採用業務に向いている人と向いていない人の特徴 9つの適性を解説
採用業務の仕事で働くためには、この仕事で求められる適性を把握しておく必要があります。さらに、どのようなスキルが必要なのかを知っておくと、就職や転職に備えることができます。
この記事では、採用業務の仕事内容を簡単に説明します。また、採用業務に向いている人、向いていない人、採用業務の担当者に必要なスキルも解説します。
採用業務の仕事内容
採用業務の仕事は多岐にわたります。具体的にどのような仕事を行うのか、解説します。
採用から内定者のフォローまでを行う
採用業務の担当者には、経営目標を達成するために必要な人材像を明確にして、効果的に採用を行う役目があります。年間の採用計画を立てて、どの部署に、どのぐらいの人数が必要なのかを見極めなければいけません。最近では、ハローワークやインターネット求人サイトだけでなく、SNSを利用した採用活動も行われており、時代のトレンドを取り入れつつ採用活動を推し進めることが必要です。
また、採用が決まった応募者に対して、入社までのフォローアップを行うのも採用業務の一つです。入社までに期間が空いているなら、社内見学や部門の責任者との面談などを取り決めて、応募者の入社意欲が下がり、他社に流れてしまうのを防ぎます。
採用業務と人事の違い
採用業務は人事部に属する部門の一つです。人事部には、労務管理・能力開発・処遇決定などの機能があり、採用に関係する業務を選任で行う人を採用担当者または採用業務と呼びます。
規模の大きな企業では、人事部での担当が明確に分かれているのが一般的です。しかし、従業員数が100人以下の中小企業の場合、明確な線引きが行われておらず、採用担当者が労務管理や処遇決定などの業務を兼ねることもあります。
採用業務に向いている人
この章では、採用業務に向いている人の特徴を9つ解説します。自分に当てはまるものがあるかどうか確認してみてください。
企業指針を理解し、考えを言語化できる人
採用業務の担当者は、自社が必要としている人材像や企業の将来ビジョンをしっかりと理解している必要があります。さらに、企業の社風や指針、経営目標などを理解し、どの部署にどのような人材を配置すれば、人材マネジメントが成功するかを判断しなければいけません。また、応募者や他社の担当者に、自社の魅力をしっかりとアピールするため、自分の考えを言語化できる人が適しています。
質問力やヒアリング力のある人
応募者の面接を行う際、Yes/Noの質問だけでは、人の本質を見極めることはできません。「なぜそのようにしたのか?」「どのように問題を解決したのか?」などの適切な質問をして、ヒアリングする必要があります。応募者の回答内容に合わせて、質問内容を変化させ、傾聴するなどして、相手から意見や考えを引き出せる人が採用業務に向いています。
社会や業界の流れを察知し、論理的な思考を持つ人
人材業界は時代によって流れが変わります。人材不足を解消する方法や人材マネジメントの課題も異なるため、採用業務の担当者には社会や業界の流れを察知できる感覚が必要です。さらに分析した内容に基づいて論理的に考え、目標を達成するための解決策を見つけられる人が採用業務に向いています。
変化を恐れず、行動力のある人
採用業務はイレギュラーが発生しやすい仕事です。基本的なマニュアルはあるものの、時と場合に合わせて臨機応変に対応方法を変えなければいけません。例えば、これまで成果が上がっていない採用方法を一新して、新しい採用手法を取り入れることもあります。変化を恐れず、企業のために行動できる人材が採用業務には向いています。
人に興味があり、人当たりのいい人
採用業務は人と接する仕事です。募集をかけるとき、面接をするとき、入社までのフォローアップをするときなどに、「どんな人が理想か」「この人はどんなバックグラウンドがあるのか」「この人が入社したらどのように活躍できるか」など、人に興味を持って考えられる人が向いています。また、どんな人とでもコミュニケーションが取れる、人当たりの良さも重要なポイントです。
報告・連絡が苦にならず、言いにくいことも言える人
