「エンジニアになりたいけど学校に通う時間もお金もない」。
そんな方も多いのではないでしょうか。
IT革命が進むにつれてエンジニアの需要は増加傾向にあり、それに伴ってエンジニアを目指す人も増えています。
今回は独学でエンジニアになるための、プログラミング言語や学習方法を解説します。
目次
なりたいエンジニア像を明確にする
「エンジニアになりたい!」と思っている人は、まず目指すエンジニア像を明確にする必要があります。エンジニアと言っても働く環境によって必要なスキルが異なるからです。
目標がはっきりしていないとエンジニアの勉強をしても途中で挫折することになりかねません。エンジニアにはどのような種類があり、どんな仕事をするのかご紹介します。
アプリケーション設計・システム開発
アプリケーションの設計やITシステムの開発・運用を行うエンジニアはWebエンジニアと呼ばれます。
Webエンジニアには、フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアという役割があります。フロントエンドはブラウザ側の処理・運用を担当し、バックエンドはサーバ処理に伴う実装業務を行います。セキュリティ対策など高いスキルが必要とされるポジションです。
近年、FacebookやTwitter、インターネットバンキングやオンラインチケットなど、Web系のサービス提供の枠が広がっており、BtoC・BtoB問わず需要が拡大しています。
AIやロボット開発
エンジニアは機械学習(Machine Learning)やディープラーニングなど、人工知能やロボットの開発・実装の領域でも活躍します。ビックデータと呼ばれる膨大な量の情報をコンピューターに解析させて、評価と調整を繰返し問題の解決を図ります。
最近では、AIロボットが家電製品にも組み込まれるようになり、今後さらに人工知能を取り扱えるエンジニアの需要が高まりそうです。
機器や家電製品
機器や家電製品を取り扱うエンジニアは組み込み系エンジニアと呼ばれます。製品に組み込まれた「マイコン」と呼ばれるコンピューターを開発します。
炊飯器や洗濯機の中にもマイコンが搭載されており、「指令が入ったらモータを○○回作動させる」などのプログラミングが組み込まれています。
マイコンのプログラミングの設計・実装を手掛けるのもエンジニアの仕事です。
ITインフラの設計と構築
エンジニアはITインフラの設計や構築・運用も行ないます。この分野にエンジニアはネットワークエンジニアとサーバーエンジニアに分けられます。
ネットワークエンジニアはネットインフラを整えるための通信機器の設置などを行ないます。社内ネットワークの構築や通信機器のトラブル対応を担当します。
サーバーエンジニアはサーバーの選定や運用を行います。セキュリティ対策を充実させて、安定性の高いシステムを実装するのが仕事です。
エンジニアが学ぶべきプログラミングスキル
エンジニアになりたいのであればプログラミング言語の習得は必須です。大切なのはどの言語を学ぶかということです。
エンジニアによって必要な言語は異なるので、自分の目指すエンジニア像に適う学習を行いましょう。
アプリケーション設計・システム開発のエンジニアに必要なプログラミング言語
Go(golang)
Goとは、Googleが開発したプログラミング言語の一つです。WindowsやAndroid、iOSなどに対応しており、Webサーバー・アプリケーションで多く利用されています。
Goを使用することでシンプルで効率的なソフトウェアを構築できるのが特徴です。CやJavaと言語構造が似ているため、プログラミングに馴染みのなる人なら比較的短期間で習得できるでしょう。
また、シンプルな言語構造になっているのでこれから新しくプログラミングを習得したいと思っている人にもおすすめです。
Ruby on Rails
Ruby on RailsはRubyのフレームワークで、Webサイトやマッチサイト、オンラインゲームの開発などに使用されています。システム開発が効率的に進むよう、スクリプト言語が採用されており、プログラミング初心者でも比較的簡単に実装することができます。
ベンチャー企業や自社サービスを展開している企業で使用されていることが多く、アプリケーション開発に従事するエンジニアを目指すのであれば、習得しておきたい言語です。
HTML(フロントエンド用)
アプリケーション設計などを手掛けるフロントエンド・エンジニアを目指すならHTML(Hyper Text Markup Language)は欠かせないでしょう。
HTMLはマークアップ言語と呼ばれ、Webサービスを行うための基本的な言語です。「マークアップ」という言葉の通り、文章にコードを付けることで文に意味を持たせて運用できます。
CSSやJavascriptもHTMLが基本となっているため、Webエンジニアにとってはプログラミングの入門編とも言えます。
PHP(バックエンド用)
PHPはHTMLに組み込んで使える言語です。プログラミングの中では難易度が低いスクリプト言語の一つで、記述方が英語に近いのでエンジニア初心者にも馴染みやすい言語となっています。
国内でPHPを取り扱えるエンジニアは10万人を超えると言われており、このプログラミングに関連した求人数も多くなっています。PHPを習得するなら独学でもエンジニアの道が開けるかもしれません。
AI・ロボット開発を目指すエンジニア
Python
Pythonには、AIや機械学習に使用できるライブラリがたくさん搭載されています。
機械学習にはビックデータなどの膨大な量の数値を処理する必要があり、PandasやNumpyなど高速にデータを処理できるアルゴリズムが欠かせません。
