転職で圧倒的に有利!バイリンガルの利点と活かすためのポイントとは

転職で圧倒的に有利!バイリンガルの利点と活かすためのポイントとは

経済のグローバル化が年々進む中、多くの企業や特定の業界においてバイリンガル人材は、転職において有利となっている傾向があります。しかし、バイリンガル人材がビジネスで活躍するにはいくつかのポイントがあります。

今回の記事では転職を考えているバイリンガル人材のみなさんに向けて、その利点についてわかりやすく解説し、その利点を転職活動に活かすためのポイントを詳しく紹介しましょう。

転職市場においてのバイリンガルの人材価値

まずは、昨今の転職市場におけるバイリンガルの人材価値について、以下の2つの視点から解説します。

  • 企業がバイリンガルを評価するポイント
  • バイリンガルを求めている企業・業界

それぞれを見ていきましょう。

企業がバイリンガルを評価するポイント

企業がバイリンガルを評価するポイントとしては、主に次の3項目が挙げられます。

  • 英語の運用能力
  • 外国人とのコミュニケーション能力
  • 異文化に対応する柔軟性

それぞれの項目を、さらに詳しく見ていきましょう。

【英語の運用能力】
バイリンガル人材は、目や耳から入ってくる英語を英語のまま受け止めます。自ら英語で何かを発信する場合も英語で考えたことをそのまま発言する、あるいは書くというプロセスをたどるでしょう。

一方、一般的な日本人は、目や耳から入る英語情報を頭の中で日本語に変換して理解します。自ら何かを英語で発信する際は、その内容を日本語から英語に変換してから口に出す、あるいは書くのです。このやり方では、コミュニケーションは取れてもなかなか流暢とはなりません。バイリンガル人材には、そもそも言葉を変換する概念がなく、日本語も英語もそのまま受け止めそのまま返します。

すなわち、聞いた英語を日本語に変換して、それへの対応を日本語から英語に変換して発信するような二度にわたる変換がなく、コミュニケーションにおけるスピード感や的確さが違ってきます。

この相違点こそが、バイリンガルの圧倒的な英語スキルの高さの裏付けです。企業活動に求められるのはスピーディかつ的確な判断です。グローバルな案件における判断力が求められる今、企業としてはバイリンガルのよう英語運用能力に優れた人材を求めるので、選考でも有利になりやすいでしょう。

【外国人とのコミュニケーション能力】
バイリンガルは長期にわたって海外に滞在した経歴、もしくは国内でも英語圏の人たちと密接に関わってきた経歴がある人材が大半です。そのため日本人とは大きく異なる、海外の人たちとのコミュニケーションに対する価値観を体得しています。

ほとんどの日本人は単一民族かつ単一文化の中で育ってきました。そのため、すべてをはっきりと言葉にしなくてもわかりあえる前提で、人と相対するのが基本です。また、集団の中でのトラブルを避けるために、本音を直接表現することを避ける文化があります。そういうコミュニケーションのスタンスの違いから、いくら学問としての英語力に優れていてボキャブラリー豊かな人でも、欧米人との良好なコミュニケーションを構築するのは難しい傾向があります。

一方、多民族国家であるアメリカでは、異なる文化背景による誤解を避ける必要があります。そのため、曖昧な話し方は避けて、明確で論理性を伴う話し方を重んじるものです。バイリンガルは自分の考えははっきりと主張し、相手の意見も尊重しつつ普通に議論を展開できます。だからこそ、語学力の枠を超えたコミュニケーション能力があるバイリンガル人材こそが、グローバルな企業への転職には有利になるのです。

【異文化に対応する柔軟性】
日本人の中には、グローバリズムを理解していても異文化への偏見を持つ人もいます。しかし多くのバイリンガル人材は、異なる文化に身を置いて暮らしてきました。その過程で、一般的な日本人と異なるアイデンティティや世界観を育んでいます。それゆえバイリンガル人材は、民族や人種、文化、あるいは宗教の違いに阻まれることのない相互理解の柔軟性を持つ人材といえます。

本来文化は相互に尊重すべきもので、差異を受け入れることが異文化理解です。それは、多国籍な社会や組織において欠かせない柔軟性といえるでしょう。そういう面からも企業はバイリンガル人材に、言語の奥にある文化の次元で欧米人との橋渡し役となることを期待するのです。

