「派遣の仕事を探したい」「これからも派遣で働き続けたい」と考えている場合、「派遣って何歳まで働けるの?」と考えることがあるかもしれません。派遣で働き続けることにはいくつかのメリットがありますが、年齢を重ねるにつれて仕事の選択肢が狭まる可能性もあります。
この記事では、派遣社員は何歳まで働けるのか、年齢を重ねても自分に合った仕事を探すコツをご紹介します。
派遣社員は何歳まで働ける?定年はある?
派遣社員として登録する際、年齢制限はあるのでしょうか。また、派遣社員の定年についても解説します。
派遣社員に年齢制限はない
派遣社員に年齢制限はなく、派遣会社への登録は何歳の人でも行うことができます。また、派遣社員として登録するには、性別・学歴・経歴・スキルなどの条件もありません。案件によっては未経験者歓迎の仕事もあるので、派遣社員として働く戸口は大きく開かれていると言えます。
派遣社員に定年はない
派遣社員には定年がありません。実際に60歳を超えても派遣社員として働き続けている人も少なくありません。また、「経済的な余裕が欲しい」「仕事を続けて若さを維持したい」などの理由で、正社員として定年を迎えた後に、派遣社員として再就職する方もいます。何歳になっても働き続けることができる、というのは派遣社員の大きな魅力です。
40代以上の男女が派遣社員として活躍している
40代を過ぎると仕事を探しにくくなると言われることがありますが、派遣社員の場合、40代以上の男女が大勢活躍しています。40代を過ぎて派遣社員として働く理由には「プライベートを充実させたい」「正社員だと家事や育児との両立が難しい」などの理由があります。
少子高齢化による労働者不足が深刻化している日本では、年齢を重ねても派遣社員として働くことが可能です。
何歳になっても派遣で働くメリット
派遣社員で働くことには、いくつかのメリットがあります。詳しく解説します。
いろんな仕事を体験してスキルアップできる
派遣社員としていろいろな職場で働くことで、スキルを磨くことができます。例えば、デスクワーク、ピッキング作業、荷物の仕分け、ライン作業、飲食店など、様々な仕事の経験を積むことが可能です。知らなかった仕事の裏側を見ることができ、仕事の経験値を上げられるのは派遣社員のメリットの一つです。
正社員よりも稼げる場合がある
派遣先の会社によっては、派遣社員の給与が正社員よりも高くなる場合があります。派遣社員にも、時間外労働や休日出勤の割り増し賃金が適用されます。働き方によっては正社員と同程度の給与をもらえる可能性があるのは大きな魅力です。
責任が少ない
派遣社員の仕事内容は契約事項で定められているため、正社員のように幅広く業務を行うことはあまりありません。例えば、会社の売り上げが減少したり、部署内で問題が発生したりしている場合、基本的には正社員が対応します。仕事上の責任でストレスを感じたくない人にとっては、派遣で働くことにはメリットがあります。
プライベートを充実できる
派遣社員の場合、残業や休日出勤などがない仕事を選ぶことが可能です。家族との時間を充実させたい人、習い事など自分磨きのために時間を使いたい人などにとっては、大きなメリットとなります。
人間関係の悩みが少ない
正社員の場合、新年会や忘年会、飲み会、お別れ会など、会社内のイベントへの参加が期待されることがあります。「職場の人間関係は必要最低限に抑えておきたい」という人にとっては、これらのイベントがストレスになる可能性があります。派遣社員の場合、派遣の期限が決まっていることもあり、必要以上に深い付き合いを求められることはないでしょう。
年を重ねて派遣で働くデメリット
派遣社員として働き続けるには、派遣のデメリットも把握しておく必要があります。それぞれを解説します。
未経験者可能の案件は紹介されにくい
一般的な事務作業や倉庫でのピッキング作業、工場内の業務など、作業工程が複雑でない仕事の場合、未経験者でも派遣社員として採用される可能性があります。しかし、「未経験者を採用するのであれば若い人材の方がよい」と考える企業も少なくありません。そのため、20代・30代の人と選考が重なった場合、若い人が採用される傾向があります。
肉体労働系の仕事は紹介されにくい
年齢を重ねると力仕事をメインとする仕事は紹介されにくいと言えます。例えば、建設現場の作業員や倉庫での荷物の仕分け作業などの仕事は体力的に厳しいだけでなく、事故の確率が高くなることを懸念して、高齢者は採用されにくい傾向があります。
ボーナス・昇給がない
基本的に派遣社員にボーナス・賞与はありません。時給で計算をすると正社員と変わらない給与であっても、年収で計算すると正社員より少なくなるのが一般的です。車や家などのローンをなるべく早く返済するため、ボーナス払いの額を増やしたい人などにとっては、ボーナス・賞与がないというのはデメリットになるでしょう。
退職金がない
