アマゾンジャパンでエンジニア採用を手掛けるテックリクルーターにインタビュー

Amazon

外資系企業の人事担当者に直接インタビューを行い、外資系転職についての正しい転職情報をお届けする35ishの連載企画。

今回は、アマゾンジャパン合同会社のコーポレート部門でテックリクルーターを勤める佐藤さんにアマゾンジャパンの採用、特に技術系採用についてお話を伺った。

2020年、コロナ禍での採用動向について

ーー最初に、アマゾンジャパンの技術系採用について教えていただけますか
アマゾンジャパンでは、様々な技術系のポジションを多くの事業部で募集しており、採用方法も多岐にわたります。
弊社のコーポレートサイトでの募集はもちろん、転職エージェント様を利用して、応募していただくこともしている他、弊社のリクルーターが直接応募者にアプローチするヘッドハンティングも行っています。ただ、候補者によっては、リクルーターがお声がけしてから早くても半年後に応募いただける方もいれば、1年後に応募いただいている方もいます

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ほかにも、弊社が主催する「Tech Talk」というイベントなどを通じて我々の働き方を理解していただいてから、興味を持った方に応募していただくこともあります。
Tech Talkは、四半期に一度開催しているイベントであり、エンジニアや機械学習リサーチャー等の様々な社員をスピーカーとして、弊社の開発や働き方、採用基準について紹介する機会を設けています。
現在はコロナの影響もありオンラインで開催をしていますが、どなたでもお気軽にご参加いただけるイベントとなっています。※1

候補者様がご応募頂く経由とは関係なく、弊社の採用フローは基本的に書類選考と1次・最終面接で成り立っております。
書類選考から始まり、1次面接を経て、最終面接に進んでいただくようなプロセスになります。面接時では、ポジションに特化した技術チェックと我々の会社の社内軸である「Our Leadership Principles」※1をもとに評価させていただきます。「Our Leadership Principles」とは14項目からなるアマゾンの信条のことです。

※1「Our Leadership Principles」についてはアマゾンジャパン合同会社公式サイトを確認

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画像提供=アマゾンジャパン合同会社

ーーコロナ禍において、貴社の採用に何か影響はありましたか
コロナ禍の影響を受ける前までは、国内の応募者に関しては、最終面接には我々の目黒オフィスに来社頂き対面で面接を行っていましたが、現在では、1次面接から最終面接まですべてオンライン面接で採用まで行っています。
採用プロセスをオンライン化した以外には、ポジションや採用人数などは特に変化はありません。
唯一、これまで海外採用に注力を入れていた事業部も国内採用を推進するような姿勢が強くなったことが挙げられると思います。

コロナ禍による影響という点では、社員の働き方にも大きな変化がありました。2021年6月末までは、リモートで仕事をすることが可能な社員については、在宅勤務が推奨されており、これに伴い、入社までのサポートもすべてオンラインで行っています。

Amazonのエンジニアはこう働く ~スキルアップできる土壌が用意~

ーー入社後のスキルアップ、昇格の機会について教えてください
ご入社後、エンジニアとしてのスキルアップができるような機会はたくさんあります。

例えば、現在は海外出張などが制限されていますが、オンライン中継やビデオ会議を活用して、新しいテクノロジーについての勉強会や他部署のエンジニアとの知見共有などを行ったり、国内エンジニアのコミュニティや、他の事業部が行っているプロジェクトについての知見を深める機会などが多くあります。

各チーム内では「stand up meeting」という自身のプロジェクト進捗をチーム内で共有し、チームメンバーからアドバイスをもらい、問題解決につなげられるようなミーティングを毎週実施しています。
また、プログラムの品質向上の取組みも盛んに行われており、コードレビュー実施によってまず自分が書いたプログラムをチームメンバーに見てもらい、バグの検知やアドバイスなどをもらいます。

それらの機会を設けることで、チームの絆が深まるのと共に、自身のスキルアップ向上やシステムトラブルを未然に防げるというメリットがあります。

昇格に関しても、「Our Leadership Principles」をもとに成果に関して評価を行って決めています。
昇格、昇給の基準となることはもちろん、採用基準としても重要な指標であり、ポジションや事業部に関係なく全ての社員が大切にしています。

採用担当者は候補者のここを見ている! 英語力はどのくらい必要?

