30代のキャリアプランがないと悩むあなたへ。未来をデザインする2つのステップ

今から考えよう!キャリアプランの考え方について解説【30代編】

「このままでいいのかな…」
30代を迎え、ふと立ち止まってそう考えることはありませんか? 

20代のがむしゃらな時期を終え、30代になると、「今後、どんな仕事をすればよいのか」「どんなキャリアを築きたいのか」など、自分の将来について、具体的に考えるようになります。また、周りが順調にキャリアを築いているように見えて、「自分にはキャリアプランがない」と焦りや不安を感じている方もいるかもしれません。
でも、安心してください。キャリアプランが見つからないのは、決してあなただけではありません。多くの人が、漠然とした将来への不安を抱えています。重要なのは、「今、プランがないこと」ではなく、「どうすれば見つけられるか」を知り、最初の一歩を踏み出すことです。
この記事では、30代の方に向けて、具体的で実践的なキャリアプランの設計方法を、豊富な具体例とともに徹底解説します。「やりたいことが見つからない」という方も、最初の一歩が必ず見つかるはずです。

キャリアプランが「ない」「思いつかない」のは、あなただけじゃない

「立派なキャリアプランを立てなければ」と焦るほど、何も思いつかなくなるのは自然なことです。重要なのは、いきなり完璧なゴールを描こうとしないこと。まずは、自分自身を見つめることから始めましょう。
もしあなたが「やりたいことが特にない」と感じているなら、以下の小さなアクションから試してみてください。

  • 過去を振り返り「楽しかった仕事」を3つ書き出す:
    どんな業務内容でしたか?誰と、どんな状況でしたか?そこにあなたの「好き」のヒントが隠されています。
  • 信頼できる人に「私の強みって何?」と聞いてみる:
    自分では当たり前だと思っていることが、他人から見れば素晴らしい才能であることはよくあります。
  • 「嫌なことリスト」を作る:
    「やりたいこと」がわからなくても、「やりたくないこと」は明確なはず。それを避けるだけでも、キャリアの方向性は見えてきます。

30代がキャリアプランに悩む理由

30代のビジネスパーソンには、キャリアプランに悩む特別な理由があります。詳しく解説します。

職場内での立場が変化するから

20代のときは、ただひたすらに上から指示された業務をこなしていたのに、30代に入り責任あるポジションを任されるようになった、という人も多いのではないでしょうか。今のポジションに満足しているなら問題ありませんが、自分のやりたい仕事と大きく違う場合、キャリアプランの構築が必要です。例えば、以下のような場合があります。

  • 現場で働きたいと思っているのにマネジメント業務を任されている
  • 希望する年収に達していない(達する見込みがない)
  • 自分のスキルを活かせていないと感じている
  • 仕事の内容に価値を見出せない

30代になって、何らかの理由で今の仕事にやりがいを感じることができない人は、キャリアプランを考えて、自分の将来設計を行いましょう。

ライフスタイルが変化するから

30代では、結婚や出産、マイホームの購入など、ライフスタイルが変化することがあります。そうなると自分や家族のために、長期的な視野で物事を考えるようになります。今の会社が10年・20年後も存在しているかと考えたとき、不安になる人もいます。また、会社自体の安定性には問題がなくても、40代・50代になったときに自分の人生を後悔しないだろうか、という不安があるかもしれません。

ライフスタイルの変化に伴って、キャリアプランを考えるのは重要なことです。30代でどのようなキャリアプランを考えるかによって、その後の人生は大きく変わります。

夢を現実させることができる年齢だから

20代のときは、仕事のノウハウが全く分からず、自分の夢を追う余裕もないという人も多いですよね。しかし、30代になると、ある程度の仕事のノウハウが身につき、自分の夢を追う余裕が出てきます。

30代であれば、転職市場でもまだまだ需要があります。夢を追いかけて失敗したとしても、30代半ばであれば、やり直しができる年齢でもあります。夢を実現できる年齢は長くは続きません。あなたの年齢が30代で、夢の実現を追いかけているのであれば、今すぐキャリアプランを考えることをおすすめします。

