【パワハラが原因の転職】面接でどう伝える?ポジティブな伝え方と成功のポイント

「上司からのひどい言葉に毎日怯えている」「ミスをするたびに人前で罵倒される」。このような分かり易いパワハラもいまだにありますが、職場の人間関係は複雑、かつ感じ方は人それぞれで、パワハラにより精神的苦痛を強いられ、退職せざるを得なくなってしまったというケースが多く発生しています。
どうしてもパワハラが改善できなかった場合、自分を守るために退職するのは正しい選択と言えるでしょう。
しかし、転職活動中の面接で転職理由を聞かれた際、パワハラが原因の場合にはどのように答えるべきなのでしょうか。

この記事では、パワハラを理由にした転職活動を成功させるために、面接での伝え方のコツから、転職する前に知っておくべきことまで、網羅的に解説します。あなたの辛い経験を、次のキャリアへの一歩に変えるためのヒントがきっと見つかるはずです。

どこからがパワハラと見なされるか

まずは、世間的にどこからがパワハラであると見なされるかを押さえましょう。
厚生労働省によると、職場におけるパワハラは下記のように定義されています。

“同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為”
(出典:厚生労働省公式ホームページ

「パワハラ」というと上司や先輩から受けるものであるイメージがありますが、厚生労働省は、同僚や後輩が「職場内の優位性」を背景に苦痛を与える行為をした場合も、パワハラに該当するとしています。
「業務の適正な範囲」については、基準があいまいであり、判断が難しいところでもあります。
例えば、上司が部下のミスをその都度指摘するのは業務の範囲と見なされパワハラには該当しませんが、業務に必要な範囲を超えた暴言や暴力が伴う場合はパワハラに該当するでしょう。

パワハラで転職を考える前に|まずは状況を整理しよう

パワハラを受けている状況で転職活動を進めるのは、心身ともに大きな負担がかかります。まずは冷静に、あなたの状況を整理することから始めましょう。転職はあくまで選択肢の一つです。

パワハラの証拠を集める

もし今後、会社と話し合いをする必要が出てきた場合や、退職理由を証明する必要が出てきた場合のために、まずはパワハラの証拠を集めておきましょう。

  • 録音: ICレコーダーやスマートフォンの録音機能を使って、パワハラ発言を録音する。
  • 記録: どのような日時、場所で、誰から、どのようなパワハラを受けたのかを詳細にメモしておく。
  • メール・チャット: パワハラに該当する内容のメールや社内チャットは削除せずに保存しておく。
  • 診断書: パワハラによって心身の不調をきたしている場合は、医療機関で診断書をもらっておく。

転職以外の選択肢も検討する

すぐに転職を決める前に、一度立ち止まって他の選択肢も考えてみましょう。

  • 社内異動: 部署やチームを変えることで、パワハラ上司から離れられる可能性があります。
  • 社内の相談窓口: 人事部やコンプライアンス窓口、労働組合などに相談する。
  • 退職代行サービスの利用: 精神的に限界で会社とのやり取りが難しい場合は、プロに任せることも選択肢の一つです。

面接で「パワハラが原因」と正直に伝えても良い?面接官が知りたいこと


パワハラを受けたことが原因で退職した場合、面接でパワハラを直接的な理由として話すことはあまり好印象ではありません。
伝え方によっては、あなたが一方的にネガティブに受けとめ、悪口を言っているだけではないか? という印象を与えてしまう恐れがあります。なぜなら、面接官は実際にあなたがパワハラを受けている場面を見ていたわけではないので、実際にどのくらい不当な扱いを受けていたのかが分からないからです。
「パワハラが原因で辞めました」と面接で正直に伝えることは、おすすめできません。
なぜなら、面接官が知りたいのは「あなたがなぜ辞めたか」という過去の事実だけではなく、「入社後にどう活躍してくれるか」という未来のことだからです。
ネガティブな退職理由をそのまま伝えてしまうと、面接官は以下のような懸念を抱いてしまいます。

  • 「また同じ理由で辞めてしまうのではないか?」
  • 「人間関係を構築するのが苦手な人なのか?」
  • 「入社後も不満ばかり口にするのではないか?」

面接では嘘をつかずに正直な受け答えをすることも重要ですが、あなたの経験をポジティブな言葉に変換し、前向きな姿勢をアピールすることは嘘にはなりません。

パワハラを転職理由として話す時の注意点

とはいえ、パワハラが原因で転職した場合、面接で直接的な転職理由を話さなくてはならない場合もあるかもしれません。そのような時は以下のことに注意しましょう。

パワハラを改善するために取った行動を伝える

パワハラをしてきた相手の言動について延々と話していると、「ただ不平不満を言っているだけ」と受け取られてしまい、「受け身の対応しかできず、他人のせいにする人」と見られてしまう可能性があります。
ただ受け身でいたわけではなく、パワハラを受けている状況を改善するために自分から行動を起こしたことを伝えましょう。
行動を取った上で改善しなかったため退職したと伝えれば、それなら退職しても仕方がないと納得してもらえます。

