派遣社員として働いていると、「もっと高時給な会社で働きたい」「今まで働いたことのない業種で働きたい」などと、考えることがあるかもしれません。派遣会社を乗り換えることで、それらの希望が叶う場合があります。
しかし、「派遣会社の乗り換えは法律違反ではないのか?」「派遣会社の乗り換えには、どんなデメリットがあるのか」などの不安を感じている人も少なくありません。この記事では、派遣会社を乗り換えるときのメリットとデメリット、注意点などを解説します。
派遣会社乗り換えは法律違反になる?
結論から言って、派遣会社を乗り換えることは法律違反にはなりません。現在登録している派遣会社を更新せず、新規の派遣会社と正式に手続きをすることで、派遣会社の乗り換え、移籍が完了します。
まれなケースではありますが、派遣会社の登録状況などによっては、損害賠償が発生する可能性があります。そのため、途中退職はなるべく避けて、派遣会社と良い関係を維持しながら乗り換えるのが無難です。
派遣会社を乗り換えるメリット
派遣会社を乗り換えることには、どのようなメリットがあるでしょうか。詳しく解説します。
時給が上がる可能性がある
派遣会社によって、時給の設定金額が異なります。同じ職場、部署、仕事内容であっても派遣会社を乗り換えることで、時給がアップすることがあります。
サポート体制のよい派遣会社で働くことができる
サポート体制の良し悪しは、派遣会社によって異なります。「派遣会社の担当者と相性が合わない」「もっと手厚くサポートして欲しい」などの要望がある場合、別の派遣会社を利用するという方法も有効です。派遣社員として、働きやすい環境で仕事ができる可能性があります。
今まで経験できなかった職種で働ける可能性がある
斡旋している職種は、派遣会社によって異なります。別の派遣会社を利用することで、過去に経験したことがない分野でスキルや経験を磨ける可能性があります。また、未経験者が新しい業種に挑戦することを積極的に応援してくれる派遣会社もあります。自分の可能性を広げるために、派遣会社を乗り換えるというのも選択肢の一つです。
一度不採用になった企業に再応募できる
一度不採用になった企業に、同じ派遣会社から再度、挑戦するのは難しいでしょう。しかし、派遣会社を乗り換えると、一度落ちた企業へのリトライが可能になることがあります。どうしても特定の企業で働きたい場合、派遣会社を変えて再度挑戦してみるのもよいでしょう。
人間関係を改善できる
職場の人間関係に悩んでいる場合、派遣会社を乗り換えて、新しい職場で働くという方法があります。人間関係をリセットして、新鮮な気持ちで仕事に打ち込めるでしょう。
派遣会社を乗り換えるデメリット
派遣会社の乗り換えには、メリットだけでなく、デメリットも存在します。詳しく見ていきましょう。
派遣会社との信頼関係を築き直す必要がある
継続して利用している派遣会社の場合、担当者はあなたの働きぶりを観察しているので「この人であれば、しっかり働いてくれる」という、信頼関係を築きやすくなります。しかし、派遣会社を乗り換えると、一から信頼関係を築き上げる必要があります。
社会保険の切り替えなどの手続きが必要
派遣会社を乗り換えると、社会保険の切り替え手続きが必要になります。退職する派遣会社に健康保険証を返却して、新しく利用する派遣会社にて、社会保険に入り直さなければいけません。手続きには、マイナンバーや雇用保険被保険者証の提出が必要になり、手間がかかるというデメリットがあります。
有給休暇の起算日がリセットされる
派遣社員にも有給休暇が付与されます。就業開始から6カ月間勤務した時点で、出勤率が8割以上であれば、有給の取得が可能です。しかし、派遣会社を乗り換えると、有給休暇の起算日がリセットされます。たとえ同じ企業で働き続けるとしても、派遣会社を乗り換えると有給休暇はゼロになります。
時給が下がる可能性がある
同じ業種・職務であっても、派遣会社を乗り換えると時給が下がる可能性があります。わずか数十円の違いでも、月の給与に換算すると数万円の差になることもあるので、事前の確認が必要です。
福利厚生などの待遇が悪くなる可能性がある
