【プログラミング言語別に分類】Webフレームワークおすすめ18種類

仕事をしている上で、「フレームワーク」という言葉を聞いたことがある人もいますよね。フレームワークには、ITシステムやITサービスの開発の際にツールとして使う「Webフレームワーク」と、マーケティングや分析で使う「ビジネスフレームワーク」があります。

この記事ではWebフレームワークについて取り上げます。Webフレームワークをうまく活用すれば、アプリケーション開発の効率を上げてくれるに違いありません。今回は、おすすめWebフレームワークをプログラミング言語別に紹介しましょう。

Webフレームワークとは?

Webフレームワークとは、Webアプリケーションの開発作業において頻繁に行われる作業をパッケージ化し、ショートカットできる開発基盤を指します。具体的にはデータベースにアクセスするためのライブラリやテンプレート、セッション管理などを提供し、コードの再利用を促進させます。

本来は大規模プロジェクトに活用されてきましたが、近年ではWebアプリケーションの開発に必要不可欠となっています。

開発効率をめざましく向上させるツール

Webフレームワークの役割は、頻繁に行われる特定の作業にかかる時間と労力を軽減することで、開発効率を向上させる点です。

新しいWebサービスの開発においては、できるだけ短期間でリリースできるかがポイントになります。遅くなればなるほど、競合企業にシェアを奪われるからです。そのためWeb開発は多くの場合、一からコードを書いていくのではなく、Webフレームワークを使用します。

品質を安定させてバグの発生リスクを低減するツール

Webフレームワークのもう一つの役割として、品質を一定化する点があります。一からコードを書いてやっていく場合、書く人によって細かいやり方の違いがあるのでバグが発生しやすくなります。しかし、Webフレームワークを使えば共通ルールで作成され、バグの発生リスクを抑えることができます。

Webフレームワークを選ぶ際のポイント

Webフレームワークはプログラミング言語ごとにいくつもの種類があるため、どれを選べば良いのかわからないですよね。そこで、選ぶ際のポイントについて触れておきましょう。主に注目したいポイントは、3つです。

  • ソースコードが読めるかどうか
  • 開発環境に合うかどうか
  • 実績があるかどうか

それぞれを見ていきましょう。

ソースコードが読めるかどうか

まずは、Webフレームワークに使われているソースコードを読んでみて、ある程度は理解できるものを選択するのが良いでしょう。ソースコードが理解しにくければ、トラブルがあったときに対処するのに手こずる可能性があります。このため、初見でも半分以上は理解できるWebフレームワークを選びましょう。

開発環境に合うかどうか

プログラミング言語のバージョンや対応できるデータベースなどを調べて、開発で使用する環境に合うかどうかをあらかじめ確認しておく必要があります。それを怠ると、いざ作業に取り掛かってから立ち往生してしまうおそれがあるからです。

実績があるかどうか

新しいWebフレームワークが次々と生まれてきますが、新しいものはまだまだ実績が少ないです。そのため、選択を間違えて新しいものを使用すると機能が充実しておらず、かえって時間がかかるケースもありえます。シビアに効率を考えるなら、実績あるWebフレームワークを選ぶ方が賢明です。

ここからはプログラミング言語別でおすすめWebフレームワークを紹介します。

Java用Webフレームワーク3種類

Javaは世界中で多くの利用者がいる人気プログラミング言語です。サーバーで管理されるタイプのサーバーサイドプログラムなので、さまざまなOSにて同じような動作が可能という汎用性の高さが大きな特徴となります。

大規模開発においてもオブジェクト指向という概念によって利用されており、集団作業にも向いています。そのため、多くの企業で開発に使用されています。Java用のWebフレームワークのおすすめは以下の3種類です。

  • JavaServer Faces
  • Play Framework
  • Spring Framework

JavaServer Faces

JavaServer Facesは、標準コンポーネント指向UI(ユーザーインターフェイス)のWebフレームワークです。名称のFaces=顔という単語が表現しているのは、UIを構築しやすいWebフレームワークを表現しています。

略称のJSFで呼ばれることも多く、MVCモデルのWebアプリケーションを構築できるのです。 MVCモデルとはアプリケーションをModel=ロジック、View=プレゼンテーション、Controller=通信・制御の3つの部分に分割し、各パートを独立させて開発するアプリケーションです。金融機関などでも使用されます。

