LinkedInを活用!採用担当者に響く英文レジュメ(CV)の書き方【テンプレート付】

LinkedInは、世界で10億人を超える登録者がいるビジネスに特化したソーシャルメディアです。外資系企業や海外での転職を望んでいる人には、LinkedInに登録することはもはやデフォルトとなっています。
採用企業やヘッドハンターもLinkedInに登録しており、求めるニーズに合致する人材にはスカウトの声がかかるでしょう。そんなLinkedInのプロフィールを充実させることにより、スムーズにレジュメ(英文履歴書)を作れます。
「外資系企業に転職したいが、英文レジュメの書き方がわからない」、「LinkedInのプロフィールは充実させてきたけど、これをどう活かせばいいんだろう?」
グローバルなキャリアを目指す上で、多くのビジネスパーソンがこのような悩みに直面します。
この記事では、あなたのキャリア情報が詰まったLinkedInプロフィールを最大限に活用し、採用担当者の目に留まる「成果を語る」英文レジュメ(Resume/CV)を作成する具体的な方法を、テンプレート付きで徹底解説します。
日本の職務経歴書との違いを理解し、戦略的な書き換えテクニックを身につけることで、あなたの転職活動は飛躍的に有利になるはずです。

LinkedIn本来のミッションを理解しよう

LinkedInは、外資系企業や国内グローバル企業への転職を希望している人の多くが使っています。そのため、転職メディアのように感じられる場合もあるかもしれません。
もちろん転職活動に有効なのですが、決して転職メディアというわけではなくあくまでソーシャルメディアです。ここではLinkedInの原点ともいうべき、本来のミッションを確認しておきましょう。

利用価値が高いビジネスSNS「LinkedIn」

LinkedInをニュートラルに表現するとすれば「ビジネスパーソンのセルフブランディングツール」です。LinkedInはユーザーの個性や人材価値を、非常に表現しやすいツールです。
例えば学歴や職歴、スキルだけでなく社会活動や趣味など、あなたのパーソナリティを包括的に見せることができます。 そして、ネットワークを広げ、ビジネスでつながりたいと関心を持ってくれる人に出会うことを目的としています。
海外の転職市場および国内の外資系リクルーターは、絶えずLinkedInの中で人材を探し求めています。つまりグローバル企業への転職を前向きに考えている人にとって、非常に利用価値が高いので、チャンスを活かせるようにぜひプロフィールを充実させておきましょう。

転職に活用する場合もスタンスには要注意

LinkedInに転職目的でユーザー登録すること自体は、何も間違ってはいません。ただし、転職メディアではなくあくまでもSNSなので、あからさまに転職先を紹介してほしいというスタンスは敬遠されます。
あくまで人とのつながりを目的とする、ネットワーキングの場所です。重要ポストの空席が出たり、仕事を一緒にするパートナーを探したりする時に、「あの人はどうだろうか」などとあなたを思い出してもらえるようなつながりを作りましょう。

LinkedInプロフィールと履歴書の関係性

まず理解すべきなのは、現代の外資系転職においてLinkedInと英文レジュメは、それぞれ異なる役割を持つ「セットの武器」であるという点です。

  • LinkedIn = 「動的なキャリア証明」
    あなたのキャリア、スキル、人脈、興味関心をリアルタイムで示すプラットフォーム。採用担当者は、あなたの人となりや第三者からの評価(推薦文など)を確認しに来ます。
  • 英文レジュメ = 「静的な応募書類」
    特定のポジションに対して、あなたの能力と経験がマッチしていることを簡潔に証明するための公式書類。「あなたを雇うべき理由」をA4用紙1〜2枚で論理的にプレゼンするツールです。日本語の履歴書、職務経歴書と同様に選考プロセスでその人に関する基本情報を確認するものとして必要不可欠な応募書類です。

