転職面接の一般的な流れとは?具体的なフローと注意点、ポイントを解説

転職面接の経験がある人はだいたいの流れをつかんでいるでしょうが、現在初めての転職活動中で面接はこれからというみなさんにとっては、新卒以来の面接になります。
中途採用の面接は、すでに社会人経験を持っている人たちに対する面接なので、新卒の場合と比べてひと味もふた味も違って当然です。本番を前にして緊張することもあるでしょう。
この記事では不安を払拭し、精神的に余裕を持って転職面接に望んでいただくために、一般的な転職面接の流れとフローごとの注意点を自己PRのポイントも交えて解説していきます。

転職面接の一般的な流れとは?

まずは、転職面接においての一般的な流れを確認しておき、その後にそれぞれのフローを解説していきましょう。
詳細な部分は企業によって異なるかもしれませんが、あくまで一般的な転職面接の大まかな流れはとして理解してください。
現地に到着すると、以下のようなフローになります。
1:受付〜待機(待合室)
2:入室〜着席〜アイスブレイク
3:面接担当者による概要説明
4:面接担当者からの質問
5:質疑応答
6:今後の流れの確認
それでは、フローごとの解説と注意点に触れていきましょう。

受付〜待機(待合室)

応募先企業か、別で用意された面接会場に到着すると、受付を行う前にマナーとしての「身繕い(みづくろい)」が必要です。

マナーとしての「身繕い」とは?

冬場の会社訪問では、うっかりコートを纏ったままオフィスに入ってはいけません。一方、夏場であれば、暑いからといってスーツのジャケットを脱いだままでオフィスに入るのもNGです。
コートは(外着なので)脱いで、スーツのジャケットはきちんと着用しオフィスに入るのがマナーといえます。フォーマルな場所に入る前に、フォーマルなスタイルになっていることを確認する作業が身繕いです。
服装とともに、たとえば強風で髪の乱れなどがあればそれも正します。受付までに化粧室や鏡がない場合も多いので、手鏡などを携帯しておくと身繕いに使えます。
イヤホンなどを装着していた場合も、オフィシャルな場にはマナーに欠けるので外しておきましょう。
また、面接中はコートを自分の鞄の上に置かなければならないので、脱いだ時点でたたんでおく方が賢明です。

豆知識:コートの上手なたたみ方

コートには適切な畳み方があります。内側からどちらかの袖に手を入れ、袖先からもう一方の袖をつかんで引っ張るのです。
そうすると、くるりと左右対称で裏返しになります。少し整えて二つ折りにすれば、かさばらずに持ちやすくなります。その畳み方をしておけば、シワもつきにくくなるでしょう。

受付〜待合室での注意点

面接時刻には余裕を持って到着し、身繕いを済ませた状態で、5分くらい前になれば受付に行き、面接で来社したこと告げて面接担当者に取り次いでもらいます。
無人受付の場合は、一般的に内線電話かインターホンで来訪を知らせることができるはずです。その場合は「(自分の)氏名」「面接という来訪目的」「担当者名とアポイント時刻」を以下のように告げましょう。
「私は面接でお伺いしました〇〇と申します。〇〇部〇〇課長様に〇〇時のお約束をいただいております」
待合室で待機する際には、いつ呼ばれても速やかに反応できるように、姿勢を正して待ちましょう。

入室〜着席〜アイスブレイク

面接室の中から自分の名前を呼ばれると待機が終わりを告げ、いよいよ面接の本番開始です。順を追って解説して行きましょう。

ノックをして入室

面接室の中からあなたの名前を呼ばれたら、ドアに落ち着いて近づき、ノックを3回程度しましょう。決められた回数はありませんが、国際基準では3回が妥当であるとされています。
応答が聞こえるまで待ち、聞こえたら面接室のドアをゆっくり開けながら「失礼いたします」と言い、次に丁寧に30度のお辞儀(敬礼)をし、それから入室しましょう。
もし他の応募者はいなくて自分だけのアポイントであれば、面接室に案内された時点でのノックから開始です。
入室後はドアを後ろ手に閉めるのではなくきちんと向き直り、静かに閉めます。面接室の入り口にドアがない場合は、ノックの意味を込めて「失礼いたします」といいながら敬礼し、入室しましょう。
ドアがあっても開放状態なら、ドアがない場合と同じ要領で声をかけて一礼して入り、その後にドアを締めるべきかこのままでよいのかを面接担当者に尋ねて、指示を仰げば完璧です。