ーー採用についてですが、書類選考の段階で何を重要視されていますか
最も重視しているのは、自身のキャリアで何をやり遂げたかということです。たとえば、チームプロジェクトをどのぐらいの期間でやり遂げたのか、自身学んだ技術をどのように活かしたかなどが挙げられます。

ーー志望者のエンジニアスキル以外で重要視されていることはなんでしょうか
3つあります。1つ目に経営指針となる「Our Leadership Principles」を理解しているか、大事にしているか。2つ目はコミュニケーションスキル。そして、3つ目は自身がエンジニアとして入社後に何を成し遂げたいのか、どのようなイノベーションを起こしたいのかというビジョンです。

エンジニア職であっても弊社では1人で完結できるプロジェクトはほとんどありません。また、海外の部署とのやり取りが発生しますので、コミュニケーションスキルは重要です。

ーー御社ではどのぐらいの英語力があった方がいいという指標はありますか
事業部によって異なる部分があります。英語のみのエンジニアを採用する場合もあれば、事業部によっては日本語と英語両方ともを必須にしている場合もあります。

ただし、弊社ではどうしても海外部署とのやり取りが発生します。そのため、英語を使う頻度は高いのですが、必ずしも英語が流暢である必要はありません。

例えば、英会話に自信がなくても、メールでコミュニケーションを適切に取れるのであれば問題がない部署も存在しているので、ご応募頂いた時の英文レジュメをもとにこちらから別のポジションを提案させていただくこともあります。
入社後に社内で実施されている英会話のトレーニングを利用してスキルアップをすることも可能ですので、英語力に自信がない方でも、英語力を改善したい意志があれば考慮したいと考えています。

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画像提供=アマゾンジャパン合同会社

未経験でも採用OK?アマゾンのポテンシャル採用とは?

ーー未経験者のエンジニア採用は行っているのでしょうか
原則として経験者採用をメインに行っています。
スキルが不足しているけれども入社してから必要なサポートを経て、スキル不足を補うことができると判断した場合は、ポテンシャル採用を行う場合もあります。

過去に採用した方で、前職が医療系のバックグラウンドの候補者がいらっしゃいました。
彼自身、元々エンジニアとしての社会経験はなかったのですが、コンピューターサイエンスやプログラミングを独学で学び、弊社の価値観に非常に当てはまっていたため採用になりました。

そういったケースもあるため、エンジニア職だからといって必ずしもエンジニアの経験が必要というわけではありません。

ーーデータサイエンティストや機械学習エンジニアの採用で論文などをみることはありますか
はい、ぜひ論文の記載はしていただきたいと考えています。
たとえば、自然言語処理と言う専門的なスキルをもっている方は博士号を取得するまで勉強している方も多いかと思います。

博士号をお持ちの方から「企業で働いた経験がないため、Amazonの採用に応募することは難しいでしょうか?」とご質問をいただくことも多いのですが、必ずしもそうではありません。
むしろ、本人のやる気や伸びしろ、そして先程も申し上げましたように、会社の価値観にうまくフィットするのかを特に重視しています。

アマゾンジャパンが注目する人物像、求める能力とは

ーー御社で今後特に力を入れたい領域などはありますか
データサイエンスの領域や機械学習、この2つに力を入れたいと考えています。
現在、機械学習を利用した自動化プロジェクトも増えていますので、最先端技術を活用してAmazonのデータから社内やお客様に対してどういった改善やイノベーションを起こせるのかという需要が今後は増えていくと考えています。

また、当然のことながら、お客様のためにならないプロセスは可能な限り自動化していきたいと考えています。

入社後に何をしたいのか。自分の意志を示すことが一番大切

ーー最後に、英語などの「語学力」、プログラミングなどの「スキル」の2つの点で不安を抱えているエンジニア志望者様に対してアドバイスをいただけますか
1点目の「語学力」に関しては、海外部署とのやり取りが発生する可能性があるということで、必ずしも英語が流暢でないと働けないということではないです。
実際に弊社の場合はエンジニアの70%以上は英語が第2言語の方ですが、各自英語のトレーニングを受講するなど、やる気がある人は入社後でも英語力を伸ばしています。

2点目の「スキル」については、数値化できないところはあるため難しいのですが、弊社では新しいソフトウェアシステムを自社開発していることもあり、コンピューターサイエンスの基礎知識があるかどうか、そして、チームメンバーとのコミュニケーションスキルを重視しております。
大学で学ぶような基礎知識があるかで、新しいサービスを想像したり開発する力量が変わってきます。なぜなら、この基礎知識がしっかり身についていないと新しいサービス開発で躓きやすいため、やはり面接時でも大学で学ぶ基礎的な事項を確認いたします。
また働く上ではチームメンバーとのコミュニケーションがスムーズにできるかは、どの職場であったとしても非常に重要なポイントです。
弊社も同様で、面接官からのヒントやフィードバックをきちんと理解し、考慮できるのかという点を重視しています。

ただし、「語学力」や「スキル」は採用条件の1つにしかすぎません。
一番大切なことは、入社後にお客様のために何ができるのか、何を成し遂げたいのかというビジョンを持っている事ではないでしょうか。

ー取材協力ーpfofile
佐藤寿里
ニューヨーク大学で理学士学位を取得後、2017年に海外大卒の枠としてアマゾンジャパン合同会社に新卒入社し、人事部に配属。
専攻分野を活かし、2018年からテクノロジー採用部門で、エンジニアやデータサイエンティスト等の採用活動を行う


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