転職の面接練習は必要？成功につながる練習方法やオンライン面接対策など紹介
転職活動において、面接は非常に重要なポイントです。しかし、とても緊張するシーンとなるため、「どうすれば面接をうまく乗り切ることができるだろうか」と考えている人も多いでしょう。
面接を成功させる秘訣は面接の練習にあります。正しい練習をすれば、面接が成功する確率が高くなります。
この記事では、効果的な練習方法を具体的に解説します。また、コロナ渦でインターネットでの面接を実施する企業も増えているため、オンライン面接の練習方法も併せてご紹介します。
目次
面接の練習が必要な理由
転職を成功させるには、面接でよい印象を与えることが重要です。「面接では、聞かれたことに答えればいい」「自分は緊張しないから練習は不要」などと軽く考えていると、頭が真っ白になって言葉が出てこなかったり、内容の薄い話を延々としてしまう可能性があります。
面接官の質問に的確に答え、自分の長所や経歴を分かりやすく話さなければいけません。さらに、面接官はあなたの話し方や態度にも注目しています。
そのため、短い時間で面接官に好印象を与えるには事前の練習が欠かせません。面接の練習をするメリットや具体的な練習方法を解説します。
面接の練習をするメリット
この章では、面接の練習にはどのようなメリットがあるのかを解説します。
質問に的確に答えることができる
面接の練習では、面接官が聞くであろう質問を想定します。そして、その質問にどのように的確に答えることができるかを入念に準備します。頭の中だけでなく、声に出して練習すると、熱意をもって生き生きと語ることができるようになります。
また、想定される質問に対する回答練習を繰り返すうちに、頭の中で要点を整理することができます。
気持ちにゆとりを持てる
緊張を和らげる方法の一つは経験を積むこと、と言われています。面接の経験が少ない人にとっては、どのような流れで面接が進むのか、どのように答えればよいのかなど、本番であわてる可能性もあります。
しかし、面接の練習をすればイメージトレーニングができます。実際の場面を想定して練習することで「自分はしっかりと練習をしたから大丈夫だ」という自信がつき、緊張も和らぐでしょう。
話し方を改善できる
人には、自分では気づいていない「話し方の癖」というものがあります。時に、その癖が相手に不快感を与えてしまうこともあります。ビジネスシーンでは、話の内容だけでなく話し方も重視されます。プレゼンテーションや商談、電話での対応時には、相手にとって聞きやすい話し方をする必要があります。
面接の練習をすると、声のトーンや声量、話すスピードなどを客観的に分析できるようになり、面接官に好印象を与える話し方を身につけることができます。
面接に関する基本情報
この章では、面接はどのような流れで進むのか、どのような質問が予想されるのかを解説します。
面接の流れ
応募する企業によって多少の違いがありますが、基本的に面接は以下の流れで進みます。
(1)受付
(2)待合室で待機
(3)面接室に入室
(4)自己紹介
(5)面接官からの質問
(6)面接官への質問
(7)退室
列挙した流れのうち、(4)自己紹介～(5)面接官からの質問までが、重要なポイントとなります。特に「面接官からの質問」に関しては、「どんなことを聞かれるのだろう」「難しいことを聞かれたらどうしよう」などの不安を覚える人も多いのではないでしょうか。次の節では、転職の面接のときによく聞かれる質問と、模範的な回答方法をご紹介します。
転職の面接でよく聞かれる質問
ここでは、転職時の面接でよく聞かれる質問を3つ取り上げます。詳しく解説します。
自分の長所と短所
面接官があなたの長所と短所を聞く理由には、自分のことを客観的に判断できる人か否かを確かめたいという意図があります。しかし、自分の長所と短所を他人に説明するのは簡単ではありません。
日本人は自己肯定感が低いと言われることがあり、自分の長所を探すことに苦労する人もいます。自分の長所を見つけるには、過去の経験や印象に残っている出来事を振り返ってみるとよいでしょう。
努力したことや他の人に褒められたことに着目し、「何にどういう姿勢で努力したのか」「褒められたり喜んでもらえた経験をしたのはどんな場面だったか」などを深掘りします。そうすると、たとえば「リーダーシップがあり主体性を持って行動できる」「焦らず計画的に物事を進めることができる」などの長所を見つけることが可能です。
