エンジニアの仕事内容を3系統に大別して解説!スキル習得方法も紹介

IT技術やインターネットが生活や経済活動の隅々まで浸透した現代、エンジニアはIT業界のみならず、多方面から求められています。平均年収も一般職より100万円ほど高くなるエンジニアですが、慢性的な人材不足が深刻です。
現代のエンジニアは非常に細かく専門分野が分かれており、厳密に分類すると20種類くらいにをなり超えてしまいます。とはいえ、大きく分けると「開発系」「インフラ系」「営業系」という3系統に分類することも可能です。
この記事では、エンジニアを目指すみなさんに参考にしていただけるよう、仕事内容を大きく3系統に分類したうえで解説し、エンジニアを目指すのに必要な基本スキルを習得する方法も紹介します。

開発系エンジニアの仕事内容

開発系エンジニアは、エンジニアのイメージを代表するような仕事です。開発系エンジニアをさらに細分化すると、以下のような職種が想定できます。

●システムエンジニア
●プログラマー(コーディングだけを行う場合は「コーダー」)
●コーダー
●データベースエンジニア
●IoTエンジニア
●フロントエンドエンジニア
●マークアップエンジニア
●バックエンドエンジニア
●Webエンジニア
●テストエンジニア
●ブリッジSE
●制御・組み込みエンジニア
●マークアップエンジニア
●フロントエンドエンジニア
●プロジェクトリーダー
●プロジェクトマネージャー

個々の職種になると細かい違いがたくさん出てきますが、ここでは開発系エンジニアの基本的な仕事の内容と流れをご紹介します。
開発系エンジニアの仕事をひと言でいうと、クライアントやユーザーが望むシステムを実際に開発して製品化することです。
ここでエンジニアに求められるものは、プログラミングスキルだけではありません。以下で解説する開発の流れを知ると、幅広いスキルが必要であることが理解できるでしょう。

ヒアリング

システム開発に着手するときは、まず発注元のクライアントへの「ヒアリング」から始まります。
クライアントが欲している機能の実体を聞き出して、きめ細かく整理することがその後の効率のよい開発につながるのです。逆に、ヒアリングが上手くできていなければ、後から大幅な仕様変更などの手間が掛かったりすることもあります。
よって、システム開発を通して、ヒアリングは土台を築く大切な工程といえるでしょう。また、エンジニアにはクライアントの要望をくまなく聞き出して、なおかつ誰もが理解できる資料として作成するスキルが求められます。

システム設計・構築

ヒアリングが完了したら、次の仕事は「システム設計」です。具体的には、クライアントが望むシステムの機能を形にする方法が織り込まれた設計書を作成します。
この段階で、想定されるさまざまな事象や状況に対応した、細かい設計がなされていないといけません。それが欠けると、実際にシステムを使用するときにエラーやバグが発生する危険性が高まります。
システム設計は責任も大きく、クライアントの要望をどうやって形にするかを担う、やりがいのある仕事といえるでしょう。

コーディング

システムの設計書が完成したら、その内容をもとに「コーディング」の工程に入ります。コーディングとは、設計書で指定されたレイアウトや技術をプログラミング言語によって形にしていくことです。
このコーディング部分は、主にプログラマーやコーダー、マークアップエンジニアなどの仕事となります。すべてのコーディングを1人が行うわけではなく、システム内の機能ごとにチームを編成して、複数のスタッフで分担してプログラミングを行うのです。

テスト

コーディングによってシステムが構築されたら、次は「テスト」を行います。コーディングで作成した機能が、その機能単体では問題なく動いていたとしても、複数の機能を結合して動かすと、システムが固まってしまうこともあるのです。
完成したシステムをクライアントやユーザーに使用してもらう前段階で、制作したものが適切に機能するのかどうかを、入念にチェックする必要があります。それが確認できた段階で、システムの完成です。

運用・管理・改善

システムが完成して納品を行なったら、それで契約が終了するのではありません。システムが実際に使われ始めてからも、運用や管理、保守、そして必要とあれば改善し続けることも含めて、エンジニアの仕事です。
システムの動きに問題がないか、トラブルの発生を抑えるためのメンテナンス、実際にトラブルが発生した場合の迅速な対応など、システムに対してサポートやフォローをするのも重要な仕事となります。
このように開発系エンジニアには、プログラミング以外にも多くのスキルが必要なのです。

