希望入社日の設定が転職のタイムスケジュールを変える!

転職活動をする際、結構見落としがちなのが入社時期。
企業が希望する入社日と、求職者側が希望する入社日の時期が違いスムーズな入社ができないことも多いのです。
企業には企業の採用時期、採用枠があり、企業の仕事の一つとして期日までに採用をしなければいけません。
一方で求職者は、「退職済みで緊急に仕事を探している」、「良い案件があったら」、「知人が紹介してくれたから」、「親の介護でUターンしなければいけない」など、モチベーションによって入社時期の意向が様々です。
企業側の業績目標のライン上にある採用業務と、求職者ごとの転職モチベーションが入社日のズレを生んでしまいます。ですから、転職活動を始める前には、入社時期をある程度想定してスタートしないとスムーズに入社ができないことにもなりかねません。まずはだいたいの入社時期を自身で決めることが大切です。最終的な入社日はオファー時期に決断を迫られますが、その時に最初に決めた時期とあまりズレが生じなければスムーズに入社日が決断できるます。本記事では入社日調整の重要性を紹介していきます。

求職者の希望入社日はモチベーションで変わる、その裏側

求職者側の転職モチベーションの緊急度によって、シチュエーションは以下の表のように分かれています。

緊急の人 退職している。
退職が決まっている。
親の介護でUターン。
現在の勤務地を維持したいにも関わらず辞令で転勤が決まり、今の住まいを変えたくない。など
緊急じゃない人 いい案件があれば。
現職に満足。
ヘッドハントされた、スカウトがきた。
来年ぐらいに転職を考えている。
情報収集。など

企業のリストラで退職せざるを得ないなど、いつ何が起こるかわからないので、求職者側の緊急度は変動しますが、いずれにせよ転職活動をする際、転職エージェントに話をするのなら、“〇月ぐらいの時期に入社を考えている”、としっかり伝えた方がスムーズです。転職エージェントは希望の入社日を逆算して案件を勧めてくれます。
また転職エージェントを使わない場合は、自分で時期を把握しなくてはならないのでしっかりプランニングを行いましょう。

転職する際、かかる日数と実際のプロセス

転職にかかるプロセスについては最短2週間から最長数年かかる場合もあり十人十色ではありますが、ここでは平均的なプロセスを見ていきましょう。

タイムスケジュール例:

8月入社を希望した場合は上記のような形が平均的なプロセスです。最適な転職活動開始時期は逆算してだいたい4月。
4月ごろから情報取集し、転職エージェントなどに登録し求人を探します。良い案件を幅広く履歴書類の提出候補に上げていきます。
職務経歴書などの提出資料の準備もしておきましょう。
5月には書類選考が始まり、5月中旬ぐらいから面接への通知が来ることになるでしょう。
6月入り、進めていた面接も2次面接や最終面接に進むものも出てきます。スムーズにいけば、後半頃にはオファーが出て受諾という運びになります。このタイミングでいよいよ退職の意思表示です。
7月は退職が受理され、現職での引き継ぎ。新しい企業への準備も開始しておきたいところです。
8月1日には、新しい職場でスタートを切ります。
上記の場合、実際の転職活動プロセスは約4か月。もちろんうまく行けばの話ではありますが、標準的な流れを把握しておくことも重要です。

案件に記載されている入社日に注目!企業側の期待する入社日

今あなたが目にしている求人情報、知人の紹介で聞いた求人情報、転職エージェントに勧められた求人案件は、殆どが今から転職活動し、話が進めばあなたが内定を受理し、現職に退職の意思表示をした1か月後の入社を希望するものです。(タイムスケジュールでいうと上記の表とほぼ同じ動きになります)
例えば、5月中に内定が出て受諾、5月後半に現職へ退職の意思表示。6月は引き継ぎをして、7月1日に入社になるのが標準的です。
ここの認識がずれていると、良いオファーが出ても入社できなくなったり、入社を待ってもらっている間に保留になったり、とせっかくのチャンスと時間が無駄になることも。
そんなことにならないためにも、希望入社日が記載されている求人案件は、自分が転職したい時期と合致しているか確認して話を進めましょう。
以下に求人の種類別に企業が期待する入社日のポイントをまとめてみました。