そもそも「キャリアプラン」とは?キャリアパスとの違い

キャリアについて考える際、「キャリアプラン」と似た言葉に「キャリアパス」があります。これらは混同されがちですが、意味合いが異なります。計画を立てる前に、言葉の定義を明確にしておきましょう。

キャリアプラン (Career Plan)
仕事だけでなく、プライベートも含めた人生全体の計画のこと。個人の価値観や理想の生き方を軸に、「どのような人生を送りたいか」という視点で、主体的に設計するものです。「地図」そのものに例えられます。

キャリアパス (Career Path)
主に一つの企業内での、昇進や異動の道筋を指します。特定の役職(例:部長)に就くために、どのような職務経験を積んでいくかという、いわば企業から提示される「標準的なルート」です。地図の中の「推奨ルート」と言えるでしょう。

キャリアプラン キャリアパス
主体 個人 企業(が提示することが多い)
範囲 仕事+プライベートを含めた人生 主に企業内での職務経歴
視点 個人の価値観・生き方(主観的) 企業内での昇進・異動(客観的)
例えるなら 人生の地図 地図上の推奨ルート

なぜ今、30代にキャリアプランが必要なのか?

20代はポテンシャルで評価されることも多かったですが、30代は「専門性」と「実績」が明確に問われるステージです。キャリアプランを立てずに何となく過ごしてしまうと、気づいた時には「自分には何の強みもない」と立ち尽くすことになりかねません。

  1. ビジネスパーソンとしての土台が固まる時期
    30代で築いたスキルや経験が、40代以降のキャリアを大きく左右します。
  2. マネジメントへの移行期
    プレイヤーとしての活躍に加え、リーダーやマネージャーとしての役割を期待され始めます。
  3. ライフイベントとの両立
    結婚、出産、育児、介護など、プライベートの変化と仕事をどう両立させるか、計画的な設計が不可欠です。

明確なキャリアプランを持つことで、日々の業務に目的意識が生まれ、迷った時の「道しるべ」となり、あなたを力強く導いてくれるでしょう。

未来の地図を描こう!キャリアプランを立てる2つのステップ

キャリアプランは、目的地を決め、そこにたどり着くための「地図」を描く作業に似ています。この2ステップを踏むことで、漠然とした不安が具体的な計画に変わっていきます。
キャリアプランを立てることには、将来の夢を想像するだけでなく、目標を達成するためのアクションを起こす過程を含んでいます。将来像と今の自分を比較して、何を学習すべきか、どんなスキルを身につけるべきか、転職が必要かなどを見極めて、具体的な行動プランを確立することで、なりたい自分に近づくことができるでしょう。

【STEP1】まずは現状把握から!キャリアの「棚卸し」と自己分析

いきなり「目標を立てよう」と言われても、すぐには思いつかないものです。まずは焦らず、自分の現在地を正確に把握することから始めましょう。

  1. これまでのキャリアを「棚卸し」する
    これまでどんな仕事をして、どんなスキルを身につけ、どんな実績を上げてきたのかを客観的に書き出してみましょう。転職を考えていなくても、一度、職務経歴書を作成してみるのが最も効果的です。
    • 業務内容: 担当したプロジェクト、役割、業務範囲など
    • 実績: 売上への貢献、コスト削減率、業務効率化など、できるだけ具体的な数値で示しましょう。
    • 得たスキル: 語学力、プログラミング、マネジメントスキル、専門知識など

    この作業を通じて、自分の強みや弱み、そしてアピールできる点が明確になります。

  2. 「Will-Can-Must」で思考を整理する
    キャリアの棚卸しができたら、有名なフレームワーク「Will-Can-Must」を使って、自分の思考を整理します。
    • Will(やりたいこと): どんな仕事に情熱を感じるか?将来どうなりたいか?(例:人の役に立ちたい、新しいサービスを創りたい)
    • Can(できること・得意なこと): これまでの経験で培ったスキルや強みは何か?(例:データ分析が得意、プレゼンテーションが得意)
    • Must(すべきこと・求められること): 会社や社会から期待されている役割は何か?(例:チームの目標達成、後輩の育成)

