エンジニアがキャリアアップを目指すための持続可能な勉強方法とは?

エンジニアにとってキャリアアップしていくために必要なものは、スキルの幅を広げていくことや新しい技術を理解し使いこなせることです。
そうあるためには、日々の業務を遂行することだけでは不充分といえるでしょう。スキルのブラッシュアップを意識した、そのための勉強が必要です。
とはいえ、多忙な日々の中で勉強を継続することも簡単ではありません。この記事ではエンジニアがキャリアアップするための持続可能な勉強方法について解説していきます。

エンジニアにとっての勉強の意味とは?

エンジニアとして中級の域に達して、頼まれたものはある程度作れて、どんな仕事を振られてもそこそこに対応できるようになったエンジニアが、そこで成長が止まってしまう場合がしばしば見受けられます。
本来テクノロジーを愛し、クリエイトすることが大好きであるにも関わらず、その上の次元や新しいものを環境から求められず、残念ながら成長が止まってしまっていることも多いのではないでしょうか。
成長が止まってしまう具体的な環境とは、新しいテクノロジーの情報を手に入れて語り合えるエンジニア仲間がまわりにいない場合や、業務用件に高い技術が求められない場合です。
また、改善サイクルが遅かったり開発プロセスなどを取りまとめる人がいなかったりする場合も同様となります。端的にいえば、目の前の仕事はあるけれども停滞している職場環境といえるでしょう。
ビジネスとしてはそれで成立しているので、それ以上成長をする必要性がないのです。しかし視野を広げてIT業界におけるエンジニアという見方をすれば、実力主義という厳しい環境の中で生きています。会社から与えられる日々の業務をこなすだけでは、将来に向けたスキルアップは困難です。
あなたがエンジニアとしてずっと活躍し続けるためには、継続的な勉強が欠かせないのは間違いありません。エンジニアが自発的に勉強を継続するべき意義について、触れておきましょう。

長い目で見た収入や立場にも影響

ひとつには、実力主義のこの業界でずっと活躍するには、たとえ同じ職場で働き続ける場合でも継続的な学びの努力を払うかどうかによって、将来の収入は変わってくるということです。
必要性がないために勉強をせずに、日々の業務だけをこなしてきたエンジニアが、気がつけばいつの間にか後輩エンジニアに追い越されていたなどということはよくあります。

常にトレンドを見据えて

日進月歩がデフォルトであるIT業界においては、現在の知識が必ずしも1年後も同様に使えるとは限りません。そのため、継続的な勉強を通して常にどんな技術が生まれているか、どんな技術が求められているのかというトレンドを見据える姿勢が必要です。
かりに仕事を待つだけの受け身のスタンスのままで過ごしていると、エンジニアとしての成長は間違いなく頭打ちになってしまいます。そうなると、同じような仕事をしていても、その仕事の価値は下がっていかざるをえません。
結果的に昇進や昇給などは程遠くなり、むしろ減給や悪くするとリストラ対象になりかねないのです。転職できる可能性もどんどん低下していきます。
そもそも高年収や上位職種などの好条件の転職を目指すのであれば、豊富な知識と経験だけでなく最新の技術やトレンドの理解が欠かせません。
要するに昇進にせよ転職にせよ、納得がいく環境で仕事をするためには、日々の勉強を継続することが必要不可欠なのです。

キャリアアップを目指すための持続可能な勉強方法あれこれ!

エンジニアにとって勉強する方法は、いろいろと想定できます。書籍もしかり、資格の取得もしかりですが、本当にキャリアアップにつながるかという意味では、疑問を持つ先輩エンジニアの方々も多いことでしょう。
ここでは、よりリアルにキャリアアップを意識して学べる、持続可能な勉強方法にフォーカスしていろいろと紹介していきます。

公式ドキュメントの定期的チェック

最新の情報は、何といっても市場リーダーの公式サイトにあります。Google、Microsoft、AWSなどの公式サイトでは、クラウドアーキテクチャや構成管理のコンセプト、開発プロセス、マネジメントなどに関する解説も読めるのです。
AWSの新サービス、Pull Requestの状況、GCPの新サービスやその他のフレームワークの開発状況など、定期的にチェックをすれば知識をアップデートできるでしょう。
目の前の業務には直接関係がなくとも、現在進行形でITに関わろうとするエンジニアにとっては、大いに勉強になるはずです。

