~思い切って飛び込み新しいチャンスを手に入れる~
K・Mさん (30代、男性)
タリスマンをご利用いただき、日系R&Dから外資R&Dへ転職されたK・Mさん。
現在のお仕事のこと、海外のエンジニアの方々と仕事をする上での秘訣などをお伺いしました。
誰かの役に立つ仕事がしたかった
/ 転職のきっかけや経緯を教えてください。
転職する前は、アメリカで勤務していたのですが、学校を卒業してすぐ日本のメーカーに勤務していたので、向こうでのやり方が新鮮に感じました。
帰国して、日本の古い体質のメーカーではないところで働きたいという気持ちが強まっていたところ、偶然にも『面白い会社がある』とオファーがきました。その会社をよく知らなかったので調べてみると、とても興味が沸き、受けてみることにしました。
前職は、開発対象として医療機器の画像解析などを扱い、もっと研究よりの仕事をしていましたが、現職はスマートフォン用カメラのアルゴリズム開発をしています。
/ 転職して満足していますか?
満足しています。まず、開発のスタイルが日本の会社とはまったく違います。スピード感が非常に早く、デッドラインもタイトです。ただ、うまくいったときの成果への報酬が分かりやすく支給されるので、エキサイティングな仕事だと感じています。
日本のメーカとスピード感が大きくちがうのは、悪く言うと計画性のなさとも言えるかもしれませんが、日本の会社だと中期企画を立てて、短期ごとにブレイクダウンしてとブロックを積むように順々に話が進みます。しかし、今の会社はビジョンと予算の指示がおりてきて、色々なチームがそこに一斉に飛び込んで競争して作り、生き残ったチームだけがリリースに使われます。一番早くリクワイアメントを達成したチームが勝てる。そのシステムが性に合ってたので、満足しています。時間と労力をかけたものが、ダメになったこともあるが、勝ったときはうれしいのでやりがいがあります。
/ 社内での競争だと職場の雰囲気が悪くなったりしないですか?
そういうこともあるかも知れないが、チームの拠点がバラバラなので、それでストレスレベルが高くなることはないです。たとえば、日本のチームと中国のチームと競争しているところに、フィンランドのチームが入ってきたり、アメリカのチームが入ってきたり・・・。チームごとになると競争が激しいが、各チーム内は家庭的で和気藹々しています。普段日本にいる分には、非常に家庭的な職場なので、そこも面白いところだと思います。
だいたい3ヶ月~半年くらいでチームが変わってプロジェクションをこなしていきます。渡り鳥のように色々なプロジェクトを動いている人が“仕事が出来る”と評価されるようになります。
/ タイトなスケジュールでライフワークバランスは取れていますか?
タイトなスケジュールだが、ライフワークバランスは取れています。会社も推奨しているので、有給も取りやすいですし、基本的には定時で帰ることができます。ただ、忙しいときとそうでないときの波が激しく、製品リリース前になると、終電を逃すこともありますけど。そして、長期休暇は少し取り難いです。プロジェクトが始まってしまうと、製品の一部になるロールが割り当てられるので、長期休暇を取ってしまうとワンモジュール落としてしまうことになるのです。
また、平均年齢が高く、日本の会社を定年退職されたような人が半分くらいいるような職場で、子育て世代の社員が数えるくらいしかいないので、男性で育休をとるような人もいないですが、単発なら休みが取れるので子供の大事なイベントなどにも参加することができます。
/ 転職して前職で感じていた不満は解消されましたか?
前職は研究に重点をおいていて、研究成果が外に出て行かないケースが多く、研究所留めになり
内部ノウハウとして蓄積されていくことが多かったです。
自分の作ったものが世に出て、誰かの役に立つことを重要視していたので、そこは不満に感じていました。
また、計画を練っている時間が長く、技術者としてはパワーポイントの計画表ばかり作っているよりも、色々な技術にチャレンジしたかったので、今の会社に入ってこれらの不満は解消されました。
/ 海外のチーム、エンジニアの人と働く中でのチャレンジはどんなことですか?
チームで競争していることから、部門内で情報を隠してしまうこともある。会社規定ではチーム間で情報を交換しないといけないことになっているが、自分から聞いていかないと教えてもらえないので、積極的に自分から情報を引き出すようにしないといけません。また、各チーム内は家族的で中国のチームも仕事外のアクティビティも一緒にやるくらい仲間意識はすごく強い。そこにポーンと入るとよそ者扱いされることがあります。一緒にやらないといけないときは現地に出向きコミュニケーションをとるようにしています。
/ 今後、海外のエンジニアと一緒に働いてみたい、海外で通用するエンジニアになりたいという人へのアドバイスをお願いします。
第一は言語ですが、まずは話さないと認めてもらえない。発言しないと(存在自体)いないことになってしまうので、下手くそでも発言しないといけません。ディスカッションが白熱してきて発言できなくなってしまう人がいます。そうすると後で誰がいたっけ?という話になったときに、完全に忘れられてしまう。どんなに技術を持っていても発言しないとつながらないので、話すことが大事です。
また、IT系は中国人がすごく多い。以前、アメリカの大学院に3年ほど行っていたが、アメリカといってもクラスの半分は中国人。単に英語が出来るだけでなく、中国式の考え方が出来る、中国語できる、中国の文化に親しんでいるなど、たとえ西海岸で働くとしても中国人との付き合い方を知っている方がいいかなと感じています。
中国人との付き合いの秘訣をひとつ挙げるとすると、面子をつぶさないこと!これは間違いなくダメです。たとえば、打ち上げに行きぱっと見渡すと、中国の場合はひとめで誰が偉いかが分かる。まわりの言動だとか、その人の振る舞いで『この人がボスだな!』というのがすぐ分かります。その人の面子をつぶさないというのが非常に重要なので、気をつけています。
/ タリスマンを選んだ理由を教えてください。
オファーが非常にいいタイミングだったことが第一でした。
色々なお誘いをいただいたが、どれも型にはまったテンプレートが貼り付けられたようなメールがたくさん送られてきて、読む気がしなかった。その中でサバンナさんから来たメールが、フレンドリーというかちょっとラフな感じで逆に目を引き、読んでみたら面白そうな仕事だったので、結局お世話になることなりました。
同じポジションの仕事を複数の会社から、ほぼ同時にもらうこともたくさんあったが、まったく同じことを同じように書いてくることが多く、募集資料をそのまま送ってきている印象を受けました。サバンナさんはそれがなく率直だと感じました。
転職までのプロセス自体はスムーズだったのですが、初めての転職だったので、レジュメについてアドバイスがもう少しあったら気が楽だったかな?という気もするが、結局うまくいったのでよかったです。
/ 最後に転職を考えている方へアドバイスをお願いします。
日本の転職希望者はコンサバティブな方が多く、面白そうだなと思い、面接を受けて条件を聞くところまでいっても、やめてしまう人が多いと聞きました。今の仕事と秤にかけて、こっちに飛び込んで大丈夫なのかと考えてしまう。僕は、体が健康なら食いぱぐれることはないと思っているので、すぐ飛び込んでしまいました。いくら考えても知らないことの方が多いので、いつまでも不安に思っていても新しいチャンスはつかめない。条件が気に入れば、どんどんチャレンジしていくべきだと思います。もっとフットワークを軽くしたら、日本の転職市場も活発になってよいのではないかと思います。
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ありがとうございました。終始にこやかにお話される表情から、日々のお仕事が充実されていることが伝わってきました。今後は国内のみならず、海外で活躍できるようなエンジニアの方が益々求められるようになってきます。今回のお話を参考に、少しでも多くの方に活躍の場を広げていただければと思います。