転職活動の面接に臨む場合に、もちろん想定される質問に対する答えの周到な準備は大切ですが、身だしなみも決して軽んじてはいけません。
新卒と違って充分に社会経験を積んだ応募者であるかぎり、立ち振る舞いだけでなく、見た目の隙もないように準備しておきたいものです。
見た目の中でも髪型に関しては、多くの人が少々迷いがちになります。
「新卒のようにいかにもカッチリするのは、かえって違和感があるだろう」
「かといって、ラフ過ぎてもいけないだろう」
迷ってしまって、正解がわからなくなってしまいますよね。
そこでこの記事では、転職活動の面接時の髪型にフォーカスして、違和感なく印象をアップさせるためのポイントや注意点を解説していきましょう。
目次
なぜ髪型が大切?
まずは、そもそも面接時の身だしなみにおいて、なぜ髪型が大切であるかに目を向けてみましょう。
髪型は本来、一人ひとりの個性の表現です。よって、似合っていればよいと考えることもできます。しかしながら、それは時と場合によるものといえるでしょう。
第一印象を決める大きな要素
面接にかぎったことではないですが、初対面の人の第一印象を形成するのに髪型は大きく影響する要素です。
髪型まであまり気にしないで面接に臨んでしまって、ボサボサのだらしない髪型になっていると面接担当者にどんな印象を与えるでしょうか。そこに誠実さは感じられないでしょう。
すでに社会人である以上、その場に相応しいきちんとした身だしなみに配慮するのは当然です。
面接担当者の立場になって考えてみよう
また、前述の髪型を気にしない例とは逆に、おしゃれでキメキメの髪型の男性応募者や可愛さを強調した髪型の女性応募者を目の前にした面接担当者は、一体どう感じるでしょうか。
こちらも決して場に相応しいとは感じもらえないでしょう。なぜなら、自分のことを大切にしていても、「面接試験」という場であることをわきまえる姿勢がないためで。
印象を悪くしないように、面接の場に相応しい髪型にしましょう。
面接で好印象の髪型?その生命線は「清潔感」!
面接において印象を良くする髪型の生命線は、おしゃれさでもカッコよさでもありません。男女共通で「清潔感」に尽きます。細部はすべて、清潔感を出すための要素と考えてよいでしょう。
男性応募者の場合の一般的な、清潔感を醸し出す要素を挙げてみます。
短め寄りの適度な長さ おでこを出している 黒髪 耳を出している
女性応募者の場合は、おおむね男性応募者と近いですが、異なる部分もあります。
適度な長さか長い場合はひとつにまとめている 黒髪もしくは自然な色 耳を出している
髪の色については、女性の場合はダークブラウンなどのナチュラル系のヘアカラーはさほど問題はないです。
ほんの少し髪の色を明るくするだけで、印象がぐっとよくなる人もいます。あくまでも、自分に合う髪の色で面接に臨みましょう。
ただし企業によっては、ヘアカラーにリスクがあるかもしれません。その辺りが微妙な応募先であれば、黒髪で面接に臨むのが賢明です。
好印象を得る髪型のポイント:男性編
清潔感という大前提のイメージを理解していただいた上で、具体的なポイントを紹介します。まずは男性編です。
ヘアカット時の注意点
ヘアカットで短めに寄せておけば清潔感も確保しやすく、スタイリングも容易です。パーツごとにポイントを挙げておきましょう。
【前髪】
前髪は短か過ぎるのも変ですが、長過ぎて目にかかってもいけません。適度な長さに揃えましょう。
【もみあげ】
もみあげ部分は短めに揃えます。襟足に関しては、シャツの襟にかからないようにカットするのがよいでしょう。
【サイド】
サイド部分は、耳にかからない長さにしておくのが賢明です。
【ボリューム】
毛量が多いと髪型にボリュームが出過ぎて、重くもっさりとした印象を与えてしまいがちです。梳きバサミで梳いてもらってボリュームダウンをして、軽快なイメージに近づけましょう。
スタイリングについて
スタイリングを仕上げる際には、以下のポイントに気をつけて行いましょう。
