IT業界の転職で効果的な志望動機のポイント【企業タイプ別例文付】

IT業界の転職で効果的な志望動機のポイント【企業タイプ別例文付】

IT業界は転職志望者にとって売り手市場であり、また将来性から人気のある業界です。とはいえライバルも多いので、内定を勝ち取るためにはまず書類選考を通過しなければなりません。そのために、応募書類に記載する志望動機はひときわ重要になってきます。ありきたりの志望動機では、選考担当者に強くアピールすることはできません。ぜひ、ライバルに圧倒的な差をつけたいですよね。

この記事ではIT業界での転職活動における、志望動機の効果的な書き方について、企業タイプ別の例文も交えて詳しく解説していきましょう。

IT業界の転職事情

IT業界は転職志望者にも人気が高く、未経験者も含めて志望する人たちが増えつつあります。そんなIT業界ではエンジニアの人材不足が、長期にわたって深刻な問題とされてきました。DX(デジタルトランスフォーメーション)が進み、今後もさらに人材ニーズの拡大は加速すると予想され、人材不足はさらに深刻さを増しています。求職者の立場からすればIT業界の転職市場の現状は、完全なる売り手市場といえるでしょう。

民間企業の調査によれば、2021年の1〜3月における転職求人倍率として、IT/通信業は1人当たりおよそ5.5社の求人があるとされ、他の業種を寄せ付けない首位です。2位のサービス業はその3分の1、3位の金融業はその4分1であり、全体の平均もIT/通信業のちょうど3分の1という結果です。

つまり、前提としては転職志望者に追い風が吹いていて、職場を選べる状態です。決して自分を安売りする必要はなく、その上で戦略的に第一志望の企業に向けた対策を施してトライすることで、転職成功の確率は高まるに違いありません。

この他にもIT業界の展望はこちらで解説しているので、合わせてチェックしましょう。

IT業界の志望動機の書き方

転職活動でIT企業に応募する際の応募書類に記載する志望動機について、効果的な書き方を解説しましょう。ポイントとしては3段階でアピールする点です。

まず冒頭に、「結論」として業界やその企業を志望する動機を簡潔に述べます。次に結論に至った「根拠」として、合理性がある裏付けを述べましょう。最後に企業の発展と自分の成長や活躍を紐づけて、「意欲」を示して締めくくります。それぞれの段階を見ていきましょう。

結論:業界・企業志望の動機を簡潔に

まず、冒頭で志望動機の明快な「結論」を一文に簡潔にまとめて書きましょう。細かい部分は後で補足します。選考担当者の立場になって考えれば、まず結論を示されると話の着地点が明確なので、その後に書かれている筋道が理解しやすくなります。理解しやすいからこそ、練り上げた内容は共感を呼びやすくなるのです。

その逆に、着地点がわからない話は伝わりにくく、最後に結論を読んで「そうかなるほど」となったとしても、印象に深く残るかどうかは難しいでしょう。だからこそ、まず結論である「志望動機の根幹」を一文に凝縮して書くのが賢明です。できるだけインパクトを残すような一文で表現しましょう。

根拠:結論に合理性がある裏付けを

次に、冒頭の結論にどのように至ったかという「根拠」を示す段階です。結論に対して合理性がある裏付け明示する箇所と考えましょう。できるだけ具体性がある内容が好ましいです。

意欲:企業と自分を紐づけて

「結論」と「根拠」で、ある程度印象を刻めると考えられますが、最後に「意欲」を表現することでさらに印象を強めましょう。ここは、企業の業績向上と自分自身の成長や活躍を紐づけて述べると効果的です。

IT業界の志望動機のポイント

IT業界での途採用の選考は、新卒での応募とはわけが違います。社会経験をそれなりに積んだあなたが、現職を捨ててでもそのIT企業を志望するには、それなりに確信を持った動機があるはずですよね。志望動機の内容の深さによって、候補者の印象は大きく変わります。この段階で内容が浅ければ書類選考が通らず、面接が受けられません。

また、書類選考を通過した後の面接においても、ライバルを圧倒することを見越してパワーがある志望動機にする必要があります。現職がIT業界であるのか、他の業界であるのかによって、志望動機を書くにあたってのポイントが異なります。それぞれを見ていきましょう。