開発において再利用可能な、基本的なUIコンポーネントが提供されています。セレクトボックスやボタン、テキストフィールドなどのよく使うコンポーネントが揃っていて、UIの構築に非常に便利でしょう。

Play Framework

Play Frameworkは軽量で、JavaだけでなくScaleでも使えるアジャイル開発に適したWebフレームワークです。コンパイルがしやすいので、作業スピードの向上にも役立ちます。

Ruby on Railsから着想を得たもので、MVC設計であることもひとつの特徴です。分業による開発も容易な仕様であるため、大規模開発において効率的な作業を可能にします。

メモリの使用量が少なく、動作が軽いのも特徴です。Javaのソースコードのコンパイル後にサーバー再起動は不要で、変更点はコードをリロードするだけで反映できます。そのため、テストも効率的に進めることが可能です。

Spring Framework

Spring FrameworkはオープンソースWebフレームワークで、大きな特徴はDI(Dependency Injection/依存性の注入)です。大規模開発のアプリでは、途中に変更や修正が何度も入ります。

そこでDIを採用すれば、プログラムが外部依存するため、個々のコンポーネントの独立性が確保され、最小限の軌道修正で済ませることが可能です。

JavaScript用Webフレームワーク4種類

JavaScriptは、Webページのビジュアルを洗練させるためのプログラミング言語です。Webサイトをブラウザで表示するクライアントサイドスクリプト上で、動的な表現を可能にし、Web制作をスピーディで簡単に行えます。

開発環境もシンプルで、ブラウザとテキストエディタだけで実行できます。Webの知識がない方でも取り組めるでしょう。 JavaScript用のWebフレームワークのおすすめは以下の4種類です。

  • React
  • Express.js
  • Vue.js
  • AngularJS

React

Facebookによって公開されたReactは厳密にはライブラリで、Webフレームワークではありません。しかし一般的に、UIを構築するために利用できるWebフレームワークとして認識され、活用されています。

シンプルな設計で、データが更新されると適切なコンポーネントを更新してくれるという優れた予測性を持つのが特徴です。HTMLタグをJavaScript内に格納するような応用もしやすく、コードのデバッグも容易であり、具体性を持たせたレンダリングが可能になります。

Express.js

Express.jsはJavaScriptを実行する環境のひとつNode.jsを使いやすくするWebフレームワークです。フロントエンドとバックエンドがひとつの言語で実行可能であり、さまざまなWebサービスやIoTの活用も可能です。

Vue.js

Vue.jsは仮想DOMを採用しているWebフレームワークで、レンダリングの無駄をなくしてパフォーマンスの向上に役立ちます。

描画とデータを同期できる双方向データバインディングを採用しているのが特徴です。双方向データバインディングとはHTML側とJavaScript側が双方向に紐づけられている機能で、ソースコードの記述を大幅に減らせるなどのメリットがあります。コンポーネント指向においても、UIコンポーネントという再利用可能な共通コンポーネント提供されているため、手軽でスピーディなWeb制作が可能です。Webフレームワークとしての規模は小さめで覚えることも少なく、初学者でも導入が気軽にできます。

AngularJS

AngularJSは人気が高いWebフレームワークです。クライアントサイドで動作するWebアプリケーションの開発の際に使用できます。

ディレクティブよるHTML拡張や双方向データバインディングなど、使える機能が幅広いのも魅力です。テスト機能も搭載されており、フレームワーク内で実装工程からテスト工程まで実施できる効率の良さを持っています。

Ruby用Webフレームワーク3種類

Rubyはオブジェクト指向のプログラミング言語で、わかりやすいシンプルな言語として知られています。プログラマー人口が増えつつある現代では、使いやすい言語としてユーザー層がまだまだ広がると想定可能です。

Webフレームワークを使用することにより、開発する上での多くのベネフィットをもたらしてくれます。Ruby用のWebフレームワークのおすすめは以下の3種類です。

  • Ruby on Rails
  • Sinatra
  • Padrino

Ruby on Rails

Ruby on Railsは、現在もっとも認知度が高いWebフレームワークのひとつです。実際に、有名なCookpadやShopifyもRuby on Railsで開発されました。