【参考】開発系エンジニアのマネジメント系キャリアパスについて

開発系エンジニアの中から優秀な人が選ばれる「プロジェクトリーダー」や「プロジェクトマネージャー」というポジションがあります。彼らの仕事は単なるエンジニアではありません。
メインの役割はコーディングをするというよりも、要件定義や進捗管理などプロジェクトの根幹に関わってきます。だからこそ、エンジニアとしてのより高いスキルが求められるのです。
また、ポジションとしては、リーダーはチーム単位、マネージャーはプロジェクト全体のエンジニアたちを取りまとめる「マネジメント職」になります。マメネジメントの方面に進みたい人にとっては、エンジニアから管理職に移行する入り口です。
当然、IT技術以外にマネジメントスキルやヒューマンスキルを努力して身につける必要はあります。それでもなお目指す価値がある、活躍の舞台と年収アップを兼ね備えた魅力あるキャリアパスといえるでしょう。

インフラ系エンジニアの仕事内容

インフラ系エンジニアとは、主にサーバーの管理やネットワークの構築、保守運用などを専門的に行うエンジニアです。
ユーザーがシステムやサイトを通して快適にサービスを利用する裏で背後を、インフラ系エンジニアが支えています。インフラ系エンジニアをさらに細分化すると、以下のような職種です。

●インフラエンジニア
●サーバーエンジニア
●ネットワークエンジニア
●セキュリティエンジニア
●社内SE

インフラ系エンジニアの具体的な仕事としては、サーバーの選定やパフォーマンスの向上、そしてセキュリティ保護などが主な仕事内容です。

サーバー選定

インフラ系エンジニアが最初に手掛ける仕事は、サーバー選定になります。サーバーとは、インターネットを通じてサービスを提供するためのコンピュータのことで、あらゆるサービスをWeb経由で配信、提供するために必要不可欠なものです。
サーバー選定とは、その企業が自社サーバーを持つのか、それともクラウドサービスで外部サーバーを借りるのか、借りるとしたらどのクラウドサービスを使うのがベストの選択なのかを判断する知識と専門性が求められます。

パフォーマンスの向上

サーバーを選定して実際に運用に入ると、次の段階の仕事はパフォーマンスの向上です。わかりやすくいえば「つながりやすい」「トラブルが起きない」ことを維持・改善する作業といえるでしょう。
一例を挙げれば、サービスで使用するメモリが大きくなればなるほど、それに対応できるようにサーバーの容量も増やす必要があります。
それを怠った場合は、例えばサイトへの接続がスムーズにいかなくなり、悪くすれば接続不能になってしまうこともあるのです。そうなると大きい損害が発生することにもなりかねません。

セキュリティ対策

セキュリティの保護も重要な仕事です。最近では街中のネットワークにも危険が潜んでいます。サーバーのセキュリティに欠陥があると、個人情報が抜き取れるなどの被害を生むおそれがあるのです。
ネットワーク設計はセキュリティの安全性を最優先で確保することが求められます。
また、データセンターにおける保守業務なども大切な仕事です。何かシステムに障害が発生した場合に、原因を速やかに見極めて復旧作業を行う重要な役割で、24時間365日のシフトを交代制で組むこともあります。

営業系エンジニアの仕事内容

営業系エンジニアとは、エンジニアの知識や経験を活かして、営業部門に関係する活動を行うエンジニアです。営業系エンジニアをさらに細分化すると、以下のような職種が想定できます。

●プリセールス
●ヘルプデスクエンジニア
●サポートエンジニア
●フィールドエンジニア

営業系エンジニアの特徴としては、エンジニアとしてのスキルと営業スキルを兼ね備えている人材が求められるということです。
エンジニアの視点を持ちつつ、顧客ニーズを適切に捉える営業センスを持ち合わせることも求められます。

その他のエンジニア

ここまでご紹介した3系統のエンジニアが、エンジニアとしてのキャリアの大まかな方向性として捉えていただければよいでしょう。
しかし、その3系統では分類できないエンジニアの仕事もあります。その代表的なものがITコンサルタントです。ITの活用で企業の課題を解決するスペシャリストで、クライアント企業の経営戦略に応じたIT戦略を立てて、経営をサポートします。
プロジェクトの進捗管理やシステムの最適化、動作検証まで多岐にわたる仕事です。企業の課題を解決できる提案を生み出す力と、その提案をクライアントに伝えるプレゼンテーションスキルも求められます。
ITコンサルタントは高額報酬という点でも魅力的であるため、最終ゴールと捉えて目指すエンジニアの人たちも多いようです。

