/ 保険業界はライフワークバランスも取りやすく、キャリアパスも可能
まず、山口さんが保険業界で担当していた業務内容を教えてください。
山口:大手企業に出向いて、生命保険をお勧めする“職域”というのを担当していました。
大手企業だと保険屋さん慣れしている方が多かったので、軽くあしらわれることも多い。そこから成果になるまでのプロセス、その後のフォローも大事なので、大変といえば大変でした。
保険の提案は後回しで、まずは違う話題をお話してコミュニケーションを図るようにしたり工夫しながら、お話を聞いてもらえるように、毎日通っていました。
保険業界は、堅いイメージがあったり、家族や友人にも営業しないといけないというイメージがあるが、実際はいかがでしたか?
山口:頭の良い方が多いイメージはありますが、堅苦しい雰囲気はなかったです。
家族や友人に営業するのも成績のためにやらないといけないと思うと、嫌になってしまう。そもそも保険は大切なものだから、自分が大切に思う友人・家族などに提案することは、その人にとっても為になること。
成績のためというより、自分の大切な家族や友人に保険の大切さを知ってもらいたいという思いで提案をしていました。
様々な業界で働き方改革への取り組みが始まっているが、保険業界はどうですか?
山口:営業ですと、自分でスケジュール調整できるので、お子さんがいる人で成績優秀な方もいました。
以前は、保険会社も22時23時まで働くというのが当たり前の雰囲気があり、外資はワークライフバランスが比較的取れるが、日系はそうでない傾向が見られました。しかし、近年は働き方改革が始まり、例えば20時にはオフィスを閉めるなどの対策が行われているところも多く出てきて、日系・外資の違いはあまりなく、ライフワークバランスが取りやすくなってきています。
近年、保険業界も社内キャリアパスが出てきているそうですが、実際のところどうですか?
山口:以前は、上司に相談するのも難しい雰囲気がありましたが、現在はオープンになってきて日系もキャリアパスの社内公募が行われるようになっています。
私が勤務していた保険会社は、外部からの中途採用は少なく、多くは社内からのキャリアパスでまかなわれていました。希望を出すことも出来るが、適性などを考慮してどこのポジションに異動になるかは人事が決めるため、希望のポジションにつけるとは限りませんが、チャンスではあると思います。
井島:外資は、外部からの中途採用を積極的に行っているので、中途採用しないのは大手の日系に見られると思います。日系大手は離職率が低く、中でのローテーションが行われています。せっかく優秀な若手を採用したら、中の人材を大切に育てて、長く働いてもらうという考え方の傾向が日系には多い気がします。外資は、専門性を磨く傾向があるので、本人の希望なしに、全く異なるポジションに回されることはほぼないです。
/ ポジションによっては外資も日系も変わりない
外資だと英語が出来ないとダメなのでは?というイメージを持つ方が多いが、英語力は必要ですか?
井島:営業は、外資でも日系でも日本語が出来る方が対象になるので、英語力は必要ないです。
日系も外資もバックオフィスは基本日本語の問い合わせなど、英語を使わないケースがほとんど。外資で本社のやりとりがあったり、マーケティング、経営企画、事業改善などののポジションは英語力が必要になります。本社の人を絡めて電話会議などがあると、英語でしっかり話すことが求められ、プレゼンまでできないといけないポジションも出てきている。メールなどの読み書きができればOKというポジションもあるが、やはりビジネス英会話ができる方が将来的にキャリアアップにつながるので有利になります。
日系から外資の違いや、転職して活躍するために知っておいたほうがいいことはありますか?
井島:外資は、アグレッシブなイメージが強く、何かあったらすぐクビになってしまうのではないか?という風に思っている人も多いです。でも、保険業界の外資系企業は、もともとは日系企業だったところが買収によって外資に変わっている、という経緯があります。長く働いている人は日系時代から働いている人なので、外資色が強いわけではなく、日系と大きな違いはないです。
本社に近いポジションになればなるほど、アピールも必要ですが、外資だから自己主張しないと、というわけでもないですし英語を使わないポジションも多くあります。そういった英語を必要としないポジションは、日系も外資もさほど変わりないです。
ただ、日系は何かを変えようすると、すごく時間がかかる。何をするにもいろいろな人の印鑑が必要で、物事がなかなか進まないことも。それに対し外資は、スピード感があるので、その変化についけない人もいる。グローバルの力が強い企業は本社が方針の変更を決めたら、昨日までのやり方を変えないといけません。また、上のポジションに中途採用の人がバンバン入ってくる外資は、外部から来た上司がそれまでの方針を突然変えることもあります。そんな会社や上司の急な方針変更などにも柔軟に対応できる姿勢が大切です。
しかし、外資日系というよりは、上司がどんな人であるかが大きいので、外資だからとは一概には言えないところでもありますが。
/ 転職成功の秘訣は、好きなことやりたいことを明確にすること。
保険業界からのキャリアアップ(キャリアチェンジ)はどんな職がありますか?
山口:経験にもよりますが、営業から営業であれば他の業界であっても比較的キャリアチェンジしやすいです。成績がよければ、欲しがる会社も多いです。
現在、山口さんは保険業から人材紹介業界に転職されましたが、人材紹介を希望していたのですか?
