製造業界は、私たちの身の回りに溢れているさまざまな製品を製造するメーカー群で構成される業界です。
衣食住でいえば衣料品、食品、住宅、家電などカテゴリーは無数です。また、製造業自体を支える工作機械、電機なども欠かせないカテゴリーといえます。
今回の記事では、そんな製造業界に未経験から転職しようと考えている人に向けて、転職するためのポイントや基礎知識と適性を解説します。
目次
製造業界の現状と動向
製造業はGDP（国内総生産）の、およそ20％を占める基幹産業です。今日ではIoTやAIの発達、DXの進展などにより、大きな変革期を迎えています。
製品開発サイクルに短期化傾向が見られ、市場に新製品を投入してもライフサイクルが短くなりつつあるのが現状です。製品のスペック向上はもちろん、付加サービスやストーリーづけなど、製品そのものの周辺価値も含めて優位性を目指す傾向があります。
未経験からの製造業界転職
業界未経験の人にとって、製造業界への転職は難しいのでしょうか。製造業界の仕事内容は、一部の専門性が高い業務や特別な技術を要する業務を除けば、未経験者でも取り組めるものが大半です。
そのため、業界未経験の転職志望者にとって、安定性がある製造業界を志望するケースは珍しくありません。未経験者の製造業界への転職について、具体的に見ていきましょう。
製造業界は未経験者でも転職しやすい
製造業界の企業、つまりメーカーは、一般的に業務プロセスがマニュアル化されている場合が多いです。そのため、未経験であっても転職しやすい傾向にあります。
あらかじめ専門知識やスキルを持っていなくても、学んで順応できる人なら問題ないようです。日々の業務遂行を通して、専門知識やスキルを身につけていく体制が充実している企業も多く、未経験でも仕事を身に着けやすくなっています。
加えて比較的年齢構成のバランスがよい企業であれば、転職においての年齢的なハードルも少し下がるでしょう。30代であればまだ若手です。未経験であったとしても、ポテンシャルが感じられる人なら採用となることが多いです。
また、40代以上になればマネジメント方面の人材として、あるいは豊富な職務経験を活かせる人材として評価される場合もあります。未経験の業種であっても、それまでの経験をアピールできるように準備しておけば、採用される可能性は充分にあるでしょう。
もちろん年齢が上がるほどに、採用自体も難しくなり、入社できた場合も新しい種類の仕事を覚えることが徐々に大変になるものです。転職を検討しているのであれば、早めにチャレンジすることをおすすめします。
未経験者が製造業界に転職するメリット
未経験から製造業に転職するメリットとして大きなものは、以下の3点です。
- 技術が身につく
- スキルの汎用性がある
- サプライチェーンマネジメントを学ぶ機会となる
それぞれのメリットを見ていきましょう。
【技術が身につく】
製造業界に転職すると、配属された分野において業務に習熟する過程で専門知識やスキルが自ずと身につきます。そして経験を重ねて培ったものは、分野が変わっても役立つはずです。モノづくりの基本は対象の製品が変わっても、変わらないからです。
また、専門性が高い技術職に携わった人材は、人材価値が上がります。よって、昇格や転職には有利です。中には従業員の資格取得を奨励・支援する企業もあり、働きながら資格にチャレンジできる企業も少なくありません。
【スキルの汎用性がある】
今日の製造業は、生産プロセスの自動化が進んでいます。いずれかの分野を経験することで、他の分野にも対応できるという、スキルの汎用性がある業界です。
そのため、異なる分野の製造業であっても転職しやすい面があります。とはいえ転職活動では求人企業と同分野の応募者と競合することもあり、その場合は経験者が優遇されることもあるでしょう。
対策として、求人企業の分野に関する基本知識を、その分野の人材に負けないくらいに研鑽して臨むことが必要となります。
【サプライチェーン・マネジメントを学ぶ機会となる】
今日のように、経済のグローバル化が進みゆく製造業界に入って、マネジメント職を経験すればサプライチェーン・マネジメント（SCM）を学ぶ良い機会となります。SCMは企業にとって戦略的に重要なスキルです。
サプライチェーンとは、原材料の調達に始まり、最終成果物をエンドユーザーに届けるまでの、一連の流れを意味します。その間における、商品はもちろん財務やデータの流れを包括的に管理するノウハウです。
未経験者が押さえておきたい製造業界の職種別業務内容と適性
製造業界への転職を考えている未経験者にとって、理解しておきたい業界内の職種別の業務内容と適性についてもご紹介します。ただし、専門性が高い部門、特別な技術を要する部門は未経験者向けではありません。
製造業界で未経験者でも転職しやすい部門は、おおむね以下のとおりです。
- 製造
- 生産管理
- 品質管理
- 営業
- 広告宣伝・広報
個別に見ていきましょう。
製造の業務内容と適性
製品を作り出す製造業の最前線の現場です。分野によって仕事内容はさまざまに異なります。例えば自動車メーカーの工程にはプレス加工や溶接、組立、検査などがあります。作業自体は、分業になっているルーティンが中心です。
製造の適性としては、細かい作業の正確性が求められます。マネジメント職であれば、目の前の業務だけでなく、サプライチェーン全体の中における担当部門と位置付けて考える、マクロの視点が必要です。
生産管理の業務内容と適性
営業目標をベースにした生産計画に沿って、生産を管理する仕事です。原料や部品の調達先の選定や価格交渉、納期交渉や在庫管理も担います。複数の製品の製造を並行して製造することも多く、さまざまな優先順位を考えながら計画を進めなければなりません。
生産管理の適性としては、全体を管理すると同時に、それぞれが並行して進む各ラインの管理という、大局と細部を見る力が求められます。具体的には、プロジェクトマネジメントスキルを身につける事が必要です。