着席前の簡潔な自己紹介

用意された椅子まで近づいてその横に立ち、面接官に向かって簡潔に挨拶を兼ねた自己紹介をします。
「〇〇〇〇と申します。本日はお時間を頂き、誠に有難うございます。よろしくお願い申し上げます」
そして、丁寧に敬礼をしましょう。
応募者が先に入室し、後から担当者が入ってくるケースもあります。その場合は立って迎えるようにしましょう。座って待つように言われたなら、着席しても問題ありません。
その場合も面接担当者が見えたら、立ち上がって待ちましょう。面接担当者が着席した時点で、前述の挨拶と自己紹介、敬礼を行います。
ことろで、外資系企業では面接担当者が外国人のこともあるでしょう。その場合には敬礼よりも、握手をすることが自然な場合があります。その場合はきちんと相手の顔を見て、力を適度に込めて握りましょう。

手荷物の処理と着席

面接担当者から「どうぞお座りください」「どうぞご着席を」などの言葉が出てから、椅子の横に鞄を置き、コートがあればその上に置きます。
きちんと手荷物を処理し終わってから「恐れ入ります」「失礼いたします」などと言いつつ椅子に丁寧に着席しましょう。

アイスブレイク

必ずではないですが、面接開始前に「アイスブレイク」を入れるケースがよく見られます。これは、応募者の緊張をほぐすための雑談から対話を始める手法です。
面接担当者から、気候などの当たり障りのない話をして対話のリズムを作ってくれる時間といえるでしょう。もちろん緊張感が失われるほど長引かせず、1〜2分のことです。

面接担当者による概要説明

アイスブレイクが終わると、場合によっては本格的な質問に入ることもありますが、多くの場合は前置きとして自社や募集の概要説明があるようです。
企業側の意図としては、応募者の自社に対する理解を深めると同時に、企業の誠実な姿勢を見せて、応募者の就業意欲を高めようというものであると考えられます。

面接担当者からの質問

概要説明が終わると、履歴書や職務経歴書などの応募書類をもとに、面接担当者からの質問という、もっとも重要なフェーズに入っていきます。
質問の流れに沿って、解説していきましょう。
質問の初期は、おおむね応募者に「自己紹介」を促すことや「志望動機」の説明を求めることなどでしょう。
次第に、応募者個人の内面に迫る質問に移ります。「長所」や「短所」を尋ねられることも多いです。

志望動機を効果的に答えるポイント

志望動機が尋ねられる場合には、応募者の語る内容が、応募書類に記載されていることと矛盾していないかなどが見られます。
ここでは、あなたの現職の退職理由が応募先企業への志望動機と表裏一体であることを意識して答えましょう。
詳細な理由はともかく、あなたのストーリーとして退職が転職に連動していることで、一貫性を出すことができれば入社意欲を感じてもらえることにつながります。