    これら3つの円が重なる部分こそ、あなたが最も輝けるキャリアの中心です。もし「Will」がすぐに見つからなくても、まずは「Can」と「Must」を確実にこなすことで、新たな「Will」が見えてくることもあります。

【STEP2】未来を描く!キャリアプランの具体的な立て方

自己分析で現在地がわかったら、いよいよ未来のプランを立てていきます。

  1. 理想のゴールを設定する(5年後、10年後)
    プライベートも含め「どんな自分になっていたいか」を具体的にイメージします。
    • (例)「Webマーケティングの専門家として、社内で第一人者になる」「年収1,000万円を達成する」「育児と両立しながら、管理職として活躍する」
  2. ゴールと現状のギャップを洗い出す
    理想の姿と現在の自分とを比較し、何が足りないのか(スキル、経験、知識、役職など)をリストアップします。
  3. ギャップを埋めるための行動計画(ToDo)に落とし込む
    リストアップした課題を解決するための具体的なアクションを考え、いつまでに何をするか計画します。
    • (例)「マーケティングの資格を1年以内に取得する」「マネジメント研修に参加する」「毎月1冊はビジネス書を読む」
  4. 定期的に見直しと修正を行う
    キャリアプランは一度立てたら終わりではありません。状況の変化に合わせて、半年に一度、一年に一度は見直し、柔軟に軌道修正していくことが成功の鍵です。

ケース別・30代のキャリアプラン具体例

ここでは、よりイメージを深めるために、4つのケース別にキャリアプランの例をご紹介します。

ケース1:今の会社で管理職を目指すAさん(32歳・営業)

  • ゴール:5年後、営業課長になる。
  • 現状とのギャップ: マネジメント経験不足、チーム全体を俯瞰する視点。
  • 行動計画:
    • リーダーシップに関する本を月2冊読む。
    • 現課長に積極的に相談し、マネジメント視点を学ぶ。
    • 後輩の指導役を自ら買って出て、OJTで育成スキルを磨く。
    • チーム全体の売上目標達成に貢献する。
ケース2:専門性を極めるスペシャリストを目指すBさん(35歳・エンジニア)

  • ゴール:AI分野のトップエンジニアとして、業界で認知される存在になる。
  • 現状とのギャップ: 最新技術への知識、社外での実績。
  • 行動計画:
    • オンライン講座でAIに関する最新技術を学ぶ(リスキリング)。
    • 社外の勉強会やカンファレンスに積極的に参加し、人脈を広げる。
    • 個人でアプリを開発し、GitHubで公開する。
    • 技術ブログで情報発信を始める。

【30代女性向け】ライフイベントを見据えたキャリアプランの考え方

30代の女性の場合、結婚・出産などのライフイベントとキャリアの両立に悩む方は非常に多いです。重要なのは、キャリアを「中断」ではなく「変化」と捉え、しなやかに計画することです。

  • ゴール例:育児と仕事を両立し、時間的制約があってもチームに不可欠な存在であり続ける。
  • 現状とのギャップ: 時間管理能力、キャリアが停滞する不安、ロールモデルの不在。
  • 行動計画:
    • 産休・育休前に:業務のマニュアル化や後任への引き継ぎを完璧に行い、職場での信頼を確固たるものにする。上司と復帰後のキャリアについて具体的に話し合っておく。
    • オンライン講座などを活用し、在宅で習得可能なスキル(Webデザイン、ライティング、マーケティング知識など)を学び、市場価値の維持・向上に努める。
    • 時短勤務制度などを最大限活用し、限られた時間で成果を出すための業務効率化を徹底する。社内外のワーキングマザーのコミュニティに参加し、情報交換を行う。

キャリアプランを立てるメリット

この章では、キャリアプランを立てるメリットについて解説します。

仕事のモチベーションを高く維持できる

勤務年数が長くなると仕事の内容がマンネリ化してしまい、モチベーションを維持しにくく感じる場合がありますよね。しかし、キャリアプランを考えると、仕事で「今」なにをすべきか、「なぜ」そうすべきかが明確になります。それにより、モチベーションが上がり、作業効率のアップなどが期待できます。