また、短所について言及するときは面接官にネガティブな印象を与えないようにします。自分の短所を認めつつも、それを克服するために意識していることなどをセットで伝えるようにしましょう。
例えば、「心配性な性格のため、第一歩を踏み出すことに躊躇することがあります。しかし、慎重さという長所を活かしながら大胆に行動できるよう、ビジネス書を読んで、ビジネスパーソンに必要なマインドをインプットしています」、などと言うことができます。
転職の理由
「なぜ転職を希望されたのですか？」面接官がこの質問をする背景には、自社に順応できる人材かどうかを確認したいという意図があります。例えば、前職を辞めた理由が、「人間関係で問題を抱えたから」「仕事が楽しくなかったから」など、ネガティブな理由だと、自社でも問題を作り出す可能性があると判断されるかもしれません。
転職理由を答えるときには、「自分のスキルをさらに向上させるため」「新しい環境で自分の可能性を広げるため」など、積極的な内容にしましょう。
転職理由を聞かれたときの対応についてはこちらの記事でも紹介しています。ご参考にどうぞ。
キャリアプラン
面接官は、採用予定の人材が成長意欲を持っているのかを知りたいと思っています。そのため、キャリアプランについて聞かれたときは、高い成長意欲を持っていることをしっかりと伝えることが大切です。
しかし注意点があります。キャリアプランは応募する企業で達成できるものにする方が無難です。「将来は独立したい」「より大きな企業でスキルを磨きたい」などとコメントすると、単なる踏み台として自社に応募してきた、と判断されてしまう可能性があります。
効果的な面接の練習方法
この章では、効果的な練習方法を解説します。一つ一つを実践していくと、面接スキルの向上が期待できます。これまでに面接を受けた経験が少なくても、イメージトレーニングをすることで本番で必要以上に緊張せずに済みます。
面接官からの質問を想定する
転職の面接で最大の難関ともいえるのが、面接官からの質問に答えるシーンです。事前に想定しておき、スムーズに回答できるようにしておきましょう。
特に準備しておきたいのは、自己紹介や転職理由、キャリアプランに関する質問です。前の章で紹介した「転職の面接でよく聞かれる質問」を参考に、どんな質問が想定されるのかをイメージしておきましょう。
また、持っているスキルや応募するポジション、業務内容によって想定する質問は異なります。できるだけリアルに面接官からの質問をイメージするためには、「自分が面接官だったらこんなことを知りたいだろうか？」と自問自答するとよいでしょう。
回答内容を紙に書く
面接官からの質問の内容をイメージできたら、それに対する回答を紙に書き出します。紙に書き出すことで、回答の内容を客観的に判断できるようになります。「話の筋が通っているか」「論理的な回答になっているか」「自分の魅力を最大限に伝えることができているか」などを確認しながらブラッシュアップしていきましょう。
面接の流れをイメージする
回答の内容を準備したら、当日の面接の流れをイメージしましょう。まず、受付を済ませてから面接室に入る場面を想像します。そして、「面接官への自己紹介」「面接官からの質問に答える」「退室する」などのイメージ場面を思い描きます。面接での一連の流れを頭の中で描くことにより、会場の雰囲気にのまれずに実力を発揮することができます。
友人や家族に面接官役をしてもらう
最後に実践練習を行います。友人や家族に面接官の役をお願いして、当日さながらの雰囲気で面接の練習をします。自分の回答内容に関してフィードバックをして貰うこともできます。自分では、論理的に話がまとまっていると思っていても、他の人が聞くと、何を言いたいのかよく分からなかったということもあり得ます。聞かれたことに対してスムーズに、しっかりと答えることができるようになるまで練習を繰り返します。
一人でできる面接の練習方法
状況によっては、一緒に練習できる人を探すのが難しい場合もあります。この章では、一人で面接の練習をする方法を解説します。ぜひ参考にしてください。
声に出して練習する
声に出して練習すること。これは面接の練習において非常に重要です。しかし、「面倒くさい」「恥ずかしい」「声に出さなくても頭の中で考えるだけで十分」と思って、声に出す練習を好まない人も多いようです。