交通費の支給などの福利厚生の基準は、派遣会社によって異なります。福利厚生が悪い派遣会社を利用すると、時給はアップしても、交通費の支給がないなど、トータルでの給与が低くなる可能性があります。派遣会社を乗り換えるときには、どの程度の福利厚生を期待できるのか、事前に調査しておきましょう。
派遣会社を乗り換えるときの注意点
派遣会社を乗り換えたことを後悔しないために、事前に確認しておくべき注意点を解説します。
契約更新時に乗り換える
現在の派遣会社に不満がある場合、「一日でも早く別の派遣会社に乗り換えたい」という気持ちになるかもしれません。しかし、契約更新を待たずに解約をすると、所属している派遣会社に迷惑をかけることになります。派遣会社の乗り換えをスムーズに行うには、契約更新時まで待つのが無難でしょう。どうしても契約更新前に乗り換えたい場合は、現在の派遣会社の担当者に相談して、派遣契約を打ち切るなどの処理を行ってもらいましょう。
派遣会社の契約内容を確認する
派遣会社によっては、労働契約を結ぶときに「途中解約をしない」「他の派遣会社への乗り換えをしない」という契約を結ばせていることがあります。なるべく面倒を起こさずに派遣会社を乗り換えるために、所属している派遣会社の契約内容を事前に確認しておきましょう。
派遣会社を乗り換えたら「3年ルール」の後も同じ派遣先で働ける?
派遣社員として働く際には、「3年ルール」というものが存在します。どのようなルールなのか、解説していきます。
派遣会社を変えても3年以上は同じ職場で働けない
派遣社員として働く場合、同じ企業で3年以上働くことはできず、「3年ルール」と呼ばれることがあります。このルールは派遣会社を乗り換えても同じく適用され、別の派遣会社に乗り換えたとしても、同じ企業で3年以上働くことはできないとされています。しかし、企業によっては延長措置を講じて、3年後も同じ企業で働けるようにしてくれる場合もあります。
「3年ルール」の後も同じ職場で働く方法
派遣先の企業で部署移動を行うと、3年後も同じ企業で働くことが可能になります。部署の変更に伴って仕事内容が変わると、契約がリセットされます。そして、その時点から最長で3年間働くことが可能です。
また、派遣先の企業と直接雇用を結ぶと、期間に縛られることなく働くことできます。同じ企業で働き続けたいと願う場合、直接雇用を結ぶことが可能かどうか、派遣会社または派遣先の企業に相談してみるとよいでしょう。
派遣会社を乗り換えるときのポイント
この章では、派遣会社を乗り換えるときのポイントについて解説します。
派遣会社の利用者から話を聞く
派遣会社の乗り換えを検討しているなら、事前にその派遣会社を利用している人から話を聞いてみましょう。そうすれば、どのような仕事の案件が多いのか、時給の設定などの情報を得ることができます。派遣会社を利用している知り合いがいない場合、インターネットで口コミ情報を探してみるとよいでしょう。
実際に足を運んで確認する
口コミなどの他人からの情報を参考にすることができますが、最終的には自分の目で確かめて決定するのが最善です。派遣会社に足を運んで説明を聞くことで、斡旋してくれる担当者との相性や、派遣会社全体の雰囲気、派遣社員へのサポート体制などが確認できます。
キャリアプランなど、相談に応じてくれる派遣会社を選ぶ
派遣社員としてスキルを磨き、キャリアアップするには、派遣先の企業を上手に選ぶことが重要です。派遣会社の中には、キャリア面談を実施したり、派遣社員のキャリアアップを積極的にサポートしたりして、相談に応じてくれるものもあります。
タリスマン株式会社では、あなたに合った派遣のお仕事を紹介しています。多種多様な職種を取り揃えており、将来的にキャリアアップできるプランのご紹介も可能です。派遣社員として働くことに関心のある方、また派遣会社の乗り換えを検討されている方は、ぜひタリスマン株式会社までお問い合わせください。
まとめ:派遣会社の乗り換えは可能
派遣会社の乗り換えは、法律違反ではありません。派遣会社を乗り換えることで、違う職種でのスキルを磨いたり、高時給の仕事を探したりできる可能性があります。派遣会社の乗り換えには、メリットとデメリットがあるので、両者をしっかりと検討してから、決定することをお勧めします。