前向きな話でまとめる

前職ではパワハラに悩んでいたが、今後はこんなことをしていきたいという前向きな展望で話をまとめましょう。
「前職の経験を活かして、御社ではこんな風に活躍していきたい」「こういう理由で御社を志望しました」など、過去の経験と今後のキャリアビジョンや志望動機とつなげると、入社への意欲を効果的に伝えることができます。

明るい表情や声で話す

パワハラを受けたことが原因での転職で、転職理由を話しているとつい表情が暗くなってしまうかもしれません。
しかし、面接を突破して転職を成功させるために、あえて明るく振舞いましょう。
面接官の目を見て、大きな声でハキハキと快活に話しましょう。

面接で重要なのは、あなたの経験をポジティブな言葉に変換し、前向きな姿勢をアピールすることです。

【例文付き】パワハラでの転職理由をポジティブに言い換える3つの方法

パワハラでの転職理由をポジティブに言い換える

パワハラがあった職場では、新しい仕事に挑戦する機会や、チームワークが不足しているケースが少なくありません。この状況を逆手に取って、「前向きな理由」として言い換えることが重要です。

方法1:成長意欲やキャリアアップ志向に言い換える

パワハラがあった職場では、指導が不十分で成長機会が得られなかったかもしれません。この状況を、「成長できる環境を求めて」という前向きな理由として伝えましょう。

【例文】
「前職では、特定の業務に限定されることが多く、自身の専門性をより広げる機会が少ないと感じておりました。貴社のように、多様なプロジェクトに携われる環境で、自身のスキルをさらに高め、貢献していきたいと考えております。」

方法2:企業文化や働き方への共感に言い換える

パワハラは、職場の人間関係やチームワークが機能していない環境で起こりがちです。この点を「企業風土」や「働き方」への関心として言い換えることで、ネガティブな印象を払拭できます。

【例文】
「前職では、個人の成果が重視される傾向が強かったのですが、チームで目標を達成していく働き方に関心を持っておりました。貴社の『チームで支え合う文化』に強く惹かれ、私も一員として貢献したいと考え、志望いたしました。」

方法3:仕事内容への不満を具体的に言い換える

上司から理不尽な指示を受けたり、本来の業務ではない雑務を押し付けられたりした経験があるかもしれません。このような「仕事内容への不満」を、「本当はこういう仕事がしたい」という具体的な希望として伝えることで、入社後のミスマッチを防ぐことにもつながります。

【例文】
「前職では、管理業務が中心だったのですが、お客様と直接関わり、課題解決に貢献する仕事にやりがいを感じていました。貴社の営業職であれば、お客様との関係構築に深く携わることができ、自身の強みである傾聴力を活かせるのではないかと考えております。」

【ケース別】パワハラでの転職理由をポジティブに言い換える例文

<厳しい営業ノルマを課せられていた場合>

【例文1】
「売上達成と顧客ニーズに応えることを両立したく、転職を決意しました。
現在営業職をしており、売上目標を達成するために努力をしながらも、顧客のニーズに応えられるよう、○○などの取り組みを行ってきました。
しかし最近、会社が売上ばかりに偏って重視するようになってきました。もちろん売上を上げることは重要ですが、売上ばかりを重視するあまり、顧客満足度を落としていると感じています。
今後は顧客のニーズに応えた営業活動をした上で売上を上げられる営業になりたいと思い、例年高い顧客満足度と売上成長率を維持している御社を志望いたしました。」

【例文2】
「現職では、常に高い数字目標が課されています。
もちろん目標を達成するために全力で取り組んでいるのですが、ひとつひとつの案件の対応に十分な時間があてられないと感じています。改善提案もしたのですが、やはり会社の方針として売上を最重視しているとのことで聞き入れてもらえませんでした。
今後は顧客の要望にじっくり耳を傾け、それに最大限応えられる営業になりたいと思い、転職を決めました。
顧客と長期にわたって取引し、信頼関係を築いている御社で是非営業として活躍したいと考えています。」

<激務・残業を強いられていた場合>

【例文1】
「現職は残業をすることが当たり前という風潮があり、部下は上司より先には帰りにくい雰囲気がありました。
残業が必要であればもちろんするべきだと思いますが、より効率的に仕事を進められるのではないかと考えていました。業務効率化の改善策を上司に提案しましたが、年功序列の社風が強く、比較的若手の私の意見は取り入れてもらえませんでした。
今後は、決められた時間内で効率良く成果を出すことを重視している御社で、スピード感を持って実績を上げていきたいと考えています。」

このように、パワハラによって具体的に悩んでいたことと、それを改善するために取った行動、そして今後はどのように働きたいかを明確に伝えるようにしましょう。
また、上司の圧力が厳しかったという場合、パワハラという言葉を使わなくても、「年功序列・トップダウンの風潮が強かった」という言葉で置き換えられます。