面接の際に大切なのは、回答の内容だけではありません。話すスピード、声の大きさ、流暢さ、なども採点の判断材料になります。これらは頭の中だけで考えていても練習することはできません。
一般的に話すスピードは、一分間に300～350文字程度と言われています。書き出した回答の内容を声に出して練習することで、話すスピードが適切かどうかを図れます。
また、適切な声の大きさは、面接会場の広さなどによって変わります。そのため、どの程度の規模の面接会場になるのか、グループ面接なのか単独面接なのか、マイクを使う可能性があるか、などをイメージします。そして、どのような状況でも対応できるように、実際に声に出して練習しましょう。
質問に答えるときに言葉に詰まったり、「えーと」「あのー」などの意味のない言葉をたくさん使うと面接官によい印象を与えません。スムーズに答えることができるようになるまでしっかりと練習することが大切です。
鏡の前で練習する
メラビアンの法則によると、人の印象の55％は見た目で決まるとされています。つまり、回答の内容だけでなく、姿勢や態度、顔の表情などであなたの第一印象が決まってしまう可能性があります。
そのため、面接の練習をするときは鏡の前で練習することをおすすめします。以下の点に注意しましょう。
- ・猫背になっていないか
- ・体が揺れたり、手や足が不必要に動いていないか
- ・顔の表情がこわばっていないか
自分の声を録音する
スマートフォンなどを使って自分の声を録音すると、自分の話し方の癖や声のトーンなどを知ることができます。中には、自分の声を録音して聞いたとき、いつも聞いている自分の声と全く違っていて、驚く人がいます。「自分はこんな話し方をしているのか…」と最初はビックリするかもしれませんが、何度も録音を繰り返すにつれて話し方が改善されて、面接でもよい印象を与えることができるようになります。
時間を図る
話している本人は「短くまとめている」と思っても、聞いている方は「この話は長い」と感じることがあります。面接官からの回答は簡潔に１分以内で答えるのがベターです。自分の回答がどのくらいの長さなのか、実際に時間を図って練習しておきましょう。
オンラインでの面接の練習方法
新型コロナウイルスの感染拡大をうけて、企業によってはインターネットでの面接を実施する場合があります。この章では、オンライン面接の練習方法を解説します。
インターネット環境を確認する
よい回答を準備していたとしても、インターネット環境が悪いために、相手に声が届かないと意味がありません。面接中にトラブルが発生しないように、最適なインターネット環境を整えることを意識しましょう。
インターネットは共有のものではなく、個人で使用するものがベターです。一般的にオンライン面接を受けるのに必要なネット速度は30Mbps程度と言われています。事前にネット速度をチェックして、必要な速度を確保できるか確認しておきましょう。
マイク機能を確認する
コンピューターやタブレットにはマイク機能が付いていますが、端末によってはマイクの入りが悪く、相手にクリアに聞こえない可能性があります。そのため、オンライン面接では、ヘッドマイクやイヤホンマイク、または外付けのマイクを使用する方がよいでしょう。
また、使用する端末のマイク設定を事前に確認しておきます。事前にコンピューターやタブレット、スマートフォンなどでアプリケーションを起動させて、正常に稼働するかを確認しておきましょう。
カメラの映り具合を確認する
実際にアプリケーションを起動させて、自分の顔と体がどのように映っているかを確認します。顔が近すぎると相手を驚かせてしまう可能性があり、遠すぎるとあなたの顔の表情が読み取れなくなります。
一般的には、胸から上が見える程度の位置に座るのがよいとされています。コンピューターによってはカメラの性能が低いため、画質が悪かったり、顔の表情が暗く映ることがあります。必要であれば外付けのカメラを使用するなどの対策を講じるとよいでしょう。
また、逆光だったり、スポットライトが真上から当たっている場所に座ると、顔が暗く映ります。面接を受ける時間帯やライトの場所などを工夫して、できるだけ顔がはっきりと映るように工夫しましょう。
背景を確認する
オンライン面接を受けるとき、背景には必要最低限のものしか映らないように工夫しましょう。部屋全体の様子が見えていると、面接官も気が散るかもしれません。例えば、漫画やぬいぐるみ、趣味の物、ペット、服など、不必要なものが映っていると面接官にマイナスの印象を与えることがあります。可能であれば、無地の壁またはカーテンなどを背景にしておくと無難です。
