転職志望者必見!コンサルに対する適性を自己診断するための10項目

どのような仕事にも向き不向きがあり、コンサルティングの仕事も例外ではありません。
その人材に適性があるかないかで、コンサルティングファームの中での活躍の度合いが変わってきます。

今回の記事ではコンサルティングの仕事に対する適性に関して、「資質・素養」「能力」「性格」の3つの切り口に分けて、自己判断するための合計10の項目を解説します。
転職先としてコンサルティングファームを考えているみなさんは、ぜひ参考にしてください。

コンサルティングとはどういう仕事なのか

まずはコンサルティングの仕事がどういうものか、その概要について触れておきましょう。
コンサルティングは主に企業や官公庁、地方自治体などの組織が抱える経営課題や運営上の課題について、解決・改善できる提案を行い、その実行もサポートする仕事です。
案件を一人のコンサルタントが担当する場合もありますが、多くの場合は複数のメンバーでプロジェクトチームを編成して、機動的に問題解決にあたります。
大規模なプロジェクトなら数十人で取り組むケースも見られます。
プロセスとしては課題を生み出している原因を追求するための調査・分析を行い、何がボトルネックになっているのか仮説を立て、施策を打って結果を検証し、それをもとにさらに改善策を実行するPDCAサイクルを回し、解決・改善を目指します。

コンサルティングには華やかなイメージもありますが、調査やプレゼン資料作成、結果の分析作業など地道で泥臭い作業がつきものです。
それでも経営という企業の根幹に関わっていく仕事は、やりがいや喜びが大きいといわれます。難易度が高い仕事なのでクライアントから支払われる報酬も高額であり、それは個人の年収にも反映されます。
ここからは、そんなコンサルティングの仕事に対する適性について、「資質・素養」「能力」「性格」の3つの切り口別に、自己判断するための項目を紹介していきます。

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コンサルティング向きの資質・素養を自己判断する3項目

まず、コンサルティングの仕事向きの資質や素養を自己判断するための、以下の3項目について見ていきましょう。

●体力・健康
●精神力
●集中力

体力・健康

コンサルティングファームの仕事は、昔からハードワークだといわれてきました。
ただし、働き方改革の流れを受けて、従来ほどのハードさは緩和されているようです。
それでも良い提案を引き出すためにあらゆる可能性を検討する作業や、クライアントへのプレゼン前の資料作成などに、遅くまで励むこともあるようです。
一般的な企業よりも多少ハードワークな面は否めないので、体力や健康がものをいいます。
ある程度体力や健康に自信がある人は、コンサルティングの適性があるでしょう。

精神力

コンサルティングは「答えのない答えを探す」仕事だとよくいわれます。
基本的に無理難題への挑戦がデフォルトな仕事なので、そうそう簡単に結果が出ないのは当然です。
試行錯誤を繰り返し、わずかな可能性にも光を求めてアグレッシブに努力を継続するだけの精神力が求められます。
根気がある人には、コンサルティングに対する適性があります。

集中力

成果を上げるためには、どのような些細な変化も見逃さず、検証や分析を行う必要があります。
長時間の分析作業ではともすれば集中力が欠けてしまい、目の前のヒントを見過ごすリスクがあります。
そのため、コンサルティングの仕事において集中力は非常に重要です。
集中力がある人こそ、コンサルティングに対して適性があるといえるでしょう。

コンサルティング向きの能力を自己判断する4項目

次に、コンサルティングの仕事向きの能力を自己判断する以下の4項目について見ていきましょう。

●ロジカルシンキング
●コミュニケーション能力
●計数感覚
●英語スキル

ロジカルシンキング

コンサルティングはプログラミングに大変よく似ているといわれます。
プログラミングはある目的のための最も合理的なやり方を追求する、ロジカルシンキングを形にしたような作業です。
コンサルティングも同じく、課題解決のためのもっとも合理的な方法をロジックにもとづいて仮説と検証を繰り返す中で追求します。
そのため、ロジカルシンキングができるかできないかは、コンサルティングに対する適性に関わる大きな要素です。

コミュニケーション能力

コンサルティングは人と接することが多い仕事です。
クライアントやプロジェクトチームのメンバー、社内外の多くのステークホルダー(利害関係者)と良好な人間関係を構築して積極的に巻き込むことが成果につながります。
そのため、コミュニケーション能力に欠けていると、コンサルティングの仕事で成果を上げにくくなります。
コンサルタントのコミュニケーションに関しては、共感力や傾聴力が大きなポイントになります。
人はだれでも自分に「共感」してくれて話を「傾聴」してくれる人にこそ、信頼を感じるからです。

計数感覚

計数感覚とは経営を俯瞰して、企業の数字と企業活動の関係を理解する力です。
経営者には欠かせないものですが、経営課題を解決するミッションを担うコンサルタントにも同様に欠かせません。
企業の数字と活動を関連づけて考えられる人は、コンサルティングに適性があるでしょう。