業界内の転職の場合

もともとIT業界にいる場合は、なぜそのIT企業を転職先として選んだのかを誰もが納得のいく合理的な理由とともに書きましょう。応募先企業で想定できる業務の中に、自分自身のキャリアやスキルが活かせる部分を見つけて書くことができれば選考担当者は採用後のイメージがしやすくなるので、内定圏内に入りやすくなります。

未経験からの転職の場合

他の業界から未経験で応募する場合は、IT業界を選んだ理由と応募先企業への興味や関心がはっきりと伝わる書き方を心掛けましょう。業界の知見は今後深める宿題としても、貪欲に学び前向きに努力できる姿勢やポテンシャルを感じさせることで内定につながりやすくなります。

経験者・未経験者の共通するポイント

業界の経験者、未経験者を問わず共通する、志望動機のポイントがあります。それは自分自身が、その企業にどのように貢献できるかということです。先の志望動機の書き方における最後の「意欲」の部分で、上手に盛り込むようにしましょう。具体的なイメージを伴う意欲を伝えることで、選考担当者に与える印象をアップできるでしょう。

IT企業タイプ別の志望動機例文

最後にIT業界の主なタイプである「自社開発企業」「システムインテグレーター」「ベンチャー/スタートアップ」、そして「未経験者歓迎の企業」における効果的な志望動機の例文を紹介しておきます。

自社開発企業

【ポイント】
企業のサービスと自分の関心という「共通項」を示すことで、動機がリアルに伝わります。また、業務に活かせるスキルがあるのと同時に、欠けているスキルを習得する意志をアピールしましょう。
【記載例A】
ITで人の生活に潤いを与えたいという想いから、IT業界のエンジニアを志望し、中でも貴社の「エンジニア自身のアイデアを活かしたサービスが企画できる」という点に共鳴し、志願を決意しました。
現職はまったくの異業種ですが、学生時代にはIT企業のインターンを経験し、オリジナルアプリの開発を行なったことがあります。その際にアイデアを形にする面白さや、自作アプリ誰かに喜んでもらえる嬉しさを知りました。
貴社でマーケティングの視点も身につけつつ、貴社の業績を牽引できるようなサービスを生み出したいと願っています。
【記載例B】
ITと教育を二つの軸にしたサービスの先駆者といえる貴社の先見性にかねてから感銘していた私は、今回の募集を知り志願させていただきます。学校教育の現場だけでなく、企業や各家庭においてもeラーニングが注目されており、貴社のサービスが担う使命は大きいと感じております。私は生涯学習についてここ数年間研究しており、これまでの教育手法では限界がくるという危機意識を持っていました。
貴社が標榜する、すべての学習者がオーダーメイドの教育を享受できるというビジョンに共感しており、私もITスキルを磨きつつ貴社に貢献できるよう、研鑽に励むつもりです。

システムインテグレーター

【ポイント】
企業の業務の特徴と自分自身が目指す仕事の「共通項」を示すことで、志望動機が強く伝わります。
また、求められる人材であることを強くアピールし、それに必要な知識を認識して学ぼうとする姿勢をアピールしましょう。
【記載例A】
さまざまな業種の企業の、細かなリクエストに応えてシステム開発に関われる貴社の業務内容に魅力を感じて、このたび応募させていただきます。
私は現職において、小売店向けに経営コンサルティングを担当しています。この仕事は対象の業種やサポート内容が限定的ですが、貴社のITを軸にあらゆる企業のあらゆる課題をサポートする行き方に感銘を受けました。
現職でこの5年にわたって磨いてきたヒアリングスキルを活かしつつ、ITの知見を積極的に深めて、貴社の現場の最前線で活躍したいと望んでおります。
【記載例B】
貴社の「顧客の課題を抜本的に解決するサービス開発」に共鳴し、IT業界は未経験ですが今回の募集に応募することを決めました。
私は人との交流が好きで、誰かの喜びを生み出す仕事をしたいと願って転職活動を行なってきました。そのため、設計書通りにプログラミングをするだけではなく、顧客の悩みや課題の解決の糸口を共に探れるようなエンジニアになりたいのです。
貴社においては大手企業をサポートする案件に関わることができ、経験豊富な先輩エンジニアから学びつつ、目指す姿に近づけると感じています。ITの専門知識をいち早く吸収し、貴社の一員として顧客のお役に立ちたいと願っています。