【体験談】パワハラ転職を成功させた人の事例

ここでは、実際にパワハラを理由に転職を成功させたAさんの事例をご紹介します。

【Aさんの状況】
前職: IT企業の営業職
パワハラの詳細: 上司からの人格否定、業務とは関係ない雑用を押し付けられる。体調を崩し、退職を決意。

【転職活動で工夫したこと】
自己分析の徹底: なぜこの上司はパワハラをするのか?なぜ自分はそれに耐えられなかったのか?を冷静に分析し、「コミュニケーションを重視するチームで働きたい」という明確な軸を見つけました。
面接での伝え方: 「人間関係が原因」とは言わず、「チームで目標達成を目指す環境で、自身のコミュニケーション能力を活かしたい」とポジティブな理由に言い換えました。
情報収集: 企業の口コミサイトや転職エージェントを通じて、社内の人間関係や風通しの良さについて徹底的にリサーチしました。

【転職後の感想】
新しい職場は、上司が部下の意見を尊重してくれる風通しの良い環境でした。おかげで精神的なストレスも減り、仕事に集中できるようになりました。転職は、当時の辛い状況から抜け出すための最善の選択肢だったと今では感じています。

転職成功のためのチェックリスト

せっかく転職するなら、同じ過ちを繰り返さないために、新しい職場選びは慎重に行いたいものです。

  • 企業文化のリサーチ: 企業の公式SNSやブログ、社員インタビューなどを確認し、社内の雰囲気を把握する。
  • 面接での逆質問: 「チームで働く上で大切にしていることは何ですか?」「社員同士のコミュニケーションは活発ですか?」など、人間関係や働き方に関する質問を積極的に行う。
  • 転職エージェントの活用: 担当のエージェントに、社内の人間関係やパワハラの有無について、可能な範囲で確認してもらう。
  • 口コミサイトの活用: 実際に働いていた人の口コミを確認し、企業の内情を知る。ただし、あくまで個人の意見であるため、複数の情報を総合的に判断する。

まとめ

パワハラを理由にした転職は、決してネガティブなものではありません。むしろ、自分自身と向き合い、より良いキャリアを築くためのポジティブな一歩です。
辛い経験を「なぜ転職したいのか」という明確な動機に変え、面接では前向きな言葉でアピールしましょう。そして、次の職場では、あなたが心から安心して働ける環境を見つけられることを願っています。
もし、転職活動の進め方で不安な点があれば、いつでもご相談ください。

転職理由の伝え方についての全体像を知りたい方は以下の記事をご覧ください
 転職理由の伝え方大全:面接官が納得するフレームワークと理由別回答例

-メディア運営・監修-
Talisman Corporation / IT・外資の転職はタリスマン
外資系企業や日系大手、ベンチャー企業への転職にご興味のある方はぜひお問い合わせください。転職エージェントとして10年以上の経験、データを持つ弊社タリスマン株式会社がサポートさせていただきます。[厚生労働大臣許可番号] 01-ユ-300282

いますぐ求人を探す

タリスマンに転職相談をする

Talisman編集部

最新の転職市場、キャリアアドバイスの他、効率的な働き方やビジネス英語等のスキルアップに向けた旬な情報をお届けします。

コーポレートサイト
talisman-corporation.com/ja/

Linked In
@talisman-corporation

YouTube
@TalismanCorporation

Instagram:
@talisman__corporation

Blog Media for Foreigners:
Tech Journey Japan

Facebook
@talisman.recruitment

関連記事

  1. 20代未経験でも転職できる!成功ポイントと失敗回避の注意点を解説

    20代未経験でも転職できる!成功ポイントと失敗回避の注意点を解説

  2. 転職回数は多いと不利!?転職可能にする5つの成功術

  3. 採用したいと思わせる!エンジニア自己PRの例文

  4. 返し忘れても大丈夫!退職時の返却物・受取物完全チェックリスト

    返し忘れても大丈夫!退職時の返却物・受取物完全チェックリスト

  5. 仕事を効率良く進めよう!フレームワークの解説本おすすめ11選

    仕事を効率良く進めよう!フレームワークの解説本おすすめ11選

  6. 20代の転職は難しい? 成功させるためのポイント

  7. ハイクラスの転職に成功させよう!選考対策のための10のアドバイス

    【30代向け】ハイクラス転職への進め方とおすすめ転職エージェント

  8. ITパスポートは転職にも有利?IT初心者に人気の資格をわかりやすく解説

  9. 転職は40代でも遅くない!その現状と成功させるための秘訣を解説

    転職は40代でも遅くない!その現状と成功させるための秘訣を解説

職種別求人情報検索

以下より厳選されたミドルクラス以上の各職種別求人一覧を確認できます(求人企業名は非公開)

SNS

PAGE TOP

ビジネスのプロフェッショナルをつなぎ、転職を成功に導く

スカウトを受ける