採用担当者は、英文レジュメであなたの実績に興味を持った後、必ずと言っていいほどLinkedInを訪れ、情報の裏付けや、より深い人物像を確認します。
そのため、英文レジュメにカスタマイズしたLinkedInプロフィールのURLを記載するのは、もはや常識となっています。両方の情報を一致させ、一貫性のあるストーリーを伝えることが成功の鍵です。

日本の職務経歴書と英文レジュメの決定的な違い

英文レジュメを作成する前に、日本の職務経歴書との根本的な違いを理解しておく必要があります。この違いを知らないまま書き始めると、全く評価されない書類になってしまう可能性があります。

項目 英文レジュメ(Resume/CV) 日本の職務経歴書
目的 実績とスキルのアピール 業務内容と経験の網羅的な説明
長さ A4用紙1〜2枚に収める 2〜3枚以上になることも多い
形式 箇条書きが中心 時系列での文章説明が中心
主語 Action Verb(動詞)で始める 「〜を担当」「〜に従事」といった表現
個人情報 顔写真、年齢、性別は原則不要 記載するのが一般的

特に重要なのが、英文レジュメは「何を担当したか」よりも「何をし、どんな成果を出したか」をAction Verb(行動動詞)を使って具体的に示すことが求められる点です。

LinkedInプロフィールは人材データの全貌

LinkedInプロフィールはあなたの人材データの全貌にするのが理想です。あなたの人材価値を示すデータをすべて残さず、どんな小さなことも記載する必要があります。例えば、国家資格でなくとも何らかの民間資格があれば記載対象です。過去に職場で挙げた目覚ましい実績を数値込みで書きましょう。
この段階で選り分ける必要はなく、価値があると思えるものはすべて記載します。また、新たに獲得したスキルや実績の最新情報を反映して、常にプロフィールをアップデートすることも大切です。

LinkedInプロフィールを基に履歴書を効果的にカスタマイズ

上記のようなスタンスでLinkedInのプロフィールを作れば、いつ閲覧してもあなたの人材価値の完全情報であり、その時点の集大成となっているでしょう。その詳細なLinkedInプロフィールを基にして、履歴書を効果的にカスタマイズしましょう。
つまり、応募する求人内容に合わせて、それに見合う内容に仕立てるのです。履歴書は、学歴やキャリア、スキルを基本的には時系列に提供するものです。また、なぜそのポストに応募したのか、そのポストに活用できるスキルがどれくらいあるのかを知ってもらうものでもあります。そのためにあなたの人材価値を網羅したLinkedInプロフィールを基にして、必要な部分をピックアップして履歴書をカスタマイズしましょう。

【項目別】LinkedInから英文レジュメへ!最強の書き換えテクニック

それでは、LinkedInプロフィールに蓄積した情報を、採用担当者に響く英文レジュメの各項目に書き換える具体的なテクニックを見ていきましょう。
無料の場合は作成方法がアナログですが、完全にオリジナルの編集が可能です。Premiumプランの場合はシステマティックで手間をかけずに作れます。こちらも、部分的に編集は可能なので、どちらを使われてもベネフィットが得られます。

1. Professional Summary(サマリー)

LinkedInの自己紹介(About)や、日本語の職務経歴書の自己PR欄では、ご自身の経歴や想いを比較的自由に記述していることでしょう。一方、英文レジュメのサマリーでは、その内容を凝縮し、採用担当者が30秒であなたの価値を理解できる力強い要約文に書き換える必要があります。
応募する職務内容(Job Description)を読み込み、求められるスキルや経験と、自身の強みが重なる部分を抜き出して、戦略的にアピールしましょう。

(LinkedInの記述例)
IT業界で8年以上にわたり、マーケティングの経験を積んできました。データに基づいたマーケティングに情熱を持っており、これまでSEO、コンテンツマーケティング、リードジェネレーションなど、さまざまなプロジェクトに携わってきました。チームを率いて、協力的な環境でビジネス目標を達成することにやりがいを感じます。

この日本語の情報を、英文レジュメの「作法」に則って書き換えると以下のようになります。

(英文レジュメの書き換え例)
Results-driven Marketing Manager with 8+ years of experience in the SaaS industry. Proven ability to develop and execute successful digital marketing campaigns that increased lead generation by 150%. Seeking to leverage expertise in SEO, content marketing, and team leadership to drive growth at [Company Name].