英語スキル

コンサルティングファームで働くためには英語スキルがある方が、はるかに有利です。
ひとつにはコンサルティング業界は外資系が多いことと、もうひとつはコンサルティング案件のグローバル化が進んでいるからです。
具体的には読み書きよりも会話ができることが大切です。
英語が話せる人はコンサルティングの適性があります。
以下の記事では企業が求めるバイリンガル人材像について解説しています。
単なる語学力だけでなく、ビジネスパーソンとして評価されるにはどのような観点から企業が採用したいと考えているのかを詳しく分析し、面接に臨むことが大切です。
ぜひご一読ください。

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コンサルティング向きの性格を自己判断する3項目

続いて、コンサルティングの仕事向きの性格を自己判断する以下の3項目について見ていきましょう。
●好奇心
●楽観主義
●パイオニア精神

好奇心

好奇心はコンサルティングの仕事の発露ともいえる要素です。
好奇心があるからこそ、解けない問題に対する探究心につながり、飽くなき追求の仕事ができるからです。
また、好奇心のある人は自然にさまざまな事象に対するアンテナを張っているようなものです。
一見関係のなさそうな項目からでも、課題解決のヒントをつかめることがあります。
好奇心がある人はコンサルティングに対する適性があると考えてよいでしょう。

楽観主義

楽観主義であることは、コンサルティングの仕事を継続するために必要です。
仕事がいつも順調にいくとはかぎりません。むしろ逆境が当たり前ともいえるでしょう。
そのため、悲観的な人の場合はモチベーションを保つことができません。
うまくいかなくても、失敗することがあっても、それらを糧に着実に前に進める楽観主義の人こそ、コンサルティングに対する適性があります。

パイオニア精神

コンサルティングの案件は、当然ながら前例のない難問ばかりです。前例があって答えがわかっていたら誰も苦労しません。
そのため、常に道のない原野で道を切り拓くパイオニア精神が重要となります。
日本では前例を重んじる考え方の人が、ある一定数存在します。「前例がないから認められない」という考え方です。
しかし何事も最初は前例などなく、誰かが実行して成功して前例となります。
コンサルティングはまさに前例を生み出す作業とも言えるでしょう。パイオニア精神があってこそ、コンサルティングに適性があるといえるでしょう。

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代表的なコンサル適性検査と対策本

コンサルティングファームの中途採用の選考では、書類選考に始まってそれを通過すればケース面接を含む面接が複数回実施されます。
いずれかの段階で、筆記テスト形式の適性検査も実施されることが多いです。
それぞれのファームが求める人物像に見合う人材を採用し、長期的に活躍してもらうことを願って人材を選考するので、その判断材料のひとつが適性検査です。
適性検査は「知識」「思考力」の面と、「性格」の面の両方を確認するために実施されます。
より具体的にはコンサルティング業務そのものに対する適性を見る意味合いや、採用後の配置の参考にする意味合いがあります。
適性検査のタイミングはファームによってさまざまです。ちなみに適性検査の位置づけもファームによりけりで、そもそも適性検査がないケースや参考程度に実施するケース、書類選考はゆるめに審査し、適性検査を重視するケースもあります。
あるいは面接およびケース面接は合格基準を超えていて、終盤で一般常識や性格などを含めてチェックするために実施するケースもあるでしょう。

コンサル適性検査に対策の意味はあるか?

適性検査はあくまで参考程度なので対策は必要ないと考える人もいますが、そうとは言い切れません。適性検査の結果を重んじて、足切り基準を適性検査によって設けている企業もあるようです。
よって、採用の可能性を高めるためには対策を施しておくほうが賢明です。
模擬試験にトライしておくことで、本番の適性検査で良い結果を出せる確率が増します。
さらにいえば、コンサルティングに求められる地頭を鍛える意味でも、適性検査対策は無駄にはなりません。

以下の記事ではコンサル特有の面接試験対策についてご紹介しております。ぜひご一読ください。

代表的なコンサル適性検査

コンサルティングファームで実施される代表的な適性検査は以下のとおりです。

●CAB適性検査 (Computer Aptitude Battery)
●GAB適性検査(Graduate Aptitude Battery)
●SPI(Synthetic Personality Inventory:総合適性検査)

それぞれの詳細を見ていきましょう。

CAB適性検査 (Computer Aptitude Battery)

CAB適性検査は図形を用いたIQテストに似ています。
筆記テストとWeb版があります。能力的な適性に加えて「チームワーク」や「バイタリティ」などの9つの項目について評価されます。
コンサルティングファーム以外にもIT企業のような、ロジカルシンキングが求められる企業で用いられ、「暗算」「命令表」「法則性」「暗号」「性格検査」の5項目で出題されます。
問題数が多く回答に時間制限があるので1問につき10~30秒で回答しなければ間に合わないので、対策を施しておくほうがよいでしょう。