エンジニアの基本スキルを習得する方法

これからエンジニアを目指す人が、基本スキルの習得をする方法は大きく3種類あります。

●独学で学ぶ
●スクールで学ぶ
●実践で学ぶ

独学で学ぶ

独学でプログラミングを学び、エンジニアを目指す方法です。というのは、最近ではインターネット上で非常に質が高いプログラミングの教材が揃っており、ある程度の学習を進めることができる環境にあります。
しかし、途中で断念する人が多いのもまた事実です。主にそれは、何か壁に当たったときに自力で解決できなかったり、学習が進んでいっても自分のレベルが客観的にわからなかったりすることによります。
さらにいえば、独学でプログラミングスキルをある程度習得できたとしても、就職先を見つけることは簡単ではないからです。
一般的には未経験者を、プログラマーやエンジニアとして受け入れる企業は少ないといえます。研修制度があったとしても、実務経験がない場合に任せられる仕事には限りがあるのです。
とりわけ転職活動でエンジニアを目指す場合は、未経験だとハードルが高くなると考えられます。なぜなら中途採用はできれば即戦力、少なくとも実務経験があることを望まれるからです。
独学でエンジニアになった人たちはもちろんたくさんいますが、強い意志と努力が必要であるのは間違いないでしょう。

スクールで学ぶ

プログラミングスクールでプログラミングを学び、さらにスクールのサポートを得てエンジニアになる方法です。この方法には2つのメリットがあります。

●エンジニアの仕事に就ける可能性が高い
●短い期間でエンジニアになれる

スクールのサポートによって、ほぼ確実にエンジニアになることができるうえ、エンジニアになるまでのスピードが早いのです。人によっては3ヶ月ほどで就職できることもあります。
費用は掛かりますが、エンジニアになれば回収できるので、ひとつの有効な選択肢として考えてよいでしょう。
スクールによっては、就職の保証がある場合もあります。サポート内容はスクールによって異なるので、利用する場合はよく比較して決めるのが賢明です。

実践で学ぶ

実践で学ぶというのは、ずばり仕事に取り組みながら学ぶということです。つまり、未経験歓迎で採用する企業に就職する方法になります。そういう企業は新人研修制度が充実しているので、研修と並行しながらプログラミングスキルを習得できます。
しかし、門戸は広くはありません。開発に関わることができない場合もあるでしょう。延々とシステムのバグを確かめたり、チェック作業を行ったりする場合もあります。
やりたいことが明確に決まっている場合は、プログラミングスクールに通う方が確実性は高いといえるでしょう。
とはいえ、人によってはよい選択肢となる場合もあります。未経験者を受け入れることがあるタイプの企業について、少し触れておきましょう。
3つの企業タイプがあり、「受託企業」「SES(システムエンジニアリングサービス)」「自社開発企業」が考えられます。そしてもうひとつ、フリーランスという選択肢もあるでしょう。

受託企業

受託企業とはクライアントからのニーズに沿った開発を受注し、制作する企業です。依頼されたシステムの完成品を納めて、初めて収益が生まれます。
受託企業は相手があるので納期に厳しく、開発の進捗が遅れると時間外労働や休日出勤が多くなることも多いです。しかし多種多様な案件に関わることができるので、スキルを磨くのにはよい環境だといえるでしょう。

SES(システムエンジニアリングサービス)

SESとはシステム開発の現場に、エンジニアを派遣する企業のことです。システム開発の現場では、進捗状況や規模によって人材が不足する局面がよくあります。そんな場合にその企業が欲しいエンジニアの数だけ、派遣を送り込むサービスです。
SESの会社で働くことができれば、さまざまな現場にあたるので、自ずと幅広いスキルが身につく可能性があります。また、同じ職場にずっといるわけではないので、人間関係で悩むことがありません。

自社開発企業

自社開発企業とは、独自に作り上げたシステムやサービスをクライアントに提供する企業です。企画から始まり開発、運用までを企業内で行います。上流工程から下流工程までを幅広く経験できるところがメリットといえますです。

フリーランス

独学であれ、ある程度のスキルがあれば、どこにも所属しないフリーランスとしても働きながらスキルアップすることも可能です。エンジニア不足なので、フリーランスにもレベルに応じた案件があります。
クラウドソーシングなどで受注することもでき、実績を着実に積みながらスキルを伸ばすフリーランスのエンジニアもたくさんいるのです。
ただし、フリーランスとして働く前に、できれば一度は企業で勤める経験があったほうがよいかもしれません。仕事の流れの中における自分の位置付けを感じたり、プロジェクト全体を俯瞰したりという経験ができるからです。

まとめ

今後もITテクノロジーの必要性が衰えることはないでしょう。むしろどんどん関連する分野の裾野は広がっていくと考えられます。将来性においては、大変有望な職業であるといえるでしょう。
社会のバックグラウンドで常に動いている、膨大なシステムの流れを陰で支えているのがエンジニアです。現在でも人材不足ですが、これからはより一層エンジニアを求める声が高まるでしょう。
今後のキャリアを模索しているみなさんは、将来性があり収入も高めであるエンジニアを、ご自身の活躍の場として検討してみてはいかがでしょうか。

Talisman編集部

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