通常案件 退職意思表示をした翌々月1日入社
部門の立ち上げ案件 ある程度の人数を同時に採用するケースも多い。
入社日を指定される事が多い。
コンフィデンシャル案件 その名の通り水面下で進める案件であるので、企業側でも数人にしか公開されていない案件。この場合は慎重に話が進むので、時間がかかる事が多い。また双方にとって一番いい状況での入社となる事が多い。

企業が転職エージェントなどを通じて募集する求人案件は、殆どが中途採用です。入社日の記載がない限り、一か月前退職意思表示で入社(オファーが出た翌々月1日入社)を希望されていると思っていた方が安心です。実際には面接や、転職エージェントを通して早めに確認しておくことをおすすめします。

退職意思表示についての余談
・労働基準法では、14日前までに伝えればよいとされており、就業規則が1ヶ月前とされていても優先されるのは労働基準法です。ただ、どの企業も基本は1か月前に退職の意思表示をしています。

入社日を伸ばすとライバル増えオファーが危うくなる

企業は優秀な候補者がいたら、すぐに入社して欲しいと考えています。
にもかかわらず、時々退職意思表示してから退職までに2か月、3か月かかる、という候補者も実際には多いのです。
しかしながら企業側は待ってはくれません。企業側の見解としては、“ウチに興味がないのでないか”、“他と比較検討しているのだろうか”など不安を抱き、オファーを出したものの、他の候補者も引き続き面接ステージに上げ、比較検討をするといった、更なるライバルを増やしてしまう事になりかねません。そうなってしまっては、せっかくのチャンスも消えてしまうことになります。

求職者が入社日を伸ばす主な理由と落とし穴

転職の際、少しでも自分に優位に事が運んでほしいと思う求職者側の気持ちも理解できますが、全てが上手く行くケースはなかなかありません。求職者が入社日を伸ばす主な理由を実際にあったケースからあげてみましょう。

1に関しては転職活動を開始する前に、既存企業での退職意思表示の期間をしっかり調べてから活動を始めましょう。転職先の企業から求められるのは、通常は1か月です。どうしても1か月以上必要な場合、もし転職エージェントを介しているのであれば最初から伝えましょう。転職エージェントは事情を交え入社時期について交渉してくれます。もし自分で転職活動しているのであれば、早い段階で退職に時間がかかるかもしれないと言う事を企業側に伝えておきましょう。

2の有休消化に関しては、まずは退職の意思表示をして、受理してもらうと、最終月の手続きや引継ぎ等話し合いがなされると思います。ここで有休を消化できる人も、なかなか有休消化が難しい人もでてきてしまいます。新しい勤務先になり、引っ越しが必要となることもある為、どうしても必要な場合は、きちんと交渉をしましょう。(転職エージェントは転職先の企業への交渉は可能だが、既存企業に関しては業務外になります)
3も同様で、どうしてもボーナスが欲しい場合は、転職活動をする前にボーナスをもらってから入社できるよう活動時期を調整する必要があります。有休休暇の取得同様、なかなかうまく運ぶのは難しいので、優先順位をしっかり決めて転職活動をしましょう。優先順位を考えた場合、もちろん転職先への入社が優先されますので、諦めることも大事です。せっかくの転職で残念な気持ちを持たないようにするため、計画的に転職活動プロセスを組み立てましょう。

二兎を追うものは一兎も得ず。目先の利益よりも将来に目を!

ボーナスや有休の消化など、目先の利益より将来の方が大切ですよね。あまりにこだわり過ぎて、円満退社ができなくなってしまうと、せっかく現職で築いた人間関係が壊れてしまうことも。また、新しい転職先で素晴らしい出会いや技術の習得、そういった可能性を見る事の方が自身の成長につながります。もし転職の際に思い悩むことがあるなら、自身のNEXT STAGE、NEXT STEPに是非目を向けて前向きに解決していきましょう。