自分の進むべき道が定まる

会社または上司から与えられる仕事を淡々とこなすだけでは、「これからも、今のような働き方で良いのか」「自分の将来像をイメージできない」などと悩むかもしれません。
キャリアプランを考えると、自分の進むべき道が明確になります。そして、目指す目標から逆算して今すべきことを考えれば、働き方も変わってきます。例えば、将来、高いポジションへの転職を視野に入れたキャリアプランを考えている場合、仕事の隙間の時間を使って資格取得の勉強をしたり、マネジメント業務の学習をするようにもなるでしょう。
このように同じ学習をするにしても「会社から言われているから仕方なく…」と考える人と、「自分の将来のためだから」と目的意識がはっきりしている人では学習効果は大きく異なります。

会社からの評価が上がる

キャリアプランを考えると、「自分の成長のために、今できることは何でも挑戦したい」「すべては自分にとってのチャンス」という意識を持つことができます。新しいプロジェクトに立候補したり、上司や経営陣と接触的にコミュニケーションを取って、吸収できるものは吸収し、自分の成長につなげたい態度は、上司や経営陣に良いイメージを与えます。
結果として、会社からさらに大きな役職やポジションを与えられ、想像していなかった別のキャリアが開けるかもしれません。

30代のキャリアの選択肢を広げるアクション

キャリアプランを実現するためには、様々な選択肢があります。一つの道に固執せず、視野を広く持ちましょう。

  • 現職でのキャリアアップ:
    部署異動を希望したり、新規プロジェクトに立候補したりすることで、新たなスキルや経験を得られます。
  • 転職によるキャリアチェンジ:
    自分の市場価値を試し、年収アップや未経験分野への挑戦を実現する大きなチャンスです。
  • 副業を始める:
    本業では得られないスキルを身につけ、収入の柱を増やすことができます。将来の独立に向けた準備にもなります。
  • 独立・起業:
    自分の裁量で仕事を進めたい、大きな夢を実現したい場合の選択肢です。
  • 大学院や専門学校での学び直し(リスキリング):
    専門性を高め、キャリアの可能性を大きく広げます。

悩んだら一人で抱え込まない!プロに相談しよう

キャリアプランは、一人で考えると視野が狭くなりがちです。行き詰まったら、外部の視点を取り入れることが非常に重要です。

  • 信頼できる上司や先輩:
    あなたの仕事ぶりを理解しており、社内でのキャリアパスについて具体的なアドバイスをくれるでしょう。
  • キャリアアドバイザー(転職エージェント):
    転職市場のプロとして、あなたの市場価値を客観的に評価し、様々なキャリアの選択肢を提示してくれます。転職を具体的に考えていなくても、情報収集のために面談してみる価値は十分にあります。
  • キャリアコーチング:
    あなたの内面と向き合い、本当にやりたいことを見つける手助けをしてくれる専門家です。

転職という選択肢とリスク

キャリアプランを考えるときに、転職は重要な選択肢になりますが、忘れてはいけないのが転職のリスクです。すべての転職が成功するわけではありません。キャリアアップのために転職したものの、新しい職場に馴染めず、役職も年収もダウンしたという事例もあります。キャリアプランのために転職を視野に入れる場合、なぜ転職したいのか、自分には転職する準備が整っているかなどを自問自答することが大切です。ただ単に「今の職場が嫌だから」という理由で転職することには、大きなリスクがあります。「隣の芝は青い」の状態になってしまい、結局転職しても同じことの繰り返しになる可能性があります。
転職先の企業が求めるのは即戦力です。例え転職できたとしても「この人は企業の発展に貢献できる可能性が低い」と判断されれば、その転職はキャリアプランにおいてプラスになりません。

まとめ:30代はキャリアの黄金期。今こそ未来への一歩を

30代は、キャリアにおける不安や焦りが生まれやすい時期であると同時に、経験と若さを兼ね備えた、キャリアを大きく飛躍させるチャンスの時期でもあります。

今回ご紹介したステップに沿って、まずはご自身のキャリアの棚卸しから始めてみてください。明確なプランを描くことで、日々の仕事へのモチベーションが向上し、自信を持って未来へ進むことができるはずです。あなたの30代が、実り多い素晴らしいものになることを心から応援しています。

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