品質管理の業務内容と適性
製品が、あらかじめ定められている品質基準をクリアできるように管理する仕事です。不具合が発生すれば要因の分析を速やかに行い、リカバリーしなければなりません。再発防止策を立て、ライン業務の改善やマニュアルの変更で改善を図ります。
品質管理の適性としては、人並み以上の行動力と問題解決能力が必要です。何かあれば、直ちに製造プロセスの見直しを行い、的確な改善策の実行を求められます。
営業の業務内容と適性
自社製品を市場に流通させるために欠かせない仕事で、自社製品を扱う中間業者や商社、直接取り引きする大手小売業者などへの法人営業が中心です。ルート営業では、自社との良好な関係を維持し、追加受注や新規提案などを行います。
新規開拓営業では、これまでつながりがなかった企業にアプローチをかけ、長期的に自社製品を扱ってもらえる流通チャネルを作り出す役割となります。
また、取引先へのアフターフォローも営業の役割です。ほかにも、取引先企業のハウスブランドのために、オリジナル製品の企画開発をバックアップし、OEM（外注先による生産）を自社で受注する仕事もあります。
営業の適性としては、取引先との関係性が軸となる部門なので、第一にコミュニケーション能力が必要です。第二に軽いフットワークがなければ、得意先からの信頼を維持するのは難しいでしょう。
広告宣伝・広報の業務内容と適性
この2つは目的が違うので、部門を分けることも多いです。広告宣伝は製品を販売につなげるプロモーションを、媒体を利用して行います。広報は企業の公式発表の記者会見や取材への対応、プレスリリース制作など、公的なスポークスマンの役割です。
広告宣伝・広報の適性として共通して求められるのは、企業イメージ、ブランドイメージの向上のためのセンスやブランディング能力が求められます。
製造業界の職種に関しては、以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。
未経験者が製造業界に転職するためのポイント
未経験者でも製造業界は、比較的転職しやすい傾向にあるのは事実です。だからといって簡単に採用されるわけではありません。むしろ、経験者との競合があっても勝てるように対策が必要です。また、未経験なだけに、本当にその企業を選んで正解なのかをよく確認しておくことも大切となります。ここでは、未経験者が製造業界に転職するためのポイントを見ていきましょう。
確固たる志望動機を準備しよう
何よりも、確固たる志望動機を仕上げておきましょう。未経験ながら志望するので、選考担当者は「本当に業界のことを深く理解し、入社後の自身のビジョンを明確に持っているのだろうか？」などと考えるからです。
弱い志望動機では、その疑問を払拭できません。
なお、転職で製造業界を志望する際の、志望動機のブラッシュアップに関しては、以下の記事で特集しています。ぜひ参考にご覧ください。
未経験者が製造業界に転職するためのポイント
未経験者でも製造業界は、比較的転職しやすい傾向にあるのは事実です。だからといって簡単に採用されるわけではありません。むしろ、経験者との競合があっても勝てるように対策が必要です。
また、未経験なだけに、本当にその企業を選んで正解なのかをよく確認しておくことも大切となります。ここでは、未経験者が製造業界に転職するためのポイントを見ていきましょう。
確固たる志望動機を準備しよう
何よりも、確固たる志望動機を仕上げておきましょう。未経験ながら志望するので、選考担当者は「本当に業界のことを深く理解し、入社後の自身のビジョンを明確に持っているのだろうか？」などと考えるからです。
弱い志望動機では、その疑問を払拭できません。
なお、転職で製造業界を志望する際の、志望動機のブラッシュアップに関しては、以下の記事で特集しています。ぜひ参考にご覧ください。
長期継続的に働く目線で労働環境を確認しよう
目先の表面的な条件にとらわれず、長期的にどのようなキャリアが積めるのか、そしてどういう労働環境なのかを確認することが重要です。
条件が良かったので転職したものの、教育・研修制度が整備されておらず、本来のポテンシャルが発揮できずにキャリアアップの機会を逃したり、業務時間が長く過酷だったりというケースもあります。
企業訪問時の印象や求人情報だけでなく、コーポレートサイトやネットでの口コミも冷静に（中には事実とは違う悪意の書き込みもあるので、惑わされず）チェックして労働環境を確認し、本当に志望するかどうかを決めましょう。
転職エージェントを活用しよう
未経験から製造業界に転職する場合は、独力で臨むよりも転職エージェントを活用することをおすすめします。転職エージェントは転職のプロフェッショナルです。
私たちタリスマンの場合、最初にきちんとキャリアカウンセリングを行い、スキルや適性を真摯に見極めた上で、あなたの希望に沿う企業を広範なネットワークから探してご提案します。
志望先企業が決まれば、応募に関するサポートはもちろん、想定しておくべき選考対策をバックアップします。そしてあなたと転職先企業の、双方に得るところがあるマッチングを目指すのがタリスマンの考え方です。
プロフェッショナルの目から見て、あなたが強調してアピールすべき強みと、補っておくべきウィークポイントの両面から、選考突破に向けた対策をサポートします。
タリスマンは製造業に対して強みがある転職エージェントなので、安心して何なりとご相談ください。
まとめ
日本の製造業は私たちの身の回りの必需品や、文化的な生活を送るためのさまざまな製品を世の中に提供してくれる業界です。安定性もあり、長期的に働く先としてはおすすめできます。
未経験でも確たる志望動機を持つことと、深い業界研鑽を行って転職活動に臨めば、希望する企業に採用される可能性は充分にあるでしょう。志望先の選定には情報をしっかりと吟味して決め、全力で選考突破を目指してください。
