バイリンガル人材は転職に有利!転職事情と採用の背景について解説

転職を検討している皆さんの中には、日本語のほかにも外国語に堪能なバイリンガル人材である方もいるのではないでしょうか。実際にバイリンガル人材は、転職に有利であることが多いです。この記事ではバイリンガルの実際の転職事情と、バイリンガル採用の背景などについて詳しく解説します。バイリンガル人材の方は、ぜひ転職のビジョンを描く参考にしてください。

バイリンガル人材の転職事情

外国語能力をもっているバイリンガル人材は、一般的に転職でも有利になることが多いです。ここではバイリンガル人材の転職事情にフォーカスしてみましょう。バイリンガル人材の転職の傾向として、以下の4項目があります。

  • 年収の高い外資系企業に採用されやすい
  • 上場企業で重宝される
  • グローバル化する企業に求められている
  • ビジネススキルがあればハイクラス求人がある

それぞれを詳しく見ていきましょう。

※バイリンガル人材についての定義はこちら

年収の高い外資系企業に採用されやすい

バイリンガルといえば外資系企業が連想されます。外資系といえば年収が高いという定評があり、日系企業の同じような職種と比較すると、2割以上高くなるともいわれたりしています。実際に外資系企業に入るためには、語学力が求められる場合が多いです。

もちろん、外資系企業は英語が必須とは限りません。企業や職種、ポストによって英語の重要度は変わります。業務で外国人と関わらない場合は、英語力がなくても大丈夫です。しかし、少なくともマネージャー以上のクラスになれば、経営幹部とのコミュニケーションや海外本社への連絡や報告、カンファレンス参加などの可能性があります。このため、英語力がなければ難しいといえるでしょう。

また、役職がなくともクライアントが外国人である仕事では、やはり英語力が必要です。このように、外資系企業のある程度重要なポストを目指すのであれば、バイリンガル人材であることは有利に働くと考えてよいでしょう。

日系上場企業で重宝される

近年の日本経済は多くの業界で、再編による統廃合やM&Aが行われてきました。そして資金力と企画力があって積極的に事業展開をする上場企業は、グローバル部門を設けてクロスボーダーな事業展開を手がけています。よって日系の大手企業やその関連企業では、バイリンガル人材のニーズがかつてないほど高まっています。

それを反映しているのは、採用条件や昇進条件にTOEICスコアの最低基準を設けている上場企業が非常に多いです。TOEICを採用条件に使用または使用予定にしているのは上場企業の70%以上で、昇進条件に使用または使用予定にしているのは上場企業の60%以上と、どちらも大半を占めています。条件とされているスコアは企業によって異なりますが、目安としては最低ラインでベーシックレベルの600点です。国際部門でカンバセーションレベルの730点、海外赴任も視野に入ったポストではビジネス〜フルーエンとレベルの860点程度です。

もちろん、TOEICのスコアが高いことイコールバイリンガルではありませんが、上場企業を目指すバイリンガルの方はTOEICを受けてハイスコアをマークしておく方が有利になります。

グローバル化する企業に求められている

先ほどは上場企業の採用での、語学力の条件について触れました。しかし、この現象は上場企業だけの話ではありません。経済のグローバル化に伴い、上場企業以外においても多くの優良な企業の展開する事業が、グローバル化しています。

国内のマーケットは成熟していて、大きく飛躍するためには海外のマーケットを目指すのは自然な流れです。また、技術やナレッジを共有する相手が海外の支社であることも増えています。そのように、経済のあらゆる段階でグローバルなやり取りが日常化している現在、社員の中にバイリンガル人材が求められ、転職市場でのバイリンガル人材のニーズの増大につながっています。

ビジネススキルがあればハイクラス求人がある

バイリンガルであるだけでも貴重な人材であることは述べてきたとおりですが、その人が高いビジネススキルを持っている場合は、ハイクラス人材としてのニーズが想定されます。

ハイクラス人材とは自身が取り組む業務だけではなく、チームやプロジェクトをマネジメントするポストや、さらに上位職になると経営幹部のポストなどを指します。バイリンガルと高いビジネススキルは、どちらかひとつだけでも人材価値が上がるアドバンテージです。それをどちらも備えているとなれば、希少価値の掛け算になり、企業からの引き合いが多いことは間違いありません。

ただしTOEICスコアを持っていない方でも、会話ができるなら英語力を企業にアピールできます。転職エージェントを活用すれば、英会話がしっかりできる候補者を企業にうまく紹介できるというメリットもあります。

バイリンガルとしての人材価値が認められるポイントとは?

