面接時、ほぼ100%転職理由は聞かれます。採用する側も、必ず聞くというハイヤリングマネージャーも多いでしょう。
聞く側も聞かれる側も、転職理由は一番緊張するところです。技術や能力が合格ラインである場合、採用の可否の決め手となる場合があるからです。
ここでは、転職理由から採用を考えてもいいと思える、伝え方のポイントを解説します。
理由は常にポジティブに
転職理由とは、裏返せば志望動機です。志望動機というのはポジティブで有るべきです。どのような転職理由があったとしても、ポジティブな言い方に変換しましょう。
辞めた理由がたとえ上司との相性が悪かったとしても、言ってはいけません。予算取りが甘い会社で嫌気がさしたと思っていても、そのまま言ってはいけません。社員への福利厚生やスキルアップの教育プランが無いと思っていても、そのままはだめです。
少しでもネガティブな理由に聞こえると、採用者は二の足をふみます。なぜなら、次の職場にいっても、同じ事が起こる可能性があるからです。
予期せぬ上司の変更、組織変更、予算の削減、プロジェクトの中止や変更は普通に起きます。
会社は生き物です。どんな状況も保証はできません。
逆にどのような状況下でも、たくましくやっていけそうな転職理由や志望動機であれば、採用者は採用を考えるでしょう。
どのような状況下でもやっていけそうな志望動機とは、ご自身のキャリアプランと連動しており、会社とともに成長したいと思う、先を見据えた動機です。
そのためには次の二つをはっきりさせます。
(1)ご自身のキャリアプランをしっかり立てる
この仕事ができそうだから応募するという人もいるでしょう。けれど、なんとなく応募してきた人を採用する会社はありません。この会社に入ることによって、どんな人間に成長して行きたいのかをはっきりさせましょう。
(2)貢献できる事を明確に
ご自身がどのような成果を出していきたいか、その成果でどのような付加価値をその会社にもたらせそうかを整理しておきます。
上記のためには、ご自身のスキルの棚卸しをし、応募しようとしている職種でどのような事が求められているかを見極める事です。その上で、前の会社ではなぜそれができなかったのかも、はっきりさせておきましょう。
独学でもスキルはあげておく
スキルアップをしたいと思っていても、どのようなスキルを上げたくてそれを使ってどのような能力を上げたいかを明確にしましょう。
そして、自分にない技術やスキルでも次に行く会社で一からではなく、独学でもしっかり学んでおくことが大事です。なぜなら、会社は常に即戦力を望んでいるからです。
例えば語学力、ビジネスレベルが必要だとされている場合、ビジネスレベルで通用すると言われる指標をクリアしておきます。英語であればTOEICを取っておく、ビジネス英語を教えている学校を受講する、少なくとも、ビジネス英語の書籍を丸暗記するくらいの覚悟は持ちます。
足りないところはトレーナブルだと思わせる
100%、スキルや経験が合致するポジションに応募できるわけではありません。特にスキルアップを考えて転職したいと思っている方は、今のスキルでは足りない可能性があります。
前項に述べたようにその場合でも、少なくとも書籍やWEB、オンライン講座などで学んでおきます。とはいえ仕事で通じるスキルは基本、実践が伴います。
少し足りない場合でも、面接時には採用者にトレーナブル(つまり、トレーニングやOJTで能力開発が可能)と思わせる事が大事です。
そのためには、基礎知識は習得済みであること。後は、実践のみであること。そして何より大事なことは、学ぶ姿勢とその意欲を示せることです。
職務経歴書に取得したスキルとその活用方法をしっかり書いて、アピールする事も有効です。新しい仕事には貪欲に取り組み、自ら習得する根気と粘りを伝えます。
実際学んだスキルがあるならば、習得のために費やした時間や、その成果もはっきりさせておきましょう。
例えば語学であれば、通訳なしで電話会議に参加できるレベルではあっても、ファシリテーターの経験はない場合、ファシリテーターにも挑戦したいという意欲を見せます。
スキルアップしたいという転職理由
スキルアップをしたいから転職したいという理由は、あまり歓迎されません。なぜなら、会社は即戦力を求める上、スキル教育の時間や資金を提供できるとは限らないからです。
もし、スキルアップを理由に転職するのならば、伝え方を工夫しましょう。
例えば、新しい事に常に挑戦し能力を伸ばしていきたい。もしくは、常に学んで行く環境で仕事がしたいなどです。
まとめ
転職理由の伝え方が大切だということは、ご理解いただけましたか。もう1度、ポイントをおさらいしましょう。
1) 転職理由は常にポジティブに志望動機とキャリアプランに連動させておく。
2) 必要なスキルは独学でも努力し、トレーナブルだと思われる柔軟性と粘りをアピールする。
3) スキルアップを転職理由にするなら、伝え方を工夫する。
転職理由をポジティブに伝えて、採用側にほしい人材だということをアピールしていきましょう。