Rubyでの開発はそのままRuby on Railsでの開発と考えてよいでしょう。大きな特徴はMVCで、Model(処理)・View(表示)・Controller(入力伝達)のそれぞれが独立性を持っていて、いずれかの要素に変更を加えても他の要素に影響がないので分業が容易になります。

Ruby on Railsはオープンソフトなので、誰でも無償で手に入れられます。Rubyのプログラミングを始めたい人にとっては、おすすめです。

Sinatra

Sinatraはとてもシンプルで、初学者が取り組むにはうってつけのオープンソースのWebフレームワークです。世界的歌手フランク・シナトラに由来した名称は、楽しもうというコンセプトを表しています。

SinatraではMVC構造を採用しないで、柔軟性がある実装が可能です。実際に、作業上で覚えることも最小限しかないので、ストレスをあまり感じないメリットがあります。

Padrino

PadrinoはSinatraをベースに作成されたオープンソースのWebフレームワークであり、さまざまなテンプレートエンジンと連携可能なgenerator機能が大きな特徴です。

generatorは管理画面やプモデル、マイグレーション、コントローラー、などを生成する機能となります。ひとたび作成したら、追加して使用できるので便利です。Sinatraの使いやすさを継承しつつ、Sinatraには欠けていたテストの自動生成や前出のMVC構造などの優れた機能を持ち合わせたスペックになっています。また、英語やスペイン語など10の言語に対応できます。

PHP用Webフレームワーク3種類

PHPは動的にWebページを生成できる、サーバーサイドのプログラミング言語です。他の言語に比べると文法が簡単なため、比較的簡単に習得できるプログラミング言語として知られています。

同じくサーバーサイドの言語である、MySQLと連携しやすいことも特徴です。そのため、CMSとしてトップシェアを誇るWordPressに使われています。PHP用のWebフレームワークのおすすめは以下の3種類です。

  • Laravel
  • FuelPHP
  • CakePHP

Laravel

Laravelは大規模開発にも対応可能なWebフレームワークです。Composerに対応しており、自動生成システムが最大の特徴でしょう。

通常の開発なら初期段階はデータ構造や文法を考えるのに時間を要しますが、Laravelは初期段階で自動生成をしてくれるので、時間が大幅に短縮できます。短い納期の案件に向いており、初学者も取り組みやすいWebフレームワークです。また、多くの機能を備えているので、よりスピーディに、より大規模な開発にも対応できます。

FuelPHP

FuelPHPはMVC構造の進化系であるHMVCを採用した、高速軽量で高い独立性と統一性の保持を提供できるWebフレームワークです。

PHP用の「最先端のWebフレームワーク」というコンセプトどおり、PHPの使用を全面サポートしています。複雑な設定をする必要がなく、解読性が高いコードを書くことが可能です。PHPに慣れていない実装者であっても、フォーラムに参加して他の参加者からサポートを受けることもできます。

PHP用Webフレームワークとしては後発なので、先発のWebフレームワークが抱えていた課題を解消しており、さらに使いやすくなっています。これからPHPに取り組む人にはおすすめです。

CakePHP

CakePHPは依存性管理ツールComposerに対応していることが特徴の、オープンソースのWebフレームワークです。

Composerは欲しいライブラリを入力するだけで、自動的に提示してくれる機能があるので大変便利です。CakePHPはWebアプリケーションの開発をスピーディに行う目的で作られており、データベースアクセスやコード生成の簡便性を提供しています。MVC構造が採用されており、Ruby on RailsでのRuby開発に慣れている人は、それと似た感覚でPHP開発ができます。

Python用Webフレームワーク2種類

Pythonはシンプルな構文で覚えることが少なくて済むプログラミング言語です。わずか1行で多くの処理を記述できるため、コードの文字数を抑えることができます。

多くの機能を付加できる標準ライブラリが前もって用意されている上、ありとあらゆる用途に使用できるPython向け外部ライブラリも豊富です。Python用のWebフレームワークのおすすめは以下の2種類です。

  • Django
  • Flask

Django

Djangoは人気WebアプリケーションであるInstagramやPinterestにも活用されている、高速処理を実現できるWebフレームワークです。

それを可能にするのは、memcashedという分散型キャッシュシステムとなります。 memcashedの特徴はシンプルなプロトコルや内蔵オンメモリストレージがあること、libevetライブラリの利用にて高いパフォーマンスを発揮することなどです。