Pythonはこれらのソフトウェアとの相性が良く、統計解析系のアプリを作る際にも利用されています。
R
Rは統計解析言語と呼ばれることもあり、データ分析に特化したプログラミング言語です。
統計解析を専門に行うのであれば、PythonよりもRの方がライブラリや関数が充実しており、コマンドもたくさん搭載されています。
データサイエンティストなど統計解析の道に進みたいと思う人はR言語を習得するといいでしょう。
機器や家電製品を取り扱うエンジニア
C++
機器や家電製品の現場ではC言語が主に使用されており、互換性の高いC++の使用率も高くなっています。
最近では、自動車の自動運転やモバイルアプリの開発にC++が使用されることが多く、エンジニアとして活躍の幅を広げておきたい人には有効です。
また、C++を習得しておくとJavaやC#など他の言語を学習しやすいというメリットもあります。
Java
JavaはITエンジニアの中でも特に人気の高いプログラミング言語です。
家電製品やHDDレコーダーなど組み込み系だけでなく、Web開発やアプリケーション制作などでもこの言語が使用されています。
日本でも人気が高いため、日本語の参考サイトや書籍も充実しており、独学で習得することも可能です。
また、多種多様な領域で使用されている言語なので、組み込み系エンジニアを目指していたものの、Webエンジニアなどに方向転換することもできます。
ITインフラに必要な言語
Bash(シェルスクリプト)
BashはUnixOSで運用されるでプログラミング言語の一つで、サーバー管理やOSコマンドの自動実行に使用されます。
インフラエンジニアはUnixOSが搭載されているサーバーを取り扱うことが多いため、Bashのスキルを磨いておくといいでしょう。
BAT
BATはバッチファイル作成用の言語でWindowsに標準搭載されています。このプログラミング言語を使うことでWindows上のシステム管理や処理プロセスをスピーディに行えます。
例えば、複数のプログラミング言語で作られたプログラムをWindowsのサーバ上に設置して、BATプログラムを使って実行手順をプログラミングすることができます。
国内のパソコンシェアの大半をWindowsが占めていることを考えると、インフラエンジニアによってBATのスキルアップは重要です。
AWS(Amazon Web Services)
ITインフラの仕事をするのであれば、プログラミングだけでなく、クラウド技術にも精通している必要があります。
AWS(Amazon Web Services)とは、アマゾンが提供するクラウドコンピューティングサービスのことです。
AWSを使ってクラウドコンピューティングサービスにアクセスすれば、従来のようにサーバー機器の購入や設置をしなくても、すぐにサーバーなどのリソースを利用できるようになります。
国内でも、物理的にサーバーを設置するオンプレミスからクラウドコンピューティングへの移行している企業もあります。インフラエンジニアを目指すのであれば、マスターしておきたいスキルの一つです。
エンジニアになるための勉強法
独学でエンジニアになるための勉強法をご紹介します。基本的には3つの方法があります。
・書籍で学習
・学習サイトを利用する
・勉強会に参加する
書籍で学習
本屋では、エンジニアになるためのプログラミング言語の習得法や解説書がたくさん販売されています。
どれを購入すればいいか悩むかもしれませんが、重要なのは自分の目的にマッチした参考書を購入することです。
初めから複数のテーマに手を出してしまうと挫折して、何も身につかない…ということになりかねません。
学習したい内容を明確にしてから書店に行きましょう。これだ!と思うものを見つけたら何度も読み返して一つのテーマをマスターできるように学習してみましょう。
学習サイト
学習サイトを使えば、時間や場所を選ばずにプログラミング言語やシステム運用のスキルを学習できます。
オンライン学習の普及に伴って、プログラミング学習サイトも充実してきました。これらのサイトでは、プログラミングの基本を理解したり、実際にプログラムを打ち込むこともできます。
学習内容や難易度はサイトによって異なるため、良く調べてから始めるようにしましょう。
人気の高いHTMLやJavaの基本をオンラインで学習して、応用は参考書を見て習得するという方法も有効です。
勉強会に参加
独学で学習していると壁にぶつかるものです。そんな時は現役のエンジニアが教えてくれる勉強会に足を運ぶのもいいでしょう。
サイト内や書籍では理解できない部分を直接教えてもらうことができます。実際のエンジニアと接することでモチベーションアップも高まります。
勉強会の内容や費用はそれぞれ異なるので、自分が必要としているものを教えてくれるセミナーをしっかりと選びましょう。
独学でエンジニアになる方法まとめ
今回は独学でエンジニアになる方法について解説しました。結論を言うと、独学でもエンジニアになることは可能です。
エンジニアになるためには、どの領域のエンジニアになるのかを決めましょう。そして、そのエンジニアになるために必要なプログラミング言語を学習することです。まとめると以下のようになります。
Webエンジニアに必要なプログラミング言語
・HTML
・PHP
機械学習エンジニア
・Python
・R
組み込み系エンジニア
・C++
・Java
インフラエンジニア
・Bash
・BAT
エンジニアは専門性の高い職業ですが、努力を続ければ独学でも夢を叶えることができます。自分に合った学習プランの設計から始めてみてはいかがでしょうか。
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