【書き換えのポイント】

  • 「経験してきました」 → 「結果を出す〇〇です」と自分を定義する:
    日本語の謙虚な表現から、Results-driven Marketing Manager(結果を重視するマーケティングマネージャー)のように、自分が何者であるかを最初に力強く定義します。
  • 抽象的な業務内容 → 数値化した「実績」を示す:
    「〜に携わってきました」という表現を、increased lead generation by 150%(リードジェネレーションを150%増加させた)のように、具体的な数値で成果を示します。
  • 「やりがいを感じます」 → 「貢献したい」という目的を示す:
    自身の気持ちの表現から、Seeking to leverage expertise… to drive growth at [Company Name](自身の専門知識を活かして[会社名]の成長を促進したい)のように、応募先企業への貢献意欲を明確に示します。

2. Work Experience(職務経験)

ここが最も重要なセクションです。業務内容をただ羅列するのではなく、「Action Verb + 具体的な行動 + 数値による成果」の形式で、あなたの実績をアピールします。

ポイント1:箇条書きは全て”Action Verb”で始める

Action Verbとは、あなたの行動を生き生きと表現する動詞のことです。例えば、Achieved, Increased, Managed, Developed, Launched などが挙げられます。

  • 惜しい例:Responsible for managing a new product launch.
  • 良い例:Launched a new B2B software product, acquiring…

ポイント2:実績を数値で示す(Quantify your achievements)

あなたの貢献度を客観的に示す最も効果的な方法が「数値化」です。売上、コスト、時間、パーセンテージなど、具体的な数字を盛り込むことで、実績のインパクトが飛躍的に高まります。

  • 惜しい例:Worked on improving website performance.
  • 良い例:Optimized website landing pages through A/B testing, which improved the conversion rate by 30%.

ポイント3:【重要】STARメソッドで経験を「実績」に変える

「アピールしたい実績がうまく文章にできない…」そんな時に役立つのが、STARメソッドというフレームワークです。これは、あなたの経験を具体的で説得力のあるストーリーに整理するための思考ツールです。
以下の4つの要素の頭文字を取って「STAR」と呼びます。

  • S (Situation): 状況 – あなたがどのようなビジネス環境や状況に置かれていましたか?(例:担当エリアの売上が低迷していた)
  • T (Task): 課題・目標 – その状況で、あなたに課された具体的な課題や目標は何でしたか?(例:新規顧客を3ヶ月で20社獲得する目標)
  • A (Action): 行動 – 目標達成のために、あなたが具体的に取った行動は何ですか?(例:未開拓の業界を分析し、特化した提案資料を作成してアプローチした)
  • R (Result): 結果 – あなたの行動の結果、どのような成果が出ましたか?(例:目標を上回る25社を開拓し、エリア売上を30%増加させた)
  • このフレームワークでご自身の経験を整理し、特に「Action」と「Result」を中心に箇条書きにすることで、誰が読んでも分かりやすい、説得力のある実績記述が完成します。

(STARメソッドで整理した後の記述例)
Acquired 25 new clients in 3 months, exceeding the target by 25% and increasing area sales by 30% QoQ through targeted cold-calling and customized proposals.

