Fintech(フィンテック)と従来の金融機関におけるITとは、実は全く異なるサービスであることを理解している人は案外少ないのではないでしょうか?
FinanceとTechnologyという言葉から大差ないように思われがちな両者ですが、実際担っている役割には大きな違いが存在します。
Fintech(フィンテック)領域への転職を希望しているのであれば、従来のITと金融業界との違いについて、まずはよく理解することが大切です。
この記事では、Fintech業界の転職を希望する方に向け、求人を探す前にまずは押さえてほしい事項についてまとめました。
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目次
Fintechと従来の金融ITとの違いについて理解する
金融機関においてのITは、金融制度の確立や金融サービスをサポートするための解決策なのに対し、Fintech(フィンテック)はテクノロジーを用いて既存の金融サービスに対する不満や課題を解決した結果、誕生したサービスであると定義することができます。
金融事業は法規制が厳しく、テクノロジーを駆使したとしても金融機関以外の企業が現行の金融事業に参画しようとすると法の壁が大きく立ちはだかりますが、Fintech(フィンテック)はあらゆる非金融機関企業にとって大きなビジネスチャンスとなります。
モバイル端末でのオンライン決済というフィンテックの金融サービスを一般的なものにしたPaypalは、VISAが作ったサービスではないことからも、金融機関のITとFintech(フィンテック)は別の領域であることが理解できるでしょう。
例えば、タクシーにとって代わったUber、レンタルビデオ店を激減させたNetflix、民泊を身近なものにしたAirBnBが既存のサービスに対しイノベーションを起こし、新たな地位を確立させたように、また仮想通過のような新たな金融サービスの出現により、金融業界にイノベーションをもたらしたものがFintech(フィンテック)と言えます。
Fintech業界に転職する前に知っておくべき代表的なサービスを知る
Fintech(フィンテック)業界が扱う事業の中には、金融庁の許認可が必要とされる事業以外にも、特に認可を受けなくても済む物品の個人間売買や融資の支援、個人財務管理(PFM:Personal Financial Management)といった事業も多く存在します。そのため数多くのスタートアップ企業が勃興しており、今後はさらにこの業界が盛り上がりを見せると予測されています。
以下では、Fintech(フィンテック)業界が扱う主な8つの事業領域についてご紹介します。
融資サービス
金融機関を通さず、お金を借りたい人と貸したい人を結びつける画期的なサービスです。『ソーシャルレンディング』と『クラウドファンディング』の2つがあります。
主な企業:OnDeck、Funding Circle、Indiegogo、LendingClub、Kabbage、Prosper
決済サービス
オンライン決済サービスは、手数料無料でECや店舗の支払いが可能です。
主な企業:Square、PayPal、Flint、Stripe
送金サービス
銀行での振り込みは手数料がかかるが、モバイルアプリで無料送金が可能になります。また、手続きが面倒な海外への送金も、仮想通貨を利用することで無料で送金することが可能になります。
主な企業:Venmo、Snapcash、apple pay、LINE pay、Kyash
投資サービス
AIが得意とする情報整理やデータ分析の能力を活用し、株式や投資信託などの資金運用に関するアドバイスが登場しています。こうした投資信託の活用により投資に幅が広がるようになってきました。
主な企業:ADDEPAR、KENSHC 、Kickstarter
資産管理サービス
数あるFintechのサービスの中でも、私達の暮しの中に普及しているのがPFMと呼ばれる個人資産管理です。言葉にすると堅苦しい感じがしますが、提供されるサービスは家計簿アプリです。スマートフォンでレシートを撮影すると自動的に金額や項目などが入力され、金融機関と連動して資産状況を把握できるようにするサービスなどを展開しています。
主な企業:CreditKarma、Playmoolah、THEO、マネーツリー
業務支援サービス
金融機関と連動して、経理業務の自動化しバックオフィス業務の効率化をサポートしてくれるサービスです。定型的な処理であれば一度設定するだけで間違えることなく処理が完了するため、会計業務の飛躍的な効率化を図れます。
