内定はゴールじゃない!?転職最大の難関“引き止め”必勝法

皆さんは、転職のゴールは“内定”だ、とお思いでしょうか。
私がまだ新人で皆さんの転職のサポートをしていた時、私は内定がゴールだと思っていました。しかし、長年転職サポートの経験を培ってきた今の私はそうは思いません。
ご自身で決断し内定を受諾したことは、まだ転職活動のプロセス中にすぎず、完結には至っていない。という事を知って頂きたい。
ゴールとは、新しい企業へ入社する事であると考える。

知っておきたい最難関プロセスの中身!

内定を受諾し、新企業に入社する間にもう一つ、そして最難関のプロセスが残っている。それが現職へ退職の意思表示をし、退職を受理してもらうと言う事だ。このプロセスこそが転職活動の山場となってくる。

もう1度言おう!転職プロセス最難関とは、現職に退職の意思表意をし、退職を受理してもらう事だ。

そしてその時に起こる現象を、今回最も力をいれて話したい項目“引き止め“と言う。もっと正確に言うならば、この引き止めは退職の意思表示をし、退職を受理してもらうまでに起こる事だ。

そう、もうお気づきかと思うが、この“引き止め”に打ち勝たなければ、退職の受理はしてもらえないのである。
引き止めを制する者が転職を制すると言っても過言ではない!

3つのポイントからみる、なぜ最も難しいプロセスなのか?

引き止めに合うという事は、裏を返せば貴方が優秀であるから残って欲しい!と言う事でもあるので嬉しいものでもある。「求めてくれていたんだ。」「認めてくれていたんだ。」とついつい思ってしまいがちではあるが、そう思うのであれば、なぜ退職を切り出してからそれを言う???である。本当にそう思ってくれているのであれば、退職を切り出す前に昇給だの昇格だの行っているはずではないだろうか。
転職プロセスにおいて、現職企業からの引き止め、上司からの引き止めが群を抜いて多い。そしてそれが1番難しい山場と化している現状を沢山見てきた。
なぜ最も難しいのか。

1.自分で交渉しなければならない
個人で転職活動している人は、初めから最後まで自身で管理、行動、交渉しなければならないので問題ないが、殆どの求職者は転職エージェントを介している。エージェントが全て担ってくれてるが、このプロセスは自身で行わなければならない為、慣れない引き止めや交渉に戸惑う求職者が多い。
2.恩を仇で返してしまう、後ろめたい罪悪感
これまでお世話になった会社や上司、先輩方を裏切ってしまうのではないか。私の後、引き継ぐ人はいるのだろうか。引き継いでも同じようにパフォーマンスを出せるのだろうか。という罪悪感で心苦しい思いをする事だ。
全ては鳥越苦労である。会社や上司への罪滅ぼしと思うのであれば、新しい企業でいかんなく実力を発し、活躍する事の方が恩返しである。
引継ぎや採用は企業の仕事であるので全く持って問題ない。そうこう言っている間にも、貴方の隣に座っている人、貴方の上司も、あなた同様、“転職の機会を待っている”事をわすれないように。この時代、みんないずれにせよ、いつかは転職をするのです。
3.しつこい引き止めに根負けしてしまう
退職の意思表示をされた上司は猛烈な引き止めを行ってくる。
優秀で残ってもらいたい事はもちろん大前提としてあるが、上司には上司のタスクというものがある。部下を採用し、育成。自身の管轄のパフォーマンスを上げ、また自身の昇給、昇格をさせる為にも優秀な部下は自身の駒として置いておきたいのである。辞められてしまっては育成に費やした時間が無駄となり、また採用し、労力を費やさなければならない。
場合によっては長時間の監禁、上司のそのまた上司も列席しミーティングを行う場合もある。食事に連れて行かされたり電話攻めなど、求職者もほとほと疲れたり、根負けしてしまうケースもある。また2番の罪悪感を感じてしまうケースもある。
全ての引き止めがこうとは言わないが、このようなケースも割と多い、という事を知って頂きたい。

このプロセスは心理戦になってくることだ。転職活動で情報収集、面接、現職でのパフォーマンスの維持など、肉体的に既に疲労し勝ち取った内定を目前に、最後にメンタルに追い打ちをかけるステージとなってくる。

現職企業からの“引き止め”を制する事ができなかったらどうなる???

