くの人が職場で日常的に嫌なことがあっても、生活のために堪えて乗り越えているのではないでしょうか。その程度がひどくなると抑鬱状態に陥ってしまいます。
ほかにも不眠症や胃潰瘍、自律神経失調症、摂食障害などにより、状況がますます悪い方向に向かうこともよくあります。
このような深刻な心身の影響が出始めたら、早い段階でカウンセラーに相談したり医療機関を受診するのが賢明でしょう。

退職を決める前にやっておくべきこと

ストレスに耐えきれなくなって退職を考えた時に、課題を改善する余地が本当にないのかを確認するために、少しだけ立ち止まってやっておきたいことがあります。
もちろん、すでに心身に深刻なトラブルが発生しているなら話は別です。その場合は会社を辞める辞めない以前に、一刻も早く医療機関に相談することが先決といえます。
事態がそこまで緊迫していないのであれば、以下に示す5つの対処のうち、できそうなものをトライしてから判断してもよいかもしれません。

●考え方を変える
●信頼できる人に相談
●会社と交渉
●副業に取り組む

それぞれを詳しく解説しましょう。

考え方を変える

人間関係からくるストレスで、退職を考えるに至った場合、考え方を一度変えてみるという対処法があります。
うまくいけば見える景色が変わって、同じ職場でもやっていけるケースもあるのです。
そもそも、職場では友達関係のように自分で相手を選ぶことができません。価値観や考え方の合わない人とも、毎日顔を突き合わせてともに仕事を進めなければならないのです。
価値観が合わないものを無理に合わせようとするから、疲れてしまう場合も多いでしょう。
つまり、「もう合わせるのはやめにする」というアプローチです。「嫌なものは嫌」「納得できないやり方はしたくない」と割り切り、行動で意思表示をしてみましょう。

社外の信頼できる人に相談

人間関係や仕事内容で退職を考えている場合、あなたが信頼できる身近な人に相談するという対処法が有効な場合もあります。
家族や友人などの、あなたのことをよく理解している人に相談してみましょう。ある意味あなた自身が自覚していないことまで、身近な人は理解している場合もあります。

会社と交渉

人間関係や仕事内容、および条件や待遇面での不満からくるストレスで退職を考えている場合は、会社と直接交渉してみるのも一つの方法です。
切り口としては「異動」や「昇給」を望む交渉が考えられます。
職場を変えなくても、部署異動で人間関係を一新できる方法に巡り会う可能性もあります。
仕事内容も同様に、仕事の方向性が変わることで俄然充実した日々になる可能性はあるでしょう。
昇給などは差し迫った問題として相談し、このままでは転職を考えざるをえないところまで話せば、会社が慰留したいと考えるなら、昇給が実現する可能性はあります。

副業に取り組む

仕事内容や条件・待遇面からのストレスで退職を考える場合に、そのまま働きながら副業に取り組んで、収入アップと自己実現を目指す考え方もあります。
会社的に問題がないのでなら、本業と別のフィールドで自身のスキルを磨きながら、収入を上げていくことができます。
副業で自分が本当にやりたい道が見つかれば、フリーランスとして独立したり、その方面への転職をしたり、起業することだって不可能ではありません。

転職という選択肢と注意点

考え方を変え、相談をしてみても一向に改善が見られない場合も、残念ながらあります。そういう場合の選択である転職について、触れておきましょう。

手を打っても改善しない場合は転職を検討

いろいろと手を打ってみても最終的にストレスが解決しない場合、前向きに転職を検討するのは良い方法です。
「社内の人間関係が完全にこじれて修復不可能」「そもそも少人数の会社だから異動もない」「会社の業績が悪く昇給はほど遠い」など、もはや転職でリセットをするしかないともいえるでしょう。
転職をすれば、とりわけもっとも多い原因である人間関係も一新できます。

転職の注意点

注意点としては、転職で必ずしも解決するわけではないということです。なにもかも解決するように考えてしまうと、視野が狭くなります。
あくまで冷静さを失わないために、以下の注意点を認識しておきたいものです。

同じ轍を踏まない

まず、転職先に自分の望む理想的な環境があるという保証はありません。そこを履き違えると、再び同じ種類のストレスから辞めることになってしまい、堂々巡りです。
辞めたい原因と、どうなったら解決するのかをあらかじめ突き詰めて考えておくことが必要です。

円満退職を心がけること

どのような理由で転職をすることになったにせよ、やめていく職場と円満に別れることが大切です。
しかし、転職後にどこでどうつながって、また数年先に取引先として仕事を一緒にする可能性があるわかりません。
同じ業界ならもちろんのこと、まったくの異業種に転職したとしても起こりえるのです。できるだけ円満なかたちで退職しましょう。

まとめ

現代の退職事情で大きい原因となっているストレスには、どのようなものがあるのかを掘り下げ、対処法や選択肢としての転職とその注意点について解説しました。
もっとも大切なことは、心身が深いダメージを受けるまで放っておいては危険だということです。
しかし、ストレスを感じるからと安易に退職する前に、やっておきたいことがあります。その上で、前向きな転職に向き合うのが賢明な考え方でしょう。

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