バイリンガルを求めている企業・業界

バイリンガル人材の、実際の転職動向に触れておきます。バイリンガルを求めている主な企業のタイプとしては、上場企業、日系グローバル企業、そして外資系企業です。また、バイリンガルを求めている主な業界はIT業界、金融業界、フィンテック業界、コンサルティング業界などです。それぞれの事情を見ていきましょう。

バイリンガルを求めている企業の事情

上場企業においてバイリンガル人材のニーズは旺盛です。それを反映しているのが、TOEICスコアの採用・昇進条件への適用といえるでしょう。また、バイリンガルである上に、高いビジネススキルを身につけているなら、エグゼクティブ人材として引き合いがあります。

また、あらゆる分野のビジネス現場で、クロスボーダーな取引が日常的になってきています。とりわけ日系グローバル企業において、確かな英語スキルがある人材のニーズが、かつてないほどの高まりを見せています。

外資系企業の場合はその属性から、多くの求人でバイリンガル人材が求められています。マネージャーになれば、本国との連絡や外国人上司とのコミュニケーションが欠かせません。外資系企業は優先してバイリンガル人材を採用しようとするのは当然の流れでしょう。このあたりの詳しい事情に関しては、以下の記事で特集していますので、ぜひそちらも参考にしてください。

バイリンガルを求めている業界の事情

バイリンガルを現在特に求めているのはIT・金融・フィンテック・コンサルティングなどの業界です。

多くのIT企業は外国籍パートナー企業を持っています。また、内勤エンジニアの多くも多国籍です。IT業界は今後も伸びゆくことが確実であり、さらに人材不足も間違いなく続くので、ITの知見と英語スキルがあれば仕事の舞台は大きく広がります。

金融業界は再編がドラスティックに進んできた経緯があります。日系の金融機関においてもバイリンガルの窓口担当者が重宝がられるでしょう。また、先端技術の導入が早くから行われているため、バイリンガルかつITの知見があれば、好条件でのニーズが期待できます。

フィンテック企業はインターネットに深く関与する業界であり、そもそも国境を超えたビジネスモデルが普通なので、社員に英語力は欠かせません。フィンテックサービスの顧客は海外にも多くいるので、バイリンガル人材が活躍できる仕事が多いです。

コンサルティング業界は依頼を受けるコンサルティング案件の多くが、なんらかのグローバルな要素を孕んでいます。ステークホルダーが外国人である場合も珍しくありません。また、外資系企業が多いのもこの業界の特徴で、バイリンガルを求める傾向が強いのです。

バイリンガルに向いている業界や職種に関しては、以下の記事で詳しく取り上げているので、ぜひご覧ください。

バイリンガルの一般的な利点

バイリンガルであることには、実はさまざまな利点があります。ここでは、一般的な視点からのバイリンガルの利点について紹介しましょう。列挙すると、以下のようにたくさんの項目が想定できます。

  • 他者の心情の理解に長けている
  • さまざまな才能を伸ばしやすい
  • 思考に柔軟性がある
  • 読解力が高い
  • コミュニケーション能力が高い
  • 思考力や記憶力に優れている
  • 音に対する認識能力が高い
  • 認知症になりにくい

それぞれを簡単に補足しておきましょう。

【他者の心情の理解に長けている】
バイリンガルは、相手と状況によってどちらの言語を使うべきかを判断する訓練が日常的になされています。そのため、他者の言動からその心情を理解する能力に長けているといわれています。

【マルチタスクへの対応力がある】
ある研究では、バイリンガルは同時進行で複数のタスクをこなす能力に長けているという結果が報告されています。意識的であれ無意識であれ、複数の言語の切り替えを日常的にこなしていることで、脳の機能が鍛えられているということです。

【思考に柔軟性がある】
バイリンガルの思考はひとつの事象に対し、複数の視点や表現方法を持っていることが多くの研究成果として伝えられています。そのため、バイリンガルの思考はモノリンガルよりも柔軟である場合が多いとされています。柔軟な思考を必要とする課題に自然と向き合える、優れた能力を持っているのです。

