「今の環境では新しい技術に触れられない」「もっと効率的な開発がしたい」…
エンジニアが抱える本音は、伝え方一つで「市場価値の高い人材」という評価に変わります。
特に2025年以降、AI駆動開発(AI-Driven Development)の普及により、面接官がチェックするポイントも変化しており、かつての「技術スタックの刷新」という転職理由は、現在では抽象的すぎると見なされるようになってきました。今のエンジニア採用において、面接官が評価するのは「開発者体験(DX)への解像度の高さ」と「生成AIをレバレッジとした生産性へのコミットメント」です。
本記事では、2026年のトレンドを踏まえた「採用される転職理由」の作り方を解説します。
目次
生成AI全盛の今、面接官は「転職理由」のどこを見ているか?
かつての「技術スタックの刷新」という理由は、今や当たり前すぎて差別化になりません。現在のエンジニア採用において、面接官は以下の3点をチェックしています。
- AIツールを「脅威」ではなく「レバレッジ」として捉えているか
- 開発生産性・開発者体験(Developer Experience)への意識があるか
- 言語の特性とAIの相性を理解し、ビジネス成果に紐付けて語れるか
昨今のエンジニア採用において、企業側が最もアピールし、エンジニア側が最も重視するのが開発者体験(DX)です。 AI駆動開発が当たり前になった今、エンジニアの役割は「実装」から「設計」や「本質的な課題解決」へとシフトしています。そのため、面接官は「AIをレバレッジし、いかに認知負荷を抑えて価値創造に集中できるか」という開発プロセス自体の質を追求する姿勢を、技術的成長意欲やビジネス貢献への感度の高さとして評価するようになっています。
【言語・技術別】エンジニアの転職理由・ポジティブ言い換え例文
エンジニアの「本音」を、特定の技術領域に寄せた「攻めの姿勢」に変換する例文を紹介します。
Webアプリケーション開発(TypeScript / React / Next.js)
- 本音:「型定義が適当なレガシーコードばかりで、AIにコードを書かせてもエラーが多くて非効率」
- 言い換え例文: 「私は堅牢な型システムとAI補完を組み合わせた、高速かつ安全な開発を追求したいと考えています。現職のプロジェクトはJavaScriptベースで型安全性が低く、AI駆動開発のメリットを最大限に享受できていません。TypeScriptを厳格に運用し、コンポーネントの設計意図をAIが正しく理解できるモダンな環境で、フロントエンドの品質と開発速度を両立させたいです。」
バックエンド・インフラ(Go / Rust / クラウドネイティブ)
- 本音:「Javaの古いフレームワークの運用ばかり。マイクロサービス化や高速な並列処理をやりたい」
- 言い換え例文: 「より高トラフィックな環境下で、Go言語を用いたマイクロサービス設計とAIによる負荷予測・自動スケーリングの実装に挑戦したいと考えています。現在はモノリシックな旧来のシステム保守がメインですが、エンジニアの役割が『実装』から『アーキテクチャ設計』へシフトする今、シンプルかつパフォーマンスに優れたGoでの開発経験を積み、システム全体の可観測性を高めることに貢献したいです。」
データ・AI活用(Python / PyTorch / LLM)
- 本音:「データはあるが、社内でAIを活用する気がない。単なる集計作業ばかりでつまらない」
- 言い換え例文: 「既存のビジネスプロセスにLLM(大規模言語モデル)やRAG(検索拡張生成)を組み込み、具体的な業務改善を実現するエンジニアリングに注力したいです。現職ではデータの可視化に留まっていますが、Pythonの豊富なエコシステムと最新のAIエージェント技術を掛け合わせ、エンドユーザーに新たな価値を提供するプロダクトを自らの手で実装したいと考え、転職を決意しました。」
失敗しないための「PREP法」回答テンプレート
転職理由は面接では必ず聞かれる質問といっても過言ではありません。ここでは、転職する理由を説明する際の望ましい回答方法とポイントを交えて解説します。
