面接では、冒頭で軽く雑談を交わす「アイスブレイク」を設けることがあります。しかし、想定外の質問にとまどってしまい、緊張してしまうこともありますよね。
本番で緊張しないためには、アイスブレイクの目的やよく聞かれる質問などを事前にチェックすることが重要です。そこで今回は、アイスブレイクの目的や好印象な話題について解説します。面接の雑談に苦手意識がある人は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
アイスブレイクの意味
アイスブレイクは、直訳すると「氷を溶かす」です。つまり、初対面の氷（アイス）のように緊張した雰囲気を壊す（ブレイク）ことになぞらえて、和やかな雰囲気で会話を始めるための手法を指します。
たとえば、面接の最初にその日の天気や最近の話題などの雑談をしますよね。これによって、面接の緊張をほぐしています。
面接でアイスブレイクをおこなう目的
面接でアイスブレイクをおこなう目的は、緊張をほぐす以外にもあります。雑談をする目的を理解できれば、どのような点に注意すべきなのか分かるでしょう。
緊張をほぐすため
アイスブレイクは、候補者の緊張をほぐすことが主な目的です。面接官は、なるべくリラックスした状態で、面接に臨んで欲しいと考えています。緊張している候補者は、思っていることをスムーズに話せないことが多く、採用の判断に重要な人柄や本心を判断できません。そのため、まずは選考に関係のない話題で雑談をしてリラックスさせるのです。
コミュニケーション能力を見るため
アイスブレイクには、候補者のコミュニケーション能力を測る目的があります。コミュニケーション能力が高い人材であれば、業務でも困らないと判断します。また、答えの準備が難しい雑談は、候補者のコミュニケーション能力を測るためには最適です。面接官の質問対して、見当違いな回答をしたり無言になったりすると、マイナスな印象を与えてしまうでしょう。しっかり質問を聞き、適切に回答しましょう。
社会人として適切な対応ができるか確認するため
面接官は、社会人として適切な対応ができているかどうかを、アイスブレイク中にチェックします。たとえば、言葉遣いや話し方のリズム、目線などです。キョロキョロと視線が泳いだり、尊敬語と謙譲語の使い分けができていなかったりすると、マイナス印象を与えます。きちんとした言葉遣いと落ち着いた態度を意識しましょう。
アイスブレイクでよくある話題
アイスブレイクでは、どのような話題が出るのか気になりますよね。ここでは、よく取り上げられる話題について解説します。
天気
その日の天気は、誰でも回答できる簡単な質問なため、聞かれることが多いでしょう。たとえば「今日は暑いですね」「雨が降っていましたね」など、「はい・いいえ」で回答できる質問も多いでしょう。
しかし、「はい・いいえ」だけで答えると会話が進みません。「はい、今年の夏は特に暑いようですね」というように、一言添えるとコミュニケーション能力の高さをアピールできます。このように、会話を広げるための一言を普段から意識すると、アイスブレイクでもスムーズに言葉が出てくるでしょう。
趣味
アイスブレイクでは、趣味について聞かれることが多いです。趣味や好きなことを通して、求職者の人柄を知れるためです。趣味の内容やハマったきっかけなどを答えると、会話が弾むでしょう。
しかし、趣味がない人もいますよね。その場合は、好きなことや習慣などを答えると会話が続きます。特に趣味がない人は、面接の前に好きなことや習慣を書き出したり、新しく趣味を見つけたりするのもおすすめです。「趣味はありません」と否定して会話を終わらせるよりも、会話を続けた方が好印象でしょう。
面接官との共通点
履歴書から分かる情報で、面接官との共通点は話題にしやすいためよく質問されます。たとえば、好きなスポーツが同じ場合、応援しているチームや有名選手について聞かれることもあるでしょう。履歴書に書いた内容は、会話を膨らませられるように情報をまとめておくと、スムーズに受け答えできます。
応募企業周辺の話題
応募企業の周辺にあるお店や施設について、話題になることも多いでしょう。実際に働いた時のイメージを持ってもらうために、美味しいレストランや有名なお店を紹介されることがあります。紹介されたお店や施設を知らなくても「どんなメニューがあるのか？」「何ができるのか？」など、自分から興味を持って話を広げることが大切です。
面接会場への交通手段
面接会場への交通手段は、よく聞かれる質問のひとつ。特に遠方から来た応募者は、交通手段や移動時間などを聞かれることが多いでしょう。
そこで「はい・いいえ」で回答できる内容でも、一言プラスすると好印象です。たとえば、移動時間を聞かれた時には「飛行機と電車を乗り継いで約○○時間かかりました」と、少しだけ情報を追加してみましょう。そうすることで会話が広がりやすく、スムーズにコミュニケーションが取れます。
アイスブレイクで避けるべき話題
雑談とはいえ、避けるべき話題があります。ここでは、アイスブレイクで注意すべき内容について解説しましょう。
政治や宗教に関する話題
政治や宗教など、思想に関する話題は避けましょう。
面接官は「公正な採用選考の基本」というルールによって、これらの話題に触れることを禁止されています。しかし、最近のニュースが話題に出た際、政治や宗教について、応募者から触れてしまう可能性があります。面接官にも思想があるため、特定の政治・宗教に関しての肯定・否定は避けましょう。
印象が分かれる趣味
マイナスイメージを持たれる可能性のある趣味は、話題にしない方が良いでしょう。
たとえば、ギャンブル・ゲーム・お酒などは、ルーズな印象を与える可能性があります。一方でこれらの趣味に関連する業界であれば、歓迎されるでしょう。趣味を答える際には、応募先企業の風土や業界に合わせることをおすすめします。
気を抜きすぎる
緊張をほぐすためとはいえ、フランクになりすぎるのはマイナスイメージです。たとえば、「ヤバい」や「マジ」など友達に話すような言葉遣いは避けましょう。どんなに会話が盛り上がったとしても、社会人として最低限のマナーを意識しましょう。
アイスブレイクを成功させるコツ
アイスブレイクでは、自分の社交性や勤勉さ、向上心など履歴書では表現しにくい人間性をアピールするのがポイントです。たとえば、長年続けている趣味や習慣があれば、粘り強く物事を続ける勤勉さをアピールできます。
またスムーズな受け答えは、社内での人間関係をスムーズに構築できることをイメージさせます。面接官が一緒に働きたいと思うような人材であれば、採用される可能性も高まるでしょう。
アイスブレイクは合否に直接影響しない
アイスブレイクは、面接の合否に直接影響しません。そのため、言いよどんだりうまく回答できなかったりしても、そこまで気にする必要はないでしょう。
しかし、応募者の人間性を見るために、アイスブレイクでの受け答えを重要視している面接官もいます。合否に直結しないとはいえ、社会人として最低限のマナーは意識しましょう。アイスブレイクは、面接官に素の自分をアピールする良い機会です。程よい緊張感を持ちつつも、リラックスして会話を楽しみましょう。