派遣社員に退職金の支給はありません。正社員であれば退職金を得て、老後の生活に備えることができますが、派遣社員ではそれができません。そのため老後の生活に不安を感じる場合があるでしょう。
契約期間がある
正社員に契約期間はありませんが、派遣社員の契約期間は最長で3年と決まっています。場合によっては、派遣先から直接雇用の話をもらって、雇用形態が変わる可能性があります。
しかし基本的には、契約期間ごとに新たな派遣先を探す必要があり、「次の仕事を見つけられるだろうか」「新しい職場に馴染めるだろうか」などの不安を覚えることがあるでしょう。
【派遣の仕事】年齢に関係なく仕事を見つける9つのコツ
この章では、年齢を重ねても派遣の仕事を探すコツをご紹介します。
複数の派遣会社に登録する
年齢を重ねると仕事を探しにくくなるのは事実です。それを補うためには、複数の派遣会社に登録するのが有効です。取り扱っている仕事の案件数、業種、紹介の条件などは派遣会社によって異なります。20代~30代をメインにした案件を多く取り扱っている派遣会社もあれば、40代以降のシニア層の案件を多く持っている派遣会社もあります。
複数の派遣会社に登録すると面接や職場見学の日が重なることがあるでしょう。アポイントを忘れたり、タブルブッキングして貴重な面接の機会を無駄にしたりしないよう、スケジュール管理をしっかり行いましょう。
経験とスキルをアピールする
会社が派遣社員を雇用する理由の一つは、すぐに働ける人材を確保できるからです。そのため、派遣社員として採用されるには、即戦力として働けることをアピールしなければいけません。過去にどのような職種・業種を経験してきたのか、持っているスキルなどをヒアリングシートに書き込みましょう。面接の機会をもらったときには、コミュニケーション能力や協調性などもアピールすると採用されやすくなります。
希望条件を明確にする
希望条件が不明確だと、派遣会社の担当者は、どの仕事を紹介したらよいのか迷うでしょう。例えば、希望の職種や業種、勤務時間、時給、勤務エリア、待遇、職場の雰囲気などを派遣会社の担当者に伝えておきましょう。
定期的に求人情報をチェックする
派遣会社によっては自社でホームページを運営しており、サイト内で求人情報を公開している場合があります。派遣会社の担当者からの連絡を待つだけでなく、定期的に求人情報をチェックするとライバルよりも先に案件を紹介してもらえるかもしれません。隙間の時間などを活用して、こまめに情報をチェックするようにしましょう。
倍率の低い求人をねらう
人気の高い仕事の求人を出している企業の担当者は、多種多様な応募者の中から、選りすぐりの人材を採用できます。そうなると年齢の若い応募者が有利になるのが一般的です。高時給で知名度が高く、待遇がいい仕事に応募して採用を逃すよりは、倍率の低い求人に応募して、採用を勝ち取るのも年齢に関係なく働き続けるコツの一つです。
派遣会社の担当者と良い関係を築く
派遣の仕事を紹介してもらうためには、「この人は信頼できる。会社に自信をもって紹介できる」と担当者に思ってもらうことが大切です。派遣会社の担当者とコミュニケーションをしっかり取って、よい関係を維持するように心がけましょう。長期間、仕事が見つからないときは、電話で相談することも可能です。真剣に仕事を探しているということをアピールすると、仕事を紹介してもらうためのコツや、必要な資格などを教えてくれるかもしれません。
希望条件を緩めに設定する
年齢が進むにつれて仕事の選択肢が少なくなるのは否めないでしょう。尚且つ、希望の条件を狭くしていると、さらに紹介される仕事の量が減る可能性があります。例えば、「時給1,500円以上、土日休み、残業なし」などの条件は、倍率が高くなることが予想できます。
絶対に譲れない条件以外は緩和して、「土日祝も出勤可能、週に○○時間までは残業可能」などにしておくと仕事を紹介してもらいやすくなります。年齢を重ねると、仕事探しにおいて、ある程度の妥協が必要であることを覚えておきましょう。
担当者から連絡があったらすぐに返信する
レスポンスの速さも重要なポイントです。派遣会社の担当者から連絡があったのに、返信が遅れると他の応募者に決まってしまう可能性があります。他の派遣会社からも連絡をもらっていてすぐに返事できない場合でも、「○日以内に改めてご連絡いたします」など、何らかの返信をすることを心がけましょう。
謙虚な姿勢を忘れない
年齢を重ねると様々なスキルや経験を持っているかもしれませんが、常に謙虚な姿勢を忘れてはいけません。派遣会社の担当者や派遣先の責任者が自分より年下でも、敬意を示して丁寧に話すこと、相手の話をしっかり聞くこと、などを意識しましょう。
【40代以降】派遣で活躍し続ける仕事選びのポイント
この章では、派遣社員で活躍したい人に役立つ情報をご紹介します。
長期的に働ける仕事を選ぶ
