タリスマンの転職コンサルタントが執筆する、転職お役立ちコラム。今回は「リファレンスチェック」についてのお話をします。
リファレンスチェックとは?
リファレンスチェックとは、採用活動を行っている企業が求職者の前職での職務経験や勤務状況、人柄について把握することを目的として行う調査です。最近では応募した企業から求職者へのリファレンスチェックの依頼も増えているようで、転職活動中の皆様の中には不安に感じる方もいるかもしれません、今回はリファレンスチェックについて解説したいと思います。
応募企業がリファレンスチェックを行う理由
近年は転職マーケットも活発になり、職種によっては応募者が殺到し、採用倍率が非常に高まることがあります。そのような場合、当然ですが書類の通過率は大幅に下がり、企業側はよりマッチ度の高い応募者様を選べる訳ですが、応募者の書類通過の為の経歴詐称や職務経歴の中での成果の水増しなども増えている、という話をよく聞くようになりました。
そのような不正やミスマッチを避けるためにリファレンスチェックを行う企業様が増えております。
タリスマンが考えるリファレンスチェックの本来の目的
応募企業の多くが不正やミスマッチを防ぐという考えで行う一方、私たちの考えるリファレンスチェックは応募者様、企業と双方にポジティブなプロセスだと考えております。
本来外資系企業におけるリファレンスチェックとは、応募者様の実績やパフォーマンスを他の方が推薦していただく推薦状のようなもので、応募者様の粗探しをするものではなく、採用を成功させるためのツールとしての役割があります。外資の転職に慣れている方は、履歴書、職務経歴書、推薦状をセットで提出される方もいました。
企業側にとっても前職や前々職の上司に推薦状を書いてもらえる人物だと言うことで、安心感を与えることが出来るため、弊社でも転職支援活動プロセスにおける一つの戦略と捉えてきました。
外資系に限らずとも、求職者の書類は主観に基づく内容で書かれる部分もあるので、そこを客観的な第三者の情報で補完できるのは、双方にとってメリットのあることです。
当然選考の中でも推薦状がある方は有利に進められオファーを勝ち取る確率も高くなります。
リファレンスチェックで不合格から内定を獲得したA様の場合
以前私が転職のコンサルティングをさせていただきました方の事例ですが、その応募者様(以下A様)は半導体装置のメンテナンスをする協力会社で働いておりました。
当時、装置メーカーへ転職を希望されており某メーカーを弊社よりエントリーされましたが、最終面接でお見送りとなりました。
残念ながらお見送りとなったA様とお話ししていると、「前職の上司や同僚がこちらのメーカーで活躍しているので、自分も行けると思ったのですが甘かったみたいですね・・・」と落胆されていましたが、諦めるのはまだ早いと感じ、その2名の方にリファレンスを取らせていただいたところ、「是非また一緒に働きたい人物です」というポジティブなフィードバックを頂きました。
早速その評価をお見送りになった企業に提出したところ、数日後に内定が出ました。
後日採用企業の担当にお話を伺ったところ、企業の担当者としてはA様の評価は悪くはないけれども、メーカーでの経験がないので決め手に欠け、お見送りになってしまっていたとのことでしたが、自社内の人間がここまで評価するのであれば思い切って採用してみようという話になったようです。
リファレンスチェックを最大限に活用するために
リファレンスチェックと聞くと、皆様が身構えられネガティブなものだと考えがちですが、本来は応募者様の選考の手助けになるポジティブなものです。
しかし以前に勤務されていた企業にリファレンスを依頼する以上、その人選を誤れば根も葉もないことを言われてしまい、逆に評価を落とすこともあり得ます。
このような中できちんとした人選を行い転職活動において有意義なリファレンスを取得することもエージェントとしてアドバイスしております。
リファレンスチェックのことで、お悩みごとなどがあれば、弊社にご相談ください。リファレンスチェックを最大限に活用するためのアドバイスも致します。
それでは次回も宜しくお願い申し上げます。
この記事を執筆した転職コンサルタント
- Akihiro Sakamoto
専門商社での営業、半導体部品メーカーの営業を経て外資系人材紹介会社に転職。同社製造業界部門の関西の立ち上げメンバーとして前職の経験とコネクションを活かし半導体業界、産業機器業界でのコンサルティング活動に従事。 2018年にはAsia Top Biller for Manufacturing & Operations 2018を獲得しアジア圏NO1の成約実績を達成、その後2019年よりTalisman Corporationに移籍。
現在は、コンサルタント業務以外に社内トレーナーをはじめ企業のHRに対する中途採用アドバイザーやLinkedInでの執筆活動を行っており、人材業界を多方面より経験したノウハウを惜しみなく伝える為、Talismanのコーポレートサイトにてコラムの掲載をスタート。