エンジニア3通りの働き方!社員・派遣・フリーランス、外資系も解説

年を追うごとに需要が高まる現代的な職業の中で、代表的なものがエンジニアです。慢性的な人材不足であり、年収は一般職よりも高くなる人気職業でもあります。
未来のエンジニアを育てるプログラミングスクールもどんどん開設され、エンジニア志望者も増えているものの、需要に供給が追いついていないのが現状です。
そんなエンジニアにもいろいろな働き方があります。大別すると「社員」「派遣」「フリーランス」です。この記事ではエンジニアの3種類の働き方を解説し、外資系の「社員」事情やそれぞれの働き方の中でスキルアップする方法などもご紹介します。

社員エンジニアとしての働き方

エンジニアの働き方の筆頭に挙げるべきは、社員として企業に勤める方法です。確実な月給とボーナスもあり、もっとも安定した働き方といえるでしょう。
社員エンジニアという形には、組織で働くからこそのよい面と、組織にしかない悪い面があることも否めません。また、中にはブラックな企業も未だに存在します。企業の見極めは大切です。

安定を求めるなら最適な働き方

人との関わりが増えて人脈ができることで、将来の個人的な仕事につながる可能性があります。また、テクノロジーの最新情報に触れるやすくなるでしょう。
また、作業で難しさを感じた場合は、同僚や先輩、上司に相談をすることでクリアして、ノウハウを蓄積することでスキルアップにもつながります。
そして何より、安定した収入が得られることは大きい魅力です。また、住宅ローン等で金融機関の融資を受けたいときには、派遣やフリーランスよりも審査に通りやすいのは間違いありません。
社会保険の手続きや個人で行うのは面倒な税務処理も会社が行ってくれるうえ、福利厚生が受けられることもメリットです。

ストレスに要注意

組織なので人間関係での悩みが生まれやすい環境です。上司や先輩とウマが合わなくて苦労する場合もあるでしょう。ストレスが溜まらないように気をつける必要があります。
また、企業によっては教育環境がない場合もあり、スキルアップがしにくいことも考えられるでしょう。いつも同じ作業の繰り返しばかりで転職を決意するケースもあります。
また、リモートワークやフレックスタイムを導入していない企業なら、定時出勤で縛られるうえ、時間外労働もあるでしょう。場合によるとブラックな環境で心身を消耗するケースもありえます。

派遣エンジニアとしての働き方

次に派遣という形のエンジニアの働き方に目を向けてみましょう。
人材派遣会社に登録を行って、自分が働きたい時間や期間などの希望を伝えておけば、比較的快適な働き方ができます。
2015年9月に労働者派遣法派遣労働者法が改正され、派遣エンジニアとしての働き方にも大きな改革がなされました。それまでは派遣として一箇所に長年勤めることが可能であったのに対し、特定派遣の場合を除いて上限が3年となっなっているのです。たのです。
しかしただし、特定派遣の場合は期間なしで雇用され、3年間の縛りもありません。同じ派遣先でも長年働くことができるので、収入も安定するでしょう。2020年4月にさらに改正されて、状況が変わりました。この改正のポイント自体は「同一労働同一賃金」で、同一企業における正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差の解消が主目的です。
派遣エンジニアにとってのメリットは、派遣元企業の雇用形態が無期雇用の場合、期間や業務の制限がなくなることが挙げられます。
ほかにも、派遣元企業には派遣先での教育訓練や待遇の確保、福利厚生利用などに配慮義務が課せられるので、より働きやすくなることが想定されるでしょう。

様々な現場を経験できる

派遣エンジニアはほかの派遣職に比べて、報酬が高めだといわれています。高いスキルが求められる派遣の案件ほど高くなり、スキルレベルが同じくらいの社員エンジニアよりも高給が得られる場合が多いようです。
派遣エンジニアとしての仕事は、多くの違う現場で働くことができます。さまざまなプロジェクトに参加して経験と知識とスキルを磨けるので、キャリアアップにつながるでしょう。
また、法改正によって派遣社員が正社員として雇用される場面が、今後増えていきそうです。現場から求められて社員になれば、収入も期待できるでしょう。

安定性に不安はある

派遣の場合、収入は一定ではありません。仕事があった分しかもらえないのです。安定した収入を重視するのであれば、月給制の特定派遣になる道もあります。
また、住宅ローンなどの審査で、派遣であれば通らない場合もあるでしょう。高額の融資は、安定した収入が条件になるのでやむを得ません。

