導入前に知っておきたいメリット・デメリットをタリスマンのRPO導入コンサルタントが解説

この記事の監修者:RPO導入コンサルタント
Natsuki Ema
「導入してよかった」「思ったのと違った」——実際の声から見えてきた課題と可能性
1. RPOを検討する企業が増えている背景
日本企業を取り巻く人手不足と採用難の現状
採用に携わる方であれば皆様ご存知のように、少子高齢化に伴い労働人口は減少の一途を辿っており、日本企業の多くが人材確保に頭を悩ませています。特にITやバイリンガル人材といった専門領域においては、採用競争が激化。
採用の手法も人材紹介エージェントをはじめ、媒体を使ったダイレクトソーシング、SNS、採用ミートアップなどのイベントと多様化し、企業の採用担当者は幅広い知見が必要とされるようになってきました。
そのような状況の中、採用部門のリソース不足によって、戦略的な採用活動が難しくなっている企業も少なくありません。
採用競争が激化する中、注目を集めるRPOとは?
そうした中、採用支援の新しい選択肢として注目されているのがRPO(採用代行/採用アウトソーシング)です。
従来の人材紹介とは異なり、企業の採用チームの一員として伴走するRPOは、単純にノンコア業務のアウトソーシング需要という面もありますが、採用効率の向上や社内ノウハウの強化など多くの利点があり、導入企業は増加傾向にあります。
矢野経済研究所が2025年4月に発表した調査では、2023年の採用アウトソーシング(RPO)を含めた「人事業務アウトソーシング市場」は前年度比4.8%増の1兆655億円とされ、年々拡大していることが分かります。
(出典)人事・総務関連業務アウトソーシング市場に関する調査/株式会社矢野経済研究所 2025年4月21日
2. RPOの基本知識をおさらい
RPOとは何か?
RPO(Recruitment Process Outsourcing)は、採用活動の一部または全体を外部のプロフェッショナルに委託するサービスです。企業内の人事チームと一体となり、戦略設計から実行支援までを伴走します。
RPOと人材紹介の違い
人材紹介が「候補者の紹介」にとどまるのに対し、RPOは採用プロセス全体が支援対象となります。特に「企業の内部に入り込む」スタイルが特徴で、企業文化や現場の事情を踏まえた柔軟な対応が可能です。
委託できる業務の具体例
・採用計画の策定(ターゲット設定、戦略設計)
・母集団形成(求人原稿、媒体選定、スカウト)
・応募者対応(受付、日程調整、問い合わせ)
・選考支援(書類選考、面接調整、面接官代行)
・内定フォロー(連絡、辞退防止策、研修企画)
3. 現場の声で見る「RPO導入検討のリアル」
人事担当者のリアルな声を分析したネガポジマップ
RPOの導入は、目的や運用の仕方などによって企業ごとに得られる成果や印象が異なり、「導入してよかった」という声もあれば、「期待していた内容と違った」という反応もあります。
タリスマンでは、実際にRPO導入を検討した企業や、実際に導入した企業に対しヒアリングを行い、それらのフィードバックを分類集計し、「ネガポジマップ」として整理しました。このネガポジマップは、RPOの導入によって得られたメリット(ポジティブな声)と、課題や懸念点として挙げられた内容(ネガティブな声)を可視化したものです。各項目別にネガティブ面・ポジティブ面を確認することで、RPOの効果を理解しやすくなるだけでなく、導入にあたって注意すべきポイントも明らかになると思います。
<導入前>
◾️プロの採用スペシャリストのRPOにも入っていただいて、まず採用目標が達成できる勝ちパターンを作りたい。
◾️以前、別のRPOを使って大量採用を行ったが、その後、採用した方々の多くが離脱したため、しっかり定着するかも踏まえての採用を行いたい。
<導入後>
◾️産休に入るメンバーがいたが、タリスマンにタイムリーに優秀な方をアサインいただけたので採用活動がストップすることがなく助かった。
ポジティブ意見から読み解けるRPOの強み
- 社内リソースの削減/コア業務に集中できる
- 採用トレンドの把握や活用
- 採用ニーズに合った柔軟な対応
ネガティブ意見から見える「導入前に押さえるべきポイント」
- スコープの曖昧さからくるミスマッチ
- 社内理解・協力体制の不備
- 費用対効果が見えづらいケース
社内の事前の合意形成や、RPOサービス提供業者との丁寧な連携が、成功の分かれ道になると言えます!
