タリスマンの転職コンサルタントが執筆する、転職お役立ちコラム。今回は営業職での面接における評価ポイントについてお話し致します。
営業の面接で結果を左右するポイントとは?
企業によって考え方は様々ですが、採用可否を判断する上で共通して見られているのは、『営業力』があるかないかという部分です。では面接における営業力とは何でしょうか?
- 自分という商品を知ってもらう能力
- 企業に自分の需要をプレゼンする能力
- 面接という商談を進める能力
営業職の採用面接は、企業に自分を売り込み、自分という商品を購入したいと思わせる能力が試されている場だと言っても過言ではありません。
では各項目を順に説明していきましょう。
はじめに 資料の準備
皆さんは営業商談に行く際、商品や自社の資料を準備されていると思います。
転職における重要な資料は履歴書、職務経歴書です。
採用面接を手ぶらで受けられる求職者様も少なくないですが、できれば手元に同じものを準備し資料に沿った話を進めていくのが確実ではないでしょうか?
面接が始まる前に『本日の面接で営業の数字の部分や年表について確認しながら進めていきたいので手元に履歴書、職務経歴書を準備しておりますが、よろしいでしょうか?』と聞かれて『ダメです』という面接官を見たことはありません。
私が同じことを言われたら『この人きちんとした人だな』という印象を受けます。
自分という商品を知ってもらう能力→自己紹介で面接の流れが決まる
採用面接における自己紹介とは、アイスブレイクでも儀式でもなく、ほぼ唯一自分から発信可能なキラーコンテンツです。別の言い方をすれば、求職者にとって自己紹介は、商談における先制攻撃の権利です。
この自己紹介で自分がどんな面接(商談)にしたいのか? どんな印象を与えたいのか?
それを決める権利が与えられているのです。営業をされている皆さんにとって、これがどんなに有利なのかは、説明するまでもありませんね。
ここで大切なのは営業としてのマインドセットです。自分という商品を知ってもらえたらいいな、というパッシブな意識ではなく、自分という商品を知ってもらうにはどうするべきか? というアクティブな思考が求められます。
伝わるか伝わらないかを相手の理解力に依存するのではなく、伝えるためには何が必要なのかを考え、実行する行動力がそのまま面接の評価になります。
企業に自分の需要をプレゼンする能力→志望理由
新卒の方が志望理由を話す時、「なぜその企業に入りたいのか?」「ちゃんと企業研究はしているのか?」など、企業そのものに対する視点で評価が決まる場合が多いですが、中途採用で同じ回答をしてしまうと少し的外れに思われます。なぜならば新卒の採用面接は通常、ポジションが決まっている訳ではなくポテンシャルを見ていただく場ですが、中途の場合は明確にポジションが決まっており、戦力であるか否かを見極める場となるからです。
中途採用における志望理由は企業への志望理由というよりポジションに対する志望理由にウェイトをおくべきです。そしてこれは「自分がそのポジションで何ができるのか?」「企業にどのようなベネフィットをもたらせるのか?」といった、自分という商品を購入する価値を企業にプレゼンする営業における重要な局面です。
ここでも同じく相手に価値を感じてもらえたらいいなと言う考えではなく、相手に価値を感じてもらう為にはどうすればいいのか、という営業としての技量が試されます。
面接という商談を進める能力→企業の質問にどう答えるのか
企業側の採用担当者は沢山いる候補者の中から貴方を選ぶために様々な質問をしてきます。中には質問の回答に正解がないものも多く、面接官によっては感じ方も違うでしょう。
営業をされている中で皆さんもカスタマーからの質問に苦戦することも少なくないかもしれません。また自身にとって都合の悪い質問も来るかもしれません。
ここで大切なことは、いい回答をするのではなく『明確な回答』を心がけることです。
よく面接官から聞く『質問の内容と回答が合っていない』という評価を受けてしまう方が多いのですが、その方たちに共通して言えることは、よく見せようとして明確な回答ができていないことです。
では明確な回答とは何でしょうか? 質問はすべて5W1H(※)に分類されるので、まずは5W1Hの回答を先に持ってきて、その後に理由を説明すると相手にも回答が分かっているため、説明も理解しやすくなります。
面接における質問には質問の回答内容よりも、分かりやすく明確に回答できたか否か営業ポジションにおける評価になっており、どんな場面でも相手に分かりやすくコミュニケーションが取れる人だという事が重視される傾向にあります。
※「When:いつ」「Where:どこで」「Who:だれが」「What:何を」「Why:なぜ」「How:どのように」
それでは次回も宜しくお願い申し上げます。
この記事を執筆した転職コンサルタント
- Akihiro Sakamoto
専門商社での営業、半導体部品メーカーの営業を経て外資系人材紹介会社に転職。同社製造業界部門の関西の立ち上げメンバーとして前職の経験とコネクションを活かし半導体業界、産業機器業界でのコンサルティング活動に従事。 2018年にはAsia Top Biller for Manufacturing & Operations 2018を獲得しアジア圏NO1の成約実績を達成、その後2019年よりTalisman Corporationに移籍。
現在は、コンサルタント業務以外に社内トレーナーをはじめ企業のHRに対する中途採用アドバイザーやLinkedInでの執筆活動を行っており、人材業界を多方面より経験したノウハウを惜しみなく伝える為、Talismanのコーポレートサイトにてコラムの掲載をスタート。