フリーランスエンジニアとしての働き方

最後に、フリーランスとしてのエンジニアの働き方があります。企業に所属せずに個人事業主として、自分で仕事を見つけて稼ぐ道です。
不安定ではありますが、エンジニアは人材不足の影響で他の職種よりも需要が高いので、フリーランスでも取引先を見つけることはさほど難しくありません。

自由度を求めるなら最上級

フリーランスには社員や派遣のように定時勤務がありませんので、自分で作業時間を決められます。上から指図されることもなく、全部自己の裁量と責任においてできるのです。
また、通勤も必要がないので、時間にも場所にも縛られない分、サラリーマンや派遣社員が感じるようなストレスはありません。組織内の人間関係に悩むこともなく、自由度は最高に感じられる働き方です。

すべて自己責任の重さ

仕事において、納期の管理やクオリティの維持、新規の営業などをすべて自分がこなすので、気を抜くと仕事が減る結果を招きます。
また、社員であれば会社がやってくれる社会保険や税務上の手続きを、すべて自分でやらなければならないのです。病気や怪我をすると収入に響くので、健康面にはとりわけ注意しなければいけません。

外資系企業の社員エンジニアの働き方

前述の「社員エンジニア」のひとつの形にはなりますが、「外資系企業」での社員エンジニアは少し事情が変わるので、別項目としました。

報酬に対する考え方

外資系企業が日本企業と根本的に異なる部分は、雇用や報酬に対する考え方でしょう。日本企業は社員の給料は「生活給」という考え方が根強いのですが、外資系企業では給料は「成果に対しての報酬」であり、元の発想が違うのです。
年功序列もなく、目覚ましい成果を出せば若くして日本企業の役員並みの報酬を受けることもできます。
日本企業でも成果主義の導入は浸透してきていますが、まだまだ年功序列の名残をぬぐいきれない企業がたくさんあります。役職に就かない限り、給与が大幅には上がらないのが現状です。

前例や古い慣習にこだわらない

また、日本のIT業界でしばしば嘆かれることは、重要なクライアントが老舗企業であるため、最新技術があっても活用することができないことです。相手に合わせて、周回遅れの技術を使い続けなくてはなりません。
外資系企業は合理的な経営判断により、ためらうことなく最新技術を導入していく傾向があります。グローバル企業はほんのわずかな逡巡やトレンドの読み違いが致命傷となり、競合に出し抜かれるとも現実に起こるのです。
前例や古い慣習にとらわれる日本企業と違い、外資系企業はエンジニアにとって常に最新技術やトレンドに触れられる場となるでしょう。

裁量権が与えられる

日本企業では、上司の判断をいちいち仰ぎながら仕事を進める必要があります。新人に大きな裁量を与えたり、大きな仕事を任せたりすることはほとんどありません。
外資系企業の場合、パフォーマンス次第で新人でも大きな裁量が与えられることもめずらしくありません。
目標達成が大事であり、そこに至るまでのプロセスや資金の使い方は個人に裁量権を与える外資系企業が多いのです。
外資系企業のように一人ひとりが大きな裁量を持って仕事に臨めば、キャリアアップにつながりやすいでしょう。

日本企業と異なる評価制度

日本企業では評価基準があやふやな場合もよく見受けられます。基準が明確でないと、「よく頑張っている」「勤労意欲が感じられない」などの、よくも悪くも「印象」によって評価が左右されることが起こりえるのです。
外資系企業の評価制度はシンプルで、「数字」「結果」によって評価が決まります。頑張っている姿をアピールしても、結果が出なければ意味をなしません。むしろ、「頑張っているのに結果が出ない」というマイナスのレッテルが貼られます。

ハードワークの意識の違い

また、外資系企業のビジネスパーソンは、成果を得るためには自主的なハードワークもいとわないタフな面があります。
日本企業のように上からの号令でしぶしぶ休日出勤をしたり、時間内に終わらなかったから仕方なしに残業したりするのとは根本的に違うのです。
エンジニアの場合はプロジェクトに納期が厳然と決まっているため、期限内に目指すべき水準に達するために、長時間労働もやむを得ないところがあるのです。
また、グローバル企業であれば、海外支社および海外のクライアントと仕事を進めることになります。時差があるので、深夜も早朝も関係なく仕事を進めていかなければなりません。
成果を得るためには自発的にハードワークに取り組むという感覚を理解しないと、外資系企業の働き方に驚くことになります。

