タリスマンの転職コンサルタントが執筆する、転職お役立ちコラム。今回は製造業における「守る側のエンジニア」のキャリアに焦点を当てます。
守る側のエンジニアの成果は見えにくい!?
製造業におけるエンジニアとは大きく分けて2種類存在します。
1つ目は研究や設計開発を行う攻める側のエンジニア(成果が見えやすい)
2つ目は製品の修理やメンテナンス、生産ラインの立ち上げ、メンテナンスなど行う守る側のエンジニアです。(成果が見えにくい)
今回は守る側のエンジニアのキャリアについてお話ししていこうと思います。
守りのエンジニア… 具体的にはどんな職業なのでしょうか? 自動車整備士、客先で修理メンテナンスを行うサービスエンジニア、生産技術、設備保全などです。
これらの仕事に共通して言えることは、『失敗しなくて当たり前』『失敗しないことは大きな評価の対象にならない』『100回成功しても101回目に失敗したら必要以上に評価が下がる』と言ったところでしょうか?
なんかプロ野球のリリーフ投手のような仕事ですよね。ただ昨今のプロ野球界はこういった投手の重要性や評価制度がきちんと整理され、昔のような理不尽なポジションではなく一つの仕事として確立してきました。
それではエンジニアの世界はどうでしょうか? 残念ながら多くのエンジニアの方が正当な評価をされておらず『転職』をすることでしか評価や年収を上げることができていないのが現状です。
見えない市場価値と自己アピールの仕方に悩む
その様な背景もあり現在製造業における「守りのエンジニア」の方たちの相談が後を絶ちません。
特に多いのが自身の強みや市場価値が分からず、”どうすればもっと自分を必要としてくれて高い評価を頂ける企業に出会えるのか?” ”本当に自分のスキルにあった仕事は何なのか?” “そういった企業を見つけた時に自分の魅力をどうやって伝えたらいいのか?” といったお悩み。
営業やマーケティングの方とは違い、自分と言う商品をうまく伝えることの難しさや転職の進め方で悩んでおられる方が多く見受けられます。
このような転職検討者様や、キャリアに悩む方の多くの需要もあり、今後不定期ながらこちらのコラムで転職を成功された方の体験談など、実際にあったエピソードを交えながらお伝えできればと思います。
今回は32歳の自動車整備士の相談事例をお話しさせていただきます。
自動車整備士から外資系半導体装置メーカーへの転職
間もなくお子様も生まれるそうで、土日祝日がお休みの職場を希望しており、当時の年収は50時間程度の残業込みで420万前後、自動車整備士として3回同じ業界で転職をされてきた方でした。
自動車業界で移籍すれば待遇は今より上がるのですが、土日祝日はお休みになりません。
思い切って違う業界へのチャレンジを提案し進めていく事になりました。
自動車整備士の方は手先が器用な方も多く製造業における修理、メンテナンス、設備保全など『守る側のエンジニア』としての需要は高く、他業界への転職後に活躍されている方も多数見受けられます。
そのような背景事情から、エンジニアに人気の半導体業界への転職を提案させていただきました。
今の自動車整備士さんのお仕事は、自動車の電子化も進んだことによりコンピューター診断なども行い、ソフトウェアの知識もありながら、手先の器用さやメカへの強さなど半導体装置メーカーにおけるフィールドサービスエンジニアへのマッチ度が高く、多くの企業様が採用されております。
その後無事内定を獲得され残業やボーナス含むとおよそ700万のパッケージを手にされ入社されました。
数か月後お話をお伺いした時に、最初は違う業界への転職に対し不安はあったみたいですが、自動車整備士としてのスキルは半導体業界でも戦力となり、今ではリーダー候補として期待されていて充実しているとの事でした。お子様も無事に生まれ、休みもきちんと取得できるようになりました。年収も上がったことで、大好きな車は売る方から買う方に変わりました。
「今度新車を購入するんですよ!」という嬉しそうな声が忘れられません。
現在Talismanでは個別の質問や相談も随時受け付けています。コラムに対するご意見やご感想、実際に転職を考えていなくてもキャリアについての情報交換をご希望の方は以下のボタンよりお問い合わせいただければと思います。
それでは次回も宜しくお願い申し上げます。
この記事を執筆した転職コンサルタント
- Akihiro Sakamoto
専門商社での営業、半導体部品メーカーの営業を経て外資系人材紹介会社に転職。同社製造業界部門の関西の立ち上げメンバーとして前職の経験とコネクションを活かし半導体業界、産業機器業界でのコンサルティング活動に従事。 2018年にはAsia Top Biller for Manufacturing & Operations 2018を獲得しアジア圏NO1の成約実績を達成、その後2019年よりTalisman Corporationに移籍。
現在は、コンサルタント業務以外に社内トレーナーをはじめ企業のHRに対する中途採用アドバイザーやLinkedInでの執筆活動を行っており、人材業界を多方面より経験したノウハウを惜しみなく伝える為、Talismanのコーポレートサイトにてコラムの掲載をスタート。