主な企業:xero、zenpayroll、マネーフォワード
仮想通貨
近年注目を集めている、ビットコインに代表される仮想通貨。ブロックチェーン技術を活用し世界共通で利用可能という特長があります。三井UFJのMUFGコイン、長崎ハウステンボスのテンボスコインと言った新通貨が登場し、独自の仮想通貨を発行する企業も増えています。まだまだ、開拓途中であるこの領域は、まさに大きなビジネスチャンスを迎えており、これから参画してくる企業も益々増えると予想されます。その一方で、中国、韓国、アメリカでは、仮想通貨に反対する動きも出ており、今後の動向に注目が集まっています。
主な企業:bitFlyer 、coincheck(レジュプレス)
Fintech業界は金融知識のある人材を求めている
まずテクノロジーを扱うので、当然ITに関する知見やスキルがあることは前提となります。しかしながら、単なるエンジニアとしてのスキルがあるからと言うだけでは、この業界で活躍するには難しいでしょう。
Fintech(フィンテック)は、ITやデータを駆使して、金融業界自体とさらにはその利用者に対して革新的なサービスを発信することが醍醐味の業界です。
これまでの金融システムでは手が届かなかったもの、思ってもいなかったような便利な金融サービスを世に届けることが業界共通の事業目的ともいえます。
ですから、金融業界に対する知見を持つ人材は非常に重宝されます。これまで決済・融資、投資等何かしら自分が関わった経験がないか、ぜひこれまでのプロジェクトの棚卸しも一緒にしてみてください。
Fintech(フィンテック)業界が求める人材像については以下の記事で詳しく解説しています。
https://talisman-corporation.com/media/2018/10/15/%e3%83%95%e3%82%a3%e3%83%b3%e3%83%86%e3%83%83%e3%82%af%e4%bc%81%e6%a5%ad%e3%81%8c%e6%b1%82%e3%82%81%e3%82%8b%e4%ba%ba%e6%9d%90%e3%81%a8%e3%81%af/
マネージャー以上で活躍をしたい方は、金融機関プロジェクトへの関与経験や英語力が大切になってきます。以下の記事をご覧ください。
https://talisman-corporation.com/media/2018/07/06/%e3%83%95%e3%82%a3%e3%83%b3%e3%83%86%e3%83%83%e3%82%af%e4%bc%81%e6%a5%ad%e3%81%a7%e4%b8%ad%e9%96%93%e7%ae%a1%e7%90%86%e8%81%b7%e3%81%a8%e3%81%97%e3%81%a6%e3%81%ae%e6%8e%a1%e7%94%a8%e3%82%92%e6%8e%b4/
Fintechが金融機関への仕事を無くす?
Fintech(フィンテック)サービスがここまで社会に浸透し始めているなら、金融機関は不要になるのも近いんじゃないのか?ここまで読み進めてきた方の中には、そう思った方もいることでしょう。
Banking is necessary – banks are not 〜銀行の機能は必要だが、銀行は必要か?〜
1994年マイクロソフトの創始者ビルゲイツが発したこの言葉が、Fintech(フィンテック)の登場によって、実際に一部では改めて問われることにもなってきているのです。
一方、多くの金融機関でも、Artificial Intelligence (AI) / IoT / 機械学習(Machine Leaning)等の導入に先駆け動いており、業務効率化をはじめ、他社との差別化、従来なかった新しいサービスのイニシアティブに向けて、非金融業界からの中途採用を高めているところも近年増加しております。ですので、業界自体がなくなるというより、より新しい形態へ金融機関も同時に進化を遂げていると考える方が適切でしょう。採用もそれに伴い、これまでにはなかったチャンスも広がりを見せてきています。
Fintech・金融機関への転職相談ならタリスマンへ
いかがでしたでしょうか。Fintech(フィンテック)業界の全体像や求める人物像は、金融業界とも密接に関わりがあります。
タリスマンでは、Fintech(フィンテック)はもちろん、従来の金融IT領域である、銀行、証券会社、投資信託・運用会社、保険についても案件を多数取り揃えており、専門的な知識のあるコンサルタントがご相談に乗っています。
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