採用業務の担当者は各部署の責任者や経営陣、または他社の人事担当者などと連絡を取る必要があります。レスポンスが遅かったり、必要な連絡事項を忘れたりすると自社だけでなく他社にも迷惑をかける可能性があります。また、採用業務の担当者には、応募者への不採用の通知や、契約社員・派遣社員・正社員に解雇通知を言い渡す役目を担うこともあります。冷静に、必要なことを的確に言える人が適しています。
フォローアップ能力・調整能力がある人
採用業務の担当者は自社の経営陣や部門の監督、または求人広告の代理店の担当者など、様々な人と接触を持ちます。相手の都合に合わせて自分の予定を調整するなどの対応力が求められます。
責任感のある人
採用業務は「ヒト」を管理する仕事です。ヒトがいなければ企業が成長し、利益を上げることができません。採用業務は企業の基盤作りに貢献する仕事ですが、同時に少しのミスが大きな損失につながることもあります。会社内で大きな責任を担っているという自覚を持てる人が採用業務に向いていると言えます。
秘密を守れる人
採用担当者は個人情報や社外秘の情報を取り扱います。例えば、社員の給与やマイナンバー、人事評価などの情報にアクセスできる権限を持つ場合があります。口が堅く、うっかり人に話してしまうリスクが低い人、情報セキュリティ対策がしっかりできる人が採用業務の担当に向いています。
採用業務に向いていない人
どのような人が採用業務に向いていないのでしょうか。詳しく解説します。
ルーティン業務が好きな人
上司や経営陣から言われたことを事務的にこなすことや、ルーティン業務が好きな人は臨機応変に対応するのが苦手な傾向があります。マニュアルに載っていない事態が発生するとパニックになり、冷静に判断できなくなる場合もあります。このような人は採用業務に伴う変化に順応できない可能性があります。
感情に流される人
採用業務の担当者には応募者の採用の可否や人事評価など、感情に流されず冷静に判断を下すべきシーンがあります。採用業務の担当者が感情で評価や人事異動などを決めてしまうと、社内の評価制度が乱れ、結果として会社の利益が損なわれる可能性があります。
周りを巻き込んで仕事をするのが苦手な人
採用活動を成功させるには、様々な人を巻き込んで仕事をしなければいけません。そのため自分の計画やイメージ通りに事が進まないことも多々あるでしょう。個人で黙々と仕事をするのが好きな人や、他者と連携をとって仕事するのが苦手な人は、採用業務には適さないでしょう。
自分の意見を言うのが苦手な人
採用業務の担当者は、自分の意見を自発的に発信して、採用活動を進めなければいけません。また、面接などでは自分の意見や考えを相手にわかりやすいように伝える必要があります。考えを言語化するのが苦手な人、自主的に意見を言うことに苦手意識を持つ人は採用業務には向かないでしょう。
指示されないと行動できない人
採用業務の担当者として、人材不足の解消や経営目標の達成を実現させるには、自分で課題や解決策、予防策を見つけて実行していくことが求められます。それができないと会社からも評価されず、採用業務の担当者として働き続けるのが難しくなる可能性があります。経営陣や上司から指示されないと仕事ができない人は採用業務には向かないでしょう。
事なかれ主義で面倒を避ける人
何事も無難に事を進めたい人は、過去の方法やプロセスに固執し、新しいことに挑戦しない傾向があると言えます。また、人から嫌われたくない、面倒を避けて通りたいタイプの人は、人事異動や人員削減などの業務において的確な判断を下せない可能性があります。この手のタイプの人も採用業務には向かないでしょう。
企業の顔としての自覚が持てない人
採用担当者は会社の顔として、応募者や求人広告の担当者と会う必要があります。そのため採用担当者の服装や言動、発言によって会社のイメージが大きく損なわれる可能性があります。企業の顔として働いているという自覚が持てない人は採用業務には適さないでしょう。
採用業務の担当者に必要なスキル・求められる要素
採用業務の担当者には特定のスキルが求められます。どのようなスキルが必要なのか見ていきましょう。
コミュニケーションスキル
採用業務の担当者は自社内の関係各所、または社外の関係者とコミュニケーションを取る必要があります。意思伝達を円滑に行い、相手の意向を正確に把握するスキル、「自分の言いたいことを言いたいように言う」というタイプではなく、「相手の立場に立って意思を通わせる」ことができるスキルが必要です。