派遣社員は契約期間ごとに職場を変えなければいけません。そのことを考えると、同じ職種・分野でスキル磨き、新しい派遣先でも即戦力として働けることをアピールするのが有効です。自分の得意分野やスキルを磨ける仕事を選ぶことで、派遣社員として長期的に働くことが可能になります。
経験やスキルを活かせる職種を選ぶ
派遣の仕事では、即戦力として働けることが重視されます。自分の経験やスキルを棚卸してみましょう。過去に経験した仕事、担当した部署などを洗い出してみると、活躍できる職種を見つけられるでしょう。
また経験値を増やすために、新しいスキルを身に着けられる職種を選ぶという方法もあります。例えば、「時給が少し安い」「土日出勤がある」など、希望に完全にマッチしない仕事でも、将来的に経験やスキルを活かせることを考慮して仕事を選ぶことも有効です。
様々な世代や人間関係への適応力を身につける
派遣社員として働いている限り、定期的に職場が変わります。その都度、新しい職場環境・上司・仕事仲間に馴染まなければいけません。ときには、自分の子ども世代の人と働いたり、まったく違う背景を持つ人と同じ職場になったりする可能性もあります。派遣社員として働き続けるためには、どんな年齢層の人とも一緒に働ける適応力が必要です。
年齢を気にせず、派遣社員で活躍し続けるために必要なスキル
派遣社員で活躍するには、どのようなスキルが有効でしょうか。詳しく解説します。
資格を取る
派遣会社に即戦力として働けることをアピールするため、資格を取得するという方法があります。事務系の仕事に就きたいのであれば、WordやExcelなどのOffice系の資格が有効ですし、言語力を活かすのであれば、TOEICやTOEFLなどがおすすめです。保有資格をアピールすることで、自身の実力やスキル、経験値を可視化できます。
PCスキルを身に着ける
PCスキルを身に着けると、一般的な事務作業だけでなく、コールセンター、オンライン・カスタマーサポートなど、多様な職場で働くことが可能です。資格は持っていないとしても、officeソフトの基本的な使い方やメールの送受信方法、ドライブやクラウドの使い方、画像や音声の編集方法などを知っておくと仕事の幅が広がります。
コミュニケーションスキルを磨く
派遣社員の場合、職場が変わるごとに人間関係も変わるため、コミュニケーションスキルはとても大切です。礼儀や挨拶、報告・連絡・相談など、基本的なビジネスマナーに加えて、相手の話をしっかり聞くことや、相手の感情を考えて発言することが求められます。
【30代~50代】年齢別にみる効果的な派遣の働き方
派遣社員の場合、年齢に合わせた働き方を知っておくことは重要です。どのような働き方が効果的なのか、年齢別に解説します。
30代の人
30代であれば、派遣の仕事は探しやすい傾向にあります。子育てで自由な時間が少ない人や趣味やプライベートの時間を充実させたい人も、希望通りの仕事を探せる可能性があります。40代以降も派遣社員として働き続けることを視野に入れるのであれば、早い段階でスキルアップや経験値を上げることを意識するとよいでしょう。
40代の人
結婚などのライフイベントをきっかけに、30代で正社員を退職して、40代で派遣社員として復帰した人も少なくありません。そのため、派遣の仕事を探しても同年代のライバルが多く、希望の仕事が見つかりにくいという傾向があります。対策としては、希望条件を広く設定することや資格や実務経験を積んでライバルに差をつけることが効果的です。
50代の人
50代になると体力的な限界などを考慮して、紹介してもらえる仕事内容が限られる可能性があります。しかし、スキルや実務経験があれば即戦力として活躍することが可能です。しかし、仕事の探し方には工夫が必要になります。40代と同様、条件の幅を広く設定することや複数の派遣会社に積極的に登録するとよいでしょう。また、50代以降のシニア世代に紹介できる案件を多く持っている派遣会社に応募することもおすすめです。
派遣会社によって仕事の案件数は異なる
「年齢が高くなると仕事を紹介してもらえないのでは…」。そんな不安を抱えている方も少なくありません。しかし派遣会社によって、抱えている仕事の案件数は異なります。派遣会社によっては、40代以降の人が応募できる仕事を多く持っている場合があります。年齢を重ねても働き続けるには、自分に合った派遣会社を選びましょう。
まとめ:派遣は何歳までも働ける
この記事では、派遣社員は何歳まで働くことができるのかを解説しました。派遣社員に年齢制限はなく、何歳の人でも働き続けることが可能です。派遣社員には、いろいろな職場を経験してスキルアップできる、プライベートを充実できるなどのメリットがあります。年齢が上がるにつれて、仕事の選択肢が少なくなる可能性がありますが、自分に合った派遣会社を見つけることで、長期的に働ける仕事を見つけられるでしょう。