【読解力が高い】
英語圏における研究では、バイリンガルはモノリンガルよりも読解力において優れているという結果が出ています。これは、複数言語を操ることで、言語というものがどのように機能しているかということが理解しやすいからです。

【問題解決能力が高い】
複数の言語を操ることは、それに応じて脳を広い範囲にわたって使うことです。とりわけ実行機能(exective function)を強くする効果があると言われ、その結果として問題解決能力が高くなる傾向があります。

【コミュニケーション能力が高い】
バイリンガルは、普通に生活していたら触れ合う機会が少ない人たちとコミュニケーションを取ってきました。世界観が広がり、異文化への先入観も消え去るでしょう。そして母国の文化を客観的に見られます。
そういう経験を通して、単に人付き合いが上手というレベルではなく、次元の高いコミュニケーション能力を身につけるでしょう。さらには、母国語のコミュニケーション能力において、モノリンガルに比べて豊富なボキャブラリーを身につけている傾向があります。

【思考力や記憶力に優れている】
かつて行われたバイリンガルに対する長期的で大規模な研究では、バイリンガルの児童はモノリンガルの児童よりも平均的に学力が高いと証明されています。また、複数の言語を理解する高齢者対象の調査においても、話せる言語の数が多い人ほど、記憶力は良いことが明らかになっています。

そんなバイリンガルは認知機能が高くなるので、計画を立てたり問題を解いたりすることにも優れているのです。思考もスピーディで、マルチタスクへの対応もできます。ちなみに、記憶力が良いと人の名前をよく覚えるので、バイリンガルは人との交流においても、スムーズに交友範囲を広げられることが多いです。

【音に対する認識能力が高い】
複数の言語を使い分けるには、それだけ多くの発音を聞き分ける必要があります。日本語は比較的音の種類が少ない言語です。しかし中国語のように母音が数多く存在する言語もあります。それらを聞き分けられるバイリンガルは、音に対する認識能力が高いのです。

その能力は、例えば雑音の中でも重要な音を聞き分けたり、大きく動いている局面の中で状況判断したりする際に、プラスになります。

【認知症になりにくい】
年齢を重ねると、誰でも認知症になる確率が高くなりますよね。しかしバイリンガルであれば、認知症になる平均的な年齢が5歳ほど上昇するという研究結果があります。つまりバイリンガルは比較的、認知症になりにくいということです。

完全なる回避は無理にしても、大きな違いがあります。認知症とバイリンガルの関係についての研究は世界中で行われており、同様の研究結果が出ています。実際に、複数の言語を一般的に使いこなす国においては、認知症の発症率自体が低くなっているという報告もあります。バイリンガルは、脳を効率的に使うので、脳の老化を遅くできるのです。

ここまで述べたようにバイリンガルは一般的に、多くの利点を持っているといえます。では、次にこれらの利点がベースとなって、ビジネス上ではどういう利点があるのかについて、触れていきましょう。

バイリンガルのビジネスにおける利点

バイリンガルのビジネス上の利点として、大きなものは以下の3点です。

  • 海外の取引先と直接コミュニケーションが取れる
  • グローバルな視野でものごとを考えられる
  • 対応できる業務領域が広がる

個々の利点を詳しく見ていきましょう。

海外の取引先と直接コミュニケーションが取れる

最近では企業の取引先も国内にとどまらず、海外にも広がっています。しかしすべての担当者が英語を話せるわけではありません。通訳的な役割を果たす他のスタッフや翻訳ツールなどを駆使してのコミュニケーションになる場合があります。

そうなると、なんとか意思の疎通は図れても、細かいニュアンスの共有は難しくなります。また、少しの行き違いがこじれてトラブルに発展することもあるでしょう。それはひとえに言語の問題だけではなく、その背後の文化や価値観にも関係しています。

担当者がバイリンガルであれば直接に良好なコミュニケーションが取れるので、そういう行き違いやトラブルを避けることができます。それは、ビジネス上での大きな利点となるでしょう。

グローバルな視野でものごとを考えられる

言語はその根底に、その言語を話す人たちの文化が根づいています。実践の中で言語を習得するということはその文化に浸り、その文化圏の価値観を共有することに他なりません。自ずと母国以外の国の文化や価値観が身につき、母国という軸以外の複数の軸を持つことになります。そのためふたつの軸の距離感や共通項を実感しながら、グローバルな価値観や視野が自然と育まれることになるでしょう。