パソコンスキル
採用業務の担当者は事務的な作業も行わなければいけません。応募者や社員のデータ入力や管理、採用活動に必要な資料作りなども手際よくこなさなければいけません。Excel、Word、PowerPointなどの基本的なソフトに加え、自社で使用するシステムにも対応できるスキルが必要です。
コンプライアンスの知識
求人情報を掲載する際、国籍や年齢、性別などを限定する表現を使用すると、差別にあたると判断される可能性があります。また、面接や会社説明会のときにもセクハラやパワハラに該当する言動をとらないよう注意する必要があります。そのため採用業務の担当者には、労働基準法や雇用保険、労働安全衛生法、男女雇用機会均等法、雇用対策法などの知識が必要です。
採用管理システム等の取扱いスキル
採用業務の仕事内容は多岐にわたるため、業務の効率化は必須と言えます。採用管理システムを使用することにより、採用業務をデータ化して一元管理できるようになります。また、年間の採用スケジュールや進捗状況などを効率よく把握できるので、業務の効率化が図れます。すべての採用管理システムの取り扱いに精通するのは不可能ですが、学習しながら新しいシステムに慣れることができるスキルは必要です。
採用業務のタイプ 「ジャッジタイプ」「フォロータイプ」とは?
採用業務の担当者には、「ジャッジタイプ」と「フォロータイプ」があると言われており、採用業務には、どちらのタイプも必要です。それぞれのタイプには、どのような特徴があるのか、具体的に解説します。
応募者の見極め「ジャッジタイプ」
採用後のミスマッチを防ぐには、面接の段階で応募者を的確に見極めることが必要です。採用業務の担当者には、目の前にいる応募者が本当に自社に必要な人材か否かを見極める「ジャッジタイプ」います。
「ジャッジタイプ」には、応募者の履歴書や職務経歴書だけではわからない部分を引き出し、判断できるという特徴があります。先入観や過去の経験値にだけに頼らず、客観的または論理的に情報を整理して、応募者を見極めることができる人は「ジャッジタイプ」と言えます。
応募者の入社の動機付け「フォロータイプ」
「フォロータイプ」は応募者に内定を出した後、自社への入社意欲が下がらないよう、引き続きコンタクトを取り、入社までのサポートを行います。フォロータイプの特徴としては、「人当たりが良い」「相手から信頼されやすい」「傾聴できる」などがあります。
自社の魅力を興味深く、ときにはユーモアを交えながら話し、応募者が不安や問題を抱えているなら親身に耳を傾けて解決できる人。また、「この人が働いている会社で自分も働きたい」と応募者に思わせることができる人は「フォロータイプ」と言えます。
採用業務で活躍するならRPOコンサルタントも選択肢の一つ
採用業務の担当者として活躍したい場合、RPO(Recruitment Process Outsourcing)コンサルタントとしてキャリアアップする方法があります。RPOコンサルタントとは、企業の採用活動を代行するサービスのことです。企業の採用担当者に代わって、必要な人材像の設計や採用計画の策定、選考業務などを行います。場合によっては応募者の面接なども行い、企業の人事業務をサポートします。
タリスマン株式会社では、採用業務に関心のある方、または人事業務経験者の方のためにRPOコンサルタントを募集しています。あなたのスキルや経験を生かして、RPOコンサルタントとして活躍しませんか。関心があるという方はお気軽にタリスマン株式会社までお問い合わせください。
まとめ:採用業務に向いている人はキャリアップも可能
今回は採用業務の適性について解説しました。採用業務の仕事には、向き不向きがありますが、コツコツとスキルを磨いて努力を続けることで、やりがいを感じることができるでしょう。また、今働いている会社の風土が肌に合わず、部署内の人間関係が原因で採用業務に向いていないと感じている人も転職することで、新しいやりがいを見つけることが可能です。
採用業務の分野で経験とスキルを磨くと、将来的にキャリアアップも可能です。採用の仕事をしてみたい、これまでの人事の経験を生かしてステップアップしたいという方はタリスマン株式会社までご相談ください。あなたにピッタリのキャリアプランをご提案させていただきます。