バイリンガル人材の転職事情から見れば、事実上有利であることは明白です。企業がTOEICスコアの基準を設けている場合は別として、必ずしもTOEICスコアが目安ということではなく、実務で外国語が使えるかどうかという点が大切です。

では、バイリンガル人材の価値が認められる「実際に話せる」ということを意味する具体的なポイントは何でしょうか。ここでは主なポイントとして、以下の3つを挙げておきます。

  • ダイレクトに自然なコミュニケーションが取れる
  • 2国間の文化や習慣の差異を理解できる
  • 相手の意見を尊重して対話できる

個別に解説しましょう。

ダイレクトに自然なコミュニケーションが取れる

外国籍の企業との交渉では、共通言語でやり取りしなければ往々にして意思疎通に支障をきたします。また、日本に来てIT企業を立ち上げる外国人の方たちもおり、小規模な環境において英語でコミュニケーションが取れる必要性があるのです。

メールでのやり取りなら翻訳に時間をかければよいのですが、責任者同士や担当者同士が対面やオンラインでリアルタイムに交渉する場面ではそうはいきません。もちろん、交渉やメールの場合なら通訳を介して行うという選択肢もあります。通訳を介せば、ある程度意思の疎通を図れます。しかし議論が複雑になったり、高度に専門的な内容に及んだりすると通訳も難しくなります。

そうなると通訳を介しての対話には限界があり、訳し方の微妙な違いによって大きい反感を買うこともあるでしょう。その点優秀なバイリンガル人材には「訳す」という概念はなく、考えをどちらの言語で発信するかだけです。よって伝えるべき細部に至っても、的確な表現で伝えることができます。このように、ネイティブスピーカーとダイレクトに話せて、先方の微細なニュアンスを汲み取れるバイリンガル人材なら交渉の精度も上がります。専門性が高い業種や職種であればあるほどバイリンガルの価値は増すでしょう。

2国間の文化や習慣の差異を理解できる

バイリンガル人材の強みは、日本と他国の文化の違いを理解できる点です。いくら共通の言語で話していても、その発言のバックボーンである文化や習慣が違うと、会話の中で正確に伝わらない部分がありますよね。

バイリンガルは双方の文化も習慣も理解しているので、相手の言いたい内容をはっきりと理解して、誤解を生じないやり取りが可能です。相手にとっても言葉が通じるだけにとどまらず、自分たちの文化を理解してくれているという面から信頼度が増します。そうなると1回きりの取引で終わらず、中長期的に良好な関係を継続できるので、バイリンガルの力は大きいといえます。

日本の大学生の中で、本格的に留学をする学生は1000人に1人くらいといわれています。海外の言語と文化をしっかり理解して戻ってくる人は、それだけで希少価値がある人材になります。もちろん、国内で堪能な語学力を身につけた人も広義のバイリンガルといえるでしょう。しかしバイリンガルの定義は「2つの母語を話す」「2つの言語を自由に話す」とされることが多いです。

つまり、必ずしも2ヶ国の生活体験がバイリンガルの条件ではないにしても、充分な留学経験や家庭内が2ヶ国語環境でなければなかなかバイリンガルの域に到達しえないでしょう。また、海外の文化を理解するには、やはりある程度長期の海外経験が必要です。よって、海外経験があるバイリンガル人材に価値が認められるのでしょう。

相手の意見を尊重して対話できる

バイリンガルは海外と人とのコミュニケーションを、たっぷりと経験してきた人材です。個人主義を重んじる海外の人との対話を通して、相手の意見を尊重してコミュニケーションを取ることの大切さを知っていることでしょう。一般的な日本人の場合、仕事では個人以上に「組織」を意識して話します。さらに個人レベルの内容でも組織に当てはめて発信、解釈することがあります。これは日本人同士では支障がなくても、相手が海外の人の場合は理解してもらえないケースもあるでしょう。

バイリンガル人材であれば、そういう事態を避けて無駄な摩擦を起こさず、本質的な部分で対話が進められる可能性があります。そういうところにも、バイリンガルの人材価値があります。そういう方は、その素晴らしい強みを無駄にしないためにも、適切な転職エージェントを利用して最善のマッチングを期待することがおすすめです。

私たちタリスマンも、バイリンガルが活躍できる多国籍企業への窓口として人材紹介サービスを展開する転職エージェントです。バイリンガルの方はぜひ、私たちにサポートをさせてください。

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まとめ

バイリンガル人材がなぜ転職に有利なのかという理由と、バイリンガル採用の背景などについて詳しく解説しました。時代の流れから多くの企業で業務のクロスボーダー化が進む現代において、バイリンガル人材の価値は向上しています。

上場企業によってはTOEICスコアで判断される場合もありますが、外資系をはじめ実務レベルで話せる人材を求めている場合は、スコアが問題なのではありません。ここで紹介したポイントをきちんとアピールできれば、バイリンガルとしての人材価値を認めてもらえるに違いありません。

Talisman編集部

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