短所を活かす答え方のポイント

「長所」や「短所」の質問に関して、面接担当者は投げかけた問いに対して返ってくる答えを軸に、深く掘ったり話題を広げたりしつつ、応募者の人となりを判断するのです。
ここで応募者にとって重要なことは、いくら短所を尋ねられたとはいえ、正直にネガティブなことを述べるのはマイナスポイントを増やすことになりかねません。
つまり、短所を答える際にも、それを裏返して長所に置き換えた表現で答えることが大切です。すべてを、徹底してポジティブに持っていく考えで回答しましょう。
例を挙げると以下のような発言です。
「私の短所は気になるとすぐ首をつっこむところです。興味を持つとどんなことでも必ず基礎的を理解したくなってしまう性分なのです。今後は基礎だけでなく、関わったことは深く身につけて本格的にこなせる人材になりたいと思います」
気になるとすぐ首をつっこむという短所を、広い見識という長所に置き換えています。
もうひとつ、例を挙げましょう。
「私の短所は、失敗をいつまでも悔いるところです。二度と同じ失敗で関係者に迷惑をかけたくないので、原因を深く探るからです。今後は必要以上に引きずらず、繰り返さないように仕事の精度を高めたいと思っています」
失敗をいつまでも悔いる短所を、責任感と向上心という長所に置き換えています。

質疑応答

面接担当者からの質問がひととおり終わると、応募者に質問を促す質疑応答に移ります。すなわち最近では面接の好印象対策としても注目されている「逆質問」のフェーズです。
応募者からの質問には、その企業に対する思いや就業への熱意、応募者自身の価値観などが反映される傾向にあり、そこを面接担当者も見ているのでしょう。
応募者にとっては、それまでに発言した内容のフォローができるチャンスでもあります。もし何か失敗と感じることがあれば、それを取り返すラストチャンスでもあるのです。

逆質問時の注意点

逆質問のマナーとして、守るべきことは以下の4項目です。
●焦点がぼやけた質問をしない
●面接担当者を困らせる質問はしない
●自分で調べればすぐ分かることは訊かない

逆質問を活かす考え方

ここで重要なことは、質問をする形で実は自己PRを盛り込んだ発言に持っていくということです。いくつか、そういう質問を準備しておきましょう。
例を挙げると以下のような発言が、質問という形で自分をアピールすることになります。
「私は〇〇〇〇に関して基礎だけでなく〇〇〇〇技術までを身につけておりますが、御社の業務でそれを活せる可能性があるのは、どういったセクションでしょうか」
「私は入社後には少しでも早く現場で活躍したいのでお尋ねしますが、入社してから〇〇〇〇開発の実践に取り組めるまでの流れは、どのようなものでしょうか」
「私が深く興味を抱いて修得し、前職で実績を上げてきた〇〇〇〇の知見を活かせる、〇〇〇分野の御社の成功事例があれば教えていただけますでしょうか」

逆質問が浮かばない時はどうする?

また、緊張のために準備してきた質問が出てこないこともあるかもしれません。
しかし、「質問は特にありません」というのは極力避けたほうが賢明です。マナー的にも良くなくて、入社意欲の度合いの印象もマイナスになるかもしれません。
そのような場合に備え、以下のような対応の仕方を暗記しておいて切り抜けましょう。
「お話くださったここまでの内容で、充分に御社の魅力を理解できましたので質問はございません。おかげさまで、御社で活躍したい思いがよりいっそう強まりました。有難うございます!」

今後の流れの確認

最後に、今後の事務的な確認事項についての話になります。採否の通知までの予定日数やどのように連絡されるかなどが伝達されるでしょう。それにて面接は終了です。

面接終了後にしておきたいこと

面接を終えてからある程度落ち着いたら、必須ではないですが、ぜひとも面接担当者にお礼のメールを送りましょう。好印象を残すために役立ちます。
メールはいつでも確認できるものですが、それでも応募先企業の就業時間内にお礼メールを送るのがマナーにかなっています。面接での印象が残っているうちに、早めに送るのが効果的といえるでしょう。

まとめ

転職面接の一般的な流れと注意点を解説しました。基本的なフローを理解すれば、あなたにとって準備すべき回答も思い当たることでしょう。
面接担当者からのその場で生まれる質問にも答えなければなりませんが、退職決意から転職志望の自分のストーリーを構築して臨めば、何も恐れる必要はありません。不安を払って本番に望んでください。
回答の基本は「すべてをポジティブに表現」することに尽きます。短所質問や逆質問で、上手に自己PRを盛り込むことで印象を色濃く残し、内定を勝ち取りましょう。

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