転職する人が少なくない薬剤師。薬剤師が転職を決意するのにはどのような理由があるのでしょうか。この記事では、薬剤師によくある転職理由や、転職理由を面接で伝える時の回答例をご紹介していきます。
目次
薬剤師の転職理由でよくあるケース
給与に不満がある
薬剤師の転職理由で多いものの1つが給与が低いことです。薬剤師は勤務先による年収の格差が激しく、病院薬剤師は年収が低い傾向があります。病院薬剤師は基本給が22万円～24万円ほどであるケースも多く、その場合手取りは20万円を切ってしまいます。
そのため、病院から調剤薬局やドラッグストアへ転職を決める方が多いのです。
人間関係にストレスを感じる
上司や同僚との人間環境にストレスを感じて転職する薬剤師も少なくありません。同じ部署内の上司からのパワハラや同僚からのいじめの他、薬剤師同士だけに限らず、事務員や看護師との人間関係の悪化に悩んで転職を決意するケースもあります。
業務量の負担が大きい
人数のわりに業務量が多すぎるなど、業務量の負担が大きいことも、転職理由として多く挙げられます。
働き始めた時は薬剤師がたくさんいても、仕事のできる薬剤師が辞めてしまうと仕事量が急増してしまうなど、入社当初よりも労働環境が悪化してしまったということもあります。また、病院であれば医師が薬を処方するのを待って薬剤師が投薬を行わなければいけません。
医師の外来診療が遅くなることが日常化していると、それに合わせて薬剤師も残業しなければいけないということも、労働環境の悩みとしてよくあるケースです。
薬剤師が現在の職場を辞めるときの転職理由の伝え方
いざ転職を決意したら、現在の職場をやめる時はどのように転職理由を伝えたら良いのでしょうか。現在の職場には、以下のように、ポジティブかつ現在の職場では実現できないことが明確な転職理由を伝えましょう。
新たな分野でキャリアアップを目指したい
例えば年収が低いことが不満で転職をしたいという場合は、今の職場ではできない新たな分野にチャレンジし、キャリアアップを目指したいという理由を伝えると良いでしょう。どんな仕事にチャレンジしたいのか、具体的に伝えるようにしてください。
調剤技術を身につけたい
現在調剤を行う機会が少ないという場合には、調剤技術を身につけられる職場に転職をしたいということを理由にしても良いでしょう。病院や企業に勤めているのであれば基本的には調剤を行うことは少ないため、筋の通った転職理由と言えます。
資格を取りたい
今よりも上級の資格を取りたいため退職をするというのも、円満退職をしやすい転職理由です。資格の勉強に専念する時間を確保したいと伝えたり、資格取得に向けての経験ができる職場に転職すると伝えたりすることができるでしょう。
薬剤師の面接での転職理由の伝え方のポイント
続いては、面接時に転職理由を聞かれた時の答え方について見ていきましょう。転職希望先に転職理由を伝えるときには、以下の3つのポイントを押さえることが重要です。
・ポジティブな伝え方をする
・転職希望先に当てはまる理由を言わない
・具体的に話す
まず1つ目は、退職する時と同様にポジティブな伝え方をすることです。2つ目は、転職希望先にも当てはまる不満などを転職理由として言わないように気をつけましょう。
3つ目は、転職理由を具体的に話すことです。例えば「労働環境が悪い」という転職理由であれば、具体的に月の残業時間は何時間だったのか、それが何ヶ月続いていたのかなど、具体的な事実を伝えましょう。
薬剤師によくある転職理由別｜回答のコツ
上記のポイントをふまえた上で、よくある転職理由別の回答のコツを解説していきます。
給与が低い
給与が低いという転職理由を伝える時は、具体的に現在の年収はいくらなのかを伝えるようにしましょう。
その上で、「これから家庭を持つ予定なので資金が必要」など、年収アップをする必要性を説明し、さらに現在の職場では年収アップが見込めない理由も説明できると良いでしょう。
雇用形態を変えたい
例えば「契約社員から正社員の薬剤師になりたい」というような雇用形態の変更を求めての転職理由であれば、年収アップの時と同じように、なぜ正社員になりたいのか、なぜ現在の職場だと正社員になれないのかを説明する必要があります。
また、「希望の雇用形態で採用されればどこの職場でも良いのか」と思われてしまうと、マイナスの印象を与えてしまいます。そのため、その職場に入社したい理由と合わせて話すことが望ましいと言えます。
業務量の負担が大きい
業務量の負担が大きいと感じているということは、1人1人の患者に丁寧に対応する時間がなかなか取れない環境なのではないでしょうか。
そのため、「より1人1人の患者様と向き合い、丁寧にアドバイスができる環境で働きたい」といった伝え方をすると、ただ業務量の負担が大きいと言うよりも仕事熱心であるという印象を与えることができます。
薬剤師が転職を成功させるための秘訣
転職理由の伝え方の他にも、薬剤師が転職を成功させるための秘訣があります。
職場の愚痴を他人に言わない
まず注意したいのが、現在の職場の愚痴を言わないということです。転職希望先の採用担当者に現在の職場の愚痴を言ってしまうと、採用しても職場の愚痴ばかりを言うのではと思われてしまいます。
また、転職希望先だけではなく、現在の職場の人にも愚痴を言うことは好ましくありません。異なる職場間で、薬剤師同士でのつながりを持っているという方も多い業界です。そのため、職場内で愚痴を言ってしまうと、他の職場にもあなたが悪口を言っていたという話が広まってしまう危険性があります。
面接の身だしなみは清潔感に注意する
面接時の身だしなみはどの業界でも共通して気をつけなければいけないことですが、薬剤師は仕事内容から特に清潔感を重視されると考えておきましょう。
シワがあるシャツやボサボサの髪は清潔感を欠いた印象を与えてしまいます。シワがなく、華美な装飾のないスーツを着用し、髪が長い場合は束ねておくようにしましょう。
まとめ
薬剤師の転職理由には、「給与が低い」「人間関係が悪い」「業務量の負担が大きい」などといった理由がよく挙げられます。しかし、現在の職場を退職する際も、転職活動中の面接時も、職場への不平不満をそのまま伝えることはNGです。
退職時や面接時に転職理由を伝える時には、ポジティブな伝え方をすることと、転職希望先の職場でしかできない理由を話すことを心がけましょう。
その他にも、転職を成功させるために、退職するまでの現職での言動や面接時の服装にも注意をしましょう。