ベンチャー/スタートアップ

【ポイント】
募集ポストに求められているミッションを的確に理解し、それに活かせるキャリアを具体的にアピールしましょう。
応募先企業の状況をよく理解し、前向きに貢献しようという思いを示す事も大切です。また、事業内容にと関連する勉強をしていることをアピールして、意欲を伝えましょう。
【記載例】
私は貴社がAIを活用したサービス開発を積極的にしていることに共感し、会社自体もできたばかりで、これから仕組みを作っていける段階から参画できるという想いで志願することを決意しました。
IT業界は未経験ですが、新しい価値を持つサービスや、何かをゼロから作り上げていくことが好きで、現職では〇〇部門の業務効率アップを目的としたシステム導入に取り組み、成果を上げて表彰もされました。
私自身のスキル面での成長が貴社の躍進につながると信じ、AIについてWeb講座で日々学んでいます。貴社のサービスの普及を推進する一員として励んでいきたいと考えております。

未経験者歓迎の企業

【ポイント】
未経験者歓迎のIT企業の場合、研修制度が充実していることが多い傾向にあります。それを理由に志望する候補者も多いでしょう。しかし、それは依存心を露呈することになるので得策ではありません。
だからこそ、ライバルと差をつけるために研修制度に依存するのではなく、自身で学ぶ潔い姿勢をアピールすると効果的です。
【記載例】
私は貴社の美容業界のシステムに特化した独自の方向性に興味を抱き、その方面でのトップを目指す貴社の躍進に貢献させていただきたいと応募することを決めました。
ITは門外漢でしたが、この決意をしてすぐにオンラインスクールに登録し、まず基礎の学習をはじめました。
持ち前の集中力を活かして短期間で基礎をマスターし、現場にて実践しながらさらにスキルを磨いて、必ずお役に立つことを決意しています。

IT業界の志望動機でNGな要素とは

IT業界の志望動機を作成するのに、避けた方がよいNGな要素があります。入念に作成した志望動機に、NGの要素が混ざっていないかよく確認しておきましょう。

業界の将来性

IT関連産業は、押しも押されもせぬ成長産業であることは明白です。だからといって、それを志望動機にすると、強い者にあやかろうという安易な姿勢にとられかねません。業界の将来性には触れず、業界の関心がある部分や企業に共感する部分と絡める方が賢明です。

給与などの条件

IT業界はたしかに他の業界と比べて給与条件がよい求人も多く見られます。動機として本音はそこであることは、何も恥ずかしくはありません。より大きい報酬を得ることによって仕事へのモチベーションが上がり、企業に貢献できるという考え方はまったく問題ありません。

しかし、志望動機でそれを盛り込むのはややリスクがあります。というのは、打算的なイメージを与えてしまったり、その企業ではなく他の高額報酬が期待できる企業でも構わないのではないかと思わせてしまったりするおそれがあります。好条件は充実度などの言葉に代えて盛り込む程度にして、その企業ならではの動機を前面に出しましょう。

IT業界の転職にはエージェント活用がおすすめ!

IT業界に転職する場合には、転職エージェントの活用がおすすめです。特にIT業界に強いエージェントであれば、紹介される案件がより豊富であるだけでなく、ユーザーの資質と企業が求める人材とのマッチングが実現しやすくなります。

私たちタリスマンはIT業界と外資系企業に強い転職エージェントです。ぜひお気軽のお声掛けください。「いますぐ求人を探す」ボタン、あるいは「タリスマンに転職相談をする」ボタンを押して、IT業界転職に向けて私たちとともにトライしましょう。

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まとめ

IT業界への転職活動において、書類選考を通過するために効果的な志望動機の書き方を例文とともに解説しました。

売り手市場とはいえ、応募先企業ごとに同じ対明で選考を受けるライバルが存在するので、必勝を期して書類段階から選考担当者の興味を惹いておくことをおすすめします。IT業界を視野に入れて転職活動に挑むみなさんは、ここでの情報を参考にパワフルな志望動機を書き上げて書類選考を通過しましょう。

Talisman編集部

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