面接という限られた時間で、あなたの技術的背景を論理的に伝えるには、PREP法というフレームワークが有効です。
PREP法とは、以下の4ステップで構成を組む手法です。これは、プログラミングにおいて「まず関数の目的(結論)を定義し、その後にロジック(理由・詳細)を記述する」流れに似ており、聞き手にとって最も認知負荷が低い伝え方です。
- P (Point)結論:AIツールを「脅威」ではなく「レバレッジ」として捉えているか
- R (Reason)理由:その結論に至った技術的・環境的背景を説明します。
- E (Example)具体例:具体的な言語名(Go, TypeScript等)や数値、プロジェクトでのエピソードを添え、信頼性を担保します。
- EP (Point)結び:最後にもう一度結論を述べ、志望動機へと繋げます。
【例文】AI駆動開発へのシフトを理由にする場合
- P(結論):「私の転職理由は、AIを活用した高度な自動化開発を推進し、プロダクトの成長速度を最大化させるためです。」
- R(理由):「AIがコードを生成する時代、エンジニアの価値は『実装の速さ』から『アーキテクチャ設計や、AIが生成したコードの品質保証』にシフトしていると確信しているからです。しかし現職では、セキュリティ制約により最新ツールが活用できず、この変化に適応することに限界を感じています。」
- E(具体例):「個人活動では、CursorやGitHub Copilotをフル活用し、従来比3倍の速度でNext.jsとPythonを用いたプロダクトをローンチしました。この生産性向上の知見を、御社のようなモダンな開発環境で、チーム全体の『開発者体験(DX)』の改善に還元したいと考えています。」
- P(結び):「御社の技術文化であれば、私のAI活用スキルを最大限に活かし、最短距離でビジネス価値を創出できると確信しています。」
ミスマッチを防ぎ、評価を決定づける「逆質問」の活用法
転職理由を伝えた後の「逆質問」は、単なる形式的な儀式ではありません。エンジニアの採用において面接官が重視している逆質問は、「転職理由と、実際の現場環境に乖離がないかを、候補者自らが検証する姿勢」が、エンジニアとしての主体性と論理的整合性の証明にもなります。
自身のキャリアの軸(開発者体験の向上やAI活用など)が、応募先企業の文化と合致しているかを、以下の具体的な質問を通じて最終確認しましょう。
① 「開発者体験(DX)」の実態を深掘りする
- 質問例:「御社では、エンジニアが本来の設計・実装に集中できるよう、トイル(定型作業)の削減や開発環境の自動化に対して、具体的にどのような投資やチーム編成を行っていますか?」
- 意図:転職理由で述べた「環境改善への意欲」が、口先だけではないことを示します。
② 「AI駆動開発」の許容度と期待値を確認する
「最新技術への適応」を理由とした場合、入社後のギャップを防ぐために重要です。
- 質問例:「GitHub Copilotなどの導入によって生まれた余剰時間を、技術的負債の解消や新たな技術検証に充てるような文化や慣習はありますか?」
- 意図:単に楽をしたいのではなく、効率化の先にある「付加価値の創造」を見据えていることをアピールします。
③ 評価指標(エンジニアとしての貢献)を確認する
- 質問例:「AIによってアウトプットの量が増大する中で、御社ではエンジニアの評価において『コードの量』ではなく『システムデザインの質』や『ビジネスへのインパクト』をどのように評価に反映させていますか?」
- 意図:時代の変化を捉えた上で、高いレイヤーで貢献したいという視座の高さを示します。
まとめ:あなたの「不満」は「進化への意欲」である
2020年頃の転職市場とは異なり、2026年以降は「変化への適応」そのものが武器になります。今の環境に対する違和感は、あなたがエンジニアとして正しく進化しようとしている証拠です。
その違和感を、特定の言語や最新の技術トレンドという言葉でパッケージングし、自信を持って面接に臨みましょう。
転職理由の伝え方についての全体像を知りたい方は以下の記事をご覧ください
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