キャリアと専門知識は、可能なかぎり詳細に記載するのがおすすめです。プライオリティや実績、応募しようとしている職種に関連するプロジェクトやボランティア経験なども忘れずに記載しましょう。

3. Skills(スキル)

スキルは、他の項目よりも強調して記載しましょう。LinkedInのスキルセクションには、同僚から承認(Endorsement)されたスキルが数多く並んでいるかもしれません。あなたのスキルを推薦してくれたユーザー名やプロフィール写真が、あなたのプロフィールのスキルに並んで表示されます。英文レジュメには、その中から応募職種に直接関連するものを10個程度に厳選して記載します。もちろん、応募企業やジョブディスクリプションに合わせて、それ以外のスキルも記載して構いません。記載する際は、カテゴリー分けをすると、採用担当者があなたのスキルセットを瞬時に理解しやすくなります。

  • Technical Skills: Salesforce, Google Analytics, Python, Adobe Creative Suite
  • Languages: Japanese (Native), English (Business Level – TOEIC 950)
  • Relevant Skills: Project Management, SEO/SEM, Data Analysis, Public Speaking

なお、LinkedInのスキル推薦やスキルテストについては、以下の記事で詳しく取り上げています。そちらも参考にしてください。

世界最大規模のビジネス特化型SNSとして日本でもユーザーが増えつつあるのがLinkedInです。そのLinkedInのプロフィールにはスキルを公開できる機能があります。コンタクトがそれを裏書きするスキル推薦機能があり、またスキルテストという機能もあって、使いようによってはメリットがあります。スキルの裏書きをもらえばそのスキルの信憑性が増し、スキルテストで良好な成績が出れば、応募企業やリクルーターへのアピールになるでしょう。今回の記事では、そんなLinkedInのスキル推薦機能やスキルテストのメリットについてわかりやすく...
LinkedInのスキル推薦とは?スキルテストのメリットも解説 - 35ish

ダウンロードしてすぐに使える英文レジュメテンプレート

シンプルで汎用性の高い英文レジュメのテンプレートをご用意しました。上記の書き換えテクニックを参考に、ぜひご自身の情報で埋めてみてください。

一般的なレジュメの必要項目は以下のとおりです。

  1. PERSONAL DATA/個人情報:氏名・居住地・連絡先などの、基本的な個人情報です。
  2. OBJECTIVE/応募職種・目的:応募するポストや職種について、あなた自身がプライオリティをもってどのように貢献できるかなどを2~3行で記載します。
  3. SUMMARY/概要:あなた自身についてのキャリアや持っているノウハウ、スキルを3~4行でまとめます。
  4. WORK EXPERIENCE/職歴:過去に勤務した企業名、勤務地や社歴を記載します。具体的なキャリアは箇条書きで、新しいもの順にまとめるのが一般的です。
  5. EDUCATION/学歴:出身学校名、在籍期間や取得した学位・専攻を記載します。
  6. SKILLS(保有スキルや保有資格、その他の情報):PCスキルや語学スキルなど、求人ポストに関連する資格やスキルを記載します。資格に関しては取得年月も記載しましょう。
  7. LUNGUAGE 言語スキルとそのレベルを記載します。

LinkedInのOpen-to-Work機能と求人アラート機能も活用

LinkedInの中で仕事を探している場合は、求職中であることを閲覧したユーザーに伝えるOpen-to-Work機能の活用がおすすめです。この機能を使えば、あなたのプロフィール写真の周りに「#OPENTOWORK」という文言が入った緑色のフォトフレームが表示されます。その状態にしておけばリクルーターほか、あなたとつながっている人たちは、あなたが求職中であることを認識できるのです。
また、関心のある職種や希望する勤務地を指定しておくと、それに該当する求人で候補者を探しているリクルーターの検索にヒットしやすくなります。
ほかには、求めているポストが見つかっていない場合に、求人アラート機能の設定によって、希望する求人情報がアップされた際に通知を受け取ることが可能です。

まとめ:LinkedInをハブに、キャリアを戦略的にアピールしよう

見てきたように、LinkedInは単なるSNSではなく、あなたのキャリアを棚卸しし、実績を記録するための強力なデータベースです。
日頃からLinkedInプロフィールを更新しておくことで、いざ英文レジュメが必要になった際に、質の高い書類を効率的に作成できます。
今回ご紹介したテクニックとテンプレートを活用し、ぜひあなたの魅力を最大限に伝える英文レジュメを完成させてください。あなたのグローバルなキャリアへの挑戦を応援しています。

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