では退職の受理をしてもらえなければ、一体どうなるのか?
これはもう下記2つしかない。

•退職手続きに進まず、新しい企業への入社が遅れる。
•現職に留まるが、既に退職の意思表示をしている手前、会社にいずらくなる。

心を鬼にして取り組んで頂きたい。

現職企業からの“引き止め“以外にもまだある!“引き止め“あれこれ

ひとえに”引き止め“と言っても他にもまだ色々あるのでは?という方も多いかもしれない。
ここでは私が過去転職サポートを行っていて、現職企業からの引き止めに次いで求職者に多かった引き止め経験を追って紹介したいと思う。

家族の引き止め
世帯持ちの方の転職には非常に重要な事です。独身時代の転職と、家族を持ってからの転職は全く状況が違うのです。これも私が担当する際は必ずと言っていいほど確認します。日本の場合ほとんどのご家庭の決定権は奥様にあると思うのですが、私だけでしょうか。
また家族からの引き止めのタイミングは、求職者が相談をしたタイミングによって変わると言う事も覚えておいていただきたい。
私が担当する求職者の中にも、奥様に相談せず転職活動を行い、良い条件で内定が出たにも関わらず受諾後、「奥様に反対されました。」と言われ内定辞退になったケースが沢山あります。嘘のようで本当の話です。逆に、年収が上がって本人の行きたい企業なのに、なぜ反対するのかよくわかりませんが・・・。その求職者も奥様を説得できず、泣く泣くお断りをしたのです。また中には「奥様のご両親に反対された。」という方もいました。もし転職されたいのなら、転職を始める前に必ずご家族に相談した方が良いでしょう。「私の奥さんは大丈夫です。」と言った方も内定後、猛反対にあった方がいましたので、何が起こるかわかりません。「内定後の家族の反対」に合い、内定を辞退する事になってしまっては、お互い(求職者とエージェント、しいては企業側)にとって時間の無駄になりかねません。
総合的に判断し、自身で現職に留まる決断をした。(引き留め)
この引き止めの場合、正確に言うと“引き留め“であり、自身で決断したものである。
転職活動をしていく中で、自身の特性、経験、目標など総合的に判断し、現職に留まる事を決断した場合。自身で引き留めた、と言おうか。内定をいくつかもらっているにも関わらずだ。
驚く声も多いかと思うが、意外に過去の求職者で自身を引き留めた方は多い。
なんとも意思の強い人だろうか。尊敬する。

あなたは『大丈夫』と言い切れるか?ケース紹介

1.上司から引き止めに屈したAさん
20代 男性 開発職 初めての転職 日系企業から外資企業の開発職へ内定決定
人生初の転職。退職の意思表示をしたとたん上司からの猛烈な引き止め。若手の流出を防ぐため、ミーティングや食事会、あらゆる方法で説得にかかる。
自身の転職が企業に迷惑をかけていると思ってしまった求職者はすっかり落ちこみ、在籍を選択。半年後、やはりいずらくなり結局再度転職を開始。

2.上司の説得に負けず、新しい世界を獲得したBさん
30代半ば MR職 MR職からマーケティング職へ内定が決定
現職では営業職で常にTOP5入りの成績をたたき出していた。今後はマーケティング職へシフトチェンジしたいため、MBA取得やTOEICスコアを上げていくなど地道な努力。上司へも社内公募でマーケティング職に行きたいと相談していたが、現場の数字を落としたくないため、異動を先延ばしにしていた。
転職活動に踏み切り、マーケティング職の内定が決定。
退職の意思表示する際には意思はもう固まっており、監禁されようが社長直々のミーティングがあっても退職の意思を通した。 新しい企業で活躍中。

3.妻からの猛反対に泣く泣く諦めたCさん
30代前半 メディカルアフェアーズ職 スタッフ職からマネジメント職へ内定が決定
メディカルアフェアーズ職にて実績を残し、新たに新薬がでる企業でマネジメント職として内定が決定。なんとなく転職活動の話はしていたが、本当に内定が出ると妻は思わなかったそう。新薬に携わる事ができ、なおかつマネジメント職。勤務地が変わる為、単身赴任か引っ越しの選択ができる。しかし、妻が猛反対。子供がまだ小さい事もあり、自身も仕事をしている為、引っ越しも単身赴任もNG。ましてや現職に留まって欲しいと泣きついてきた。そこまでして転職したいなら、「離婚」と突き詰めれら、あえなく内定を辞退。
妻に対する転職への本気度、転職先の詳細の伝達不足により夢が打ち砕かれた。

転職をする全ての方が乗り越えていくプロセス!

個人で転職活動をされている場合、全てのプロセス管理を自身で行うと同時に、メンタルも常に平常心を保っていかなければならない。退職の意思表示をする際、殆どのケースで引き止めに合うので、早い段階で事前にしっかりと準備を行おう。
転職エージェントを介している場合、退職の意思表示をするタイミングになったらエージェントに相談してみるのもいいだろう。またタイミングになったらエージェントがアドバイスをくれる可能性もある。
色んなケースを聞く事により、攻略法を探し出す事ができる。

新しい企業への入社、未来に向けて、揺るぎないメンタルが突破の鍵。
さあ新会社への入社はもうすぐです!

Talisman編集部

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