山口:希望する特定の業界や職種が決まっていたわけではなかったので、探すのは大変でした。当初は、人材紹介というのも考えていませんでした。自分中で、やりたいこと、これは嫌だというポイントはたくさんありましたが、これという職種はなかった。英語の勉強はしたかったので、社内の雰囲気が外資ぽいところが希望でした。しかし、英語がそれなりに話せないと、そういう会社に転職するのは難しい。タリスマンはそこまで出来なくても受け入れてくれましたが、ミーティングなどは英語で行われるので、スキルアップになります。また、自分のやったことが報酬として評価してもらえるということが決め手となり、人材紹介のキャリアをスタートさせました。
例えば、業界問わず大手企業の営業であっても、ちゃんと評価されないところもたくさんある。そこを評価してくれるというのは大きなポイントでした。
転職活動をする上でどんなことを感じていましたか?不安などはなかったですか?
山口:不安はありませんでした。いいところに転職できなかったらどうしようと思わなくはなかったですが、キャリアアップしたい気持ちの方が強かったので、早く転職したいと思っていました。社内キャリアパスも考え、当時の上司も勧めてくれましたが、タイミングが悪く時期が過ぎてしまっていたことと、希望のポジションに異動できるか分からなかったため、転職という選択肢を選びました。保険営業だけで終わらせるのではなく、今、出来ることをしたいと思っていました。
保険業界で培ってきた経験が役立つと感じることは何ですか?
山口:保険業界を担当しているので、現在、保険会社で商品を販売している方に対して代理店営業の紹介をする時に、アドバイスはしやすいと感じています。自分から、保険やっていたんですと話すことはあまりないのですが、自分の経験をお話しすることで会話が膨み、共感していただいたり、安心していただくことはあります。
保険業界へ転職する方へのアドバイスをお願いします。
山口:保険業界から保険業界、商品を売っている人が代理店営業に転職するのはキャリアアップになりますし、全く違った仕事内容になり、視点も変わって楽しいと思います。証券、銀行などの金融出身の方で、保険の扱いをしたことがあるような人、FP持っていて保険販売をしたことがあるような人も代理店営業に。代理店営業も扱う商品に情熱を持てることが、転職成功の秘訣と言えます。
井島:乃絵瑠さんのように当初全く考えていなかったところに、活躍できる場所が見つかることもある。
転職成功のためには、特定の業種や職種を決めるだけではなく、何が好きななのか?何をやっていて楽しいのか?譲れないポイントを整理することで新たな可能性が見つかることもあります。
営業職でもタリスマンで扱っているのは保険販売のポジションはないですよね?
井島:タリスマンが扱っているポジションは、営業でも個人営業ではなく、代理店営業というポジション。
代理店営業は保険を売るのではなく、複数の保険会社の商品を扱っている代理店に対し、他社よりも優れているところをアピールし、自社の商品を売ってもらえるように営業するポジションです。また、代理店の営業の方に、保険内容の研修や販売のトレーニングなども行います。代理店営業も、自社の商品に思い入れがないと、やりがいが感じられなくなってしまうので、そこはひとつポイントだと思います。
以前、こんな候補者がいました。
『自分はA社の保険が好きで広めたいが、個人営業では自分が勧められる人数に限度がある。だけど、代理店営業ならより多くの人に広げることが出来るので、A保険会社の代理店営業をしたい!』と相談を受けました。熱意がすごく、商品の研究もすごくされていたので、この方なら採用されるだろうなと確信がありましたが、見事採用されることになりました。営業や広報などの表に出てくるようなポジションの方は、会社が好き、商品が好きであるということが、活躍するポイントだと思います。
最後に、転職を考えている方へメッセージをお願いします。
井島:転職が頭をよぎったら、まず相談する!!転職したいな、どうしよう、と思っていると、あっという間に2~3年経ってしまいます。社内の人に相談すると、辞めたがっていると思われてしまうので、ふんわりと思った時点で、外部の私たちのようなところに相談してみたらいいと思います。
山口:費用もかからずに、コンサルティングをしてもらえるので、活用した方が絶対にお得。
井島:こんなポジションがあるんだ!とか新たな発見があるかも知れない。それによっては、今のところにいた方がいいと思うかも知れない。それはそれでいいと思います。全員が全員転職に向いているわけではないので、まずは外の話を軽い気持ちで聞いてみることで、可能性が広がります。
タリスマンでは相談会もやっているので、本格的に転職を希望している方だけでなく、ちょっと話を聞いてみたいな程度の気持ちでも全然OKなので、ぜひご相談ください。
相談の結果、場合によっては、他の業界チームへの紹介も可能です。
また、保険業界って保険業界出身じゃないといけないんじゃないか?と思っている人も多いですが、保険業界の経験者でなくても可能なポジションもたくさんあります。営業だと、証券とか銀行とかで保険販売の経験がある人になりますが、例えばマーケティングやPRは保険知識はぜんぜん必要ないです。有形商材を扱っていた人が、保険という無形商材を扱う会社にチャレンジして成功しているケースもたくさんありますので、まずはお気軽にご相談ください。