やってはいけない面接のNG練習方法
間違った方法で面接の練習をすると最大限の効果は期待できません。この章では、NGな面接の練習方法を解説します。
回答内容を丸暗記する
準備した回答の内容を丸暗記する練習はおすすめできません。実際の面接では、あなたが予想した通りに面接官が質問するとは限りません。丸暗記すると、イレギュラーな質問が来たとき対応できなくなり、言葉に詰まってしまう可能性があります。
また、丸暗記した回答には抑揚がなく、面接官に熱意を伝えることが難しくなります。そのため、練習のときには回答を丸暗記するのではなく、言いたいことを頭の中で整理することを目標にしましょう。
緊張感のない状況で練習をする
家族や友人に面接官の代役を頼んで練習する場合、緊張感を保たないと有効な練習とはなりません。親しい間柄ゆえに、回答の仕方も砕けた話し方になったり、照れてしまって真剣に回答できなくなると、面接の練習をする意味がなくなってしまいます。
親しい相手に面接の練習相手を頼むときは、緊張感をもって行うのが最善です。緊張感が持てない場合は、当日と同じ服装で練習をすると緊張感を保ちやすくなります。
面接の直前に練習を始める
本番の直前ギリギリに練習を始めると、回答の内容などを修正する時間がないまま本番を迎えることになります。個人差がありますが、少なくても2週間ぐらい前からイメージトレーニングや回答の内容を紙に書き出していきましょう。そして本番1週間ぐらい前から、声に出して練習するなどの実践練習を行うと、当日までに練習を積むことができます。
プラスアルファでマスターしたい！面接官に好印象を与える話し方
面接シーンでの、ちょっとしたコツを知っておけば、ライバルに差をつけることができます。どのようなコツがあるのか、詳しく解説します。
結論から答える
面接の時間は限られているので、聞かれたことには的確且つ簡潔に答えることが必要です。その方法の一つは、結論から答えることです。例えば、「なぜこの会社を希望されたのですか？」と聞かれた場合、「自分のスキルをここで活かしたいと思ったからです」と答えた後に、なぜそう思ったのか理由を伝えます。
普段よりも大きく、明るいトーンで話す
声の大きさ、質によって、面接での印象が変わります。小さく、低いトーンで話すと「元気がない、やる気がない、成長意欲が感じられない」と判断される可能性があります。普段よりも意識して、少し大きな声、明るいトーンで話すことを意識しましょう。
姿勢に注意する
猫背になると元気や自信がない印象を与えてしまいます。また、顎が上がっていると高圧的な印象になり、下がり過ぎていると暗い印象を与えてしまいます。椅子に座るとき時は、背もたれに背中を付けず、背筋を伸ばします。顎を軽く引いて、手は膝の上に揃えます。男性の場合、ひざは肩幅より広がらないように意識して、つま先はまっすぐ面接官の方を向くようにします。女性の場合、足を揃えて座り、手は膝の上に置きます。
面接官に目線を向ける
緊張すると目線が泳いでしまい、天井や床、自分の手などを見てしまうことがあります。しかし、自分が回答するときは面接官と目を合わせながら話すのが基本です。複数の面接官がいる場合は、一人に偏ることなくまんべんなく目線を向けるようにします。
また、面接官が話しているときも相手を見るようにします。ただじっと見るだけでなく、軽くうなずくなどの意思表示をすると、コミュニケーションスキルを有していることをアピールできます。
転職の専門家に相談する
転職エージェントに相談すると、面接に関するアドバイスをもらえることがあります。転職エージェントは転職のプロフェッショナルとして、好印象を与える秘訣やあなたの職歴に合った回答方法を伝授します。
タリスマン株式会社では、外資系企業への転職のサポートを行っています。面接の練習方法や面接に関する悩みを持つ方は、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
今回は面接の練習の練習方法について解説しました。転職を成功させるためには、面接の練習は非常に重要です。
イメージトレーニングや、回答内容を紙に書き出すこと、鏡の前で声に出して練習することなど、ご紹介した秘訣をぜひ実践してみてください。練習すればするほど、あなたの面接スキルは向上し、転職も成功する確率が高くなります。