技術やトレンドの変化は速い

外資系企業では、絶え間ないITテクノロジーの変化が業務にダイレクトに反映します。新しい技術に常にキャッチアップし、実務に活かす能力が求められるのです。
また、ともすれば、既存のエンジニアに新技術を習得させるより、必要なスキルをすでに持っているエンジニアを雇う方が合理的であると判断されます。つまり、雇用が危ぶまれることさえ起こりえるのです。
もちろん、最先端技術に対応できるエンジニアや、トレンドを反映して迅速に対応できる能力のあるエンジニアは高く評価される傾向があります

自分らしい働き方を考えるポイント

安定性だけを考えれば、そこそこ規模が大きい企業の社員エンジニアとして働くのが一番でしょう。ただし、場合によってはハードな労働環境の中で酷使され、心身ともに疲れ切ることも少なくありません。
また、女性エンジニアにとっては結婚や出産、育児、介護などの家庭との両立が難しくなる場合もあるでしょう。
ここでは、エンジニアにとって自分らしい働き方を実現するための要点について触れておきます。

収入の安定

エンジニアが自分らしい働き方を実現するために、絶対に欠かせないのは収入の安定です。
フリーランスであれば自由度は高くても、収入に関しては不安定要素があります。フリーランスの道を選ぶのであれば、収入が安定するような体制あるいは対策を整えた上で選ぶべきでしょう。

時間の拘束

時間に縛られないという点も、エンジニアが自分らしい働き方を目指す上でのポイントです。就業時間が固定されて、時には残業が必要な職場で働くと、プライベートの時間が犠牲になります。
ワークライフバランスを充実させるためにも、フレックスタイムなどで時間の融通が効く働き方が好ましいでしょう。

リモートワーク

リモートワークが可能かどうかは、エンジニアにとって自分に合った働き方を実現するためのポイントとして挙げるべきでしょう。
2020年前半の新型コロナウイルス感染拡大の影響もあって、リモートワークを導入する企業も格段に増えてきています。社員としての安定性も求めるけれど、育児や介護をしながら働きたいエンジニアには不可欠の働き方です。

副業

副業が可能であれば総収入も増えるうえに、副業を通してエンジニアとしてのスキルアップにもつながります。エンジニアが自分らしい働き方を実現するための、ひとつの選択肢といえるでしょう。
働き方改革の流れで、副業を解禁する企業も増えてきています。社員として働く場合であっても、会社的に副業が可能かどうかを確かめておいた方がよいでしょう。

エンジニアがそれぞれの働き方の中でスキルアップする方法

最後にそれぞれの働き方のなかで、エンジニアとしてのスキルアップができる方法についてご紹介します。

最新の情報にキャッチアップ! 英語力を鍛えよう

エンジニアとしてスキルアップするために、まず欠かせないことは、常に最新の情報に触れて、それにキャッチアップするということです。
エンジニアに関する最新の情報は、当然ながら日本語よりも英語のほうが多くなります。英語力を磨いて、海外から発信されるトレンド情報を理解できるようにしておきましょう。
英語が苦手な人ならできるだけスキマ時間を使ってでも英語を学ぶことが、必ずプラスになります。

セミナーへの参加

退勤後やオフの時間を使ってセミナーに参加するのも、エンジニアとしてスキルアップをする方法としては有効です。
独力で学ぶだけでは、得られるものに限界があります。高名なエンジニアが開いているセミナーなどに積極的に参加し、最新情報や最新技術を学ぶことも大切です。

エンジニア仲間のネットワークを築く

仲間のエンジニア同士でネットワークを築いて情報をシェアし合う環境は、エンジニアとしての成長に役立つと考えられます。
エンジニア仲間が増えれば、自ずと多種多様な情報に触れられるようになるでしょう。仲間としてだけではなく、ライバルとしても切磋琢磨できるような、皆がお互いにモチベーションを高め合えるネットワークを築きたいものです。

まとめ

エンジニアの「社員」「派遣」「フリーランス」という3通りの働き方を解説し、外資系企業のエンジニア事情も織り交ぜながら、自分らしい働き方やその中でスキルアップができる方法などもご紹介しました。
エンジニアの仕事が多様化する中で、働きやすさや収入、将来の目標などのさまざまな要素をそれぞれ大切にしていただきたいものです。この記事が現役エンジニアやエンジニアを目指すみなさんにとって、自分らしい働き方を考えるうえでの参考になれば幸いです。

Talisman編集部

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