こめかみなど顔まわりの髪が顔にかからないよう固定しておく ワックスをつけるなら無香あるいは微香性のものを選ぶ ジェルを使用するならテカリが見立たないタイプを選ぶ 前髪を上げ気味にセットする セットしてから長時間キープするためにヘアスプレーで固める
好印象を得る髪型のポイント:女性編
次に、女性の場合の具体的なポイントを紹介していきましょう。
長さやまとめかた
まず、髪の長さやまとめかたについて、触れておきます。
【髪の長さ】
髪は比較的ミドルやショートが無難ですが、男性ほどはロングヘアでも問題ありません。ただし、ロングヘアの場合は前述のひとつにまとめるか、もしくは「ハーフアップ」ですっきりと見せるのがよいでしょう。
【ヘアアクセサリ】
ひとつにまとめる場合は、できるだけシンプルなヘアアクセサリを用いることが大切です。なお、結んだ髪の後れ毛に関しては、放置するのではなくヘアピンで留めておくと印象を得られるでしょう。
スタイリングについて
女性の場合は男性ほどではないにせよ、やはり顔まわりに髪がかからないようにする方が印象は良いでしょう。スタイリングを行う際に気をつけておきたいのは、以下に挙げるようなポイントです。
お辞儀をして顔を上げた時に髪が顔にかからない 目が髪で隠れないようにする 崩れやすいならヘアスプレーで固めておく
生まれつきの髪が個性的な場合の対応
生まれついての強めの天然パーマ、あるいはかなり明るい髪の色の人など、個性的なヘアの人たちもたくさんいるでしょう。
それ自体には、もちろん何も問題はありません。しかし、それを知らない面接担当者が「髪を染めているな」「パーマをかけているのか」などと誤解をするリスクがないとはいえないのです。
そうなると、何も間違っていないのに印象がマイナスになるのは残念なことです。この場合、3つの選択肢が考えられます。
その1は、間違っていないのでそのようなことを気にせず、清潔感を重視して臨むという考え方もあるでしょう。
その2は、誤解を招かないように事前に先方の担当者にひと言告げておくという方法です。これをしておけば、印象がマイナスになることはなく、むしろ入社熱意を強く感じてもらえる可能性もあります。
その3は、わかった上で自ら進んでストレートパーマをかける、あるいは黒髪に染める方法です。
もちろん、どれが正解ということはありません。自分自身の納得する選択肢を選んでください。
服装がカジュアルな業界の面接での髪型の考え方は?
ここまでは、面接の一般的な考え方に立った内容でした。一方、服装がカジュアルな業界ではどう考えればよいでしょうか。業界や個々の企業によっては、むしろ個性的な方が歓迎される場合もあるでしょう。
アパレル系などのファッション関連の企業やクリエイティブな人たちが集まる企業など、ファッションの自由度が高い職場もあります。
そうなると、面接とはいえ髪型が真面目すぎるのは、かえって違和感があるケースもないとはいえません。
完全な正解はないにせよ、そういう企業の面接における髪型の参考になる考え方を紹介します。
もっとも妥当な考え方は、基本的な面接スタイルの髪型と、応募先企業で働く人たちの髪型の雰囲気との間のニュートラルなイメージにすることです。
応募先企業の公式サイトやSNSで得られる情報などで、社員の人たちのリアルな髪型や雰囲気を確認して、許容範囲を見極めるのが得策といえるでしょう。
あえて硬いイメージで臨むという選択肢もありますが、柔軟性がないように見られても損です。
面接向けの髪型をベースに、少しだけその企業の社員のイメージに近づけて軽めにアレンジする程度でよいでしょう。こだわり過ぎているように見られなければ、それで問題ないと考えられます。
まとめ
転職面接においての「髪型」にフォーカスして「好印象」を獲得するための参考情報を紹介しました。
清潔感を重視しておけば、基本的には失敗はないでしょう。その上で、細かいポイントを意識すれば「隙」がなくなり、いっそう好印象を与えられる可能性が上がります。
また、生まれ持った個性的なヘアのみなさんも、ここで挙げた情報を参考にしてください。
身だしなみの一部である髪型が、あなたの第一印象全体に占める割合は大きいと考えて面接準備に臨んでください。