現代のビジネスを展開する上で、グローバルな視野は欠かせません。それも頭だけで理解するのではなく、実際に異文化に浸って来たバイリンガルであれば、より現実的な目線でグローバルにものごとを考えられるでしょう。

対応できる業務領域が広がる

バイリンガルであれば、対応できる業務領域が確実に広がります。
わかりやすく極端な例でいえば、英語が話せる場合とそうでない場合に、話せる方が業務の選択肢が2倍になるとします。さらに、ビジネススキルが高い場合と標準的な場合で、高い方が業務の選択肢が2倍になるとしましょう。そういう環境でビジネススキルが高くて英語が話せる場合は、足し算ではなく掛け算になり、端的に業務領域が4倍に広がる可能性があります。

その例はあくまで極論ですが、実際にスキルの組み合わせによって掛け算的に扱える業務領域が増えます。それだけ、取り組める仕事の幅が広がり、キャリアパスの選択肢が広がるメリットがあります。

バイリンガルの利点を転職活動で活かすポイント

せっかくバイリンガルとしての能力を備えている人が、それを活かす機会がない企業に転職するというのは、もったいない話です。できればバイリンガルの利点を活かせる職場に転職したいものです。

バイリンガルの利点が活かせる転職先の選び方

先に挙げた上場企業や日系グローバル企業、外資系企業、あるいはIT業界、金融業界、フィンテック業界、コンサルティング業界などを選べば、バイリンガルの利点が活かせるかもしれません。

もちろん、それら以外の転職先を目指す方も多いでしょう。その場合には、できるだけ活かせる企業を見極めるために、企業研究が大切です。取引先の顔ぶれや今後の事業展開、長期ビジョンなどを精査することで、英語が必要な機会があるかどうかが見えてきます。

他の項目で決め手があれば別ですが、そうではない場合には英語スキルが活かせる場面を想定できる企業を選ぶ方が、あなたの人材価値をアピールできて、入社してからもそれを活かしたビジネスライフを送りやすくなるでしょう。

バイリンガルの利点を活かした選考対策

バイリンガルの利点を活かした選考対策としては、求人自体が英語力を問われる前提であれば、そのポストの業務を想定して関係してくるような専門用語を洗い出しましょう。そして、それを英語で会話に使えるように準備しておくのです。

面接時にバイリンガルをアピールすれば、英語を話すところを見てもらえる機会が多くなります。その際にそのポストに関係する専門用語に関して、英語でスラスラと話せるのであれば、高い評価を得る可能性があるでしょう。また、英語スキルに加えてマネジメントスキルやビジネススキル、ITスキル、その他、その企業に役立つ専門性が高いスキルがあるなら、ハイクラス人材として迎えられるケースもあります。

バイリンガルの転職はエージェント活用でパワーアップ

バイリンガル人材は、ここで紹介したその利点を最大限活かせる転職に成功するために、バイリンガルの転職に精通した転職エージェントのサポートを味方につけましょう。そうすれば、より一層​​強みを発揮できるはずです。

エージェントは転職のプロとして、バイリンガルの強みを発揮できる企業や職種を助言してくれますし、あなたの志望企業についての客観的な評価も教えてくれるでしょう。選考対策として、書類のブラッシュアップや面接のコツなどもアドバイスしてくれるので、心強いサポートを得られます。私たちタリスマンも、外資系やIT業界を中心として、バイリンガル人材の応援を得意とする転職エージェントです。ぜひお気軽にご相談ください。

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まとめ

バイリンガルであることは、企業から英語の運用能力や外国人とのコミュニケーション能力、異文化に対する柔軟性などが評価されます。だからこそ、上場企業や日系グローバル企業、外資系企業はもとより、ITや金融、フィンテック、コンサルティングなどの業界は、バイリンガル人材を求めています。

転職を検討しているバイリンガルのみなさんは、その利点を最大限活かせるように企業研究を徹底しましょう。転職エージェントのサポートも活用しながら、良い転職先に出会ってください。

Talisman編集部

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