転職活動で履歴書を作成する際、多くの人がペンを止めてしまうのが職歴欄に書く「退職理由」です。
「前の会社のことを正直に書きすぎていいのかな?」 「そもそも、どこまで詳しく書くべき?」「”一身上の都合により”だけでOK?」
そんな疑問や不安を抱えていませんか?
この記事では、退職理由を書かなくてよい場合や定型文でよい場合と、詳しく書いた方がよい場合の分類を紹介します。それを踏まえて、定型文や詳細に書く場合の書き方などを、例文も挙げながら解説します。転職で応募書類を書く際の参考にしてください。
目次
結論:履歴書の退職理由は「一身上の都合」でOK!
多くの場合、履歴書の職歴欄には、退職した会社名の次の行に「一身上の都合により退職」と記載すれば問題ありません。
採用担当者は、履歴書で詳細な退職理由まで把握しようとは考えていません。詳しい理由は職務経歴書や面接で伝えるのが一般的です。履歴書では、簡潔に事実を記載することを心がけましょう。
【状況別】退職理由の書き方と例文
退職理由は、大きく分けて「自己都合」「会社都合」「契約期間満了」の3つのパターンがあります。それぞれの状況に合わせた書き方を例文とともに解説します。
1. 自己都合での退職
転職や結婚、家庭の事情など、自身の都合で退職した場合です。一時的に家族の世話をしなければならない場合、配偶者が転勤をすることになって一緒に転勤先に行くためなどがこのケースに当てはまります。
基本の書き方
いずれの場合も定型的な書き方は、退職年月とともに「一身上の都合により退職」と記載します。
より具体的に書いても良いケース
キャリアアップなど、ポジティブな理由を簡潔に伝えたい場合は、以下のように記載することも可能です。
- 株式会社〇〇 起業のため退職
- 株式会社〇〇 結婚に伴い退職
2. 会社都合での退職
会社の倒産や事業所の閉鎖、解雇など、会社側の事情で退職した場合です。自分に非がないことを明確に伝えるために、正直に記載しましょう。
企業側から一方的に労働契約の解除、つまり解雇を申し入れられた退職は「会社都合退職」と呼ばれます。経営不振やリストラによる人員整理、事業所の廃止に伴うものや企業自体の倒産などがこれに該当します。
イレギュラーなケースにも触れておきましょう。例えば給与が大幅に減額された場合やまたは給与の遅配や未払いが続いた場合、上司や同僚から嫌がらせを受けた場合、会社からの退職勧奨された場合なども、会社都合に分類されますが、基本的には理由を記載する必要はありません。
基本の書き方
会社都合退職の場合の定型的な書き方は、退職年月とともに「会社都合により退職」と記載しましょう。
具体的な理由を記載する場合
会社都合であることを明確にしたい場合はカッコ内に理由を記載すると良いでしょう。また、早期退職制度への応募による退職は厳密には会社都合ではないので、「一身上の都合」となりますが、省略も可能です。
- 株式会社〇〇 会社都合により退職(事業所閉鎖のため)
- 株式会社〇〇 一身上の都合により退職(早期退職制度利用のため)
3. 契約期間満了での退職
派遣社員や契約社員などの、「期間の定めがある雇用契約」を結んでいる場合 は契約期間が満了すれば契約更新を行わないかぎり、自動的に退職になります。このような場合定型的な書き方は、退職年月とともに「契約期間満了につき退職」と記載します。
書き方
ただし、「期間の定めがある雇用契約」を結んでいても、契約期間に至る前に自ら退職を申し出るのは「自己都合退職」です。その場合は「一身上の都合により退職」と記載します。
【要注意】退職理由を詳しく書いた方が良いケース
基本は定型文で問題ありませんが、以下のケースでは、採用担当者の誤解を招かないよう、簡潔な理由を補足すると良いでしょう。
- 在籍期間が短い場合 (例: 1年未満)
- 離職期間が長い場合 (例: 半年以上)
- 転職回数が多い場合
【書き方の例】
- 〇〇株式会社 病気療養のため退職(20XX年X月現在、完治しており勤務に支障なし)
- 〇〇株式会社 配偶者の転勤に伴い退職
- 〇〇株式会社 家族の介護のため退職(20XX年X月に介護施設に入所、現在は勤務に支障なし)
もしこのような事実がなく転職を繰り返した場合は、以下のようなできるだけポジティブな理由づけが必要です。
- 資格が活かせる職場を求めて退職
- キャリアアップを目指して退職
- 挑戦したい業種が見つかったため退職
このように、前向きな理由を記載すれば、マイナスイメージは少しでも軽減できるでしょう。
書いてはいけない退職理由
当然ですが前の会社の悪口や不満、嘘やごまかしなどは記載しないようにしましょう。自己に重大な過失がある「懲戒解雇」の場合は、正直にその旨を記載するべきですが、不安な場合は、転職エージェントなどに相談しましょう。
複数の退職で類似した転職理由は書かない
複数の退職履歴がある場合に、どれも同じような理由で転職を繰り返していることも実際は多いでしょう。とはいえ、前職も前々職も同じ理由で転職していると、選考担当者に良くない印象を与えます。
そのため、たとえ同様の理由で退職をしていたとしても、極力表現の仕方を変えて転職理由を書きましょう。
まとめ
履歴書の退職理由は、あくまで「簡潔な事実」を伝えるためのものです。基本は「一身上の都合により退職」と記載し、詳細な背景やポジティブな転職理由は、職務経歴書や面接でアピールしましょう。
離職期間が長い場合や転職回数が多い場合は、ここで紹介したポイントを押さえつつ記載してください。
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