オンラインカンファレンスに参加

GoogleやAmazon、Microsoftなどのリーダー企業はITに携わるすべてのエンジニアを対象に、折に触れて無料で参加できるオンラインカンファレンスを開催しています。
最先端の技術トレンドや注目すべきイノベーション、今すぐ活用できるソリューションなどが学べるセッションやプログラムが用意されているのです。参加者からの質問に、その場で回答してもらえる場合もあり、よい刺激と経験になるでしょう。

SNSで最新情報発信をキャッチ

IT業界の中で有名なエンジニアが、SNSで情報発信をしていることはよくあります。彼らは、最新技術についてもどんどん発信しています。
そんなアカウントをフォローして見逃さずチェックしているだけでも、最新技術についてある程度の状況がわかることもあるほどです。
専門分野ごとに有名な人はたくさんいるので、少しずつフォローを増やして、情報を吸収していけばよいでしょう。

学習サイト&学習動画

エンジニア向けの学習サイトやWeb講座、学習動画を活用するのもとても有効です。最近の学習サイトなどは、実にさまざまなプログラミング言語やデータベース、エディタなどの内容が充実しています。
つまり、自分のレベルや仕事内容、職種などに合った講座を選ぶことが可能です。それだけではなく、ビジネススキルやマーケティングなどの講座もあります。
技術だけでなく、マネジメント方面をも見据えた幅広い知識を身につけられる環境が整っているのです。
では、エンジニアが学習サイトで勉強するときの注意点も確認しておきましょう。学習サイトは無料のものも多いですが、難易度の高いコンテンツや基礎をクリアした人のための応用編などに関しては、有料サービスであることが多いのです。
とはいえ、コストパフォーマンスがよいので、真摯に学ぶのであれば決して高くはありません。手軽に受講できる月額1,000円程度から数千円クラスのものをはじめ、万単位のものまで多種多様です。

エンジニア向け勉強会に積極参加

週末に時間がある人は、勉強会や講演会に積極的に参加してみるのも、エンジニアとしての新たなスキルを身に着けるためのよい勉強になります。
エンジニアが学ぶべき事柄はどうしても専門性の高い領域になるので、独学では限界を感じる場合も往往にしてあるようです。
勉強会などに参加すれば、先輩エンジニアからレッスンを受けることもできるし、参加者同士で教え合うこともできます。
スキルアップにつながるだけでなく、仲間との会話や人脈づくりができるメリットもあり、モチベーションを上げるためにも勉強会は役に立つでしょう。参加費用や内容は、勉強会ごとに大きく異なります。
独学では心が折れそうになることもあるでしょうが、参加者全員が真摯に学ぶスタンスで集っている環境に身を置くことによって、自然とやる気が湧いてくることも多いでしょう。勉強会などが実際にスキルアップに役立った人たちは数多くいるのです。
勉強会の傾向としては、それほど深い話はあまり出てこず、多くの場合ユースケースか汎用的な例といえます。それでも、名前しか知らない知識について概要を理解し、まったく知らなかった知識を知るキッカケになる場所として意味があるのです。
深く知るためには、結局は自分の手を動かす必要があります。それをわかったうえで、知らない知識やノウハウに出会える場として利用しましょう。
講師を招いた講演会では一流エンジニアである講師から、最新技術や有名企業における取り組みなどに関しての興味深い話を聞くことができます。講演会の終了後に、講師を交えて懇親会が設けられる場合もあるでしょう。
普段なら出会うことのないレベルの高いエンジニアの考え方に触れられて、大いに刺激になるはずです。また、人脈を広げられて、中にはそのつながりで転職が実現することもあります。

環境構築で手を動かす

手を動かすことは、深い学びにつながるものです。現場で活躍するためには実際に手を動かし、コマンドやプログラムミングをするのが効果的といえます。
そこで、自宅に開発環境を構築して、実際に手を動かしてみるという勉強法がかなり有効です。自宅で環境構築をする最大のメリットは、何度でもプログラミングを実践できることといえるでしょう。
どんな環境で動いているかをしっかり把握することにより、実務に近い経験と知識が得られます。手を動かす勉強法は、多くのIT技術者にとって実践の価値がある勉強法です。

こんな勉強方法はNG?