GAB適性検査(Graduate Aptitude Battery)

GAB適性検査は総合的な能力を見ることが主眼です。数字や図形が中心のCAB適性検査とは違って、文章の読解問題などが出されます。
CAB適性検査のようにスピーディかつ正確に答えるという検査ではなく、しっかり文章を読み込んで設問に対して的を射た答えを出すタイプの試験です。
常日頃から文章を深く理解することを心がけるのも、訓練のひとつになるでしょう。

SPI(Synthetic Personality Inventory:総合適性検査)

全国的に広く利用されている適性検査のひとつです。自分のPCでWeb受験するケースとテストセンターで筆記試験として受験するケースなどがあります。
「能力検査」と「性格検査」があり、前者は言語分野(国語)と非言語分野(数学)、後者は質問に選択形式で回答する形式です。
ちなみに「能力検査」は出た問題を正確に理解して処理する能力を見る内容のため、対策をしても結果にあまり影響しないことが証明されています。それでも形式や受験方法に慣れておくことは大切なので、最低限の準備には意味があるでしょう。

コンサル適性検査の対策本

上記の3種類の適性検査に関する、さまざまな対策本が出版されています。
適性検査の対策をすれば、採用される可能性は多少なりとも上がるでしょう。しかしそれだけでは、自分の課題に気づくことはできません。
課題を見極めるために、適性検査のどこが苦手かを分析する必要があります。
CAB適性検査であれば「暗算」「命令表」「法則性」「暗号」などのジャンルごとに成績を整理して、どれが得意でどれが不得意かを確認します。
不得意なジャンルから自分に必要な能力を逆算して想定し、重点的に学習すれば総合的に適性のバランスが取れていくでしょう。
ここでは対策本の中から、おすすめの書籍を紹介しましょう。

これが本当のCAB・GABだ! 2024年度版 【Web-CAB・GAB Compact・IMAGES対応】 (本当の就職テスト)

本書ではさまざまなタイプがあるCAB・GAB適性検査のうち、多く使われているタイプのテストについて効率よく対策できるように編集されています。
難解で知られるWeb形式のCABの難問、GABの高難易度版から厳選された問題なので、これらでトレーニングを積むことで自信を持って臨めます。

CAB・GAB完全対策 2024年度 (就活ネットワークの就職試験完全対策4)

本書ではCAB・GAB適性検査の攻略法を解説しています。コンサル業界をはじめ多くの業界の選考で行われる超難解テストを、難易度や問題数の多さも含めて完全再現した対策本です。
Web形式のCAB適性検査のテスト対策としても使えます。
高得点を叩き出すための必勝テクニック「カンタン攻略法」が好評です。また、「性格検査」の詳細解説も掲載されています。

2024最新版 史上最強SPI&テストセンター超実戦問題集

本書ではSPIの最新頻出問題を復元し解説しています。最速で問題を解釈し、時間を有効に使うメモの取り方や使える計算方法など、検査本番で時間に追われる中でクイックに確実に解く方法をわかりやすく解説している本です。
また、目標時間を設定したトレーニング問題によって、実戦対策としては万全となるでしょう。テストセンター形式を模した、合格レベルが40分で判定できる模擬テストが収録されています。

適性に迷う場合は転職エージェントに相談しよう

コンサルティングの適性の自己判断をしてみて、いかがだったでしょうか。
はっきりと適性が感じられる人はよいですが、微妙だと感じる人もいるかもしれません。
それでもコンサルティング業界に進みたい気持ちがあれば、あきらめるのは早いでしょう。

適性検査がすべてではないので、適性に迷う場合は転職エージェントに相談しましょう。
転職のプロであるエージェントなら、適性検査ではわからない角度から、客観的にあなたのコンサルティングに対する適性について助言がもらえるでしょう。
そして、コンサルティング業界を目指すと決めた場合の、企業選びや選考対策の相談にも乗ってもらえます。
私たちタリスマンは外資系コンサルティングファームにパイプを持つ転職エージェントです。
コンサルティングファームへの転職に関して、どんなに些細なことでもお気軽にご相談ください。

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まとめ

コンサルティングファームの選考では、面接やケース面接のほかに適性検査が行われることもあり、その内容は難しいものです。ファームによっては適性検査の結果を重んじる場合があるので、他の対策とともに適性検査対策も大切です。
コンサルティング業界への転職を目指しているみなさんは、ここで紹介した情報を参考に、対策本などを活用してトレーニングを積んでおくことをおすすめします。

どんな仕事にも向き不向きがあり、コンサルティングの仕事も例外ではありません。その人材に適性があるかないかでファームでの活躍の度合いが変わってきます。この記事ではコンサルティングの適性に関して3つの切り口で自己判断するための項目を解説します。