複雑なデータベースアクセスにも対応できて、公式サポートされているデータベースは「MySQL」「Oracle」「SQLite」「PostgreSQL」の4種類です。開発効率と品質を上げるための、データベースへのアクセスに使うアプリケーションを調達する必要がなくて効率的です。

また、Djangoは実装に必要な「管理画面」「ユーザー認証」「RSSフィード」「サイト案内」などの機能が前もって揃っている、優れた実用性を持つことが特徴です。Djangoの公式サイトでは、アプリケーション作成の始め方も解説されており、簡単なアプリならすぐにでも着手できます。

Flask

Flaskは別名「マイクロWebフレームワーク」と称されるWebフレームワークです。

余計な機能が付いていないので非常に軽量で、カスタマイズ性にとても優れているのが大きな特徴です。別名どおりに最小限の機能を提供する小規模開発におすすめできます。

CSS用Webフレームワーク3種類

CSS は正しくはプログラミング言語ではなく、HTMLのようなマークアップ言語でもなく、スタイルシート言語です。HTML の要素を選択的にスタイルにするために使う言語です。

HTMLの中にビジュアルを良くする制御を組み込んだ場合に、文書構造が崩れてしまうリスクがあります。CSSはHTMLと役割を分担することで、意図するレイアウトでWebページを閲覧できるようにする機能を備えています。CSS用のWebフレームワークのおすすめは以下の3種類です。

  • UIkit
  • Bootstrap
  • Foundation

UIkit

Ulkitはレスポンシブデザインに対応した、使いやすい特徴がいくつもある人気が高いWebフレームワークです。iOSやtvOS Appのアプリケーション開発が行えます。機能がシンプルなので、他のCSS用Webフレームワークと併用しても問題ありません。テクストアイコンは標準装備で簡潔な記述で済みます。

一般的にWebフレームワークに装備されている実装機能の他にも、ドキュメントサポートやアニメーションサポートなどの支援機能と、リソース管理やテキスト管理などの管理機能も備わっています。

Bootstrap

Bootstrapはルールに従って使えば整ったページが簡単に構築できる、便利なフレームワークで、マルチデバイスやレスポンシブデザインにも対応できます。初学者でも手軽にWebページの制作が可能です。

その使いやすさに加えて、レスポンシブデザインに対応しているところも特徴です。マルチデバイスに対応可能なように、グリッドシステムを採用しています。再利用可能なコンポーネントおよびデザインが多数装備されており、効率良くWebサイトのデザイン制作を進めることができます。

Foundation

FoundationもUIkitやBootstrap同様に、レスポンシブデザインに対応できるWebフレームワークです。用意されているコンポーネントやスタイルや利用すれば、レスポンシブサイトが簡単に制作できます。

Foundationの特徴は、クラスを指定するだけで、もともと用意されているスライドショーやボタンなどの機能を実装できる手軽さです。サイトの枠組みを簡単に構築できる、グリットシステムやスマホなどのメニューが豊富なデバイスに役立つ機能であるオフキャンバスメニューが標準装備されています。

Webフレームワーク習得の秘訣

Webフレームワークの使い方を習得するためには、簡単な秘訣があります。

まずはどれでも良いので、自分が使える言語のフレームワークを選びます。そして、どのようなものでもよいので、ひとつオリジナルアプリケーションをひとりで作り上げてみましょう。そうすれば、そこに至るまでのプロセスで、さまざまな疑問点やバグへの対応などを自力で調べながらWebフレームワーク上で作業が進みます。

フォーラムなどを活用すれば、困った時にも誰かが教えてくれて前に進むことが可能です。アプリケーションが完成する頃には、ひととおりの想定されるトラブルや課題をクリアしているでしょう。このように、フレームワークの習得については自分で手を動かし、自分で調べながらアプリケーションを作るのがもっとも身につく方法です。

まとめ

ITシステムやITサービスの開発の際にツールとして使う「Webフレームワーク」のおすすめを厳選し、言語別で紹介しました。言語ごとに複数のWebフレームワークがあり、それぞれの特徴も違います。

ほとんどが習得の難易度は低くて、取り組みやすいです。Webフレームワーク習得のためには、何かアプリケーションを自分で調べながら作ることがもっとも効果的です。興味があるものを選んで、まずは何かを作ってみましょう。

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