さまざまな勉強方法があって、上記以外のものでも取り組めばそれなりに得るものがあることも多いですが、中にはあまり意味をなさないものもあります。
その代表的なものを紹介しておきましょう。

高難度過ぎる挑戦

難易度が高い言語を取得することは、それだけエンジニアとしてのスキルアップにもなり転職活動でのアドバンテージになります。職場での待遇もよくなり、手掛ける仕事の幅も広がるでしょう。
しかし、身の丈からほど遠いような高難度言語の学習を開始してしまうと、最初はモチベーションを維持し続けていても、どこかで先が見えずに挫折してしまうリスクが高いといえます。
初心者に近いほど、どうせ挑むならと高いところを目標にしてしまいがちです。そうではなく、自分のレベルをわきまえて、少し上を確実にクリアする目標を立てて達成することを、何度も着実にくりかえすのが賢明といえます。

机上の学習から入る

中級のエンジニアなら話は別ですが、初心者に近い人がいきなり書籍から始めると、あまりの理解の困難さから、早々に脱落してしまうことがよくあります。
ITの深い知識や経験がある人でなければ、まずは学習サイトから始めてプログラムとはどういうものかを、体感できるようになってから書籍に移りましょう。
作ってみたいプログラムの感覚を身に着けるには、やはり書籍での説明だけではなく、実物に触れてみることがもっとも重要です。

業務と勉強のバランスを取るためのコツ

スキルアップのために、業務時間外でもプログラムの勉強をしているエンジニアがたくさんいるようです。
スキルアップを目指す勉強において、大量の時間を確保するのもよいですが、プライベートとうまく両立させることで、短時間であってもより一層集中してクオリティの高いプログラミングができます。
プログラミングの勉強に励む人の中には、現役エンジニアとしてすでに働いている人や、これからエンジニアとしての転職を目指していて、現職と並行して勉強を進めている人も多いでしょう。
働きながら学ぶことはたしかに大変です。しかし、上手く時間を使えば仕事と勉強は両輪として機能します。ここからは、働きながら勉強もはかどるコツを紹介していきましょう。

勉強を日々のルーティンに組み込む

日々の業務に疲れていると、どうしても勉強時間の確保は困難になりやすいものです。ブライベートも大切にしないと、ワークライフバランスが安定しなくなります。
たとえば、毎日1時間の勉強と決めてしまって、細かくコツコツとした勉強の時間を確保するような勉強の仕方は持続が可能です。業務のバランスをよく考えて、勉強をする曜日を決めておく方法も悪くないでしょう。

先々の勉強会の予定を入れる

仕事の多忙さや疲れを理由にすると、ついつい勉強から遠ざかるモードに入りがちな人も多いことでしょう。そういう傾向がある人は、勉強を持続可能にするために、勉強会などの先々の予定を、どんどん入れてしまうのが効果的です。
予定を入れてしまうことで、あれこれ迷わずに必然的に学習時間を確保できます。もちろん、参加できなくては何にもならないので、明らかに無理がある予定の入れ方は避けて、無理せず参加できるスケジューリングを心がけましょう。

スキマ時間を活用してレッスン受講

終業後の数時間や休日の数時間などを、上手に活用しましょう。フレックスタイム制のエンジニアのために、昼間のオンラインレッスンなどを設定しているスクールなどがあります。
それらを活用すればスキマ時間で効率よく学べて、業務とのバランスもほどよく保てるのです。

まとめ

エンジニアがキャリアアップを目指すうえでの、勉強の意義と勉強方法について、掘り下げて解説しました。その気になれば学ぶ術は本当にいろいろと選べる、そういう意味ではよい時代です。
一気にレベルを上げようとするのではなく、コツコツと磨き上げていく持続性のある学び方が、エンジニアとしてのキャリアアップの近道であることは先人たちが証明しています。
あなた自身の業務やプライベートの環境を俯瞰したうえで、ここで紹介した勉強方法やコツも参考にして、効率よくかつ持続可能な勉強方法を見つけてください。

Talisman編集部

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