4. 採用現場の視点で読み解く、RPO導入成功の鍵
「ネガティブな意見」が出る背景と、それに対する対処法
RPO導入に際しては、現場からネガティブなフィードバックが出ることもありますが、それらの多くは事前準備や運用プロセスの工夫によって解消できます。ここでは、よく見られる3つの課題とその対応策をご紹介します。
- 認識のズレ
RPOに求める役割や成果が曖昧なままスタートすると、期待値にズレが生じがちです。これを防ぐには、導入前のヒアリングを通じて、業務スコープやKPIを明確にすることが重要です。 - 業務の丸投げ
RPOは業務を外部に委託するものですが、「完全に任せきり」では期待した成果が得られないことも。プロジェクト開始後も定期的に進捗状況を共有し、必要に応じて役割分担の見直しを行うことで、協力関係を強固にすることができます。 - 現場の巻き込み不足
RPO導入は人事部門だけでなく、各部署の協力があって初めて成果を発揮します。現場の理解や協力が得られていない場合、情報共有や意思決定が滞る原因になります。導入初期には、キックオフミーティングや全社説明会を通じて関係者に目的や体制を説明し、現場との連携体制を構築することが成功のカギとなります。
導入を失敗させないためのチェックリスト
RPOを導入すべきかわからない、迷っている方のために、RPO導入を簡易的に診断できるチェックリストをご用意しました!本記事の最後にのダウンロードフォームを設置しております。フォームの送信後にメールで資料を確認することができますのでぜひお試しください。
ケース別RPO導入事例の紹介
タリスマンでサポートを行った企業様のRPO事例を以下にいくつかまとめました。画像もしくはタイトルから詳細をご覧いただけますので、御社の課題と似たケースがありましたらぜひ参考にしてください。
- RPO導入事例Case1 – 外資系製薬会社 / 大型採用プロジェクト
課題:Open Positions 40名に加え、大型採用プロジェクト(70名)案が浮上している中、人事ヘッドと採用担当者の急な退職で採用担当者が不在
結果:31ポジションをクローズに導き、約70名の大型採用プロジェクトについてもタイムリーにプロジェクトを開始 - RPO導入事例Case2- 大手外資系消費財メーカー / 新卒採用プロセスの改善
課題:経営からインターンシップの強化が打ち出されたものの、インターンシッププログラムの引継ぎが不十分で業務が属人化しており、リソース(採用担当者)も不足
結果:新卒採用プロセスの改善で候補者数昨対比31%UP - RPO導入事例Case3- 大手外資系IT企業 / 障がい者採用支援
課題:従業員母数の増加により、障がい者採用が間に合わない状況になっていた。さらにマンパワー不足により新しい取り組みもできずに悪循環に陥っていた
結果:課題に対する新しい施策・イベントを企画し実行したことで、前期に比べ紹介率を約150%以上伸ばした - RPO導入事例Case4- 外資系企業 / ファシリティマネージャーの採用支援
課題:予算が限られており転職エージェント経由での採用ウェイトは一定以下に抑制する必要がある中、一方で一部ポジションでは採用期限が決まっており、スピード感のある採用が求められていた
結果:採用の予算、期限の制限内での採用に成功。また、選考プロセスの時間を短縮し、選考中の辞退率が改善した - RPO導入事例Case5- 外資系ITコンサル企業 / AIエンジニアの採用支援
課題:リーダー、マネージャークラスのハイスペック人材が圧倒的に不足しており、このポジションの採用が急務となっていた
結果:Hiring Managerとの連携、エージェントへの細かなコミュニケーションやダイレクトソーシングで、応募数が前年度30%UPし、AIエンジニアのマネージャー・リーダークラス5名、データエンジニアのリーダークラス6名の採用に成功
5. タリスマンのRPOの特徴
業界に精通したバイリンガルコンサルタントが担当
専門分野ごとに担当が分かれており、業界特有の課題や人材ニーズに対応可能。バイリンガル対応により、グローバル企業や外資系企業への支援も得意としています。
サービス終了時の引継書作成によるノウハウの蓄積
「RPO=ノウハウが社内に残らない」という課題を克服。プロジェクトの最後に詳細な引継書を作成することで、将来的な内製化にもつなげます。
採用支援だけでなく、パートナーとして伴走する姿勢
採用担当者の一員として、企業ごとに異なる課題に向き合い、時には立ち止まり、戦略の見直しも提案します。業務の部分切り出しから、End to Endの採用支援まで柔軟かつ実践的な支援が特徴です。
導入までのプロセスも支援
導入支援コンサルタントが、RPO導入の検討段階から伴走させていただくことで、社内ニーズの把握といった社内合意プロセスに関わる情報の整理がスムーズになります。またヒアリングした情報は導入時、プロジェクトマネージャーにしっかりと引き継がれ、サービス導入直後より精度の高い業務支援が可能になります。
6. まとめ
RPOは“丸投げ”ではなく“伴走支援”
RPOの導入は、事前の準備と信頼できるパートナー選びこそが成功の鍵。「導入してから困らないために」——今、できることを整理し、自社にとって本当に必要な支援は何かを明確にしておくことが重要です。
タリスマンのRPOでは、業界ごとに採用経験値の高いRPOリクルーターが必要なタイミングで必要な業務ボリュームで採用チームにジョインし、御社の課題・ニーズに合わせた柔軟な対応が可能です。導入に迷いがある方も、まずはお気軽にご相談ください。
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